魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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二話目です


第2話

 あれから俺と禍津日は何度も生まれ変わった。

 

 一つ目の世界は竜が世界を滅ぼす世界だった。そこで俺は戦い方を覚えた。

 二つ目の世界は神が人を喰らう世界だった。そこで俺は生き延びるすべを得た。

 三つ目の世界は幻想が集まる世界だった。そこで俺は能力を得て、禍津日は本来の力の一部を取り戻した。

 

 

 その後俺たちは転生ではなく、年を若返らせ世界を渡った。

 この世界で俺たちを引き取ってくれた家族たちには感謝している。

 この世界で俺たちはいとこであり、俺の家族は全員俺を除いて事故に合い死んでしまった。

 だから俺は禍津日の家族に引き取られた。

 

 海鳴市という場所に禍津日の家族は住んでいる。

 俺も引き取られて禍津日の家に住み始めたが今日から俺は聖祥大付属中学校に転校することになっている。

 俺と禍津日は朝食を食べ、二人そろって学校へ向かていった。

 

 「また一緒に暮らせるな、幸」

 「そうだな、禍津日。そういえば学校生活は大丈夫なのか? 以前は子供ができることを血からできるって言っていたが」

 

 以前の世界のことだが禍津日は神代の頃の常識しか知らず、このようなことを言って周りを困らせていた。

 

 「なっ。もう大丈夫だ! 仕方なかったんだ。私は安産などは専門ではないんだから」

 

 禍津日は恥ずかしいのかそっぽを向いて、すねだした。

 

 「すまなかった。禍津日。こっちを向いてくれ」

 

 俺が謝るとすぐにこちらへ顔を向けて、

 

 「冗談だ。さあ、急がないと先生たちとの挨拶の時間に間に合わない」

 

 俺は腕時計を見て、時間が少し危ないのを確認すると禍津日に背を向けかがむ。

 

 「さあ、乗ってくれ。急ぐから」

 

 禍津日は能力は強力だが、今の体はあくまで人間。

 ほとんどの力は使えず、俺と比べてはるかに弱いのだ。もちろんそれは体力も含まれる。

 だから俺は急ぐために彼女を背負い走り出すのだ。

 

 「この速度なら間に合うか」

 「十分間に合うだろうな」

 

 そう言っていると学校の校門が見えてきた。

 

 「うむ。このまま職員室へ行くぞ」

 

 彼女に案内されながら俺は職員室の前まで行き彼女を下す。

 

 「では、またあとでだな」

 「わかった。先生とのあいさつが終わったらそちらへ行くよ」

 

 俺たちはそこで別れて目的の教室へ入っていく。

 

 

 

 

 

 「それでは転校生の紹介だ。入ってくれ、八雲君」

 

 先生の声に応じて俺は教室の扉を開け、中に入り教壇の前まで行く。

 

 「初めまして、八雲幸です。

 これからよろしくお願いします」

 

 俺の挨拶が終わると拍手がされる。

 

 「それじゃ、席は親戚の八十(やそ) 禍津日の隣だ。

 八十も親戚の子なんだから手伝ってやってくれ」

 

 俺は指定された席を座るために歩くと突然足を引っ掛けようと足を出された。

 俺はそれが簡単にわかったので足を高く上げて避け、何事もなかったように席に座る。

 

 「おかえり」

 「ん、ただいま」

 

 俺と禍津日は隣り合った席で言葉を交わす。

 

 「えーそれじゃ、学級委員。号令」

 

 こうして久方ぶりの学校生活を俺は送り始めた。

 

 

 

 

 

 「おい、お前」

 

 昼休みに俺は禍津日と一緒に食事をしようと準備していたが先ほど俺の脚を引っ掛けようとした男が話しかけてきた。

 

 「なんでしょうか?」

 「俺のなのはたちに話しかけんなよ」

 

 いきなり何を言っているんだろうかこの男は?

 なのはとは高町さんのことだろうが

 

 「なのはたちとは?」

 「なのはにフェイトとはやて、すずかにアリサだよ」

 

 なるほど、彼女たちか。

 

 「それと禍津日もだ」

 

 何を言ってるんだこいつは

 

 「あいつらは俺の彼女だからな」

 

 その言葉を聞き一瞬かつての神々に対する怒りに似た感情がこみ上げる。

 

 「それはあり得ないですね」 

 「なんだと!?」

 「高町さんたちがどう思っているかは別として俺と禍津日は結婚する約束をしているからな」

 

 周りにいる生徒が俺たちの話を盗み聞いて騒いでいるが俺にとっても禍津日にとってもこれといって関係ないし、こいつみたいな余計な虫が近寄らなくなるだろう。

 

 「ふざけんな! そんなわけが」

 「ふざけているのはお前だろう?」

 

 激昂し、俺に掴みかかろうとした瞬間に禍津日の声が響く。

 

 「私は何度も言っているがお前になど一切の興味を持っていない。私にとってお前など路肩の石に変わりない」

 

 禍津日の話した内容が信じられないのか固まったこの男を無視し、俺たちは屋上へ向かう。

 

 「災難だな。禍津日」

 「ああ。本当にしつこいんだ。何とかできないか」

 「さすがにあれほど言えばわかるのでは?」

 「それが分からないからああいう風に他者を脅しているんだよ」

 

 禍津日の話す内容を聞く限り、俺以外の男子にも似たようなことをしているようだ。

 

 「ところであいつの名前って?」

 「さあ? なんだったかな」

 

 そうして俺たちは昼食を終えた。

 俺たちが教室へ戻ると先ほどの男がこちらを睨んでいた。

 

 「あれは?」

 「さあ、逆恨みでは?」

 

 こうして俺たちの学校生活初日は終わった。

 あの男、えーと、なんだっけ。あ、そうそう須佐 亘だったけ。

 そいつに恨まれるというアクシデントがあったが別に問題ないだろう。

 明日からの久方ぶりの学校だ。

 半人半獣の寺子屋の手伝いをしていた身としては明日の授業などは楽しみだ。

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