はいふり&ガルパン はいふり側(完結)   作:春はる

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前回の続きです。

文字数は、前回より増えて5900文字前後になりました。

では、本編をどうぞ。



第9話

 

 

~桜視点~

 

 

一発の晴風から発砲音がした後に、中型スキッパーに乗っていた俺はすぐに哨戒艇に乗っている棚町監察官に声をかけた。

 

桜「棚町監察官!双眼鏡、持ってますか!?」

 

圭吾「あぁ、持ってるぞ」

 

桜「貸してください!」

と言って、双眼鏡を受け取り晴風を見てみた。

 

発砲していたのは、晴風砲術長の立石ちゃんだった。

 

桜(あのおとなしい立石ちゃんが、こんな容赦なく何かしら叫びながらいきなり攻撃するとは思えない。……シュペーと伊201と同じ状態かもしれない)

 

そう思った俺は、間宮と明石に発砲している立石ちゃんの状況を確認しようと双眼鏡のズーム機能を使い、顔部分を確認してみた。

 

桜(……上手い具合に顔が隠れてるな。これじゃハッキリと分からない)

 

うまく顔が隠れて確認が出来なくてどうしようかと思っていると、途中で発砲が止まった。

 

しかもその瞬間に立石ちゃんが海へ飛んできて、バシャーン!と海に落ちてしまったから、もう一度立石ちゃんがいた場所を確認するとミーナがいた。

 

桜「……ミーナが投げ飛ばしたのか……」

 

確認が終わると同時に、海に落ちた立石ちゃんがどういう原理か分からないけど、晴風に戻ってきた。

 

桜「なんで、海からあんな風に戻れるの……」

 

俺は自然とそう呟いていた。

 

明乃「皆ー、落ち着いてー。しらねから連絡があったと思うけど、ここにいる皆は捕まえにきた訳じゃなくて、助けにきてくれたんだよ!」

 

岬ちゃんがそう言っている間に、俺は棚町監察官に双眼鏡を返してから純としらねの艦橋に移動した。

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

~しらね艦橋~

 

 

しらねに上がって、買ってきた物の整理は純に任せた俺は艦橋に移動して晴風の行動について夏に聞いた。

 

桜「あの晴風の発砲は?」

 

夏「それが謎なんですよ。桜から来た連絡を晴風に伝えたんですけど……」

 

桜「そっか……。晴風からの発砲は誰がやったのかスキッパーから双眼鏡で見たけど、立石ちゃんだった」

 

夏「立石さんが?」

 

桜「うん。あの立石ちゃんがいきなり攻撃するとは思えないから、伊201乗員とかと同じかもと思って目を確認しようと思ったんだけど、絶妙に隠れてて確認は無理だった」

 

夏「あとで晴風で話を聞くしかないって事ですね」

 

桜「そういう事だね。……まぁ、今はその話は置いといて、この二人が……」

と、通信を入れてた監察官の二人を紹介しようと、監察官がいる方を見たら、言葉が出てこなかった。

 

海「兄さん、抱きつくなー!」

 

陸「心配したんだからな」

 

海「俺らは護衛してるだけで実際しらねは狙われた訳じゃないから、心配される程じゃねー!心配は晴風の方をしてあげろよ!特にましろの方を!」

 

陸「そっちも心配してるぞ」

 

海「……ていうか、いい加減に離れろよ!暑苦しいし、キモい!」

 

陸「海、それひどいぞ!」

 

特に東葉監察官が海に抱きついて心配してたから、言葉が出てこなかった。

 

桜(……そういえば、前に"兄さんはブラコン"って嫌そうな顔をしながら言ってた。東葉監察官は、愛里寿ちゃんに対する夏みたいな感じか)

 

そう思いながら成幸の方を見た。

 

圭吾「今の所は問題はないのか?」

 

成幸「一応。……伊201の時、あまり燃える程の操舵じゃなかったから退屈だったな。ただ、魚雷を避けるだけだったし」

 

圭吾「それも大事だぞ、航海長としてな」

 

成幸「それは分かってるよ」

 

桜(うん。こっちは普通な会話だ)

 

成幸達が普通の会話をしているのを見た俺は、どこか一安心した。

 

