はいふり&ガルパン はいふり側(完結)   作:春はる

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続きです。

では、本編をどうぞ。



第2話

 

 

~4月8日~

 

 

横須賀男子海洋学校で始業式があり、海洋実習をスタートして、晴風の調査をする事になったのが4月7日の夕方。

 

そこから1日が経って、夜になった。

 

艦内灯や航海灯などを消したタイミングで電信員が海上安全委員会の広域通信を傍受したと報告をくれた。

 

その内容を確認してみると、横須賀女子海洋学校所属艦の異常行動を受け、横須賀女子所属の艦は各地への寄港の禁止。

 

晴風については、抵抗した場合は撃沈しても構わないという事だった。

 

晴風が反乱扱い、他の艦が通信不能だったり消息不明になった中でのこの通信は、委員会は調査をしてないんじゃないかと思った。

 

それに加えて、この内容の通信を出したという事は"何か裏がある。何かしら隠したい事がある"とも感じた。

 

俺が感じた事は皆には話しており、今後何か気づいた時は話して欲しいと伝えている。

 

そして、今は交代で休憩しながら航行していた。

 

夜だし、ちゃんと当直を交代でしないと、寝不足とかで力を出せなくなる。

 

今、当直で艦橋にいるのは副長の夏と航海長の成幸だ。と言っても、俺はちょうど休憩を終えたので艦橋へ戻った。

 

艦橋へ入ると同時に、右舷の見張り員が声を出した。

 

右舷員「艦長!3時の方向に晴風を確認!」

 

晴風確認の言葉に、夏が即座に全員に晴風を発見をした事を伝えた。

 

俺はそれを横目に双眼鏡で、晴風の様子を確認をした。

 

桜「……戦闘してるのか?」

 

右舷員「その可能性が高いですね。何かを避けた様な動きをしてる感じです」

 

水測員「潜水艦のスクリュー音と、魚雷音が聞こえた」

 

桜「どこの潜水艦だ?」

 

水測員「音紋を特定……東舞校の伊201だな。……伊201が晴風を攻撃をしている」

 

桜「潜水艦用無線で戦闘中止を呼び掛けてくれ」

 

電信員「了解」

と、返事をした後に、伊201に呼び掛けをしてくれた。

 

それからしばらくして、"艦長"と声をかけられた。

 

電信員「こっちの呼び掛けに全く反応しない。うんともすんとも返事をしてこない」

 

夏「どういう事ですかね」

 

桜「情報が無さすぎるからなんとも言えないけど、海上安全委員会の無線とかもあるから嫌な予感しかしないな」

 

夏「そうですね。……大洗の学園艦は廃校の話になってる所に、今度は横女の教育艦が反乱、消息不明と通信不能。しかも、東舞校の伊201も行動がおかしいとまで来ましたからね」

 

桜「今年は厄年な感じがする」

 

副長の夏とそう話してると、水測員から連絡管から声が聞こえた。

 

水測員「艦長。伊201が、こちらに向きを変えて急速に接近してくるぞ。さっきの無線は意味がなかったっぽいぞ」

 

成幸「……無線の呼び掛けに反応せずに、今度はしらねと戦闘する気か?」

 

桜「その動きだな。……各自、対潜戦闘用意」

 

俺がそう言うと、皆は"了解"と返事をして、戦闘位置についた。

 

水測員「右舷から伊201、魚雷二発を撃ってきた」

 

戦闘体制になると同時に、伊201が魚雷を撃ってきた。が、成幸が回避行動を取った。

 

桜(容赦なく撃ってきた……普通じゃあり得ないな。常識じゃあり得ない事が起きてるって考えた方がいいかも。……ひとまず今は戦闘指示を出すか……)

 

少し考え事をしたが、すぐに指示を飛ばした。

 

桜「探照灯、右舷に照射開始。右舷員、見張り員は伊201が黙視可能有無の確認。水測員は正確な位置を特定次第、航海長と砲術長に通達」

 

右舷・水測・見張り員「了解」

 

桜「航海長、このまま魚雷を避けつつ伊201のスクリューを撃ち抜ける位置に、移動出来るように準備。水測員の報告後は即座に移動」

 

成幸「了解」

 

桜「電測員、二番・四番砲の捕捉オフだ。砲術科は、全砲塔の砲弾を通常弾から水中弾に変更。水測員の位置情報通達後に、砲術長の指示で攻撃だ」

 

