はいふり&ガルパン ガルパン側(完結)   作:春はる

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第10話

 

〜数日後〜

 

 

〜栞視点〜

 

 

2回戦のアンツィオに勝った日から少し日が経ったある日。

 

今日も戦車道の練習時間になったから、皆が戦車が置いてある倉庫に集まって皆にルノーが修理完了した事を伝えた。

 

あと、戦車とは別に見つけた長砲身をあんこうチームのIV号に付け替えて、そのついでに外観も変えておいた事をナカジマ先輩がみほ達に伝えた。

 

みほ「ありがとうございました、自動車部の皆さん」

 

ナカジマ「いえいえ……まぁ、大変だったけど凄くやりがいがありました」

 

ナカジマ先輩の言葉に、みほはもう一度"ありがとうございます"と答えてから、"栞さん"と私に声をかけてきた。

 

栞「?」

 

みほ「ルノーとは別のもう1輌の戦車は、まだ時間掛かる感じなの?」

 

栞「そうだね。……少なくとも、準決勝に間に合わないのは確実だね。まぁ、決勝までには直すつもりだよ」

 

みほ「そっか……」

 

栞「引き上げた時に足場とか崩れたりして、元々あった損傷が酷くなったりしたのと、戦車自体が結構なマニアックで問題児っぽいのが相まって、結構な時間がかかる感じだね」

 

みほ「なるほどね。……そういえば、ルノーに乗るチームは?」

と、私が答えた事を聞いた後に、ルノーに乗るチームの事を、小山先輩と河島先輩に聞くと、そのタイミングで風紀委員がやってきた。

 

そど子「今日から参加する事になりました、園みどり子と風紀委員です。よろしくお願いします」

 

杏「略して、そど子だ。いろいろと、教えてやってね。「会長、名前を訳さないでください!」……何チームにしよっか?隊長」

 

会長はそど子の反論に耳を貸さず、みほにチーム名を聞いていた。

 

みほ「え、うーん。……B1ってカモっぽくないですか?」

 

杏「じゃあ、カモに決定で」

 

そど子「カモ!?」

 

栞「あはは……、操縦とかは誰がそど子達に教えるの?」

と、私が生徒会メンバーに聞いたら、私の質問に会長達が答える前にそど子が先に声をかけてきた。

 

そど子「ちょっと、あなたまで冷泉さんと同じそど子と呼ぶの!?」

 

栞「会長も略してたし、いいかなって」

 

そど子「園みどり子よ!ちゃんと略さないで言いなさい!」

 

栞「分かった、そど子」

 

そど子「ちょっと!」

 

柚子「操縦は冷泉さんに聞いてね」

 

小山先輩に言われたそど子は麻子に突っかかりに行き、2人が少し話をした後に、河島先輩が"いよいよ、次が準決勝だ"と言ってきた。

 

桃「しかも相手は去年の優勝校、プラウダ高校だ。……絶対勝つぞ、負けたら終わりなんだからな」

 

河島先輩の言葉に、1年生組が"どうしてですか?"や"負けても次があるじゃないですか"と言ったが、その言葉を聞いた河島先輩が"それではダメなんだ!"と大声を出してきた。

 

杏「勝たなきゃダメなんだよね」

 

河島先輩の大声に呆気に取られた時に、会長も静かに……だけど皆に聞こえる声でそう言っていた。

 

桃「西住、指揮」

 

みほ「あ、はい。練習開始します」

と、みほが言ってグラウンドに自動車部以外の皆が移動を始めて、私も自動車部の皆と戦車の様子を見ようとした時だった。

 

杏「西住ちゃん。あと栞も」

と、声をかけられて会長の方に目を向けた。

 

杏「……あとで大事な話があるから、生徒会室に来て」

と、会長にそう言われて、会長の表情を見ると今まで見た事のない真剣な顔だった。

 

その様子に、私はみほと見合わせてしまったけど"はい"と返事を返した。

 

 

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〜生徒会室〜

 

 

会長に呼ばれて、みほと一緒に生徒会長室に向かうと、コタツとあんこう鍋が用意されてた。

 

会長達に促されてコタツに座ったけど、会長達が1年生とか2年生の時とかの思い出の話が続いた。 

 

結局、本題が出る事なくあんこう鍋を食べ終わってしまって、会長がみほを先に帰してしまった。

 

その時に、河島先輩が"西住に言えなかった"とか言ってて、ますます本題がなんなのかが分からなかったから、どういう意味なのか思い切って聞いた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

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〜生徒会長室〜

 

 

〜杏視点〜

 

 

栞を残して西住ちゃんを先に帰した。

 

桃「西住に言えなかったじゃないですか……」

 

杏「転校してきたばかりで、重荷を背負わせるのは何だし。……西住ちゃんには事実を知って萎縮するよりも、のびのび試合してほしいからさ」

 

栞「どういう意味ですか、それ……」

と、河島の言った事に答えた時に、当然だけど栞が質問してきた。

 

杏「……えっとね……」

と、栞に廃校の事を順序よく答えた。

 

