それなりにショッキングな会議が終わり。
憑依転生後、ずっと寝泊まりしてるから仕方ないとはいえ……。
今夜も来てしまった。
サイコレズ参謀の部屋に来てしまったのだ……。
埼玉に逃げたら、一泊くらいするつもりだったのにな。
というか社会人になって以来、こんな激動の一日はなかった気がするぞ。
朝から全裸土下座させられ、会議して、埼玉に逃げて、カベジリ長官の闇を聞いて、オナホちゃんを捕まえて、長官の連続殺人を眺めて、オナホちゃんを弄って、いろいろ考察して、時間停止種付けおじさんの脅威を伝えたけど伝わらなくて、アジトに戻ってオナホちゃん収容スペース作って、サイコレズにホラーレイプされて、また会議したらショッキングな事実が判明して……本当に長い一日だった。
しかもまだ、目の前に一日のラスボスがいる。
「頼む。今日はもう疲れた……寝させてくれ……寝ている間なら、何してもいいから……」
まさか俺が、浮気される夫の定番セリフを口する時が来るとはな。
能力でいろいろ無効化できるとはいえ、こんだけ刺激に満ちた一日を送ると疲れる。
「“していい”ですか? 私が我慢してあげるのに?」
そこは嫁的リアクションとってくれよ……なんで調教系主人公になるんだよ。
「頼む……もう休ませてくれ……」
「休ませてください、でしょう?」
お前、そのセリフ好きだな!
うぐぐ、さっき闇の中でクチョクチョにされたせいで、またコイツが主人公になってやがる。
あと俺の位置づけもガクッと下がってる気がするぞ!
お前、数日前まで添い寝だけで鼻血だしてただろが!
前世紀の初心童貞みたいなリアクションから、変わりすぎだろ!
エロゲかよ!
エロゲだったわ!
おふ……
この脳内ツッコミがある意味、最後の一押しだった。
なんというか本当にもう、どうでもよくなってしまった。
要は精神的に、発情する元気がなくなったのだ。
「……はぁ。本当に、疲れたんだ。いろいろ考えることが、多すぎる」
「あ、あら?」
よし、極度の疲労による脱力がサイコレズの圧に勝った。
まさにアバン流刀殺法、大地斬の極意……アバン先生、ありがとう。
「もう、私も
「……どういうことです」
シリアスな顔になってくれたな。
「貴様には聞きたいことがいくらでもある。だが、今の私にそれを受け止める余裕がない」
ホントに疲れたんだよ。
そして脱力して改めて気づいたけど、口調は自動フィルターっぽいな。
あるいは、この一週間近くでクセになってしまってるのか。
咄嗟の驚いた時とかの“素”は、
「なるほど。私を処分する時がきたということですか」
「なぜそうなる……とにかく寝させてくれ」
なんかサツバツとした過去がありそうだなぁ。
今はホントに聞きたくないんだよ。
明日にしてくれ。
「私は寝る……貴様は好きにしていいが、起こすな」
「……はい」
寝る。
寝た。
しかし、あちこち舐めまわしてくるのは変わらんなコイツ……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
闇さえもない深淵に、どこまでも落ちていく。
いや……飛翔しているのか、吹き飛ばされているのか、止まっているのか。
それすらわからない虚無の中。
己自身を定める、己自身のわずかなぬくもりを感じようと。
つよくつよく抱きしめて。
全身でもがいて。
舌を伸ばし、感じる熱に安堵を覚え……ん? 舌???
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
目が覚めたら、顔が生暖かい闇に包まれていた。
「あっ♡ おは、よう、ございます、デスアクメ、様♡」
「ぐぶ……き、貴様、何をしている」
「乙女の浪漫、顔面騎乗、起床、ご奉仕、です♡」
「そんな乙女が、うぶっ……いる、かっ!」
人の顔で自慰するな!
断じてそれは、乙女のロマンじゃないぞ! 奉仕ですらない!
男の勝手な幻想とか以前の問題だ!
「ふふ、お目覚めですので、ちゃんとデスアクメ様にも……」
待て、なんで人の顔の上で前傾姿勢になってる!
なんで俺の股間に息がかかってくる!
「やめんか!」
「ひやっ!」
すげぇ。
俺の首と背筋の力だけで、サイコレズが吹っ飛んで天井にぶち当たった。
前の体だと、挑戦しただけで首と腰を痛めそうだぞ。
「はぁ……起きたら、真面目な話をするはずが」
「あはは……今の関係じゃダメですか?」
くそ、落ちてきたトコをお姫様だっこでキャッチしたら、しおらしい顔しやがって。
ずっとそんな態度でいてくれたら、お前とフルCG埋めてもよかったんだけどな!