海・砲術科・電測員「了解」

 

それぞれに指示を飛ばしてから少しするとレーダー等の担当の電測員から声を出してきた。

 

電測員「しらね、魚雷衝突コースから外れ、横を魚雷が通ります」

 

見張り員「魚雷二発、確認……通りすぎました。……ん?艦長、晴風が近づいてきた!」

 

見張り員の言葉に俺は驚いて、晴風を双眼鏡で動きを見た。

 

晴風が近づいてきていたのを確認すると、薫から声をかけられた。

 

薫「桜……晴風、無線きた」

 

桜「変わってくれ」

 

晴風からの無線に出ると、晴風艦長の岬明乃からだった。

 

話を聞くと、伊201を無力化させる事と、その方法は、掃海具を使用した索敵を行い、その後に爆雷を投下させるという内容だった。

 

桜「その作戦の発案者は?」

 

明乃『えっと、私が思い付いたんですけど、晴風の皆と晴風に乗艦しているドイツ艦の……アドミラル・グラフ・シュペーの副長も賛同してくれました』

 

桜(シュペーの副長ならミーナだけど、なんで晴風に?……いや、今は伊201の対処だ。爆雷があるならそれを使ったほうがいいな)

 

晴風艦長の話を聞いた俺はすぐにそう考え、岬艦長に返答した。

 

桜「岬艦長、しらねはそちらの作戦に従う。なので、晴風は作戦を実行開始してください。その間、しらねは伊201が晴風に攻撃が行かないように動きます」

 

明乃『あ、はい、分かりました』

と、岬艦長の返事を最後にやり取りを終えた後に、しらねの皆に声をかけた。

 

桜「作戦変更だ。これよりしらねは伊201が晴風に攻撃が行かないように、行動をする。探照灯は消してくれ」

 

全員「了解」

 

桜「砲術科、伊201の意識がしらねに向くように適度に攻撃。ただし、絶対に当てるな」

 

海・砲術科「了解」

 

皆の返事の後、しらねは作戦通りに動き始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

しばらく晴風の作戦に乗り自分達の役目をしていた。

 

俺は双眼鏡で晴風の動きを確認をしていると、晴風が爆雷を投下したのを確認した。

 

そして、爆雷の爆発をした。そして爆発と同時に電信員から報告がきた。

 

電信員「伊201の緊急浮上、国際救難信号の発信を確認。及び、東舞校の教員艦が30ノットで接近も確認」

 

桜「了解。俺と薫が晴風に乗り込み、事情聴取をする。東舞校の教員艦には今の起きた状況説明と晴風乗員の聴取が終わり次第、詳しい説明をする事を伝えて」

 

電信員「了解」

 

桜「副長、晴風に無線を」

 

夏「了解」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

夏「艦長、晴風から"こちらも説明をしたい為、直接会って話をします"だそうです」

 

桜「分かった。晴風に近づきタラップを掛けろ。薫、晴風に乗り込むから、記録の準備を頼む」

 

薫「ん」

 

桜「海も一緒に来てくれ」

 

海「……なぜ?」

 

桜「晴風名簿の情報で副長の宗谷ましろが、生真面目だとか書かれてたから、話がうまく進まない部分があると思うから」

 

海「あー……確かにましろは融通が聞かない部分があるし、常識外の事があれば中々認めようとしないしな。……分かった、俺も行くよ」

 

晴風にタラップがかかり、俺は薫と海と一緒に晴風に乗り込んだ。

 

 

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~明乃視点~

 

 

~晴風~

 

 

伊201から魚雷発射を受けて、助けたドイツ艦の子が医務室から艦橋に出てきた。

 

そして、伊201から攻撃を受けてる事を教えると、色々と潜水艦相手の攻撃方法を言ってきて、シロちゃんがその方法に答えていった。

 

ミーナ「じゃあ何があるんじゃい!」

 

明乃「爆雷一発以外、私達には何もない」

 

ミーナ「他に水中に出せる物は何か無いんか!」

 

ドイツ艦の子がそう叫んで、私は頭を回転した。

 

その時に、シロちゃんが艦橋に持ってきていた鮫のぬいぐるみを見て、一つ思い付いた事があった。

 

私は、その思い付いた事を皆に伝えて実行しようとした時に、見張り員の野間さんから"艦長!"と呼ばれた。

 