ーーーーーーーーー

 

私の話を聞いた栞は、今まで見たことのない程の強気で気持ちを私達に言ってから、生徒会室から出ていった。

 

杏(皆の士気も低かったら勝てるものも勝てない。皆が支え合えば絶対勝てる。……桜もそんな感じで、武蔵達と戦ってたり晴風を守ってたりしてたのかな)

 

柚子「お茶、淹れましょうか」

 

桃「はぁ……終わりか」

 

杏「まだ、分かんないよ。栞の言った通りだよ。諦めムード……最初から負けるかもって感じだと、勝てるかもしれないのが勝てないになってしまうし」

 

桃「……はい」

 

私の言葉に、河島は弱音にそう返事をした。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜栞視点〜

 

 

杏「……えっとね……」

っていう切り出しから言われた本題は、学校の廃校の事だった。

 

文科省の学園艦教育局にいる役員から、生徒数減少、維持費の問題、学校としての実績がないとか、他にもいろいろと言われたらしい。

 

それで、大洗が統廃合の対象になったと教えられた。

 

栞「……それで戦車道をやる事にした。しかもタイミングよく経験者のみほが、大洗に来たから無理矢理……脅しみたいな事をしてまで入れた……っていう認識でいい?」

 

杏「その認識で間違いはないね。戦車道やれば助成金が出るから運営費に回せるのもあったし、世界大会は本当だったから、上手い具合に伝えたら集まるんじゃないかって思ってたんだ」

 

栞「……戦車は?」

 

杏「……昔、戦車道が盛んだったって聞いたから、探せばいい戦車があるって思ってたけど、実際あったのは売れ残った戦車だった」

 

柚子「でも、そんな戦車でも準決勝まで来れたのは、栞ちゃん達自動車部の皆が整備をしてくれたおかげだよ」

 

栞「……まだ終わってない」

 

なんか諦めムードというか仕方ない感の雰囲気が出てる会長達を見た私は、自然とそんな言葉が出てた。

 

杏「え?」

 

栞「実際、廃校の話を聞いてショックもあるし、その役人にも文句を言いたくなる」

 

杏「うん」

 

会長が思った海洋学校の教育艦と比べるのはどうとか、沈降した陸地の代わりに建設された海洋フロート、お店が船で経営してたりする程の海洋技術が発達した海洋国家の日本。

 

そんな日本の教育機関は海上フロートに小学校と海洋学校だけで、それ以外の教育機関は学園艦になってる。……なのに、その学園艦を無くすのはどうかという事も私も思った。

 

栞「廃校の理由云々は分かったけど、今から諦めるのは違うと思う。あんこう鍋を食べてる時とか廃校云々の話をしてくれた時に、3人は諦めムードになってた」

 

柚子「でも、相手が……」

 

栞「相手が優勝校で戦力差があるのは事実だよ。だけど、トーナメント方式の大会で勝ち続けたら、そんな強豪校と必ず当たるに決まってるじゃん」

 

柚子「そ、それは……」

 

栞「……なにより、みほが経験者で指揮能力が凄くても、他の皆の士気が低かったら勝てるものも勝てない!」

 

杏「……!」

 

栞「士気が低くて勝つ気が無かったら、努力してても負けて当然だと思うよ!そんなんだったら、最初から戦車道参加しない方が良かったと思う!」

 

桃「村山……!」

 

栞「事実でしょ!みほの指揮を信じて皆が自分の出来る範囲の仕事以上の事をやって、上手く支え合えば絶対勝てる!」

 

お兄ちゃん達も、海洋学校の件で自分の出来る仕事して艦の仲間達と頑張って、いろいろ解決したんだ。

 

杏「栞……」

 

栞「……私はまだ直せてない戦車をナカジマ先輩達と直してくる。今、私に出来るのはそれだけだから。レストア出来たら決勝戦で戦うから、必ず勝ってよ」

 

杏「分かった。……あと自動車部の皆にも伝えておいて」

と、会長が私が立ち上がった時にそう言ってきたから、私は頷いてから生徒会室を出た。

 

 

ーーーーーーーーー

 

生徒会室を出た私はすぐさま自動車部の皆に連絡を取った。

 

すると皆はまだレストア作業中だったから、私はすぐに皆の所に向かった。

 

皆の所に着いた私は、"話がある"と切り出してから廃校云々のことを伝えた。

 

その話に皆はビックリしてたし、ショック受けていた。

 

栞「私達が出来る事は、皆が準決勝を勝つ事を信じて、この戦車を早く直して決勝で活躍する。……が、私達が出来る事だと思う」

 

ナカジマ「……それもそうかもねー。じゃあ今日も徹夜で頑張りますか」

 

ツチヤ「戦車ってドリフト出来るかな……!」

 

スズキ「いや、戦車じゃ無理じゃない?」

 

私の言葉のあと、皆はいつもの調子に戻った。

 

ホシノ「ほら、栞。皆の為に早く直すんでしょ」

 

