魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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まだ本格的な学校生活ではなく周りの人間の説明のようなものです。


第4話

 今日学校へ登校したら、昨日の主将が呼びかけてきた。

 

 「おはよう。えーと、幸君だったね」

 「おはようございます。確かに俺が幸ですが」

 

 俺に用が合って話しかけたのだろうが何の用だ?

 

 「実は君にお願いがあってね。と、その前に自己紹介をしよう。

 剣道部主将 三年の竹見和地(たけみかずち)だ。神話に出てくる神様じゃないからね」

 「俺は二年に一昨日転入した八雲幸です」

 

 それぞれが自己紹介している中、俺は疑問に思ったことを聞く。

 

 「お願いとは?」

 「ああ、君がよければなんだけど剣道部に入ってくれないか?

 君が入ればほかの部員にもいい影響を与えられるし、目標ができる」

 「申し訳がありません。俺の剣は」

 「剣道ではない。かい? それは見ればわかるさ」

 

 驚いた。そのことをわかる眼力とわかっていても誘うその胆力には。

 後ろでも禍津日が感心している。

 

 「ならばなぜ、俺を?」

 「簡単さ。君が僕よりはるかに強いということは昨日の動きを見ればわかる。

 僕は実家が剣術家でね。だからこそ僕より強い君に行ってしまえば惚れ込んでこうしてお願いしに来たんだよ。

 頼む。剣道部に入ってくれないか」

 

 そういって彼は俺に対して頭を下げた。

 こういう人間はなかなかいない。自分のプライドを折ってまで下の者に頭を下げれる人間は。

 こういった人間の頼みなら頼まれるのもいいが、禍津日を護衛しなければならないから断るしかないか。

 

 「別に問題はないぞ、幸。私に関してお前は過保護すぎる。高々部活の時間ぐらい私は身を守ることぐらいできる」

 

 禍津日が悩んでいる俺の背を押すようにその案に賛成した。

 

 「いいのか?」

 「良いから言っているのだ」

 

 せっかく禍津日が俺にやれと言っているんだ。ありがたくやらせてもらおう。

 

 「わかりました。ぜひ、剣道部に入れてください」

 「本当かい!? 今日か明日に詳しい説明を君の担任の福和先生が話してくれるからぜひ来てくれ!」

 

 そういうと竹見は上機嫌に走り出していった。

 

 

 朝の竹見で剣道のことについては終わりかと思ったがどうやらほかの子たちが騒いで、俺に何度もその話を聞きに来た。あまりにも多いやじ馬たちに疲れていたら、バニングスがほかの生徒をとりなしてくれた。

 

 「すまない。助かったよバニングス」

 

 俺はバニングスに感謝を告げ、次の授業の準備をする。

 この学校の授業は進んでいて、なかなか独特な授業であるため受けているこちらも楽しい。そのため、今の学校生活の中で一番の楽しみとしている。

 

 「別にいいわ。そういえばアンタ、昨日問題ないって言ったのは剣道が強かったからなのね」

 「まあ、確かに剣に関してはそこらとは一線を画していると思うよ」

 「まあ、あんだけすごいことやったんだからね。確かにアンタは強いでしょう」

 「にゃはは、アリサちゃんずれているよ。幸君、昨日剣道の試合を見ていたけど防具はつけなきゃ危ないよ?」

 

 昨日の心配する声は彼女だったのか。

 

 「心配してくれてありがとう、高町。けど、俺は逆に防具をつけるより外したほうが動きやすくて安全なんだ」

 

 彼女はそれでも納得していなかったが俺の態度から何を言っても無駄と判断したバニングスが高町を止める。

 

 「そこまでにしておきなさい、なのは。人には人のやり方があるんだから」

 「でも、アリサちゃん。そんな危ない事」

 「なのは、いい? 今の剣道ならまだしも昔は木刀でけいこしていたのよ。昔と違って大怪我しないんだから、自業自得と思っていればいいのよ」

 

 彼女たちが騒ぎ出したがすぐに予冷がなり、授業が始まった。

 

 

 授業が終わった後、俺たちは須佐に絡まれる前に帰ろうとしたときに福和先生に呼び止められた。

 

 「すまん、八雲。これから剣道場へ行ってくれないか? 剣道部の説明をしたいから」

 

 こうして俺と禍津日は分かれて行動した。

 

 

 

 「それでは失礼いたします」

 

 俺は先生の説明を受け帰宅についた。

 俺は禍津日の待っている家に急いで帰る。走りながらも今日のことを思い出し明日からの剣道に少しわくわくしている。

 

 「ただいま」

 「おかえり、幸君」

 

 俺の挨拶を返した男性は俺たちを引き取ってくれた人で八十金月(やそかなづき)という人だ。

 もともと独り身でさびしかったから俺たちを引き取ろうとしたのだが俺は彼のいとこのところに引き取られた。俺の養父たちが死んだときに俺たちを引き取ってくれた俺が感謝している人だ。

 

 「珍しいですね。普段は隊舎で今の時間も仕事をしているのに」

 「まあね、けど今日は比較的早く帰れたんだよ」

 

 この人は自衛隊の隊員だ。キャリア組であり、今はすでに二等陸尉であり破格の速さで出世した人だ。普段は頼りないと思われがちだが俺はこの人ほどこの国を愛していて頼りになる人を知らない。

 

 「お疲れ様です」

 

 禍津日ですらこの国に対する愛を認め、彼女を想う気持ちにこたえるため自分の正体を明かしたくらいだ。また俺の正体もすでに話している。それを知りながら一切対応を変えないこの人は尊敬に値する人物として禍津日も俺も尊敬している。

 

 「早く座れ。せっかくの料理が冷える。家族そろって食べる料理が一番美味しいんだ」

 「おっと、禍津日が呼んでいる。急いで座らないとたたられちゃうね」

 

 おどけた様子で彼はリビングに向かう。

 平和に対する思いを俺は忘れてしまったが、それを持ちながらも国のために働く彼に賞賛と憧れを感じる。

 

 「「「いただきます」」」

 

 こうして三日ぶりになるが家族そろって俺たちは食事をした。

 こういった風景は今までの世界ではほとんどなかった。幻想の世界で少しだけできた程度だからな。

 俺はこの光景を心に焼き付けながら久方ぶりの家族の団らんを楽しんだ。 

 

 

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