はいふり&ガルパン ガルパン側(完結)   作:春はる

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第1話です。

読みづらさなどがあると思いますが、読んでくれたら幸いです。

では、本編をどうぞ。


本編
第1話


 

 

~文科省・学園艦教育局~

 

 

~杏視点~

 

 

柚子「廃校……ですか……?」

 

役人「はい。今年度末で大洗女子学園は廃校となります」

 

桃「納得できない!」

 

役人「納得できなくとも今年度中に納得して頂ければ結構です」

 

……今日は4月5日で、時間は夕方。

 

今日は明日の4月6日にやる始業式の準備をしていた。

 

そして夕方にその準備が終わり帰ろうとなった時に、突然、文科省にある学園艦教育局から呼び出されたんだ。

 

呼び出されて話を聞くと、今年度の末で廃校だと告げられた。

 

いきなり呼び出されたから、何かあるんじゃないのかと思ってたけど、まさかこんな爆弾が落とされるとは思わなかった。

 

杏「廃校の理由はなんですか?」

と、私が聞くと、学園艦は運営費やら維持費やらの費用が結構かかる事を最初に言ってきた。

 

杏「……維持費など関係してるんですか?」

 

役人「そうですね。海洋学校の教育艦の方がまだ安いですからね」

 

杏「……海洋学校は海上安全整備局の管轄です。文科省とは別の省庁なので口を挟むのは違うと思いますが?それに砲弾等や燃料も掛かるので、結局の所は変わらないと思います」

 

役人「……詳しいですね」

 

杏「私の双子の弟が横須賀男子海洋学校に通ってるからね。あ、ちなみに艦長をしてるよ」

 

役人「そうですか。ただ、維持費等以外にも理由もありますよ。年々、生徒数が減少しており今は大した実績がないというのもあり、大洗が廃校に決まったという事です」

 

役人はそういった事もあり文科省が進めている学園艦統廃合の話に、大洗の名前が上がった事を淡々と話してきた。

 

杏「……でもさ、この日本は地盤沈下しててメガフロートを利用した海上都市の部分が多数ある海洋国家。しかも飲食や娯楽系の施設は船で営業しているよね?」

 

役人「そうですね」

 

杏「コンビニ船やホテル船やゲームセンター船。それにオーシャンモール東北沖店や四国沖店といった船を使った沖合いの店舗もあるレベルだよ」

 

私は、ここで一旦言葉を切ってから"それに"と呟いてから話を続けた。

 

杏「学校も海上フロートに建設されていて、そのフロートにあるのは小学校と海洋学校になっている。中学と高校といった教育機関があるのは、全部学園艦だ」

 

役人「……」

 

杏「その学校を無くそうとするのは、おかしいんじゃないかなと思うんだけど?……実際の統廃合は"文科省が進めてる"というより、学園艦教育局の独断計画じゃないだろうね?」

 

役人「……それは心外ですが、誰がどう言おうと今年度末に廃校という事は決定事項なので、よろしくお願いしますね」

 

役人の言葉に私は"はぁ……"とため息をついてから、一つ質問をした。

 

杏「……大洗女子学園はさ、昔なんか活動してたの?"今は大して活動してない"という事は、昔はしてたって事だよね?」

 

役人「……昔は戦車道が盛んだったようですが……」

 

杏(戦車道が盛んだった……ね~。実績がないなら作ってしまえばいいし、それでその実績で生徒数が増えるかもしれない。昔してたなら戦車が残ってるかもしれないし)

 

そう思った私は"よし"と心の中で言ってから、声を出した。

 

杏「じゃあ戦車道やろっか」

 

柚子・桃「「え!?」」

 

杏「戦車道をやって全国大会を優勝するよ。……まさか、優勝校を廃校にはしないよね~?」

 

私の言葉に役人は顔色一つ変えなかった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~連絡船~

 

 

教育局から出て港まで向かい、学園艦に帰る為の連絡船に乗った時に、河嶋が声をかけてきた。

 

桃「会長、本気ですか!?戦車道をやるなんて!」

 

柚子「本当ですよ!しかも、全国大会で優勝するなんて!」

 

杏「本気本気。マジだよ。何もしないで一年過ごすより何かをして抗いたいじゃん。それで叶ったら最高でしょ?」

 

桃「……それは……そうですけど!」

 

