もっと根本的なことを考えてみるべきかもしれない。
俺は異世界転生した……はずだ。
原作付世界で、原作キャラ憑依らしかった。
俺は原作を知らない。
しかし原作ナシでこんな頭悪いネーミングの並行世界があると考えたくない。
というか、こんな特殊な立場に転生する意味もない。
普通、原作世界への異世界転生で“原作展開への修正力”ってのはそこまで強くない。
でないと転生者が無双できん。
けど、俺はよくわからん法則に囚われてる。
そして、情報伝達とか個人能力で“修正力”が明らかに働いてる。
メタ読み知識はまともに受け取られないし、登場人物の能力はネームド同士が出会った時に明らかな修正を受ける。
サイコレズ参謀だって、俺が積極的に関わらなければもう少しは賢いムーブをしてたはずだ。
まあ、その賢さで俺が陥れられて結局レズレイプされたり、種付けおじさんへ献上されたりする可能性もあるんだが。
とりあえず、これが別法則の異世界……とは考えない方がいい。
本当にゲームの中で、ある程度はゲーム通りにゲームの法則に基づいて展開してる。
しかし“主人公の移行”みたいな自在性はある。
これが何なのかってことだ。
強制力は“抜きゲーの法則”であって“このゲームの展開”じゃない。
そこでもっと根源を考えなければいけない。
この世界が頭悪い抜きゲーだとして。
抜きゲーとは何か?ってことだ。
ジャンルとか主人公とかじゃない。
何を以て抜きゲーが成立してるのか。
社会人になってそのままブラック社畜にジョブチェンジした俺だが、学生時代はそれなりにエロメディアを嗜んだ身。
重厚な設定とかストーリーとかどうでもよくて、抜きゲーを漁りもした。
だからわかる法則がある。
予算、価格、販売媒体、発売ペース、イラストライター、シナリオライター。
こうした要素をひっくるめて象徴となる重大要素が……。
エロイベントCG枚数だ。
差分は含まない。
エロCG枚数ともエロイベント数とも言えるが、相当のシーン数がなければ同CGのエロイベントは重ねられない。
結果的に、抜きゲーのボリュームを決めるのはエロCG枚数になる。
エロCG集の大半が「CG枚数と差分数」を提示しているように。
抜きゲーはソフトハウスやサークルによって、基本的なエロイベント数が既に決まっている。
まあ時期によって数の増減はあるが、こんなネーミングのエロゲならなおのこと、余裕はないはず。
その枚数は、製作予算と製作期間にもダイレクトに関係する。
だからこそ、抜きゲーの主人公はエロイベントから逆算できる。
一部の例外を除けば“エロイベントの大半に登場するキャラ”が主人公だ。
例外がNTRゲーで、寝取られ男を軸に据えすぎてるとヒロインと他竿役のイベントがメインになる。
これがNTR(寝取られ)じゃなくNTL(寝取り)だと、チャラ男や種付けおじさん主人公になる。
このゲームもあのヒーローチームの名前から、これを警戒してた。
だからエロイベントを敵側に起こさせないよう動いて、こっちが即オチしないよう努めたりしたが。
今度は逆に俺が、練習のためにしたサイコレズに堕とされた。
そして、観察する限りサイコレズ参謀は“主人公”になった。
で、今、俺はこーしてオナホちゃんのエロイベントを進めたわけだが。
「ひっ♡ いっ、ぜんぶ、ぜんぶいいましたぁっ♡」
「とりあえず100m範囲なら、この島では安全ですわね」
「万一届いても、近づく者を見つけることも容易だ!」
うーん。
これで俺は“主人公”になったのか?
ヒロインがしっかり主人公になるエロゲはそれなりにある。
RPGツクール系とか多いよな。
ヒロインが主人公でエロ装備立ち絵とかあって、あちこちでそゆイベントに遭うやつ。
これは基本、大半がその主人公といろんな竿役のエロCGになる。
よほど覗きシチュとかNTRシチュにこだわってない限り、男主人公ならそいつがいろんなヒロインとする形になるのと同じだな。
だから……これが抜きゲーだとすれば。
やはりイベントCGに多数登場してるのが主人公なんだよ。
いや、待てよ。
だからか。
抜きゲーではシナリオをしっかり読まず、スキップで放置してエンディングまで通してからエロイベントだけ回想で見るのもごくありふれた使用法だ。セーブデータをDLしたり、メーカー側が回想フルのキーワード公開してる場合もある。
エロDVDで冒頭を飛ばすように、導入なんかすっ飛ばすのは普通。
ゲーム自体が既にそういう形になってることもある。
エロシーン間のシナリオが極薄だったり皆無のゲームもある。
だから、エロイベントへの流れ以外は俺が干渉できてるわけだ。
そしてイベントがエロイベントなら「ゲームとしてはそれでいい」ってことか?
制作側にジャンル愛もキャラ愛もなく“とりあえず作られたゲーム”の仕様?
あるいは現世にこのゲームに執着する観測者はもうおらず、エロゲの方程式的なモノだけ適用されてる?
