魔法少女の『代役』を頼まれまして 作:魔法少女好き
俺の名前は
はずなんだが……。
「単刀直入に言うわ。貴方、私の代わりをしてくれないかしら?」
「……はぇ?」
いきなり、魔法少女の『代役』を、その魔法少女本人から頼まれたのだった。
時は少し遡る。
まずこの世界には
老若男女千差万別、魔法使いは色んな人物が成れる可能性を持つが、現れた魔法使いを統計していくと、その中でも特に若い女性……つまり少女が魔法使いになる適性が最も高いという結論に至った。
世間にも「魔法」や「魔法少女」の存在は公表されており、今や魔法少女であることは一つの
そのため魔法少女、とりわけ強い魔法少女はちやほやされていた。
俺はというと組織の平職員、事務担当の魔法適性ゼロの凡人も凡人。
魔法少女とは同じ組織に属するという以外に何の関わりも無かった。
そして今日も問題なく仕事を終え、他の職員が定時で帰った中、残業で1時間ぐらい遅れて俺も帰るという時に、廊下で彼女が現れたのだった。
「長考は終わったかしら。私としては早く答えを聞きたい所なんだけど」
「ちょっ、ちょっちょっと待ってください、その……。あの、俺が、貴女の、代役を? 今をときめく世界最強の魔法少女、
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。お世辞でも嬉しいわ。そうね、私は貴方に『魔法少女・
「つかぬことをお聞きしますが、何故?」
「毎日毎日、怪魔を退治してはそれを嗅ぎ付けた胡散臭いゴシップとか書いてる人やニュースのネタを求めてるマスコミの人に追われて辟易してたのよ」
怪魔を退治することよりも人に追われることの方が辛いのか……流石は最強の魔法少女。
「ま、簡単に言うと人生を交換して欲しいってわけ。なんならしばらくと言わずに一生お願いしたいくらいなんだけど……流石に貴方にも色々あるだろうからそこは譲歩するわ」
「譲歩って……」
もう既に俺が彼女の『代役』を行うことが決められているかのような不遜な態度に少しムッとしたが、よくよく考えてみたらこれは俺にとっても悪くはない提案だった。
うだつの上がらないサラリーマンから、きらびやかで強い魔法少女に成れるのだとあれば、男としてはやはり興味は湧く。
とはいえ、代役と言っても何をどうすれば彼女の代わりをやれるのか全く分からない。
一昔前にはドラマやアニメでよくあった、心と体が入れ替わる、というやつだろうか? それとも彼女そっくりに変身させてくれるのだろうか?
彼女は『全能の魔法少女』とも呼ばれる程何でも可能とする魔法少女だったが、そういう魔法もあるのだろうか。
「そうね、貴方の考えるその『入れ替わり』を私は魔法として使えるの。それで私と貴方を入れ替えるわ」
「ナチュラルに読心術使わんといてくれます?」
唐突に人の心の中という最大のプライバシーを明かされそうになってキレ気味に返事をしてしまったが、何はともあれ川井さんと俺が人生を入れ替えるのだ。
それにワクワクした俺はこれを了承したのだった。
「契約成立ね。それじゃあ、早速『代役』をして貰いましょうか」
「は、はい」
「行くわよ、『
───そして、目の前が真っ白になった。