魔法少女と穢れを愛する者の学校生活   作:koth3

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中にはこの話が気に入らないという人もいるかもしれません。主人公が幻想郷へ行く話ですのであまり好きではない人は戻るを押した方が良いかと思われます。


第9話

 懐かしい風景だ。深い森の中で風が肌をなでるように流れ、多くの鳥が鳴き続けていく。地上だけでこうなのだ。下も上も合わせればどうなるか。

 

 「貴方は食べてもいい人類かー?」

 「久方ぶりだな、ルーミア」

 「あれ、幸? 久しぶりなのだ」

 

 俺の目の前には異常な暗闇が広がっている。その中から聞こえる声は古い知人の声だ。

 人食いの妖怪であり、宵闇の妖怪。

 

 「何年振りなのだ?」

 「十年ほどだな。確か紅魔館はこちらで会っていたな?」

 「そうなのだ。久方ぶりで自信がないだろうから案内してあげるのだ」

 

 そのままルーミアは闇を払い、ふよふよと浮かびながら俺の前を案内して進んでくれる。その姿は黒い色のワンピースに、金色の髪を赤いリボンのような札で止めている。

 なぜこうして俺が海鳴ではなくここ、幻想の集う郷にいるかというと。

 

 

 

 「じゃあ、行ってくる」

 「ああ、あいつらにはよろしく伝えておいてくれ」

 

 禍津日が俺を送り出し、はや数時間が立った。新幹線に乗って他県に行き、その後ローカル路線を使って山のふもとまで来て山を登ってきた。そんな俺の目の前にはぼろぼろの神社が建っているだけだ。そしてここが目的地だ。

 

 「久しぶりね。約束の期限にはまだ遠いけどどうしたの?」

 「少し相談することができてな。それで通路を通りに来たのだ」

 

 どこからともなく聞こえてくる声に反応して俺は返答するが、どうせわかり切っていたことなのだろう。俺ははっきり言ってこいつが苦手だ。いや、分かり易い俺がいけないのだろうがこいつは、俺がしたいことなどをすぐに理解し、時には協力して時には邪魔をするなどされてきたためだ。よく幽々子はこいつと親友でいられるなとこの声の正体の親友である彼女のことを想う。

 

 「あら、女性と話している時にほかの女のことを考えるのはマナー違反よ?」

 「そんなことを気にしているわけがないだろう。お前が」

 

 くすくすという笑い声が聞こえるだけで結局俺のいった事については返答されなかった。

 げんなりしていると目の前に亀裂が走り広がっていく。

 

 「そこから先に行けば霧の湖の近くよ」

 「感謝しておく」

 

 そのまま俺はその亀裂の中に入る。相変わらず悪趣味な空間だが便利なのは事実だ。

 そこから出たのが森の中だ。

 

 

 

 かつて一度迷ってしまい紅魔館に行ってしまったことがあるがあの時は災難だった。門番もメイドも魔法使いも当主も、そしてあの妹様とやらも全員俺を襲ってきたからな。正直、あそこまでの危機はそうそうないぞ。

 

 「ところで幸の要件は何なのだ?」

 「少しな。みたこともない魔力があって、それについて魔法使いにご教授してもらおうと思ってな」

 「ふ~ん」

 

 興味がなくなったのだろう。ルーミアはそのまま、空を飛び黙り込む。

 しばらく歩いて霧のたつ湖のほとりを越えて真っ赤な建物の前まで案内された。

 

 「ありがとう。ルーミア」

 「これくらいなら別にいいのだ」

 

 後ろに去っていくルーミアを見ながらも気を引き締める。なぜならここはあの紅魔館(・・・・・・)なのだから。

 

 「こ~う!!」

 

 さっそく来た。俺に飛びかかる力加減をどう見ても間違えていて俺を血の海にしようと突進してくる赤い塊を避ける。

 

 「イタイ!」

 

 避けた結果、眠りこけていた門番の頭に直撃して頭を押さえてうずくまっている。その衝撃で門番が吹き飛び門に直撃しているが。

 

 「ひどい!! なんで避けるの!!」

 

 ぷんぷんと頭から湯気が出そうに怒っているこの少女。

 その姿は人ではない。赤い服にスカート。絹のように滑らかな肌にさらさらと流れる金髪をサイドテイルにしてその上から帽子を来ている俺よりもはるかに身長が低い彼女。そして何よりの特徴は鋭くとがった犬歯に、背中から生えている枯れ木のような物に色とりどりのクリスタルがくっついてできている羽だろう。

 

 「フラン。あの速度で突撃されたら人は死ぬ」

 「人じゃないから大丈夫だよ(・・・・・・・・・・・・)

 

 やれやれ、相変わらず変わっていない。あの時私を襲いかかってきたのも単純に楽しそうと言い、実際に私を殺しかけたのだからな。

 

 「パチュリーはいるか?」

 「パチュリー? 図書館にいるはずよ」

 「お二人とも私のことは無視ですか?」

 「「中国だし」」

 

 何かショックを受けたのかうずくまりだした中国こと美鈴にも挨拶をする。

 

 「久しぶりだな」

 「ええ、お久しぶりです」

 

 緑色の帽子と緑色のチャイナ服に近い服。帽子には星形のマークに龍と書かれている。

 フランに激突されてたんこぶができている姿からは想像できないだろうがこれでも彼女は武道の達人でもある。俺と接近戦で戦ってついて来れるのは技量的にはこいつくらいだ。他にもいることはいるが行方が分からんしな。

 

 「私からもお久しぶりです」

 

 突如聞こえた声。そちらへ顔を向けると一人のメイドがいた。銀色の髪と蒼いメイド服に身を包んだ女性だ。

 

 「久しぶりだな、咲夜」

 「ええ、幸様。今日のご要件は?」

 「魔法図書館にいるパチュリーにな」

 

 一瞬咲夜の姿がぶれたかと思うと瞬きもしないうちに俺の()に立っていた。

 

 「ではご案内しましょう」

 

 そう言って咲夜は先に進んでいく。

 

 「じゃあな。美鈴」

 「ええ、帰りにまた会いましょう」

 

 美鈴は門番を務めて、何故かフランは俺たちについてくる。

 

 「フラン? なぜついてくるんだ?」

 「楽しそうだから」

 

 まあ、別に問題はないか。そう判断してパチュリーがいる図書館へ進む。

 

 

 

 「そう、私も少し興味があるわね」

 「パチュリーでもわからないか」

 「私だってすべての魔法を知っているわけではないのよ?」

 

 確かにそうなのだが彼女が知らない魔法の事の方が少ないはずだ。そこまでわかれば十分だ。

 

 「せめてあなたが魔法使いだったらもう少しわかったかもしれないけど、ない物ねだりをしても意味ないわ」

 「まあ、俺が無理をいった事だからな」

 

 そこまで言うと座っていた椅子から立ち上がる。俺の目の前にいるのは紫色の長い髪に紫色のゆったりとした服。それにやっぱり紫色の帽子とそれに月のアクセサリーをつけた少女だ。少女であるが百年近くも魔法の探求をし続けているこの少女、パチュリーの知識は凄まじい。それなのに分からない。これだけで十分なヒントになった。

 

 「では、また期限がたったらな」

 「ええ。また」

 

 そのまま俺は図書館から出て、紅魔館からも出る。頭上には美しい三日月が出ており、その輝きの中に一直線に伸びる亀裂が見える。

 

 「紫め。俺が帰るのを見るのが面倒になったな」

 

 呆れ果てながら、俺は亀裂から外の世界に出ていく。後ろに存在する赤い影に気付かずに。




どうしてもこの話はストーリー上必要だったんです。
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