すがすがしい朝だ。
目の前にはカベジリ長官の寝顔。
布団もキレイで甘い匂い。
部屋の中も適度に生活的でオシャレ。
まさに転生前……いや、転生後も思い描いてた女の子の部屋って感じだ。
思えば参謀の部屋は、最初からいろいろ生臭かったな。
寝起きもアイツに見開いた目で凝視されたり顔面騎乗されたり。寝てる間も体中嘗め回されてたし。
いや、俺の部屋もたいがいだったんだが。
能力や特性の問題とはいえ……化粧やファッションに気を遣わないと、生活環境も次第に荒れていくのかもしれん。
俺も参謀も化粧は無論、トイレすらほぼ行かないもんな……。
風呂でも適当に湯の中でぼけーっとしてるだけで、シャンプーとか不要だし。
体も洗ったり洗わなかったり……いや洗ってない方が多いか。
俺なんか、能力で消しちゃうから衣装もいつも同じだし。
その意味では、俺と参謀の女子力って終わってるよな……。
いや、吸血鬼にしちゃったから将軍と長官も次第に俺らみたいになるのか。
うーん……早まったか。
でも、吸血鬼化しといた方が奴を倒すには不安がなくなるんだよな。
身体能力が上がって、負傷の心配も減るし。
味方巻き込むような攻撃もできるし……。
「んぅ……」
まあ、生活については後々考えればいい。
今日は今日のことで、手一杯だからな。
「ふぁ……あれ? そ、総帥!?」
「よき朝だな、長官」
「朝って……え? あ……ああああああああ」
おお、状況や記憶に混乱して慌ててる。
将軍ともまた違う、かわいいリアクションで嬉しい。
思わず頭を撫でちゃうぞ。
「本来なら吸血鬼としての体を慣らすべきだが……」
「……覚えておりますわ。覚えておりますけど」
「現実味がないか?」
今、抹消オーラ出すとこのかわいいベッド消しちゃうからなぁ。
「まずは、身づくろいをしろ。他の二人も呼んでおく」
さっさとヤツを消さないとな。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
時間は午前6時。少し早いが、突入するなら早朝。
ファンタジーでゴブリンの巣穴を攻める時と同じだ。
実際、相手は似たようなもんだし。
「三人とも、体調に問題はないか?」
玉座の前に集まった三人の様子を見る。
戦力にならないドクターは不参加。
というか、クローンの1体に言伝しただけで起こしてもいない。
「ありませんけど……」
「我々が寝ている間に長官まで……」
「だ、だって突然でしたもの!」
余裕があるのはいいこと……と考えるべきかなぁ。
「苦情は後で聞く。今回はこの顔ぶれ全員がヤツの能力を認識しなければ意味がない」
「わかりますけどね、はぁ……」
「人違いで参謀に顔を嘗め回された身にもなってほしいぞ!」
「匂いで気づかず顔中舐めてから気づくなんて……不覚です……」
すまんな、将軍。
「ともあれ、これから突入するが……三人とも既に認識阻害の影響を受けているだろう」
「正直、夢で見た程度にしか思えん!」
「体が吸血鬼に変わっていなければ、夢で済ませておりましたわ」
「私も……久しぶりに眠ってしまいましたから。現実味がありません」
「そうか。では気を引き締めろ。突入前にもう一度行う。傍に来い」
影響のない俺にはわからんけど、認識阻害が距離と関係あるかもだし。
認識阻害能力者はおそらく
女性で10年前からいたってことは、たぶん俺らと同格の能力だからな……。
NTR(部隊名)の三人より遥かに範囲も応用性も上のはず。
三人をしっかり抱き寄せる。
「……長官の匂い、すごくするんですけど」
「吸血鬼になると感覚が鋭くなるな!」
「うう、シャワーは浴びたのですけれど、先ほども……」
「キスしただけだろうが」
誤解を招く言い方するなよ!
「私まだ昨夜からしてもらってません!」
「私もしてほしいのだが……」
「寝てからしてやった。第一、貴様らは許可もなくさんざん私に口づけていただろうが」
抱き寄せて軽く二人のおでこにキスしておく。
「…………」
長官も不満そうな顔してるから、しとく。
はぁ。
めんどくせぇぇぇ!!!!
攻略上の都合もあって三股状態になったけど。
ハーレムってやっぱ、めちゃくちゃめんどくさいわ!
恋愛経験ゼロってのはつまり、恋愛にコストかける価値を見出してねぇのよ。
逐一こいつらに配慮してフォローしてとか、やってられっか!
とりあえずため息は見せないようにしとく。
それだけでもストレスだわ……。
「……いいか。これからは例の認識も戻る」
おお、そこは全員で沈痛な面持ちになってくれるのね。
ちょっと安心したぞ。
プチ修羅場っぽかったのも不安を隠すための振る舞い……だったらいいなぁ。
全員、いつもの衣装。
俺の衣装は消えないけど、全裸で突入はヤだろうし。
意識して消さないように……。
「発動する」
広めに発動した黒い炎が全員を包み込んだ。
「「「……っ」」」
よしよし、誰も服は消えてないな。
参謀にされたみたく屈服したからってわけじゃないらしい。
それなりに深い関係になればOKっぽいな。
片手間でヤったオナホちゃんには適用できなさそうだけど。
「思い出したか?」
「昨夜の記憶はあったのです……」
「しかし、確かな認識が感情を蘇らせる!」
「ええ。アレを始末する意志は固まりましてよ」
「よし」
参謀が俺のオーラの中でも平気で吸血鬼能力を発動させてた以上。
いける、はずだ。
「長官。このまま私の能力の中から……この能力の範囲ごとテレポートの準備をしろ。目標は奴らの拠点、座標は適当でかまわん。地中でも壁の中でも、周囲もろとも消去してやる」
「わ、わかりましたわ」
「将軍も転移後……いや、転移前から洗脳を発動させておけ。私の能力範囲外には有効なはずだ」
「承知した!」
……改めて、俺の能力ってシナジーにするとチート臭いな。
「参謀は索敵を重視だ。吸血鬼として、貴様が最も鋭敏な感覚を持っている。知覚した男を長官に教えて始末させろ。秘書官と博士助手は可能なら、長官のテレポートで地下牢(オナホのいる場所)に送れ。困難ならもろともに始末してかまわん」
「了解です」
というか俺らって遠距離攻撃できるの、長官しかいないから……。
長官を連れてかないと勝ちようがないんだよな。
「私は能力発動を続け、貴様らへの攻撃を防ぐ。決して離れるなよ」
単独行動はフラグだからな。
散会せず、ひたすら塊ですべて消滅させていこう。
かたまってれば無敵+テレポート移動+即死攻撃+自動スタン+高性能知覚だから、時間停止が相手でも刺されば倒せるはず。少なくとも敗北はありえん。
「全員、準備はいいか」
三人の返答を確認。
偵察もせず、ぶっつけ本番もいいところだが。
これで終わりにしないとな。
「長官、テレポートだ」
「はい」
瞬時に周囲の風景が変わる。
よし、俺の能力の中でもテレポートできたな。
これならいける。
周囲はいかにもな、防衛軍基地っぽい場所。
人はいない。
どうせ原作()で基地内の背景画像なんぞ多くて数枚。
さっさと汎用廃墟画像に変えてやろう。
・夜の積極度
参謀>総帥>将軍>>長官=Dr.
1話時点の総帥は、将軍より下でしたが参謀に調教されてしまいました
長官は積極性こそないけど、押し倒されても抵抗しないタイプ
参謀は総帥以外に対して、特に性的な目では見てません
全員を性的な目で見てるのは総帥だけ……