本編をどうぞ。
〜翌日〜
〜病院〜
〜栞視点〜
麻子と沙織以外の、私達は病院に来ていた。
サンダースの試合があった日に、麻子のおばあちゃんが倒れたって連絡が麻子に届いた。
私達もお見舞いに行った方がいいと思って、麻子と沙織から病院と病室を連絡で教えてもらったんだ。
華「冷泉さんのおばあさまがいる病室はどこでした?」
栞「確か……『もういいから帰りな!!』……!」
病室の場所を言おうとした時に病室から大声が聞こえて、その病室からまだまだ怒号が聞こえていた。
麻子『おばあ……そんなに怒鳴ってると、また血圧上がる』
女性の声のあとに、麻子の声が聞こえたから、この病室にいる事が分かった。
栞「この病室っぽいね」
優花里「……帰りませんか」
栞「いやいや、折角ここまで来たし入らないと」
華「そうですよ。……入りますね」
優花里「五十鈴殿と栞殿は肝が据わってますね……」
みほ「あはは……」
華が先頭に病室に入ると、沙織が振り向いて"あ、皆!"と言ってきた。
麻子も私達の方を見ていた。
栞(ベッドにいる女性に麻子のおばあさんで間違いないね)
と思ってると、麻子のおばあさんが"なんだい、あんた達は?"と聞いてきた。
麻子「一緒に戦車道をやってる友達」
おばあさんの質問に麻子自身が先に答えた。
久子「友達……あんたがかい?」
沙織「私たち全国大会の一回戦に勝ったんだよ」
久子「一回戦くらい勝てなくてどうするんだい。……で、その戦車さん達は、一体なんの用でここに来たんだい?」
麻子「試合の後、おばぁが倒れたって連絡が、それで心配になってお見舞いに…」
久子「あたしじゃなくてあんたを心配してくれたんだろ!!」
栞(麻子のおばあちゃん、めっちゃ元気……)
麻子「……わかってるよ」
久子「だったらちゃんとお礼言いな」
麻子「わざわざ…ありがとう」
と、麻子がお礼を言ってきた。
けど、すぐにおばあさんに"愛想よく"とか言われてもう1回お礼を言ってきたけど、またツッコまれていた。
栞(こっちが口を挟む事が出来ないな……)
と思いながら、2人のやり取りする光景に驚いてるとお花を持ってた華が、沙織に花瓶の場所を聞いて2人が病室から出ていった。
その様子を横目に見ながら、私はみほに小声で声をかけた。
栞「麻子のおばあさん、元気よさそうで良かったね」
みほ「ホント、そうだね」
久子「それよりもあんた達もこんな所で油売ってないで戦車に油を注したらどうだい?」
みほ「え?」
さっきまで麻子と話してた所に私達に話しかけられたから、みほは首をかしげた。
久子「お前もさっさと帰りな、どうせ皆さんの足引っ張ってるだけだろうけどさ」
みほ「そんな……麻子さん、試合の時はいつも冷静で助かってます」
優花里「それに、戦車の操縦がとても上手で憧れてます!」
おばあさんの言葉に、みほと優花里が本当に助かってるからこそ言えるフォローの言葉を伝えた。
試合を終えた後に試合の最中の事を聞いたりしてるけど、麻子には結構助かってるらしい。
久子「戦車の操縦が上手いだけじゃ、おまんま食べらんないだろう?」
みほ達の言葉におばあさんがそう返したタイミングで、花瓶を借りてきた華と沙織が戻ってきて、花を添えて窓際に置いてた。
麻子「……じゃあおばぁ、また来るよ」
窓際に花を添えた花瓶を置いた後に、麻子がおばあさんにそう言って部屋を出ていったから、華達も出ていった。
私も麻子のおばあさんに会釈してみほと出ようとした時だった。
久子「……あんな愛想のない子だけどね、よろしく」
おばあさんの言葉に、私とみほは顔を見合わせたけどすぐに"はい"と返事をして病室を出た。
病室を出ると、麻子が華に背負われていた。
栞「麻子、どうしたの?」
そう聞くと、おばあさんが無事だった事に安心して緊張が解けた……気が抜けて寝てしまったかららしい。
栞「そうだよね。家族に何かあると不安になるのは当然だもんね。私もその気持ちは分かる」
優花里「お兄さんの事ですか?」
栞「そうだね。……ひとまず、学園艦行きの船がある港近くまで行こう、皆」
私がそう言うと、皆は頷いて病院を出た。
病院を出てから学園艦に向かう船に乗る為、港に向かってる間に麻子の境遇を沙織から聞いた。
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〜夜〜
〜学園艦行きの船〜
私達は、学園艦行きの船に乗った。
出港してから少しした後に、私とみほはデッキに出て夜空を眺めてた。
栞「麻子、両親亡くしてたんたね」
みほ「……うん」
沙織「2人とも、そこにいたんだね」
夜空を見ながら話をしていると、沙織がやってきた。
みほ「3人は?」
沙織「船内で、寝ちゃったよ。……で、2人は何してたの?」
みほ「皆、いろいろあるんだな〜って思ってて」
沙織「麻子の事?」
と聞き返してきたから、みほが頷いた。
沙織「そっか。……麻子、みぽりんの事、心配してたよ」
と言ってから、沙織が話を始めたから耳を傾けた。
みほ1人で、大洗に来たことを気にかけているみたい。