桜「……えっと、海に抱きついてるのが、海の兄の東葉陸監察官。あと成幸と話してるのが、成幸の父の棚町圭吾監察官だよ」

 

一安心してから、皆にそう伝えると監察官二人が自己紹介してくれた。

 

薫「東葉監察官……キャラが、濃い……。棚町監察官……普通に、いる……感じ、だね」

 

俺の隣にいる薫が、そう言ってきたから"そうだね"と答えてから、二人に質問をした。

 

桜「あの、海上安全整備局の様子はどうなんですか?」

 

陸「校長から連絡があったと思うが、未だにしらねの見解報告は信用してない感じだよ。まぁ、最初のさるしまからの報告を鵜呑みにしたからってのもある」

 

圭吾「それに、晴風に危険分子がいると思っているな。しらねのウィルス説より晴風乗員に問題があると思ってる節がある」

 

そう説明していた棚町監察官が、ポケットからスマホを出した。

 

何か操作をしてからスマホをしまってから、口を開いた。

 

圭吾「……と言ったものの、そう思うのも時間の問題になった」

 

桜「と言うと?」

 

圭吾「今、メールが来たが古庄教官が意識を取り戻したという内容だった。そこから事情聴取が開始されるだろうから、その内容によって晴風に対する考えが変わるだろ」

 

棚町監察官からの言葉に一安心していると、東葉監察官から質問された。

 

陸「それで話が変わるが、さっきの晴風の発砲は関知していたのか?」

 

桜「いえ、晴風があの行動をした理由については、自分も副長達も全くもって分かりません。……ただ、発砲したのは砲術長の立石ちゃんです」

 

圭吾「あの時、双眼鏡で確認してたのは、誰なのかを確認してたってことか……」

 

桜「それと、伊201と同じ状態だと思って立石ちゃんの目の状態を確認したのもあります。立石ちゃんは、かなりおとなしい子でいきなり攻撃をする性格ではないです」

 

圭吾「実際、どうだった?」

 

桜「それが、上手い具合に確認が出来なかったです。なので、あとで晴風に行ってその時の立石ちゃんの状態を確認するつもりです」

 

棚町監察官にそう伝えると、"桜"と名前を呼ばれた。

 

声がした方を見ると、補給支援教育艦・とわだの艦長をしている松永秀一(まつながしゅういち)だった。

 

桜「秀一、どうした?」

 

秀一「これから補給するんだが、補給について話をしときたい」

 

桜「あー……とわだからの補給は、いつも通り夏や純達と話をしてて」

 

秀一「了解、いつものだな。夏、いいか?」

 

夏「大丈夫です」

 

桜「あと、さがみからの補給は水中弾の補充と祐太達と点検をお願いって事を凛に、さなるは給油の補給だから減った分の補給って事を健に伝えといてね」

 

秀一「了解。……夏、その辺も確認してくれ」

 

桜「……ちょっと待て」

 

秀一「念のためだよ、念のため。一応、艦の補給については夏が担当してんだからさ」

 

桜「そりゃそうだけどさ~」

 

秀一「そもそも、そう言われたくなければ艦内部の事をしっかり把握しとけ」

 

桜「弾薬は把握してるよー」

 

秀一「はいはい」

 

そんな話をした後に補給について夏に全部任せた。

 

 

俺は棚町監察官と東葉監察官にネズミモドキとウィルスを持ってる事を伝えて、ウィルスの詳しい作用については全て分かり次第報告する事を伝えた。

 

そして、ネズミモドキの発生源の調査をお願いもしてから、薫と一緒に晴風に向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~晴風・艦橋~

 

 

晴風に乗り込んだ時、平賀監察官と岬ちゃんと宗谷ちゃんが話をしていた横を通りすぎて、俺と薫はまず艦橋に向かった。

 

真っ先に艦橋に行った理由は簡単で、立石ちゃんの行動について聞きたかったからだ。

 

それで艦橋に着いたけど、肝心の立石ちゃんと何故か西崎ちゃんも居なかった。

 

桜「立石ちゃんは?」

 

幸子「立石さんは、一応拘束という形で日用品を置いている部屋にいて、トイレットペーパーを補充してもらってます」

 