杏「それに桜も同じようにしたと思うだろうし、学校の皆と家族が過ごしてて、弟と幼馴染みで私の恋人の薫が小さい頃に生活してたこの学園艦を無くしたくないしね」

 

私がそう言うと二人は静かになったが、副会長している小山が声を出してきた。

 

柚子「……そうですね。学校の皆の為にも家族とかの為にも廃校にならないようにしましょう!」

 

桃「会長!私も頑張りますよ!」

 

杏「うん、よろしくね」

と、二人にそう言って海を眺めた。

 

杏(戦車を修理とかは自動車部にお願いすればいいか。……明日、栞に話をして他の自動車部の皆に伝えてもらおう。それに桜に話をしとこう。話して気持ち的に落ち着きたいし)

 

そう考えていると、学園艦に着いた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

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~翌日・4月6日の朝~

 

 

生徒会室にいた私は、桜に電話をした。

 

桜『なんの用?姉ちゃん』

 

杏「進級おめでと~って言おうと、電話をしただけだよ~」

 

桜『……それはありがとう。姉ちゃんも進級おめでとう』

 

杏「あんがと」

 

桜『それで?本題はどんな話なの?わざわざ、おめでとーって言うだけで電話をしにきた訳じゃないでしょ?』

 

桜の第一声の後にちょっとしたからかいをしたけど、やっぱりすぐにバレた。

 

"桜にすぐにバレるか~"と言うと、桜は"姉ちゃんの考えはある程度分かる"と言ってきた。

 

桜『それに姉ちゃんは進級でおめでとうを言ってきたの、今日で初めてだったし』

という事も言ってきたから、"それじゃバレて当然だね"と言った後に、桜が本題を聞いてきたから、教えた、

 

杏「……今年、大洗で戦車道を復活させるよ」

 

桜『戦車道を?確か、大洗は20年前に廃止されてた筈だよね?』

 

杏「確かに廃止されてたけど、どうしても復活させなくちゃいけなくなったんだ。その理由は、今年度末で大洗が廃校にされるんだ」

 

桜『……なんでまた?』

 

杏「文科省に学園艦の担当してる局があるんだけどさ、そこの役人が学園艦は金が掛かるからって言ってた。大和型戦艦やらの教育艦の方が安いとは言ってたよ」

 

桜『まぁ、確かに学園艦で小規模って言われてる大洗でも全長が7,600m。対して、超大型教育艦と言われてる大和型戦艦は全長263m。そもそもの数字の桁が一つ違うからね』

 

杏「確かにそうだけど、そもそも海洋学校は海上安全整備局の管轄の学校。文科省とは別の省庁管轄だ。だから、それと比べるのはどうかと思ったよ」

 

桜『だろうね。けど、教育艦って艦の維持費だけじゃなくて主砲の砲弾や魚雷やらもあるから、それはそれでお金が掛かってる筈だから、どっちもどっちだと思うけどね』

 

杏「だよね」

 

桜『それに海上フロートの殆どは、住宅や政府機関の建物、企業やお店や娯楽系の建物だ。フロートにある学校と言えば小学校と海洋学校だけだし』

 

杏「そうだよ。だから学園艦を廃校にすればその生徒を抱えきれる学校……学園艦が他にあるのかって話だよ。他の学園艦に住む人数はいっぱいだろうだからね」

 

桜『それに日本は、農業船や商店街船、ゲームセンター船やホテル船、旅館船や神社仏閣船、その他諸々の施設も全部が船になってる海洋国家。それなのに学園艦を無くすのはどうかと思うけどね』

 

予想した通りに、桜は私が言った事と似た内容を言ってきた。

 

杏「でしょ~。まぁ、それで廃校されないように私が考えたのは戦車道なんだよね。桜が言った通り20年前にやってたから戦車が学園艦のどこかにあるじゃないかと思ってね」

 

桜『そんな都合良くあるかな……。それに大洗の生徒で戦車道経験者は居るの?』

と、聞いてきたから、私は手元にある書類を見ながら答えた。

 

杏「戦車は、なんとかなると思うよ。で、経験者の方は一人だけアテが居るから問題ない」

 

桜『経験者が都合良く居るんだ……』

 

杏「二年に西住みほって子がいるんだ。その子が黒森峰で戦車道やってたから、何がなんでも入ってもらうつもり』

 

戦車の方は処分してない戦車もあるっぽいからなんとかなると思ってる。

 

経験者も西住みほは黒森峰から転校してきた。

 