ツチヤ「一緒に早く直してドリフトとかモーターとか改造しようよ!」

 

ナカジマ「言い出しっぺは栞だから、私達以上に頑張って〜」

 

栞「え〜。皆以上にやるの大変だからヤダなんですけどー」

と、皆のいつもの調子に、私もいつもの調子に戻って話を始めていた。

 

 

そうこうしている間に、試合の時間が過ぎていたが、皆が勝つのを信じてるのでレストアに集中していた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

〜プラウダ戦試合中〜

 

 

〜建物内立て籠もり中〜

 

 

〜杏視点〜

 

 

プラウダとの試合が始まって、しばらくした時に相手に誘い込まれて教会っぽい建物に、私達が立て籠もる展開になってしまった。

 

しかも、相手から降伏するかどうか3時間猶予を与えるから判断するという事も言われた。

 

いわゆる追い込まれてる状態だった。

 

そんな時に皆の雰囲気は諦めムードになっており、1年生の言った言葉に河島が"負けたら廃校なる"と伝えた。

 

その言葉に皆は動揺する中、私はなぜ廃校という事になったのかを栞にした様に、皆に説明を始めた。

 

みほ「それで戦車道を復活させたんですか……」

と、私の説明の後に西住ちゃんが先に口を開いてそう答えた。

 

杏「戦車道をやれば助成金も出るって聞いてたし、それに学園運営費にも回せるしね」

 

梓「じゃあ、世界大会というのはウソだったんですか!?」

 

桃「それは本当だ」

 

典子「でもいきなり優勝は無理ですよ」

 

杏「いや〜昔盛んだったんなら、もっといい戦車があると思ってたんだけど、予算がなくていいのは売っちゃったらしいんだよね」

 

優花里「じゃあ、ここにあるのは……」

 

杏「うん、売れ残ったやつ」

 

カエサル「それでは優勝など、到底不可能では……」 

 

河島「だが、他に考えつかなかったんだ。古いだけで何も特徴のない学校が生き残るには……」

 

杏「無謀だったかもしれないけどさ〜、あと1年泣いて学校生活送るより希望を持ちたかったし、抗いたかったんだよね。ここにいる皆の為にも、弟とかの為にもね……」

 

私の言葉に皆は口を閉ざしてしまった。

 

みほ「まだ試合は終わってません。まだ負けたわけじゃありませんから。頑張るしかないです。だって来年もこの学校で戦車道をやりたいから………皆と」

 

杏「西住ちゃん……」

 

みほ「降伏はしません。最後まで戦い抜きます。ただし、皆が怪我をしないように冷静に判断をしながら……です」

 

西住ちゃんのそう指示のあと、作戦会議を始めることにした。

 

作戦会議をする前に、西住ちゃんが"あの"と声をかけてきた。

 

みほ「栞さんには話したんですか?」

 

杏「うん、話したよ。ほら、生徒会室に呼んだときにさ」

 

みほ「あの時に……栞さんはどんな反応だったんですか?」

 

杏「栞も思う所もあったけど、最終的に私達が怒られちゃったよ」

 

みほ「え、怒られた?」

 

生徒会室での、栞から言われた事をそのままそっくり伝えると西住ちゃんは驚いた顔をした。

 

みほ「栞さん、凄く熱い思い持ってたんだ……」

 

杏「栞の言う事は事実だったから、何も言えなかったよ」

 

みほ「確かに、そう言われちゃうと何も言えないですよね」

 

杏「まぁね。……まぁ、そんな風に言った栞の為にも、この試合は勝つよ、西住ちゃん」

 

みほ「そうですね」

 

西住ちゃんにそう伝えた後に、作戦会議をし偵察もしてもらい時間が過ぎる間に士気が下がった為に、あんこう踊りをして時間が過ぎていった。

 

そうして、3時間という時間が過ぎて降伏せずに戦う事を伝えて、西住ちゃん主導で考えた作戦を開始した。

 

 

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そして、最終的に三突がプラウダのフラッグ車を行動不能にして、私達の勝ちで試合終了となった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

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〜栞視点〜

 

 

準決勝はなんとか勝てたと、会長とみほの2人から試合直後ぐらいの時間に連絡を受けた。

 

詳しい試合内容はみほから聞いたけど、とにかくいろいろとありつつもなんとか勝てたみたいだった。

 

連絡を受けた時に、私と自動車部の皆は嬉しいという気持ちもあったけど、とにかく安心したという気持ちが強かった。

 

 

そんな準決勝があった日から数日が経った今日。

 

 

桃「次は、いよいよ決勝戦だ。相手は黒森峰女学園」

 

杏「全校の期待がかかってるから頑張ってよ〜」

 

桃「本日は、全員戦車の整備に当たれ」

 

河島先輩の指示で皆は整備を始めた。

 

会長達の生徒会とみほは作戦会議をする為に生徒会室へ向かった。

 

私は整備を始めた皆の会話に聞き耳を立てながら、レストア中の戦車の作業を続けていた。





次回、最終回です。
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