桜「……西崎ちゃんは?」

 

幸子「西崎さんは監視って名目で、側にいてあげてる感じみたいです」

 

その話を聞いて"そう"と呟いてから、今いる艦橋メンバーとミーナに話を聞くことにした。

 

桜「まぁ、いっか。えっと、皆に立石ちゃんの事で聞きたい事があるんだ。……立石ちゃんが突如攻撃した時の状態はどうだった?」

 

鈴「い、いきなり過ぎて分からなかった……です。タマちゃんがあんな風になるなんて思わなかったから……」

 

幸子「……あ、そういえば立石さんがいきなり豹変した感じになる前に、しらねから情報が来てたネズミモドキがいました」

 

桜「それ、本当!?」

 

納沙ちゃんの言葉に反射的にそう聞き返してしまった。

 

幸子「は、はい。晴風にいる五十六が捕まえてきたんです。それでカゴか何かに入れようって話になった際に、艦長達が帰ってきてる報告を受けて……」

 

桜「その時に立石ちゃんが豹変したって事ね。ミーナ、立石ちゃんの目の状態は見た?」

 

ミーナ「赤かったぞ」

 

それを聞いて"ふむ"となっていると、納沙ちゃんが"あっ"と声を出した。

 

桜「他にも気づいた事があったの?」

 

幸子「えっと、立石さんが海から戻ってきた時には、元の状態に戻ってました。それと立石さんの制服のポケットにモドキが隠れてたんですけど、凄くグッタリしてました」

 

納沙ちゃんの話を聞いた俺は、伊201やシュペー乗員と同じ好戦的になるっていうのもモドキが原因だと、ほぼほぼ確定に近いと思った。

 

桜(グッタリしていた。モドキは海水に弱いとかそんな感じかな?)

 

そう考えてると、薫がチョンチョンと制服を引っ張ってきた。

 

薫「……桜。立石……さんの、血液検査……した方が、いいかも……しれない」

 

桜「そうだね。それは美波ちゃんに頼んで、調査自体は彼方と一緒に進めてもらう方がいいね。……情報ありがとね、納沙ちゃん」

 

幸子「あ、いえ……」

 

桜(この事は、平賀監察官に伝えて横女とブルマーに報告してもらうか)

 

そう思った俺はすぐに平賀監察官の元へ向かい、薫が記録してくれていた情報を見せながら伝えた。

 

 

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~宗谷校長視点~

 

 

晴風に補給艦を向かわせる様にと指示を出してから少し経った時に、娘の真霜から連絡が来た。

 

内容は、平賀監察官を始め補給艦達が無事に晴風に接触出来たという事だった。

 

真霜「その時に晴風の砲術長の立石さんが、間宮・明石に攻撃をしてしまった部分があったけど、それ以外の艦長・乗員共におかしな様子は無かったわ」

 

宗谷校長「立石さんの、今の様子は?」

 

真霜「今は問題は無くて、いつもと変わらずみたいよ。一応は拘束という形になっているわ。整備局には、立石さんの事は伝えずに、全員おかしな様子は無しと報告したわ」

 

宗谷校長「……そう」

 

真霜「それと、平賀監察官から角谷くんの続報の報告を聞いたわ」

 

宗谷校長「どんな内容?」

 

真霜「まず、しらねが伊201との戦闘後にウィルス説の見解をお母さんと東葉校長に報告した時があったでしょ?」

 

宗谷校長「えぇ、東葉校長からそれは聞いたわ」

 

真霜「その報告の後に、謎の生き物を発見したらしいの」

 

宗谷校長「それは、本当?」

 

真霜「えぇ。しかも、今日までの間に調査をした結果、その生き物はウィルスを持ってる事が分かったらしいわ」

 

宗谷校長「ウィルスを持ってる以外で、分かってる事は?」

 

真霜「一つは確実だと言えるのがあるみたいだけど、あと一つ調査しないといけないのがあるので、その一つが分かり次第報告すると角谷くんが言ったそうよ」

 

宗谷校長「……そう」

 

真霜「ただ、一つだけ朗報よ。伊201とさるしまとその他の教育艦、今回の立石さんの攻撃行動はそのウィルスの可能性あり。その為、立石さんに血液検査などをするそうよ」

 

