斜め下に抜きゲー悪役TS転生   作:神谷涼

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いろいろ忙しくなってきましたので、投下速度が週2くらいになります。


24:隠された存在

 

 男の欲情は、激しいけど冷めやすい。

 出すまでは「一日百回セクロスしてぇ!」とか思ってても、一回出すとそんな欲求は消える。

 エロゲだとたまに、コイツ一日に何回やってんだ……ってのがあるが、リアルには無理。

 いわゆる賢者タイムに入ると、性欲は冷める。

 

 賢者タイムの長短ってのはある。

 若さとか、溜まり具合とか、欲求の強さとか、いろんな要因があるんだろう。

 でも、いたすごとに賢者モードの長さは伸びる。

 なのでエロゲにおける連続ウン回とか、毎日何時間もなんてのは、発散前には興奮しても、賢者タイムに見ると呆れが先に立つ。

 

 俺が何を言いたいかというとだ。

 

 女の体になると、賢者タイムがない。

 個人差かもしれんが、とにかく俺にはない。

 

 絶頂後でも後戯というか次の準備に移って、延々としてしまう。

 出したらもうめんどくさくなる……ってのがない。

 目の前に相手がいて、受け入れてくれるなら、だらだらと続く。

 

 体力的に疲れるか、精神的に疲れるか、粘膜が痛くなるか、時間の都合まで続くのだ。

 

 そしてこの体は疲労無効、ダメージ無効、時間もそこまで気にしなくていい。

 

 サイコレズ参謀は、吸血鬼だけあって俺と同じく無限体力なんだが。

 ハメゴイ将軍は肉体的には普通に人間なわけで……。

 

「……っ……はぁ、はぁ……これ以上は、ゆるして、くれ」

 

「…………」

 

 そんな、いつもと違うしおらしい蕩け顔して懇願されると、アレだ。

 

 よけいムラムラするんだよ! バカー!

 脱力しきった無防備な姿でそんなこと言うなや!

 

 誘ってんのか!(理不尽)

 

「ひゃ……んんんっ……もう、本当に、無理なんだ」

 

「ん……そうか。そうだな……んむ」

 

 言いつつ全身擦り付けながらキスしてしまう……体がものたりなくて疼くんだよな……。

 

 そりゃ欲求とか発情状態とか能力で抹消すればいいのかもしれんが。

 エロゲだからとか関係なく、消したくないんだよな。

 食べ物が目の前にあるのに食欲を消すようなもんだぞ。

 

 うーん、将軍の顔や首筋を舐めながら体を擦り付けるのをやめられん。

 性的トラウマある相手だから、かなりやさしくしたんだが。

 緩急なく延々と貪ってしまったからな……。

 

 普通に考えれば3時間以上休憩ナシでしたんだし、もういいはずなんだ。

 プレイ時間としてはラブホの休憩時間を普通に上回ってる。

 シャワーもせずに突入したしな。

 

 でも、サイコレズに12時間くらい延々とヤられた身からするとさぁ……。

 

 やっぱ最初にアイツがあんなことしたからだろ。

 サイコレズが悪いよサイコレズがー。(責任転嫁)

 

 とにかく、そろそろ昼食兼会議だ。

 性欲は残ってても、“時間の都合”はやめる理由になる。

 

 二人して、ちゃんと服着て行かないと……。

 

 

 

     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「将軍、大丈夫ですの?」

 

「問題ない……少し、疲れただけ、だ」

 

 うーん、やりすぎたかな。

 疲れ切ってる。

 過去のトラウマを思い出す様子はなかったから大丈夫だと思うんだが。

 

 しかし、俺の方はまだ物足りんし……。

 サイコレズは察して、ジト目になってるしな。

 隣に座って頭撫でてやってるんだが、なかなか機嫌がなおらん。

 

「ドクター。遺伝子はどうだった」

 

「ハラマセ博士の親も、NTR(部隊の名前)の二人と同一人物と判明! ドーしてワカったンです!?」

 

「説明したいが、現状では貴様らに認識させることは困難だ」

 

「納得いかナい!」

 