仮定に仮定を重ねた考察なのに、妙にストンと納得できてしまう。
こう、世界側から“そうだよ”って言われてる感じ。
実際エロイベント起こすごとになんかカウントされてるというか、世界線が別になって立ち絵からイベントCGにシフトしたような妙な感じもある。
初めての性経験と、徹底的にわからせられたせいかと思ったが。
今、攻め手に回ってわかったわ。
今まさに、なんか時間とか脳内感覚とか、エロシーン時だけ妙なズレ方してる。
ガチなエロ時だけ妙に世界がこう、何もかも変わってるような。
シックスセンスに目覚めてるような……イベント時だけボイスがあったりするのかもしれんな。
BGVだけ流れるタイプかもしれんけど。
さっきのウツボッキーの前でオナホちゃんを三人で攻めた時もこの感覚あった。
このゲーム、本来はNTR(部隊名)とその司令、博士が軸だったはずだ。
けど俺が序盤イベントを破壊し、先にエロイベントを起こした。
……俺が屈服する形だけどな。
俺が観測してる範囲、そしてオナホちゃんから聞き出した範囲から考えるなら。
1:デスアクメ×サイコレズ(初プレイ)
2:サイコレズ×デスアクメ(朝の屈服は別イベントの可能性もあり)
3:デスアクメ×オナホ(ウツボッキーから寝取り時)
4:デスアクメ×オナホ(今)
これが、俺の転生後に発生した“このゲーム”のエロイベント。
3と4がどこまで大きく分かれたかはわからん。
さすがに能力で全裸イベントとか、将軍と長官の過去回想とかでイベントシーンにはなってないと考えたい。全裸はたぶん立ち絵あるだろし、回想イベントって重厚系じゃなきゃ普通作らんし。
むしろ雑に重い過去背負わせたシナリオの、深いトコを俺が見せられたって方がわかりやすいな。
さて、過去回想じゃなくシステム的な意味での回想アリの抜きゲー、かつネームドヒロインが少なくとも5人……メスイキも入れれば6人か。
なら、少なくとも8回はエロイベントがあると見るべきか。
普通に考えれば10回ちょいはあってもおかしくない。
最後あたりまで男が入るエロシーンを作らなければ、“このゲーム”は完全に百合ゲーというかレズゲーとして確立するだろう。
そして“ゲームが想定したイベント数”のエロイベントを発生させれば“ゲームの強制力”も終わり、ゲームの枷を外れた“なんかそういう並行世界”となるはず。
そう考えると……。
サイコレズを完全に主人公ルートから外すには、俺が主導してさらに数回エロイベントCGを稼ぐ必要あるのか。
気が重いな。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「いよいよ、♡もなくなりましたわね」
「羨ましさを微塵も感じないな!」
将軍か長官を使うか?
まあ二人はそれなりにメンタルケアしなければいかん。
この世界も現状では、だいたいなんでもエロが解決できる。洗脳持ちの異能者をエロで洗脳できるんだからな。
「あ、あの、なぜ私をご覧に……」
この場合、やはりスジとしてまず将軍とするべきなのだろうが。
「わわわ私もそんな風にされてしまうのか!?」
しかし、将軍とした場合……。
サイコレズが暴走しそうで怖い……顔を合わせるのも怖い……どうしよう。
うわぁん。
まだ体が屈服したままっぽいんだよなあ!
主人公になっても攻め経験を積まないと、参謀に下剋上できないのか?
下剋上したらしたで、アイツめんどくさいのに!
「……総帥、彼女は意識不明に陥った様子でしてよ」
「望みとあらばこの体を差し出すが、お手柔らかに願いたいな!」
「む?」
気が付けばオナホちゃんの反応がなくなってた。
アへ顔で白目向いてるな。
足元がいつの間にか満潮……ではないか。
別の液体で湿ってるのか。
「……すまん。考えに没頭していた」
「は、はぁ……」
「片手間であのような恐ろしい動きをするとは!」
んん?
適当にしてただけだが……そんなに長時間してたのか?
長時間してたとしても、普通こんな適当なアレで意識をなくすものか?
こいつが即オチしたのはまあ、NTR前提ヒロインとしては普通かもしれん……。
NTR系ヒロインは、寝取り男と寝取られ男の会話中も羞恥心ゼロであひんあひん言ってなきゃいけない過酷な役だからな……。
今回は“エロシーンに入った”という実感はあった。
つまりシーンに入ると誰でも達人級のテクが勝手に実装される?
あるいはシーンに入ると受身の側が即オチする?
やはり別で試してみるべきなのだろうか。
「とりあえず、こいつの証言は変わらなかったようだな」
「私の目にも演技とは見えませんでしたわ」
「さすがに演技でこのザマにはなるまい!」
…………じっと腕の中のオナホちゃんと、足元の様子を見る。
「確かにな。この女の脱水症状も懸念されるが……テレパシーでの救援要請をされると、やはり面倒だ。いろいろとすべきことも多い」
「飲み物でも取ってきましょうか?」
「それもいいが……まずは、貴様ら二人に例の話の続きをしよう」
足元に、オナホちゃんを下ろす。
そして、能力発動。
ぬるぬるびしょびしょになってた俺の肌が一瞬でキレイになるあたり、便利だよなー。
「貴様ら二人の仇の話……許せぬ目に合わせた犯人についてだ」
「まさか長官と私を襲ったのが同一犯だというのか!?」
「時期も場所も違い過ぎますわよ?」
二人の目に剣呑な光が灯る。
エロが関係なけりゃ、お前ら普通にシリアスできるのにな。
願わくば名前もシリアスであってほしかった。
いや、今は足元にアへ顔オナホちゃんがいるから名前がシリアスでも同じか。
ともあれ、邪魔が入らん内に教えてしまおう。
「かつて海外で活動していた伝説の傭兵。そして今はNTR司令。
真面目に考察した主人公。
一人称だと確定させづらいので書いておきますが、とりあえずこの考察に間違いはありません。
エロイベントを一定数起こせば、この世界のエロゲ法則は終了します。
明日11日はたぶん投下お休みになります。