空桜の花弁は七色に輝く   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 これは、大地の力を持つ少年の暖かな記憶。
 大空の少女は、砂漠の少年に頼まれて、大地の少年を連れ回す。
 大地の生誕に、特別な1日を送るために。

 ジュリー+主人公♀+炎真
 【時間軸】
 少年少女の水無月の一時


空と砂漠のサプライズ計画【砂漠+主♀+炎】 NEW!

 ある日の水無月の15日。ボンゴレファミリーのボスになることを選び、ボスとして必要な知識を会得しながら生活していた奈月は、自身の携帯に一通のメールを受信する。

 メールの送信先に記されていたのは、一年前、始まりの霧の守護者である青年の器にされていたシモンファミリーに属する少年、加藤ジュリーの名前だった。

 

 

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:悪い!ちょっと手伝ってくれ!

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 急にメールしてごめんな、奈月ちゃん!ちょ

 っと頼みてーことがあってさ!

 実は明日、エンマの誕生日なんだ。

 だから、折角のリーダーの誕生日だし、ここ

 は派手に祝ってやろーじゃん!ってことにな

 ったんだが、ほら、オレ達って同じ場所で過

 ごしてるだろ?

 サプライズしようにも隠すのが難しくてさ。

 そこで、明日、朝から1日中エンマを外に連

 れ回してもらいてーんだ。

 あと、何人か奈月ちゃんのファミリーを貸し

 てくれ!

 オレ達だけじゃ間に合わねーのよ!!(>人< ;)

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「……なるほどね…………。」

 

 ジュリーからまさかの要請に、奈月は思わず苦笑いをする。

 しかし、すぐに考え込むような仕草を見せたあと、手元にある携帯電話に視線を落とし、次々とメールを送っていく。

 

「アーデル達のヘルプは隼人と武と了平さん、あと、京ちゃんとハルの5人に要請して……あ、武には誕生日祝いのお寿司もお願いしとこうかな。

 領収書はこっちに回してもらうことにして……今の時間帯なら、みんなもエンマの誕生日プレゼントを選べるかな。

 そういやスカルは今日本にいるんだろうか……?いるなら彼にも協力してもらおうかな。あとは……」

 

 誰にメールを送るべきかを思考しながら、メールを送る奈月。そんな彼女の肩を、軽く叩く者がいた。

 背後に現れたのが誰か、すぐに気づいた奈月は、すぐに視線を背後に向ける。

 そこには、彼女にだけ見える状態になっている初代ボンゴレファミリーのボス、ジョットと、初代シモンファミリーのボス、シモン・コザァートの姿があった。

 

「……コザァートさんにジョットさん。どしたの?」

 

『すまない。ナツキちゃんの携帯に、エンマの誕生日と言う文字が見えたからついな。』

 

『その誕生日の話、オレ達も協力させてくれ。オレのファミリーを連れて手伝いに行こう。』

 

『オレはもちろん協力する。なんせ、オレの子孫の新しい1年のお祝いだからな。』

 

『Dはもちろん呼ばないがな。アラウディには、あいつを見張ってもらう。』

 

「ん。わかった。じゃあ、明日の朝、出かける前にジョットさん達に霧の炎を宿したアクセサリーを渡すよ。

 最近、ジョットさん達成人男性組の器を1日中維持できるくらいには、霧も強くなっちゃって、アクセサリーに灯しても効能をそのままにできるようになったんだ。」

 

 奈月の言葉に、ジョットとコザァートは顔を見合わせて苦笑いをこぼす。

 本来ならば、大空だけのはずが、特異な生まれ方をしてしまったせいで霧の炎まで宿し、大空の波動と常に均衡した状態で強化されていくボンゴレX世たる少女のポテンシャルの高さは、相変わらずだと。

 

「んー……これなら夕方までエンマを連れ回せば、十分誕生日の準備をこなしてもらえるかな。」

 

 そんな2人のことなど気にすることなく、奈月はジュリーからのメールを再び開く。

 そして、メールに返信するために返信を選び、そのままメールを仕上げ始めた。

 

