巻き戻し起こらないの確認しーの。
参謀が鎮まるまで体で相手しーの。
種付け野郎のミンチを消去しーの。
他の生き残りがいないか探しーの。
ウツボッキ野郎も洗脳確保しーの。
一段落ついて後かたづけも終わり……と言いたいんだが。
「見つかりませんね」
「まずいな!」
「厄介ですわね……」
「とにかく出入口を塞げ。各設備間の通路もだ。ヤツの能力で脱出はできん」
認識阻害能力の持ち主、
参謀が飛ばすコウモリの様子からしても、自分自身に認識阻害を使っているに違いない。
このまま隠れ続けてやり過ごす気か。
「このまま放置する手もありますが……」
「ヤツが一生、単体でいてくれるならな」
「妙な能力持ちと組まれてはたまりませんわ」
「存在自体を忘れていたなど、許せんからな!」
実際、時間停止使いを始末するより、時間停止の実在をお前らに信じさせるのが一番たいへんだったからな。実在認識したらしたで、メンタルダメージ受けよるし。
俺は能力で無効化できるけど、その間の俺は月島さんの攻撃受けた状態になるんだぞ。ただでさえ意思疎通にエロゲフィルターが入るお前らと、記憶や認識自体がすれ違うのマジでストレスなんだからな。
相手が何かわからん状態で使われたらヤバすぎる……。
しかも地球規模で認識書き換えてるっぽいし。
どうにか手に入れるか、始末しなきゃ……。
「私の転移に巻き込まれて死んでいてくれればいいのですけれど」
「能力が解除されていない以上、隠れていると見るべきだろうな」
「厄介だな!」
「本当ですよ! アレさえいなければ、さっさと帰ってデスアクメ様で……」
頼むから違う危機感を抱いてくれ。
コウモリに俺の能力付与して使えばいけるかもだけど、俺自身もさすがにきついし。参謀も、俺の能力を受け入れつつコウモリを長時間使うのはキツそうなんだよな。
さすがにこれ以上、俺が体張って参謀のモチベ上げたくない……既に何されるかわからんし。
「とにかく他のスタッフの生き残りも探せ。秘書官が他の人間を連れている可能性もある」
「うう、しかし認識阻害を受けているとコウモリでは見つけられるかどうか……」
「私の能力を付与し続けるのも厳しいからな……」
透明化とかなら話は早かったのになぁ。
認識自体なかったことにされるから、ソナーでも嗅覚でもわからんのよね。
ていうか、俺ら自身が能力解除して別行動したら認識狂わされるし。
おかげで、今も四人で固まってうろうろしてる状態。
時間停止対策にあちこちボコボコにした司令室は既に出てきた。
障害物は長官の転移でどかし、また別の場所に起き……という方法でこの基地を生き埋め状態にしたまま探索中である。
「しかし、NTR(部隊名)の最後のメンバーを確保できたのは不幸中の幸いでしたわ」
「ヤツと組まれれば奇襲を恐れる必要があったからな!」
ウツボッキーは今、将軍の洗脳で意識不明のまま後をついてこさせてる。
男の目があるせいか、参謀が性的ちょっかいを出してこなくなったのは嬉しい副作用だな。
まあ、だからって男を随時はべらせとく気はまったくないんだが。
一応は長官の知り合いらしいし、酸欠で倒れる前にコトを済ませたいもんだが……。
「我々の襲撃後に確認したところ、事前に調査したスタッフより数は少ない様子ですが……」
「さすがに一般スタッフが常駐か通勤かまで調べておりませんわ」
名前と能力が優先だったもんなー。
この世界、名前さえわかればだいたい位置づけわかるし……。
とはいえ連中も輪姦モブ程度には竿役適性を持ってたはず。
ソクオチ秘書官はその名の通り、誰にでも即堕ちしかねん。
そりゃ俺らの脅威にはならんかもしれんが。
モブおっさんが、世間でろくでもないことするには十分だ。
まだ見ぬモブに鬼作さんみたいのが混じってるかもしれんしな。
「やはり秘書官を確保か始末するまで安心できんな」
「認識阻害持ちの暴漢を世に放つわけにはいかん!」
「記憶を操られる以上、かつての私たちと同様の悲劇をもたらすこと間違いありませんもの」
俺らは名前も見た目も正義の味方じゃないが、さすがに
「私はデスアクメ様さえ無事ならどうでもいいんですけどね」
聞こえてるからな、参謀。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
み、見つからねぇ!
司令室からあちこち歩き回ってみてるけどいない!
コウモリも出してるのに!