私的にタイミングが良かった。ただ、去年の全国大会の事もあるから、誘いづらいのもあるけど迷ってる暇はないしね。

 

そういう事を思っていると桜から話しかけてきた。

 

桜『……また生徒会権限とか言って脅すつもりでしょ?』

 

杏「人聞きの悪い事は言わないでよね~」

と言ってきた桜にそう返したが、本当に脅しに近いというか脅迫紛いをするから否定は出来ないけど、口だけ否定をしといた。

 

私の言葉に桜はため息をついてから、"それにしても"と呟いた。

 

桜『西住さんね~。西住姉妹の妹が大洗にいるんだね』

 

桜の西住みほを知っている風の口調が気になった私は、"知ってるの?"と聞いた。

 

桜『知ってるよ。うちの艦で副長してる夏が西住姉妹の姉の西住まほと付き合ってるから、妹がいるって教えてもらった。それと去年の全国大会決勝の試合を夏と見てたのも理由の一つだよ』

 

その言葉に自然と"へぇ~"と出ていた。案外、世界は狭い感じかもしれない。

 

桜が艦長をしている艦の仲間に西住姉妹の姉と付き合ってる人がいるとは思わなかった。

 

歩夢『まぁ、戦車道は頑張ってよ。今年も海洋実習に出るから、電話を掛けてきても出るのは難しいから電話無しだから』

 

杏「分かった。……戦車道、なんとか頑張ってみるよ」

 

私はそう返して通話を切った。桜に話をしたお陰で不安とかはある程度解消されたから、電話をして良かった。

 

杏(あ、あと、薫にもメールしないと。……薫から応援されると嬉しいし)

 

そう思い薫にメールをすると、始業式が始まる時間が近づいてきたから、体育館へと向かった。

 

 

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~4月6日・昼間~

 

 

~栞視点~

 

 

今日は始業式がある日で、学校も午前中で終了した。

 

だから、昼は同じクラスで友人の沙織と華の二人とお昼を外で食べようという事を、教室で話してた時だった。

 

ガラガラと教室の扉が開いて生徒会長だけがやってきた。

 

杏「栞、いる?」

 

栞「いるよー。何か用なの?」

 

会長の言葉にそう返しながら、会長の元へ向かった。

 

杏「ちょっと話したいことがあってさ、廊下で二人で話したいんだけど、いい?」

 

二人で話したいっていう会長の言葉に不思議に思ったけど、"分かった"と返事をして沙織と華に"待ってて"と伝えて廊下に出た。

 

栞「二人で話したいって珍しいけどどうしたの?」

 

杏「実は、大洗で今年から戦車道を復活させる事にしたんだ」

 

栞「へぇ~、そうなんだ。それと私が関係してるの?」

 

杏「バリバリに関係してるよ。ほら、栞って自動車部だよね」

 

栞「あ、あ~そういうこと……自動車部で戦車の修理とかをしてほしいって事だよね?」

 

杏「そういうことだよ。別に栞以外の自動車部の人に言っても良かったけど、私的に栞の方が言いやすかったから、栞に言ったんだ」

 

栞「そう言われるとなんか嬉しい。あ、それで戦車道は言いふらさない方がいいの?」

 

杏「言わないでいてほしい。生徒会から大々的に発表するつもりだからね」

 

栞「分かった。……でもなんで、いきなり戦車道を復活させようと思ったの?」

 

杏「それは……」

 

私の質問に会長は言葉を詰まらせてしまった。

 

その会長を見てすぐに言えないような事があるんだと理解したから、私は聞くのをやめた。

 

栞「今、言えないなら無理に言わなくてもいいよ。いつか言える時があったら教えてよ、会長」

 

杏「悪いね」

 

栞「いいよいいよー。代わりに今度、美味しい干しいも教えてよー」

 

杏「分かった。……あと、あの二人には私が栞に遊びの誘いをしたみたいな事を言っててくれない?」

 

栞「あ、分かった。じゃあね」

 

会長の言葉にそう言ってから、教室にいる沙織と華の二人の元へ戻った。

 

 

戻ると当然、会長の話が気になって質問してきたけど、会長の約束通りに教えないで、二人で遊びに行く約束をしたと教えた。

 

その後は、お昼を食べるためにお店に寄り道にしながら家へ帰った。

 

その帰り道で沙織は"嘘だー"とか言ってたけど、その言葉は無視しておいた。

 