明乃「野間さん、どうしたの?」

 

野間「潜水艦とは別の艦が近づいてくる!」

 

明乃「どんな艦か分かる?」

 

野間「艦の形的に……ホワイトドルフィンの艦に似てる。……けど、主砲が四つ付いてる」

 

明乃「主砲が四つ付いている艦?」

 

野間さんの話を聞いて、"どういうこと?"と思ってしまった。

 

私自身、ブルマーやホワイトドルフィンの艦の事は全部は分からなくても、どんな形の艦なのかは何となく分かる。

 

だけど、主砲が四つある艦は初めて知った。……と思っていると、隣にいたココちゃんが"あ!"と声を上げた。

 

幸子「それって、横須賀男子の教育艦のしらねですよ!」

 

ましろ「……横須賀男子のしらねって……」

 

ミーナ「しらね……」

 

鈴「横須賀男子って、模擬戦の殆どが模擬弾より実弾を使う実戦形式をするって事で有名な学校だよね……?」

 

芽依「そうなの!?撃ちたい放題じゃん!」

 

明乃「へ~、横須賀男子の艦なんだね。……って、それよりも、野間さん。そのしらねって艦はどんな動きをしてるか分かる?」

 

皆の話に"へ~"となったが、すぐにしらねという名前の艦の動きを確認をした。

 

野間「今の所は特に大きな動きはしてない」

 

万里小路「艦長。魚雷二本がしらねへ向かっていきますわ」

 

野間さんに、しらねの動きを報告してもらったと同時に、水測員の万里小路さんから、驚きの報告を受けた。

 

鈴「なんでいきなり私達の方じゃなくて、しらねに攻撃始めたの!?」

 

芽依「見てた感じだと、そのしらねは特に何もしてなかったのに……」

 

伊201の動きに不審に思った皆が、それぞれ思った事を言い合っていたが、私は双眼鏡で魚雷を撃たれたしらねを見た。

 

しらねを見てみると、魚雷を避ける様な動きをしていて、主砲も動き始めていた。

 

どう見ても、伊201に対して戦闘をしようとしているのが分かった。

 

明乃「……伊201と戦闘して、しらねを助けよう」

 

鈴「え、戦って助けるの……。しらねが追ってだったらどうするの……?」

 

明乃「多分だけど、それはないと思う」

 

芽依「なんで、そう思うの?」

 

明乃「……もし、伊201と同じなら、しらねはとっくに攻撃をしてる筈だよ」

 

幸子「……確かに」

 

明乃「それに晴風に攻撃をしてこないだけじゃなくて、伊201と戦闘を始めようとしてる。その時点で、追ってじゃないと言える」

 

鈴「でも、それが嘘の動きならどうするの……」

 

ましろ「……艦長の言う通り、しらねを助けよう」

 

私の考えを皆に言っている時に、ずっと黙ったままだったシロちゃんが、私の意見と同じことを言ってきた。

 

明乃「シ、シロちゃん?」

 

ましろ「あの艦には、私のか……知り合いが砲術長として乗っています。だから、そんな攻撃をしてくる筈がないです」

 

シロちゃんの言葉に皆は静かになってしまった。

 

ミーナ「確かに艦長と副長の言う通りじゃ。しらねは攻撃はしてこない」

 

幸子「なんでそう言い切れるんですか?」

 

ミーナ「横須賀男子の教育艦しらねとは、去年に合同演習で一緒に行動をした。その際にしらね艦長と知り合ったんだが、その様な事はしない信条の人だった」

 

幸子「……艦長だけじゃなくて副長とドイツ艦の人がそう言い切るって事は、本当に大丈夫って事ですかね?」

と、ココちゃんが言い出したのを切っ掛けに、皆の空気が助けようって流れになった。

 

明乃「じゃあ助けるとして、どうやってっていう事になるけど……」

 

幸子「やっぱり、さっき艦長が思い付いた方法がいいんじゃないですか?」

 

明乃「掃海具を海に出して伊201の位置を把握してから、爆雷を投下するって方法だね」

 

明乃「ミミちゃん、掃海具用意」

 

私は主計長のミミちゃんと給養員のほっちゃん、あっちゃんにそうお願いしてから、リンちゃんに声をかけた。

 

明乃「リンちゃん、今から伊201としらねの所に晴風を近づかせて」

 

