現実で数多の危険な冒険で力を得たが、他のメンツも濃いです。〜ダンジョンが出て来ても俺だけ配信します〜   作:木原 無二

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投稿です…どうぞ!


第3話 夜

 

「………」

 

目を開くと和風の部屋が目に入った。

横を向くと、数人の男女が横たわって寝ていた。

 

僕は早速、ナイアルラトホテップに対して軽く殺意を抱いていた。

 

家に帰り、ご飯を食べてお風呂に入りベットインした僕に待ち受けていたのはよくわからん場所。

 

持ち物はいつもと違って持ち込み不可。

拳と他の神の加護が今の僕にある武器だ。

 

「…今度アイツ燃やそうかな…」

 

周りを見渡すと、燭台のが四隅に四本立てられており、他の人の影をみると書かれている内容は濁っていた。

 

という事は、既にこの状況がそうなのだろう。

とりあえず『聞き耳』…あ、使えないんだった。

 

僕が持っている他の加護は3つあるが、まだ使うつもりはない。

 

後ろに振り向くとお地蔵さんが一体いた。

動く感じは…無いね。魔力の類が感じられない。

 

そうやって周りを見渡していると横たわっている一人の男性から声が聞こえた。

 

「ぅ………何処だ?…」

 

それに釣られて他の人達も少しずつ起き上がって来た。

 

(さて…展開はどうなる事やら…)

 

「あ、貴方達誰ですか…?そもそも此処は何処ですか…?」

「……え、なにコレ?テレビ?」

「ドッキリとかじゃ…」

「え、ちょ、これからセフレとホテル行こうと思ってたんだけど…あ、君可愛いね!」

「ちょっと!やめてください!此処は何処ですか?警察に通報しますよ?」

「たっく…仕事終わったのに…」

 

各々それぞれ言いたい事を言っている。

 

どうやら、寝間着を着ているのは僕だけのようだ。

 

「あの…とりあえず皆さん、自己紹介をしませんか?」

 

一人の初老の男性が声をかけ始めた。よし、とりあえず自分が場を仕切る事はなさそうだ。

 

「まず、私の名前は水天宮 敬彦です。年は60で、趣味は釣りです。次はそちらの方。」

 

そう言って水天宮は隣の女性の無理矢理投げた。

 

「え、ああ…私の名前は合屋 壽恵です。…趣味は消しゴムハンコ作りです。」

 

そうやって一人ずつして行く事となった。

 

「馬喰田 明冬代です。趣味は裁判を見る事です。」

「兒堂 美春子です。…趣味はお寺巡りです。」

「春夏秋冬 秀麦です。こんな名前ですが、趣味はインドアスポーツです。」

「田羅鋤 珠杏です…趣味はゲームです。」

 

上から順番に男、女、男、女の子だ。

 

次は僕の番だ。さて、どうしようかな。

「木原 仮寝です。趣味はオカルトです。どうぞ皆さん下の名前で呼んで下さい!」

 

嘘じゃ無い嘘をつく事にした。

母方の旧姓が木原なのだ。こういう所だと真名がバレると呪いがかけられたりする事がたまにある。

それにもし現実に戻ってからだと身バレする可能性がある。

 

「皆さん、ここが何処だか誰か知ってますか?」

 

場に沈黙が落ちる。

言い出した水天宮も困った顔をし始めた。

 

「困りましたねぇ…とりあえず、外に出てみますか?」

「賛成です。何が起こるかは分かりませんが、行動しない事には何も進展しません。」

 

スーツを着た馬喰田はそう言うと扉を開けようと立って障子に向かって足を進めた瞬間、障子を破り、指が突きつけられた。

 

「!?」

「え、何…?!」

「やっぱりドッキリなんじゃ…」

 

馬喰田は意を決して指を突き刺した存在に声をかける。

 

「…あのーもしかしてこの場所について知って

 

声が紡がれる事はなかった。

 

ビリッ ビリッ

 

ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ

 

 

一本や二本では無い。

数え切れない、数多の指が四方の障子から出て来る。

 

突き刺して。

 

「ギャ、ギャあああああああああああああ!?」

「は?え、は?」

「…」

「あ…アッ…」

 

2人がSAN値チェックが失敗したようだ。

あ、あの引き篭もりゲーマーぽい女の子、白目剥いてるのおもろw写真撮っとこ。

 

ポケットから携帯を出して写真を撮っていると指が全て引っこ抜かれた。

 

そして、空いた穴から触れたら凍ってしまいそうな程に冷たい風が部屋に入り込んで来た。

 

(指に冷たい風…和室、燭台、お地蔵さん…)

 

ヒントはまるでない。だが、これは…

 

「燭台の冷たい風が当たらない様に風を遮ってください。」

意識があった何人かがこちらに振り返って不思議そうな顔をしている。

 

「今、この場所は安全地帯ですが、現状が崩れた場合何が起こるか分かりません。早くしないと何が起こるか分かりませんよ?」

 

そう言うと、

一人一台に別れて燭台に風当たらない立ち位置についた。

 

(後はお地蔵さん…何をすれば良いんだ?)

 

お地蔵さんの元に足を進めてよくよく観察してみる。

 

(苔などの植物は…ついてないが…長い間使われたような風化があるな…)

 

確か兒堂さんはお寺巡りが趣味なんだっけと思い、後ろを見ると、そこには眼があった。

 

そう、眼だ。

 

眼。眼がある。

 

障子に開けられた穴に、数え切れぬ眼があった。

 

数多の眼を向けられた僕たちの身体は凍ったかの様に動かない。

そもそも僕以外の人は怖くて動けないんだが。

 

(…これは…邪視か。)

 

影の中にある魔眼除けならこんなのどうにかなるんだが…

 

(こんなに展開が早いのはおかしい…絶対に何か見落としている…)

 

「…何を見つけて欲しいんだ…?」

 

やはりお地蔵さんか?

 

んー考えろよ、俺。

そんなに深くは考えなくて良いんだ。最終手段としてゴリ押しもある。今回のクエストはあんまり報酬としてめぼしい物も無さそうだしな。

 

「とりあえず、お地蔵さんは貰っておこうか。知ってるか?邪視や呪いの類いは破られたら倍返しになって帰ってくるんだぜ?」

 

魔力操作で体内の筋肉をブチブチと鳴らしながらお地蔵さんを持ち上げる。

 

すると、眼達が出血しながら障子から消えた。持ち上げたお地蔵さんも眼から血を流して。

 

「…あーなるほどね。シンクロしてんのか。」

 

恐らく、このお地蔵さんを破壊すればこの空間から開放される…のだろうか?

 

いや、もしかしたらこの存在の二面性なのかも知れない。

人間に味方する面と、人間を脅かす面。

 

「そういや…今何時だ?」

 

携帯の時間帯をみると、どうやら後3分で日付が変わるらしい。

つまり、加護を使えるようになると言う事だ。

 

「…三分間だけ待ってやる…」

 

 

 





『コソコソオカルト話』
魔眼除けは消耗品で、ピンからキリまで存在する。一般人にも見様見真似で作れるが、魔力が付与されてないとたいした効果はない。
無常は魔力が扱えるようになってからは自分で自作する様になってしまった為に、身内と友達からは変な目で見られている。
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