シャンフロ短編集   作:三奈木イヴ

4 / 15
ポッキーの日を記念してpixivに投稿した作品です。
クソゲーのタイトルの元ネタは、craft workの『さよならを教えて』です。元ネタは、あくまで鬱ゲーであってクソゲーではありませんので悪しからず。


さよならとありがとう

Side瑠美

 

「ねぇ紅音」

「はい?なんでしょうか瑠美ちゃん」

「今日がなんの日か知ってる?」

「はい!ポッキーの日です!」

「そうだね。じゃあポッキーゲームって知ってる?」

「いえ、初めて聞きました!」

「そうだね…。うん、純粋な紅音に聞いたのは間違いだったわ…。」

「?」

「紅音はお兄ちゃんと恋人同士になったばかりでしょ?」

「はい!楽郎さんとお付き合い出来てとっても嬉しいです!」

「紅音ステイ…それでまだまだ付き合いたての初々しいカップルにはこのゲームをやってもらおうってね。」

「えっと…それがポッキーゲームですか?」

「そう。えーっとねぇ…ちょっと耳貸してもらっていい?」

「はい」

「ポッキーゲームってのはね…」

 

私は紅音にポッキーゲームについて全てを説明した。

 

「ッ!?えっ!?」

 

説明すると、紅音が赤面した。というか耳まで真っ赤だ。

 

「え、え、えと、瑠美ちゃん…これを楽郎さんと!?」

「そう。親友が恋人と幸せになるためにもね。」

「えと、とても…恥ずかしいんですが…」

「大丈夫大丈夫。私含めて誰も見てないから。強いて言えば見てるのはそれをするお兄ちゃんくらいだから」

「そ、そうですか…。」

「そうそう。ちょうどお兄ちゃんも部屋でゲームしてるし、これ持って部屋に突撃しちゃいなって!」

「は、はい…!で、では…行ってきます!」

「いってらっしゃい♪」

 

* * *

 

楽郎side

 

「えぇ…。」

 

今やってたゲームに、俺は困惑を隠せなかった。

今回は『ありがとうを教えて』というラブクロック以来プレイしてこなかったギャルゲーであったが、ネットでは頭がおかしくなるだの救いは無いのかだのボロクソに評価されてて気になったので、実際に購入してプレイしてみたが、始まってすぐバッドエンドに入ったり、リスタートしてみたら主人公のアバターが拘束されて脱出ゲームかしたりとバグからなのかランダムで無茶苦茶なことになっていた。それでもなんとかプレイを続行していたのだがレビューの通り、本当に救いのないエンドであり、このゲームがクソゲー扱いされる理由に納得がいった。

そんなソフトは二度とやらないの棚に飾った。

 

コンコン

 

「ん?はい」

「あの、楽郎さん…」

 

ドアがノックされ尋ねてみると来訪者はついこの間恋人になった紅音であった。

 

「どうしたんだ紅音」

「は、はい…!あ、あの…楽郎…さん」

 

なんか紅音の顔が真っ赤だな。

 

「どうしたんだ紅音?顔が真っ赤だけど…体調でも悪いか?」

「いえ!そんな事はありません…!えと、その…」

 

紅音は何かを言いたそうにもじもじとしている。どうしたんだろう…

 

「楽郎さん!き、今日はポッキーの日ですよね」

「え?まあ、そうだな。」

 

そういやポッキーの日だけど、それがどうしたんだろ

 

「楽郎さん、ポッキーゲームしませんか!?」

「ファッ!?」

 

一応俺も年頃なので、ポッキーゲームくらいは知ってるが…マジで?

 

「駄目、ですか…?」

 

ンッ…紅音にそんな風に言われると弱い…

 

「い、いや…駄目、じゃないけど…」

「その…本当にするの…?」

「は、はい…!」

「そう、か。じゃあ、やろう…か?」

「は、はい…」

 

そう言って紅音は、ポッキーを1本差し出した。

 

「ん…。」

「はむ…」

 

互いに両端を咥え、少しずつ近づく。

 

「ンッ…」

「……」

 

少しずつ…少しずつ、互いの顔が近づいていく。

 

「……!」

「」

 

目が合ってしまい、俺はもはや言葉が出なかった。

 

「……」

「……」

 

あと少しのところで、互いに停止してしまった。

どちらが先にゴールするのか

どちらが先に最後の1歩を踏み出すのか…。

 

チュッ…

 

最後はどちらから進んだのか…そんなことはどうだって良い。

 

俺たちはこんな形ではあるが、お互いに初めての口づけを交わした。

 

「んっ…」

「ん…」

 

* * *

 

「プハ…」

「ハァッ…ハァッ…」

 

どれくらいの時間が経ったのだろうか。

時間にすればほんの数秒だろうか…。

だが俺たちにとっては、その数秒も何時間にも感じられた。

 

「紅音…」

「はい…楽郎さん」

「大好きだ。」

「はい…。私もです…!」

 

お互いを抱きしめ、もう一度唇を重ねた。

二度目のキスは刺激的だった。

 

……三度目のキスは…覚えていなかった。




今日の投稿はここまでです。残りは明日投稿させていただきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。