宗谷校長「そこで、謎生物のウィルスと一緒なら確実に騒動の原因って事ね。じゃあ、ウィルス関係は結果が出るまで時間が掛かる感じだし、待つしかないわね」

 

真霜「そういう事になるわ。一応、謎生物と保有ウィルスついては、整備局には報告してないわ」

 

宗谷校長「そうね。完全に分かりきってない中途半端な状態で、さるしまの報告を鵜呑みの整備局に報告すると妄言だと言い張るかもしれないわね」

 

私はそう言いつつも、晴風の皆が無事だという事としらねのお陰で解決の兆しが見えてきた事にひとまず一安心した。

 

しかし、すぐに真霜が"でも"と声を出してきた。

 

真霜「……私が上げた晴風乗員は問題無しの報告をしても、未だに晴風に危険分子が乗船していると疑ってる。全員拘束すべきという声もあるわよ」

 

宗谷校長「これからウィルス調査をするしらねの報告も、何より意識を取り戻した古庄教官からの聴取もまだよ。全く情報が集まっていないのに、それは出来ないわ」

 

真霜「でも、しらねの報告や古庄教官の聴取などで情報が集まるまでに、晴風にこれ以上何かあればお母さんの立場が危うくなるわよ」

 

宗谷校長「私の心配はしなくていいわ。貴方は古庄教官の聴取や、しらねが言った謎生物自体の発生源などを調べて」

 

真霜「分かったわ」

と、真霜の返事を聞いた後、通話を切った。

 

宗谷校長(今は、情報を待つしかないわね)

 

私はそう思いながら、窓から外を眺めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~晴風・医務室~

 

 

~桜視点~

 

 

平賀監察官に伝えた後は、俺は一旦しらねへ戻り彼方からネズミモドキの資料のコピーを貰った。

 

コピーを貰った後は、また晴風艦橋に行きケースに入ってる晴風で見つかったネズミモドキを持って、晴風の医務室にいた。

 

美波「これはハムスター……ネズミにも見える」

 

ネズミモドキを美波ちゃんに見せると、美波ちゃんはそう呟いていた

 

桜「一応、この生き物はしらねでも発見してて彼方が調査が出来る範囲でしてくれたんだ。コピーだけど調査内容の資料がこれ」

と言って、美波ちゃんに彼方から預かった資料のコピーを渡した。

 

美波「ウィルスを持っていて、そのウィルスは電子機器に影響、それ以外にもシュペーや伊201の暴走していた乗員にも関与の可能性がある」

 

桜「そう。今回、立石ちゃんが暴走した時にモドキがポケットに居たらしい。あと、海水に弱い可能性もあるかもしれない。納沙ちゃんの話だと、グッタリしていたらしい」

 

美波「海水云々は調べないと分からないが、砲術長が暴走した件でシュペー・伊201乗員と同じウィルスの可能性あり状態から、ほぼほぼ確定に近い状態になったって訳か」

 

桜「まぁ、立石ちゃんから採血して美波ちゃんに血液検査をしてもらう事が必要になるよ。そこでモドキが保有してるのと同じウィルスなら、完璧に今回の騒動の原因になる」

 

美波「そうなれば、ウィルスのより詳しい情報やら、ワクチン作成・ワクチン以外の対処法やらの研究や調査が進むということか?」

 

桜「そう。その調査や研究やらは彼方と一緒に進めて。なんだったら、しばらく彼方を晴風に滞在させるのもありだから」

 

美波「……なら、今すぐお兄ちゃんに来てほしいんだが」

 

桜「分かった。しらねに戻ったらすぐに晴風に行くように伝えとくよ」

 

俺がそう言うと、美波ちゃんは頷いたのを見た俺はしらねに戻った。

 

俺は、彼方に話をして晴風に行ってもらい、彼方以外のしらねメンバー全員に彼方が晴風に行った事と、行った理由を教えてた。

 

 

買い出しから始まったこの出来事の間に、1日が経っており4月14日の朝になっていた。

 





次回は、ハイスクールフリートのアニメ第5話をメインにした話を書いて投稿予定です。
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