麻子の母は、おばあさんにそっくりで、亡くなる前に喧嘩しちゃってそのまま謝れなかったのをずっと後悔してるのを教えてくれた。
栞「麻子は、みほもそうなってほしくない感じってこと?」
沙織「多分、そうなんだと思うよ」
私と沙織の言葉に、みほは口を閉ざして静かになってしまった。
3人で口を閉じたまま学園艦に到着した。
船内で寝ていた3人を起こしてから、それぞれ帰路についた。
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〜翌朝〜
朝、登校中に麻子をおぶってる沙織に会ってみほにも会ったから、皆で登校した。
校門前で風紀委員のそど子に麻子が絡む光景を見て苦笑いをしてると、校舎に掛かってる垂れ幕が目に入った。
戦車道1回戦突破した事が書かれていて、そど子曰く生徒会が勝手にやったことらしい。
そど子が、総説明してくれてる間も、麻子がずっと抱きついて絡んでた。
時間が過ぎて、昼になると戦車を止めてる場所でみほ達あんこうチームの皆とお昼を食べた。
その時に、みほの過去にあった話をチョロっと聞けてその事に答えたりしつつ時間が過ぎていった。
そんなこんなで、夕方になった。
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〜夕方〜
〜生徒会室〜
今日の練習後に生徒会室に会長達とみほ、華と私が集まった。
生徒会室で、戦車道や戦車どうのこうのの関連の仕事を手伝ってほしいと頼まれたからだ。
みほは会長と河島先輩と2回戦の話をして、私と華は小山先輩と書類の整理をしていた。
華と小山先輩と話をしながらも、書類に目を通して整理していると、気になったことがあった。
栞「これは……」
華「栞さん、どうかしました?」
栞「いや、これなんだけど……」
と、持っている書類を見せると、華が会長たちの方を向いた。
華「……お話中、すみません」
会長「どったのー?」
華「書類上では、他にも戦車があった形跡が……」
そう、今やっていた書類整理で見つけた書類に……戦車道で使ってる5輌以外の戦車が残ってる情報が載ってたんだ。
杏「え?」
華の言葉に、会長達は驚いた表情をしていた。
河島先輩が"今すぐ探すぞ"と言ってきたけど、会長が止めてから明日の戦車道の活動の時に探す事になった。
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〜翌日〜
翌日になり、戦車道の活動時間になった時に全員で探し始めた。
結構、時間が掛かったけれど、ルノーB1disという戦車と学園艦の底に近い場所で1輌の戦車を見つけた。
あと、基本的に今は使われてない部室が集まる部活棟の所で、干し竿代わりにされていた長砲身を一つ見つけた。
最終的に、見つけたのは計2輌の戦車と長砲身一つだけだったから、捜索は終了した。
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会長達の指示で、学園艦の底で見つけた戦車をホシノ先輩達、自動車部の皆と引き上げ作業を開始した。
けど、その途中で足場が崩れて中々引き上げるのに時間が掛かってる。
柚子「あらら……」
桃「貴様ら、徹夜で修理だ!」
ナカジマ「そりゃあ無理ってもんですよ。時間かけてじっくり直させてください」
栞「そうだぞー、桃ちゃーん!ルノーっていう戦車の点検や修理をする上に、この状態の戦車を直すってなると、修理完了するまで時間が掛かるぞー!」
桃「後輩のお前も桃ちゃんと呼ぶな!」
杏「まーまー、栞達自動車部が言うんだから、しょうがないよ」
ナカジマ「その代わり、修理が完了したらこの戦車は私達が動かします。どうも相当マニアックな逸品な気がしますよ、これ」
会長「分かったよ。修理完了したら自動車部の皆で動かしてねー」
と、ナカジマ先輩の言葉に、会長が頷いてそう答えた。
このあと、完全に引き上げ終わって、皆が使ってる戦車を置いている倉庫へ移動させてから、自動車部の皆と戦車の状態チェックして今日は解散になった。
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翌日から、ルノーと引き上げた戦車の修理をスタートした。
その、修理や点検をしている間にも、優花里が2回戦の相手……アンツィオに潜入して情報集めていたらしい。
そして、2回戦当日は学校で皆の最終確認をして見送ってから、授業を受けつつ休み時間とか時間がある時は、ずっと見つけた2輌の戦車の修理をしていた。
そして、時間が過ぎていって夕方になった。
みほから、アンツィオに勝った事と試合後にアンツィオの生徒達が料理を振る舞ってくれて、それを皆と食べたという連絡が来た。
その内容に、勝った事に喜びつつもご馳走を食べた事に羨ましいと思ったけど、ひとまずおめでとうと返事をしといた。
そして、夜に皆と戦車が帰ってきた。
修理や点検とかは翌日の朝からするという事になったから、この日は自動車部含めて戦車道チーム全員解散となった。