魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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今回は練習風景です。
気づいたんですがすずかが登場しない……。


第6話

 体育の時間、また須佐がこちらに因縁を吹っかけてきた。

 

 「おい、勝負しろ」

 

 もうこいつは無視していいか。そう判断し俺は準備運動を進める。

 今日は運動会の練習でそれぞれがでる競技に合わせて練習するように教員から指示されている。

 

 「聞いてんのか!?」

 「黙ってろ」

 

 普段と違い低く腹の底から出した声に須佐は一瞬体をこわばらせたがすぐに威勢を取り戻して俺に対してけんかをふっかけ続ける。

 

 「はっ、怖いのか? まあ、仕方がないよな。俺と比べられたら怖くなるのは仕方がないだろうしな」

 「禍津日、最初はひもで結んだ足から出すとしよう」

 

 準備体操を終え、やってきた禍津日と結んだ足を二人同時に前に出す。一歩一歩着実に加速して須佐を置いていく。

 

 「あっこら! 俺の話はまだ終わっていないぞ!」

 「邪魔よ! あんた」

 

 バニングスがそんな須佐を蹴り飛ばしあいたグランドで百メートル競走の準備を始める。彼女は足が速いらしく満員一致でメンバーに選ばれたのだ。その後ろにはテスタロッサも走るために体を動かしている。

 そんななか俺たちはもう一周を迎えたので走り出した場所で止まる。

 

 「凄いわね。まさかこんなに息があっているなんて」

 「本当、すごいね。禍津日も足は速いけど幸も足が速いんだね」

 「ああ、ありがとう。バニングスにテスタロッサ。

 まあ、これくらいなら特に限界っていうほどじゃないからな。こけたり足のリズムが万が一にでもずれないように抑え気味に走ったからな」

 

 実際俺たちが走ったのはそれほど速くはない。一般的に二人三脚ならかなり速い方だが。

 だが、俺の身体能力ならもっと速く走れるし、短時間なら禍津日も俺の動きに合わせることができる。

 そんな中俺たちもバニングスの百メートル走の準備を手伝ってやる。縄をほどいて白い紙テープを禍津日と持ち、広げゴールテープを作る。

 

 「じゃあ、私とフェイトで競争しながら練習しましょう」

 「わかった。負けないよ」

 

 二人が競い合いながら走り出す。フェイトも早いがバニングスはこの年にして理想的なフォームで走ることによりフェイトと比べてロスが少ない。一方のフェイトは速いがどちらかというと元からの身体能力で走っているようだ。そのため動きに無駄が少しみられる。いや、あの動きは人間にはふつう不可能な動きをしようとしているようにしか見えない。違和感を感じながらも俺は練習の手伝いをする。

 

 「負けた。やっぱりフェイトは速いわね」

 

 この競争はフェイトが勝った。バニングスの走りもなかなか速かったがあの速度には追いつけなかったということか。

 

 「バニングス、そろそろ俺たちも練習を再開するからゴールテープはほかの人に頼むか使わないで走ってくれ」

 「わかったわ。練習がんばりなさい」

 

 先ほどまでは高町たちの近くにいた須佐がこちらに来てるため練習を兼ねて移動する。

 

 「禍津日」

 「うむ、分かっている」

 

 まあ、一歩一歩踏み出して走り始める。

 今度は高町のところで止まる。さっきここにいたのだ、しばらくは来ないだろう。

 

 「大丈夫か? 高町」 

 「あ、うん。大丈夫」

 

 そう言っているが顔が真っ青で心配になってくるのだが彼女がこう言っているのだから俺もとやかく言う必要はないだろう。おそらくは須佐のことでこうなっているのだろう。鳥肌も立っているし。

 

 「あ、幸君。少し手伝ってくれない?」

 「いいぞ、禍津日」

 「うむ。道具をとってくる」

 

 彼女が出場するのは全員リレーだ。走りなら手伝う必要がないからバトンを渡す練習をしようと思い禍津日にバトンを取りに行ってもらった。禍津日が来たらすぐに練習を再開しよう。

 

 「ありがとう、幸君」

 「何がだ?」

 「私を心配してきてくれたんでしょう? 須佐君がさっきまで私のところにいたから様子をうかがいに来たんでしょう?」

 

 正直いって驚いた。言っては悪いのだが彼女は他人を想うことはできても他人が考えていることを理解するのは不得意だと思っていたからだ。防具の話の時にそう思っていたんだが。

 

 「あっ、今私が他人のことを考えるのを苦手と思ったでしょう? 昔は苦手だったけど今はそこまでじゃないんだよ」

 

 胸を張り自慢する彼女がおかしくつい笑ってしまう。

 それを見た彼女は私に対して怒りだし、私はそれをなだめなければならなくなった。

 こういった穏やかな生活、本来は味わう必要がないものだった。すでに俺は神に匹敵する力を手に入れている。そのまま神として過ごせばよかったのかもしれない。けれども俺は禍津日に平和な生活を味わせてやりたかった。

 

 「この世界に来てよかったよ、スキマの妖怪よ」

 

 俺たちが生きられる世界を探し出し、転移させてくれた賢者への感謝を口に出しながら俺はいまだ怒っている彼女をなだめてバトンを持ってきた禍津日に心の底から微笑んだ。

 

 




次回は周りの人からの印象です。
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