魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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翠屋編


第8話

 「禍津日ちゃんに幸君」

 「どうした?」

 「何か用か?」

 

 高町に走り方のコツを教えた次の日、高町が俺たちを呼び止めた。

 

 「今日って時間ある?」

 「私はあるが、幸はどうだ」

 「今日は剣道部もないし、問題はないな」

 「なら、今日は翠屋に寄っていかない?」

 「翠屋? 店の名前のようだけど」

 「飲食店だ。幸にとっては少し苦手かもしれんがな」

 

 うっ。甘いものか。昔は好きだったんだが今では苦い料理の方が好きになったし、甘いものを食べると胸焼けし始めるんだよな。

 

 「苦手?」

 「ああ、俺は甘いものが苦手でな。あまり好きではないんだ」

 「とはいえ、コーヒーがあるからそっちを飲んでいたらいいだろう」

 「コーヒーがあるならまだ安心できるがな」

 「えっと、それじゃ」

 「ああ、翠屋には帰りに寄らせてもらうよ」

 

 高町と約束したが今日はほかにもテスタロッサとすずか達も来るらしい。

 

 「では、楽しみにしているぞなのは」

 「ああ、俺も楽しみにさせてもらうよ高町」

 

 

 放課後、いつもとは違い俺と禍津日に五人がそろって翠屋に向かっている。

 

 「なのはのお母さんが翠屋をやっているんだよ」

 「そうなのか、大変だな。なのはは後を継ぐのか?」

 「う~ん、たぶん継がないかな」

 

 五人と話して歩いていると二百メートル先に翠屋と書かれた看板が見えた。

 

 「あれか」

 「え? あ、うん。そうだよ、あれが翠屋だよ」

 

 扉を開けて店内に入るが落ち着いた内装でなかなか繁盛しているようだ。

 

 「いらっしゃいませ。なんだ、なのはたちとフェイトちゃんか」

 「ただいま。美由紀お姉ちゃん」

 

 どうやら、あの人が高町のお姉さんか。しかし、足の動きに武術特有の足さばきが見れる。

 

 「初めまして、八雲幸です」

 「初めまして」

 

 初めて会う俺とあいさつを交わして席に案内される。その間の動きも見ていたがやはり何らかの、おそらく小太刀か何かの短剣を主とした武器を使う武術を習得している。

 

 「美由紀お姉ちゃん。シュークリームを六つ。コーヒーを一つ」

 「わかったわ。じゃあ、皆ゆっくりしていってね」

 

 そう言って、高町の姉はおそらくオーナーであろう男性に注文を伝えに行った。しかし、こういった店には入ったことがないからな。少々楽しみだ。

 

 

 「だからね、あいつが本当にうるさくって」

 「本当だよね、私たちはそんな気はないって言っても聞いてくれないし」

 「確かに。お姉ちゃんにこの頃防犯ブザーを持たされたのってそれが理由だよね」

 

 女三人集まれば姦しいというが、本当だな。先ほどから須佐の話の愚痴しかでない。どれだけ嫌われているのだろうか? よくここまで悪口が出るものだ。

 

 「お待たせしました。はい、シュークリームとコーヒーです」

 「あ、ありがとう、美由紀さん」

 

 それぞれが自身の頼んだ物をとり、いや、シュークリームとコーヒーだけなんだが、食べ始める。

 

 「相変わらずすごい美味しいね」

 「にゃはははは」

 「確かに美味いもんな」

 

 いつも一緒にいる三人は味の感想を言い合い、残りの二人はいまだに愚痴をこぼしている。

 

 「本当にどうにかしてほしいわ」

 「ストーカーで訴えられないかしら」

 

 いや、いくらなんでもそれは。

 

 「幸、どうした?」

 「え、いや、なんでもない」

 

 禍津日にそういって、コーヒーを飲む。酸味と苦みがちょうどよくなかなかおいしい。

 

 「気に入ってもらえたようだね」

 「ええ、店主の方ですか?」

 「そうだよ。なのはの父の高町士郎だよ」

 

 どうやら高町の父親のようだが、見た目はとにかく若い。本当に父親かと疑いたくなるほど若い。それに先ほどの気配を断っていたのは見事としか言いようがなかった。

 

 「どうやらかなりの腕のようだね。その筋肉の発達の仕方から居合かな?」

 「そうですね。居合もしていますが抜刀した状態でもある程度は」

 「ある程度って、あの試合を見ていたけどすごかったよ? 竹刀でした動きは私でも見れなかったもん」

 「ほう、そうなのかい? すずかちゃんがそう言うなんて珍しいな」

 

 ? あの動きは人間には普通見れない程度の速さなのだが。それほど視力がいいのか?

 

 「ふむ。なるほど。この筋肉の発達は……」

 「お父さん。そんなことを言っているよりお店のことをしなくていいの?」

 「あ。しまった! ありがとう、なのは。

 それじゃ、皆ゆっくりしていってくれ」

 

 そういって高町の父親は店の仕事に戻っていた。

 

 「もう! すぐにそういった事に熱中しちゃうんだから。お父さんもお兄ちゃんも」

 「兄もいるのか?」

 「うん。恭也っていうんだけどお兄ちゃんもいるよ」

 

 高町の家はずいぶんと子だくさんのようだ。ふむ、時折こうして遊びに行くのもまたよいのかもしれないな。クラスメイトのことを知れたのもそうだが、このコーヒーはなかなかうまい。これを飲みに通うのもいいかもしれない。

 今度、お土産に何か買って一度幻想の郷へ返り、あそこにいる魔法使いに高町のことを聞いてみるか。高町の中にある活性化している見たこともない魔力の正体を(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)。 




恭也はこの日は忍とデートしていました。
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