 

 

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 to:加藤 ジュリー

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 題名:誕生日の件、りょーかい

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 エンマの誕生日の件、了解したよ、ジュリー

 とりあえず、明日手が空いてる人のうち、向

 かわせることができそうなメンバーに呼びか

 けた。

 そんで、呼びかけた全員、明日の準備の手伝い

 をするって返信がきたよ。

 

 あと、初代シモンファミリーの人達と、一部

 除いた初代ボンゴレファミリーの人達も協力

 する気満々みたいだから、かなりの大人数に

 なるかも。

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:いや、ちょっと待て!?

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 何かサラッとてんでもない返信がきたんだけ

 ど!?Σ(゚д゚lll)

 なんで初代シモンファミリーとボンゴレファ

 ミリーの名前が出てきてんだよ!?

 いや、確かに奈月ちゃんがあの人らを呼ぶこと

 できるのは知ってっけど!!

 そう簡単に故人呼んじゃっていいわけ!?汗

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 to:加藤 ジュリー

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 題名:しょーがないじゃん

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 だって勝手に来るんだもん( ̄^ ̄)ムスッ……

 

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:なんつーか……お疲れ……(-_-;)

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 短い返信に圧縮された大量の意味を垣間見た

 気がするな………( ̄▽ ̄;)

 まぁ、いいや。サンキュー、奈月ちゃん!じ

 ゃあ、明日はエンマのことよろしくな!

 夕方ぐらいにゃ準備できてると思うから、

 炎真のデート相手兼時間稼ぎ、頼んだぜ!

 奈月ちゃんからエンマを誘ってやってくれ。

 デートっつったら変に意識しちまうかもだか

 ら、お出かけっつー名目で。

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 to:加藤 ジュリー

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 題名:任せといて

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 エンマにはいっぱい楽しんでもらうように頑

 張るよ。

 彼に悟られないように、変なこと言わないで

 よ?

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:わかってるって!

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 明日、エンマにはそれなりにおしゃれさせて

 そっちに向かわせるから、そっからは奈月ち

 ゃんにバトンタッチするぜ!d(^_^o)

 準備経過は2時間に一回オレが報告するから

 そっちもエンマの様子を教えてくれるか?

 アーデルが気にすると思うんだよな。エンマ

 に対して、ちと過保護だし。

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 ジュリーからのメールに、短く返信した奈月は、すぐに炎真の名前を連絡帳から探し出し、メール作成のページを開く。

 そして、少しだけ思案するように画面を見つめたあと、一通のメールを送った。

 

 

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 to:古里 炎真

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 題名:よかったらと思って

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 こんにちは、エンマ。あのさ、君さえよけれ

 ばなんだけど、明日、一緒に出かけない?

 実は、すごく気になってるカフェのペア割引

 クーポンを持ってるんだけど、期限がそろそ

 ろ来ちゃいそうなんだ。

 だから、もし予定がなければ、一緒に行って

 くれると嬉しいなって思ってるんだよね。

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 …………………

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 6月16日当日。出かける準備を済ませた奈月は、左腕に腕時計を着けながら自宅の前に立っていた。

 程なくして近づいてくる気配に気づいては、気配がする方へと目を向ける。

 

「あ、奈月ちゃん。ごめんね、遅くなって。折角奈月ちゃんと出かけるんだからしっかりおしゃれしろって、アーデルとジュリーに捕まっちゃって……」

 

「はは。彼女達らしいね。でも、大丈夫だよ。全然待ってなかったし。」

 

 そこには待ち合わせをしていた少年……今日の主役である古里エンマの姿があった。

 合流した彼の姿を見て、奈月は笑いながら待ってなかったと伝えながら、やってきた炎真に視線を向ける。

 彼の服装は、普段の彼なら絶対にしないと言えるようなもので、その姿に奈月は新鮮さを感じる。

 しかし、すぐに頭を切り替えては、炎真の隣に並び、彼に微笑みかける。

 

「似合ってるね、その衣装。エンマが普段着ない系統みたいだけど。」

 