 説明したいんだけどね。

 すると、信用されないのがわかってるからな……こいつら時間停止の存在を頑なに認めねぇ。

 ハラマセ博士の催淫能力についても、同じくだった。

 そりゃ時間停止は非科学的能力だろけど、俺の能力もたいがいだろ。

 というか吸血鬼がいるのに、なんで非科学的とか非現実的とか言われるんだよ。

 

「参謀、長官。NTRのスタッフどもについてはどうだった」

 

「秘書官、博士助手、顧問、医療スタッフ各1名、さらに一般職員5名が確認できました。秘書官と博士助手が女性、他はすべて男性ですね」

 

「男性に20歳前後の者はいるか?」

 

「全員30を超えています。とはいえ老人もいません。30~40代、それなりのベテランかつ現役世代を集めていると言えます」

 

 資料によれば種柘植(たねつけ)肝夫(きもお)の年齢は42歳。

 12歳、いや11歳以下で孕ませないと30歳にはならない。

 ヤツが“特殊能力を発生させる存在”としても、さすがに精通直後から子をばらまいてたと考えるのは不自然だし、資料によれは名前も普通……ニックネームで呼ばれるような立場でもない。

 長官が肉便器展開になった場合の竿モブだろ。

 

「秘書官は足越知(そくおち)満子(みつこ)32歳。

 博士助手は薬月堂(やくづけどう)(れい)24歳。

 特殊能力者である痕跡はなく、不審な点もありませんわね」

 

「待て」

 

 バッカモーン! そいつらがルパンだー!

 名前でわかれや!

 一応ひねってたお前らの本名や、NTRのメンバーより一目瞭然だろ!

 ネームドキャラじゃねーか!

 

「名前に何か、不審な点が……?」

 

 不審な点しかねーよ!

 

「一応軽く調べた範囲では、足越知秘書官は10年前に海外活動中、種柘植肝夫氏と知り合い、その後は彼の個人秘書のような立場だそうです。戦場に立った経験もありますね」

 

「10年前……」

 

「薬月堂ッて子は知りまセンねー。最近の助手でショーか」

 

「薬月堂助手はNTR発足時に原間瀬博士の紹介で、NTRスタッフになっておりますわ。基本は博士の助手ですけれど、研究室にこもる博士に代わり司令室への報告や部隊員の装備点検なども行っている様子」

 

「……参謀。10年以上前、その“伝説の傭兵”としての種柘植肝夫について、知られている情報を教えろ」

 

「はい? まあ、先日調べましたからデータはありますが……」

 

 おお、会議室兼食堂の画面にすぐ映るのは手際いいな。

 

 どれどれ……。

 

「なるほどな。やはり予想通りか……」

 

「む、何がだ?」

「一人で納得しないでホシーい!」

「この女性二人と何か関係があるのでしょうか」

「まったく見当もつきませんわ……」

 

 わかれよ!

 こんなわかりやすいのが、なんでわかんねーんだよ!

 

 十年前の種柘植肝夫の通称は“時を止める男(クロノステイシス)”じゃねーか!

 「時を止めたとしか思えない銃弾回避」とか書いてるし!

 いや、これを見て誰も“時間停止”と関連付けないのが異常なんだよな。

 

 しかも、その後も似たようなコトしてたはずなのに、呼び名は風化してる。

 

 つまりこのソクオチ秘書官が、たぶん……認識阻害系の能力者。

 種付け野郎と、おそらく自分自身の能力について誰も気づけなくしてる。

 俺が気づけるのは……転生者だからか、オート無効化してるからか、あるいはその両方だろ。

 名前がアレなのに気づかないのは、まあこの世界の基本設定だからなんだろな……。

 それ言ったら俺ら全員が名前アレだし。

 

 とにかく、このソクオチ秘書が実際に特殊能力持ちだったら。

 

 種付け野郎は自身の特性、時間停止だけじゃなく特殊能力者を作れるってことを自覚してる。

 俺や将軍や参謀も目を付けられてて、泳がされてるだけかもしれん。

 

 設定や能力からして、原作者()の性癖はセカンドレイプで尊厳破壊。

 

 将軍も長官も、場合によっては俺も……過去のトラウマをほじられながらヤられるわけだ。

 オナホちゃんも両親についてアレコレ言われながらされるんだろ。

 NTRはあくまで、繰り返し相手の尊厳を破壊するための手段の一つにすぎんわけだ。

 

 おのれ原作者……!