けどな!
ちょっと下手に出たら、即クソ主人公ムーブしやがって!
「今更すぎるぞ。貴様の――うぇ、えぶ。なんだ?」
喉が……なんだこれ。
口の中に、この体になって初めて違和感が……。
寝る前に能力を軽く発動させたし、何か食べた覚えもないのだが……。
「あ、すみません。私の毛が口に……」
「けほ……」
ホントだ。
ちぢれた銀の毛が出てきたわ。
「………………」
「無言でぐりぐりしないでくださいぃ」
「朝から本当に! 貴様は!」
「すみません、鼻先と口元にも毛が……」
「貴様ぁぁぁぁぁ!!!!」
「責任もって舐めてキレイにします!」
「やかましい!」
はぁはぁ、朝からペースを乱しやがって。
どうせサイコレズには能力適用されなくなってる。
ベッドやシーツが消えても知るか!
顔のべたつきと性臭が消える。
口の中の異物、唾液の雑菌も消えた。
ついでに、俺自身の目覚めの尿意も消える。
そういえば。
男のロマン的な朝ご奉仕のアレって、尿意どうしてるんだ?
さすがに飲ませたり中に出したりは、どうかと思うんだが……。
元男の感覚で考えると……奉仕されて出したら、その直後の朝の小用がしづらくなるんじゃないか? こう、尿道の具合的な意味で……。
奉仕される側もマナーとして、就寝前の水分摂取を避けたりするんだろか。
でも、夏場にやってるのも、よく見るよな。
一歩まちがえると脱水症状になりそう……。
「…………能力使っても、私を消さないんですね」
考え込んだ俺を見て、サイコレズがシリアス顔で身を摺り寄せてくる。
すまん。
ぜんぜんシリアスなこと考えてなかったわ。
「消せんのだ。貴様は私の一部だからな」
「一部、ですか」
「とはいえ、ここ数日は調子に乗りすぎだぞ。貴様は私の一部。貴様が私に何をするにも、私自身が許しているがゆえと知れ」
実際は、そうもいかんのだよな。
正直、サイコレズを消す方法がわからん。
身内指定が大事ってことだろうか。
あまり深い会話してないドクター、メスイキ、オナホちゃんらは今でも消そうと思えば消せそうなんだが。
参謀はもう無理。
将軍と長官も……相当な理由がないと、自分自身に言い訳しないと無理だろな。
原作ルートだったろう裏切りを想定すると、俺が任意で消せないってのは能力的に大問題なんだよなー。
なんせ、エロゲだけに洗脳能力なんかなくたって、チンコが洗脳装置だ。
そして今の状況でサイコレズが裏切ると……普通にダメージ通ってしまう。
それ以前に、サイコレズがチン堕ちさせられると、俺の立場は奴隷の奴隷になってしまう。
参謀を堕としたら、おまけで総帥が末端用性処理具としてついてきて……とか。
俺にとってはイヤすぎる流れだ。
ん?
考え込みながらぼーっとサイコレズの顔を見ると。
こいつも、らしからぬ表情で考え込んでた。
「デスアクメ様。まさか……」
「なんだ」
「………………記憶」
「ん?」
「記憶、抹消してなかったんですか?」
「…………」
んんんんん????
なんて?
「もう、何もかも消したと思ってました。全部やり直すって聞きましたし」
涙目で拗ねたような顔してる。
かわいい。
なんか初めてお前を、まっとうにヒロインとして見れた気がするぞ。(現実逃避)
「なんのことだ」
「もう今更、とぼけないでくださいよ」
いや、ホントになんのことかわかんねぇよ。
主語ちゃんと言えよ!
わからんことで涙声になられても困るよ!
「あの日、何があったか教えてくれなくて……私がどんな思いでいたと……」
「…………」
どの日だよ!
「私は、デスアクメ様のために生み出されたのに……私は……私は……」
「そうか……」
泣き出すなよ!
なんだよ、これ!
さっきまで人に無断で顔面騎乗してたクセに!
話題そらしたり、照れ隠ししたりするために顔面騎乗したとでもいうのか!
あと、どんな思いだか知らんが、人の部屋を盗撮したり、座った椅子を嘗め回していい理由になると思ってんのか、テメー!
体を許したら許したで、調教してきやがって……!
寝て起きただけですが、話としてはけっこう進んでます