「うん。僕の洋服箪笥から、買ったのはいいけど着る機会がなかった服が結構出てきて、それを見つけたジュリーとアーデルに昨日の夜、着せ替え人形にされちゃった……」

 

 少しだけ疲労気味の炎真を見て、奈月は脳裏に炎真の服を選びながら喧嘩している2人を思い浮かべる。

 きっとジュリーがこれとかいいだろ!とかいって出したセットにアーデルがダメ出しをして、こっちがいいとアーデルが選んだら今度はジュリーがダサいとか言ってダメ出しして、最終的にはあれがこれがと合わせまくったところ、他のファミリーまで乱入してきて、あれやこれや騒いだんだろうなと。

 

「……なんだろう?最終的にエンマのファミリーが総出でわちゃわちゃ騒ぎ始める絵面しか思い描けない。」

 

「うう……大正解……。すごく大変だった……」

 

「ですよねー……」

 

 少しだけ涙目になってる炎真に、奈月は苦笑いをこぼす。

 どうやら自身の予測は正解だったらしいと、思わず遠い目をしてしまう。

 

「じゃあ、行こうか。カフェがあるのはショッピングモールの方でね。折角だし、ショッピングモールを散策したあと、休憩に寄ろうと思ってるんだよ。」

 

「そうなんだね。ショッピングモールでは何か買うの?」

 

「うん。わたしの趣味の一つがアクセサリー作りなのは知ってるよね?」

 

「うん。知ってるよ。ジュリーがいつもお世話になってるからね。たまにジュリーが、申し訳なさそうに、これ、無料でもらっていいクオリティじゃないよなって言ってるのをよく見かけるよ。

 デザインがお店に並んでいてもおかしくないし、長持ちするのにお金取らないのかとか、むしろ逆に払わせてくれって言ってたよ。」

 

「商売として作ってるわけじゃないから気にしなくていいよって今度伝えておいてもらえる?

 商売にするなら、もっとクオリティが高くて、尚且つコスパを抑えた最高のアクセサリーを作るし。」

 

「……多分、ジュリーはそれ聞いたら嘘だろって表情すると思うよ?」

 

 奈月の不思議なこだわりを垣間見て、炎真は苦笑いをこぼす。

 目の前にいる僕の友人は、いったいどこまで職人なのかと思いながら。

 

 

 

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 奈月のこだわりを垣間見て少しした頃。

 炎真は彼女と一緒に、ショッピングモールにある天然石の店に足を運んでいた。

 店内に広がる色とりどりの天然石の数々……キラキラと光を反射する沢山の石達は、炎真にとっては見慣れないものばかりで、驚いたように目を丸くする。

 

「すごい……」

 

「でしょ。天然石って、宝石に比べたら安いんだけど、それに負けないくらい綺麗で、アクセサリーを作るのに最適なんだよ。あ、こっちにきてごらん。」

 

 奈月に呼ばれた場所に足を運んだ炎真が見たのは、誕生石と書かれている棚だった。

 

「天然石や宝石には誕生石と呼ばれるものがあって、自分の誕生月の天然石をお守りとして持っていると、厄除けになるって話だよ。」

 

「そうなんだ。」

 

 奈月の説明を聞きながら、炎真は誕生石に目を向ける。

 自身の誕生月である6月の棚には、ガラスの器に沢山入ったムーンストーンが置かれていた。

 

「ムーンストーン……」

 

「ん?ああ、6月の誕生石だね。お守りの効能としては、交友関係の円満、もしくは恋人達の円満な幸せって言われてるよ。」

 

 ムーンストーンの文字を見て、小さな呟きを漏らした炎真に、奈月が丁寧にムーンストーンの説明をする。

 対人関係の円満の願い……真っ白なこの天然石には、そんな願いが込められているのかと思いながら、視線を巡らせれば、10月の誕生石が炎真の目に留まった。

 

「10月の誕生石はローズクォーツなんだね。」

 