鈴「え、近づかせるの……」

 

ましろ「じゃなくちゃ、掃海具も爆雷も使えないだろ……!」

 

鈴「ヨ、ヨーソロ~……」

 

明乃「ココちゃん、しらねに無線を繋げてくれる?」

 

幸子「分かりました」

 

明乃「横須賀女子海洋学校、教育艦晴風艦長の岬明乃です」

と伝えた。すると、しらね艦長の角谷桜艦長が返事をしてくれた。

 

相手が艦長なら話が早い。艦長は艦の最終判断をするから、話を直接話せるって事は、判断に掛かる時間が少なくなるってことだ。

 

私は、しらねの艦長にこれから伊201の動きを止めさせる攻撃をする事と、方法を伝えた。

 

桜『その作戦の発案者は?』

 

私が説明をすると、発案者を聞かれた。いきなりそんな事を聞かれた私は戸惑いながらも、すぐに答えた。

 

自分が思い付いた事と、晴風艦橋の乗員とドイツ艦アドミラル・グラフ・シュペーの副長が賛同してくれた事を伝えた。

 

すると角谷艦長が"作戦に従う"と言ってきた。

 

桜『晴風は作戦を実行開始してください。その間、しらねは伊201が晴風に攻撃が行かないように動きます』

 

明乃「あ、はい、分かりました」

と、角谷艦長の言葉に返事をしてから、掃海具の準備が出来たかどうかを聞こうとミミちゃん達に声をかけた。

 

明乃「掃海具は……『あぁぁぁーーー』ミミちゃん?」

 

美海『掃海具、準備完了ー!』

 

叫び後が聞こえたと思ったら、準備が出来たと報告をもらったから、"了解"と返事をした。

 

そこから、しばらく掃海具を使った伊201の場所を探していた。

 

私も艦橋から少し外に出て双眼鏡で周りを見渡していたが、しらねの事が目に入った。

 

明乃「……しらね、動きに迷いがないね。しかも伊201が私達に攻撃してこないようにしてるね」

 

ましろ「三年生ですからね、横須賀男子海洋学校は。だから、行動に迷いもないんですよ」

 

明乃「そうなんだね」

 

シロちゃんと少ない会話をした時に掃海具が当たった様に感じた。

 

明乃「今、当たったのかな」

 

ミーナ「今のは間違いない」

 

そこから索敵を続けて伊201の詳しい位置が分かったので、メイちゃんに爆雷を投下をお願いした。

 

芽依「やっと撃てるー!爆雷投下ー!!」

 

爆雷が投下されて数秒後に爆発した。

 

すると伊201は緊急浮上をして国際救難信号の発信、そして近くの東舞校の教員艦が接近をしているのをつぐちゃんに教えてくれた。

 

私はここから離脱をしようと指示を出そうとしたが、その時に、無線がきた。

 

ココちゃんが出るとその無線の相手は、さっきの横須賀男子の教育艦しらねからだった。

 

明乃「何て内容なの?」

 

幸子「今回の晴風反乱の件で話を……いわば事情聴取をしたいと、しらねの副長から無線です」

 

芽依「しらねまでも疑ってるの!?」

 

幸子「……ただし、横須賀男子海洋学校並びに教育艦しらねは反乱という情報は信じてない。が、状況確認などをしたい為、直接会う事は可能ですか?……だそうです」

 

ましろ「艦長。どうします?」

 

明乃「……こっちも説明をしたいけど、東舞校の教員艦が来ちゃうし……」

 

私がそう呟くと、ここちゃんがその事をしらねに伝えてくれた。

 

幸子「……そこは大丈夫みたいです。しらねから説明するので、教員艦が来ても晴風乗員は確保はされないので安心してほしいとの事ですけど、どうします?」

 

ココちゃんの言葉を聞いた私は少し考えてから、自分の考えを伝えた。

 

明乃「直接話をしよう。こうやって無線で説明してくれてる。それにちゃんと話を聞いてくれるみたいだから、話をする価値はあるよ」

 

ましろ「そうですね。……よし、しらねに会う事を承諾した旨を伝えてくれ。あと、こっちからも話したい事もあることもだ」

 

幸子「分かりました」

 

ココちゃんが会うことを伝えてから、少ししてタラップをかけられた。

 

そして艦橋に三人やってきた。

 

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