 胸糞悪いクソゲー作りやがって……!

 そんな中に転生させられるやつの身にもなれや!

 

「考え込んでおられますわ」

「まだ時間停止にこだわっているのか!?」

「さすがに時間停止はファンタジーすぎると思うんですけど」(吸血鬼)

「フーむ、とりあエず、薬月堂っテ子について聞いてみまショーか」

 

 ん?

 

 ふと見ると、なんかドクター以外がきょとんとした顔してるな。

 

 ドクターがスマホを取り出して……

 

「もしモーし! ハラマセくゥーん!」

 

『おーう、また培養装置関係かよ?』

 

 音声でかいよドクターのスマホ!

 通話相手の声、俺らにも丸聞こえなんだけど!

 

 ってか、ハラマセって言ったよな。

 なんかガラ悪い男の声。

 あと、なんか変な音も聞こえてくるな。

 

 え?

 

 敵側の博士に電話してんの? なんで?

 

「ヤクヅケドーちゃんって子しッテるー!?」

 

『あぁん? スカウトかぁ? コイツは今、口がふさがってて話せねーんだよ』

 

 おい、このぢゅぼぢゅぼって音、アレかよ。

 

「そッかー。私、知らナいけど、便利なノー?」

 

『成績がいいだけで、たいした研究者じゃねーよ。俺には便利だけどな……うっ』

 

 何、聞かしてくれてんだー!

 見知らぬ男のイキ声なんて聞きたくねー!

 ほら、全員が察して渋い顔になってんじゃん。

 

「特殊能力持ちだッタりするー?」

 

『そこは守秘義務だろフツーよぉ。お前以外のクローンよこしたら教えてやらぁ』

 

「クローンあげテもいい?」

 

 視線を向けられたハメゴイ将軍が必死で両手バッテンしてるな。

 あ、カベジリ長官もしてる。

 俺と参謀はクローン作られない体でよかった……。

 

「ダメだッテー!」

 

 小学生の電話か。

 

『普通、ダメだろ。とにかく、俺もお前のクローンにゃさんざん稼いでもらったけどよ、さすがに同じ顔で何回も使えねーっての。バレるとめんどくせぇからな』

 

「クローンなら人身売買じゃナイと思ッたけどナー!」

 

『クローン作ってるってバレるのが問題なんだよ! とにかく切るぞ! おい、お前ももう掃除は――――』

 

 切れた。

 

 最後のピチャピチャ音まで聞こえてたじゃねーか。

 

「だソーです」

 

 とはいえ。

 会話中にしてる行為はアレだったが、原間瀬博士……うちのドクターより常識人かもしれんな。

 

「というか貴様、普通に敵側と連絡していたのか……」

 

「技術提携は必要! バイオの山羊目(本名)、メカの原間瀬と呼ばレ、同時期に大学研究室から追放さレた仲! 第一、培養装置やプログラムは、私の専門外!」

 

「それはそうだろうが……」

 

「生体認証が必要だカラ、学部長のクローン作って出入りしてタだけナのに追放! ひドい!」

 

「……あの、参考までに。原間瀬博士はどうして研究室を追放されたましたの?」

 

「研究資金のタメ、研究室の女子複数に資金提供しテもらッタそーです! 私も頼まレタけど忙しかッタので、クローン1つあげマシた!」

 

 ドクターのクローンを風呂に沈めてたわけね。

 うーん。

 

 なんというか。

 

「ヤツが酷い男とはわかったが、Dr.ヤクギメックスよりは常識的だな!」

 

 だな!

 





クロノステイシスは、MTGの古いデッキ名から。
本来の「クロノスタシス」は錯覚現象ですが、ここでは時間停止の意味にしてます。
「タイムストッパー」だとあまりにも、そのまますぎたので……。
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