「そうだよ。ローズクォーツは恋愛関係の御守りによくなってるね。まぁ、わたしは恋愛御守りとしてと言うよりは、自分の誕生石だからアクセサリーに組み込む感じだけど。」

 

 そう言って奈月は複数ある天然石を吟味して、専用のケースへと次々入れていく。

 手際よく行われているご購入に、炎真は何度か瞬きをする。

 

「ん。こんなもんかな。アクセサリー用の型はあるし、あとはそれを使って作るだけっと。」

 

 じゃあ、支払い済ませてくるね、と告げてレジの方へと歩いていく奈月。

 炎真はその背中を見送ったあと、待ってる間の時間潰しにと店内を見て回る。

 

「すごい……原石もあるんだ……。た、高い……」

 

 そんな中で目に留まったのは、ローズクォーツの原石だった。

 結晶の出来方に圧倒されて、さらに値段に圧倒される。

 

「お待たせ、エンマ。」 

 

「大丈夫だよ。そんなに待ってないしね。」

 

 こんなに高いもの、誰が買うんだろうと思いながら、原石を見つめていると、背後から奈月に声をかけられる。

 すぐに炎真は彼女の方に振り向いては、笑顔で待ってないことを伝えた。

 炎真の反応を見た奈月は、小さく笑ったあと、店の外へと並んで出る。

 

「さてと……わたしの買い物は終わったし、あとは目的のカフェだけなわけだけど、エンマは何か必要なものとかある?

 あるなら付き合うよ。カフェの割引が使えるのは14時以降みたいだしね。」

 

「あ、じゃあ、少しだけ見て回りたいところがあるんだけど、いいかな?」

 

「もちろん。」

 

 炎真の言葉を聞いて、奈月は買い物に付き合うことを告げる。

 その言葉に炎真は笑顔を見せて、それじゃあ行こうと彼女に告げた。

 

 

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:経過報告とエンマについて

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 経過報告な!奈月ちゃんがファミリーを快く

 貸してくれたおかげで準備がかなり捗ってる

 ぜ!本当に助かったよ!

 そういや、奈月ちゃん、確かエンマとショッ

 ピングモールにあるカフェに行くって言って

 たよな?

 実はエンマさ。新しい靴と文房具がほしいっ

 て言ってたんだよ。

 もし、さりげなくそっちに向かわすことがで

 きそうだったら、それとなく必要なものはな

 いか聞いてもらえるか?

 エンマのことだから、奈月ちゃんに気を遣っ

 てそう言うこと言わねーと思うのよ。

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 to:加藤 ジュリー

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 RE:経過報告とエンマについて

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 エンマの件りょーかいd( ̄  ̄)

 ちょうど天然石を補充したかったから、先に

 自分の買い物をする様子を見せてエンマにパ

 スを回しておく。

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 from:加藤 ジュリー

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 題名:流石奈月ちゃんだわwww

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 サンキュー!d(^_^o)

 奈月ちゃんが自分の買い物を目の前でして見

 せりゃ、エンマも流れで買い物してくれるな

 間違いなくww

 んじゃ、この調子で夕方まで頼んだぜ!

 エンマに関しての情報は、オレ達から提供す

 るから、夕方までの時間稼ぎのサポートは任

 せてくれ。

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 大体がジュリーから、時にアーデル達からのメールを受け取り、ショッピングモール内で一緒にうろつくことで時間稼ぎを行っていた奈月と、彼女が自分の知らないところでファミリーから連絡を受け取り、ショッピングモールをうろつく際の誘導をされていることに気づかない炎真は、かなりの時間をショッピングモール内で過ごした。

 

「まさか奈月ちゃんと映画観ることになるとは思わなかったなぁ……」

 

「あはは。だってエンマが気になってた映画、わたしも気になっていたからね。ちょうど席も空いてたからつい。アクションがすごかったね。」

 

「うん。本当にね!主人公が映画のラスボスと戦うシーンとかすごかった!」

 

「ワイヤーアクションにCG……それらを全部組み込んだものだったけど、あそこまで迫力満点だとは思わなかったな。

 クオリティもすごく高かったし、ネットで騒がれていた理由がよくわかったよ。」

 

