ps.作者に医療知識はありませんので悪しからず。
しんしんと雪の降り積もる日の夕方
辺り一面の雪が夕陽で赤く染まった頃
バタン。
「楽郎?」
突然、楽郎の部屋から大きな音がしたので、どうしたかと思い、中を覗いてみることにした。
「楽郎!?どうしたの楽郎!!?」
そこで私が目にしたのは、うつ伏せの状態で倒れた自分の伴侶の姿であった。
「と、とにかく!救急車!!」
突然の出来事に気が動転した。だが、あまりにも予想外の出来事に、むしろ頭から冷水をかけられたように、私は冷静になっていた。
「楽郎……息はある……。それから……」
私は、救急車が家に到着するまでの間、安否を確認しつつ、楽郎へ呼びかけていた。
* * *
「先生……今、なんて」
「……検査の結果ですが、あなたの旦那さんは、このまま目を覚まさないかもしれません。原因は恐らく…過去に頭部へ強い衝撃を受けたのが元かと」
病院で医師から言われた一言は、私に一つの出来事を走馬灯のように思い出させた。
……その出来事は、あの日……私が酔った勢いで楽郎を酒瓶で殴ったことだった。
あの時、確かに楽郎は、頭を包帯で覆っていた。
そしてあの時の出来事は、戒めとして、私の中で片時も忘れたことはない。
私は、あの時の事をずっと後悔している。
楽郎は、転けたせいだと言って、見て見ぬふりをしたが、私は、あの出来事から自分の事を許せなくなっていた。
だけどまさか…こんな事になるなんて……。
それからの医師の話は、全く頭に入ってこなかった。
原因を告げられ、頭が真っ白になっていたからだ。
かろうじて、思い出せたのは、楽郎が目を覚さないかもしれない事と目を覚ましたとしても、楽郎に記憶があるかわからない事だけだ。
夕陽で赤く染まっていた雪は、今では、夜の暗闇に覆われていた。
* * *
「……私のせいだ」
楽郎の入院する病室で、自らの後悔を吐露した。
そうだ。全て、あの日の私のせいなんだ。
私のせいで楽郎が死ぬかもしれないんだ。
仮に目を覚ましたとしても、私の事を覚えていないかもしれない。
でも、こんな危ない女のことなんて忘れてしまった方が良いんだ。
楽郎だって、あの時は、ああ言ってた私の事なんか忘れたいだろう。
こんな女と一緒に居て、辛かったよね。
苦しかったよね。
「ごめんなさい……。」
「ごめんなさい……。」
「ごめんなさい……。」
私は、今もベッドの上で眠る楽郎へ謝る事しか出来なかった。
私の後悔と共に
ごめんなさい、楽郎
もしもあなたを失ったら…その時は私も……。
私もそっちへ行くから…。
私としては、紅音ちゃんと京極を曇らせるのって素敵だと思うのですよ…。