 

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~昼~

 

 

会長から話を聞いてから2日経った4月8日。

 

私はいつも沙織と華と一緒に学食でお昼を食べているから、今日もいつも通り二人に声をかけようとした。

 

二人の方を見ると、同じクラスの西住みほさんに声をかけていた。

 

西住さんは春休み中に黒森峰から大洗に引越し、転校してきた人だ。

 

昨日とかオドオドしてる感じだったから、緊張してたのかなぐらいしか思わなかったけど、今日もしてたからオドオドしやすい子かもしれない。

 

栞(まぁ、まず二人に声をかけないと)

 

西住さんの少ない情報を頭の中で、ほどほどに整理してから二人と西住さんの元へ向かった。

 

栞「沙織ー、華ー、学食へ行こー!」

と叫びながら近づくと、西住さんが"え……?"と言ってビックリした感じの顔をしていた。

 

華「栞さん。西住さんが驚いてしまいますから、大きい声を出しながら来るのはやめといた方がいいですよ」

 

栞「はーい。……とりあえず、食堂へゴーゴー!」

 

私は華の手を取り引っ張って歩いた。

 

 

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~食堂~

 

 

食堂に着いて、私はいつも頼んでる唐揚げ定食の食券を給養員の人に渡した。

 

栞「そういえば自己紹介って二人はしたの?」

と、唐揚げ定食が出てくるまでの間に、沙織と華にそう聞いた。

 

すると二人はまだ自己紹介はしてないから、今しようという事になった。

 

栞「じゃあ、まず私から!……私は「村山栞さんで誕生日は9月1日ですよね」……う、うん。そうだけど……」

 

まず自分から名前を言おうとしたら、西住さんが私の名前と誕生日を言ってきた。しかも続けて沙織と華の名前と誕生日とかも言っていた。

 

沙織「覚えてるの!?」

 

みほ「いつ誰と友達になってもいいように、覚えているので」

 

栞「……すご」

と、自然と口から出ていたが、当然だけど二人も驚いていた。

 

栞「とにかく私の事は栞って呼んで。私は、みほって呼ぶからね!」

と、私が言うと華と沙織も同じことを言っていた。

 

私達からそう言われたみほは嬉しそうに"友達みたい"と言ったから、"もう友達だよ"と伝えてあげた。

 

 

自己紹介が終えた時に唐揚げ定食を渡されたから受け取って、空いてる席へ向かった。

 

席に座ると、みほが口を開いた。

 

みほ「良かった、友達が出来て……。私一人で大洗に来たから」

 

栞「そうなんだ」

 

沙織「色々あるよね。泥沼の三角関係とか、告白される前にフラれるとか」

 

みほ「いやそれは違う……」

 

華「じゃあお家族に不幸が?骨肉の争いですとか、遺産相続とか?」

 

みほ「それも……」

 

栞「いや、普通に親の転勤とかでしょ。二人の例えは流石にないと思うよ」

 

みほ「え、えっと」

 

私が予想した転勤すらでも無さそうな反応を、みほはしていた。

 

華「……冷める前に食べましょうか」

 

栞「そうだね」

 

一瞬静かになってしまったが、華の言葉で気を取り直して、世間話をしながらお昼を食べてた。

 

お昼を食べ終わった後は教室に戻って、放課後に皆とお茶をしようという話になった。

 

みほ「え、お茶!?女子高生みたい!」

 

華「女子高生です」

 

みほの言葉にクスッと笑ってると沙織が私を見てきた。

 

沙織「そういえば、栞は今日は自動車部の活動はあるの?」

 

栞「ううん。それは明日からだから今日はお茶に行けるよ」

 

沙織「じゃあ四人でいこう」

と、お茶をしに行くという約束をした後に、"あ、そうだ"と沙織が声を出して、みほにいつも言ってる男性に言い寄られてるだのなんだのという話を始めた。

 

私と華がそれにツッコミをしつつも、みほが真面目に本音で答えて沙織の良い所を言っていた。

 

そんな話をしている時だった。

 

教室に生徒会の三人がやってきた。

 

杏「やぁやぁ、西住ちゃーん」

 

そして会長は、みほの名前を呼びながら近づいてきたから、その様子を見て私は"なんだろう"と思っていた。

 





タグに書いてある通り、不定期更新になりますので気長に待ってくれたら幸いです。
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