救い?そんなものありませんよ?
夏が終わり、秋を迎えようとしている。
夕方になり、辺りは日が沈もうとしている。その光景はとても綺麗なものだ。
「綺麗な夕日だね──楽郎」
車椅子に座る彼から返事が返ってくる事はない
あれから意識を取り戻さない、私の最愛の人
「楽郎がこうなったのは……私のせいだ……」
これは……私の罪だ……。
「ああ……またか……。楽郎がこうなってから、ずっとこうだな私」
私に泣く資格なんて無いのに
私の過ちなのに…
なんで……だよ……なんで……涙が出るんだよ……
「ねぇ……楽郎……私、どうすればいいんだよ……」
楽郎を後ろから抱きしめてみたが……何も応えてくれない
今の私の中にあるのは、後悔だけだ……。自分のした事……楽郎の現状に……。
「戻ろうか楽郎」
私は、車椅子に座る楽郎を病室へ運び届けた。
◆◇
「じゃあ……またね」
楽郎との面会時間が終了した。
今日も楽郎は目を覚まさなかった……。
私は家に戻る事にした。
「……」
自宅までの道中は、気が気でなかった。何故なら、いつ病院から電話が来るかわからないからだ…。
もう一度目を覚ますかもしれないという一縷の望みに……。
何度も何度も夢に見た光景が、本当になるのではないかと──上げて落とすような悪夢が終わるのではないかと
この時の僕は──そう思っていた
ピリリッピリリッ
「電話……誰だろう──ッ!?」
「はい、陽務です」
「もしもし、××病院です。陽務楽郎さんの奥様でしょうか……」
「は、はい……そうですが」
電話の主である病院の人の声は、どこか冷めているように感じた。まるでマニュアル通りに発声する機械のように……
「残念ですが……」
「──え?」
私は愕然とした
「──!」
電話の内容は、頭に入ってこなかった。ただ、一刻も早く病院へ──楽郎の元へ行かなければならないという事だけは、理解できた
「いかなきゃ!」
◆◇
急いで病院へ戻ると、看護師に楽郎の病室へと案内された。
ガラッ!
「楽郎!ッ……!」
病室の扉を開けて目に飛び込んだのは、ピーッと鳴り止まない心電図とベッドの上で眠る楽郎の姿だった。
「19時24分……ご臨終です……。」
医師からの言葉に、僕は膝から崩れ落ちた
「楽……郎……」
いやだよ……ねぇ……
「起きてよ……らくろう……」
パリンと何かが壊れる音がした
僕は……目の前が真っ白になり──
◆◇
「京極……。なぁ、京極……」
「……楽……郎?」
僕の目の前には、楽郎が立っている
「え……?なんで……? なんで楽郎が……!?」
だって……楽郎は……これも夢じゃないの……?
「なんでって言われてもな……俺の大切な人が泣いてるから?」
「なんだよそれ……楽郎!」
「ぅおっ!京極……!」
僕は思わず楽郎の胸に飛び込んだ。
夢かもしれない──そんな事はどうでも良いんだ!
だって…目の前にいるじゃないか!
私の愛する人が──楽郎が!
「ごめんね……ごめんね楽郎……」
もう……どこにも行かないで……このまま私とずっと……
「大好きだよ、楽郎」
だから……もう二度と置いてかないで……。
安芸優樹の息抜き兼ねてましたが……やっぱこういう作品書くのは楽しいなぁ……。