とりあえず、もう設備もへったくれもない司令室から離れて、今は
白衣の日焼け肌チャラ男っぽいのが転がってたから能力で抹消。
もう一つ、隅に転がってる女の死体は……一応、持ち帰ってドクターに見せるか。
サンプルには違いないしな。
リセット発動させないよう即死させたから頭が一部抉れてすごいことなっちゃってるんだが……。
PCの電源は着いたまま、ロックもされてないな……クズ男らしく情報守秘義務なんかより、自分の命を優先してくれたか。
これも情報を吸い出させないと……。
と、それより、今は生きてるヤツが問題だ。
「突入から時間経過はどうなっている?」
「この基地に来てから、およそ40分近くになりましてよ……」
「リセットされたせいで何時間もいる気がするな!」
「まずい……まずいぞ」
「そんなにまずいですか? さすがに閉じ込めて餓死寸前になれば勝手に出てきますよ」
そういう問題ではない。
俺らが乗り込んで暴れてリセットの果てに種付け野郎をぶっ殺して30分近く経ってるんだ。
つまり、ソクオチ秘書官が認識阻害をモブスタッフと使ってる場合……既にヤられて堕ちてる可能性がある。
常識的に考えれば、こんな危機的状況でいたすヤツはいないんだが。
これはエロゲだ!
人類危機の真っ最中でもレイプ。
パニックに陥れば即座にレイプ。
ゾンビに囲まれてようとレイプ。
避難場所で一息ついたらレイプ。
代わりのきかない勇者もレイプ。
民度が低いってレベルじゃない……そのへんの通行人でも、自由を奪われたヒロイン見たらまずセクロスを試みる狂った世界。
しかもヤられた方は簡単に屈する。
レベル1キャラでも性的にハメればレベル100を屈服させられるという、理不尽な世界。
そんな世界で、認識阻害という異能しかないヒロインと息をひそめ隠れるモブ竿役が30分以上を過ごしてどうなるかというと……ねぇ。
生存本能がどーたらとか地の文で言われながら、ヤられて利用されるに違いない。
「……利用している輩がいる前提で調べろ。長官、基地内随所で相互テレポートを起こせ。秘書官を巻き込んでもかまわん」
「は、はい。わかりましたわ」
たちまち基地のそこかしこで軋む音が響き始める。
施設全体がねじれていく音。
中にいれば、危機感を感じずにいられないはずだ。
「参謀。慌てて飛び出すヤツがいれば、男なら始末しろ」
「出てきますかね……」
「将軍、すまんが私の能力範囲から出て、この部屋の端末から情報を拾い出してくれ。参謀と長官を動かすわけにはいかんし、私の能力では端末を消してしまう」
現状、将軍だけ手が空いてるからなぁ。
「私の操作能力でどれだけ引き出せるか疑問だが!」
「放置していくわけにもいかん。片っ端から適当な端末にコピーするだけでもいい。頼む」
「頼まれては仕方ないな!」
あ、そうだ。
「すまん、その前に……」
隅に転がってる女の死体に近づく。
彼女が
原間瀬博士の助手で、リセット能力の持ち主のはずだ。
「将軍、その死体の様子を改めて調べておいてくれ。死んでいるが、ドクターへのサンプルとして連れ帰りたいからな」
「む、死体の検分か……まあ今更だが!」
将軍ならウツボッキーを操作して調べられるからな。
万一にも吸血鬼だったり、立ち絵なさそうなキャラだったら、別にリセット能力者がいた可能性も出てくる……所詮は推理……いや憶測で能力見定めてただけだし。
しっかり確認はして――
「やけに重いと思ったら、この体はあちこちが機械化されているな! サイボーグというわけだ!」
え? ちらっと見えただけだが、ちょっと待て。
「おい。よく見せろ。顔だ! 参謀と長官も見ろ」
待てや。なんでだよ。
「こ、これは、まさか……!」
「確かに言っておりましたけれど……!」
この“助手”の顔……。
うちのドクター……Dr.ヤクギメックスといっしょじゃん!
「ドクターの言っていたクローンがこれか……」
中盤以後のDr.マシリトみたく雑に半ロボ化されてるけど!
いうならばメカヤクギメックス!
クソ製作者……!
イヤな立ち絵の使いまわし方しやがって……!!
てか、あのクズ男(故人)はドクターと電話しながら、当人のクローンに奉仕させてイキ声を当人に聴かせてたのかよ。
こじらせてんのか?
ウツボッキーは速やかに倒されました。
無敵ユニットになったデスアクメ様と戦闘シーンやってもしょうがないからね……。
認識阻害持ちの秘書官は未だ行方不明。