「確かに。」

 

「ただ、これくらいならワイヤーなしでわたしはできるなって思ってしまった自分がいて自分を殴りたい衝動に駆られた。」

 

「あ……はは………言われてみればあれ、僕らの日常茶飯事だね……。」

 

 買い物をして、カフェでお茶をして、ついでとばかりに映画館で映画を観る……殆どデートと言っても過言ではないおでかけラインナップであることなど気にせずに、最後に観た映画の感想を口にしながら、奈月と炎真はショッピングモールをあとにする。

 時間は17時30分。炎真を連れ回す時間は、一つのメールにより終わりを告げる。

 

 

 ─────────

 from:リボーン

 ─────────

 題名:無題

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 エンマの誕生日の準備が終わった。あとは、

 桜奈とエンマが合流するだけだ。

 エンマのことだからな。家まで送るとか言い

 出すと思うから、今日は奈々も家光も留守に

 してるから、夕飯はどっかで買って帰るとで

 も言ってみろ。

 あのお人好しのことだ。だったら家にメシを

 食いに来るか聞いてくるぞ。

 ────────────────────

 

 

 ───────

 to:リボーン

 ────────

 題名:無題

 ────────────────────

 リボーンからメールが来るとは思わなかった

 んだけど……?

 まぁ、いいや。わかったよ。エンマにはそう

 伝えてみる。

 ────────────────────

 

 

 まさかの相手からのメールに、一瞬戸惑った奈月だが、すぐにリボーンへと返信を行い、携帯電話を鞄へと収める。

 

「夏が近づいてきたから、17時30分でも明るいね。」

 

「うん。でも、やっぱり女の子を1人で帰すわけにもいかないから、送っていくよ。」

 

「はは。ありがとう。じゃあ、帰りにコンビニ寄っていいかな?」

 

「え?コンビニ?」

 

「うん。実は今日、家に母さんも父さんもリボーンもいなくてね。たまには手抜きに弁当でも食べようかと思って。」

 

 リボーンのメールに記されていた通り、今日は両親もリボーンも自宅にはいないと状況を偽り、夕飯を手抜きにしようとしていることを伝えると、炎真は一瞬目を丸くする。

 しかし、すぐに少しだけ考え込むような様子を見せたあと、奈月に視線を向けた。

 

「もし、奈月ちゃんさえ良ければだけど、夕飯食べに来る?その、ジュリーもアーデルも奈月ちゃんにはいつも助けられてるから、いつかお礼がしたいって度々言ってて……」

 

 そして、首を傾げながら夕飯を食べに来るかと彼女に告げた。

 炎真から夕飯に誘われた奈月は、何度か瞬きを繰り返す。内心では、リボーンの言った通りのシナリオになったなと苦笑いをこぼして。

 

「……じゃあ、お邪魔しようかな。」

 

 しかし、それは表に出すことなく、奈月は炎真の提案に頷く。

 奈月が頷いたのを見て、炎真は小さく笑ったあと、それじゃあ行こうかと笑顔を見せるのだった。

 

 炎真の笑顔を見た奈月は、小さく笑ったあと、すでに打ち込んでおいたメールをジュリーに送るのだった。

 

 

 ──────────

 to:加藤 ジュリー

 ──────────────

 題名:サプライズはオーケー?

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 ショッピングモールを出たよ。

 今から君達シモンファミリーの拠点の方に向

 かう。

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 ────────────

 from:加藤 ジュリー

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 題名:了解!

 ────────────────────

 オッケー!パーティーの準備は完全にできて

 るぜ!(≧∀≦)

 そんじゃあ、エンマのことを盛大に祝ってや

 ろうな。

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 …………………

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 ………………………………

 …………………

 

 

 

「おやまぁ……随分て綺麗な屋敷になっちゃって……」

 

「確執の原因がボンゴレファミリーに関係していた人間だったからって理由で、9代目と家光さんが新しい拠点として屋敷を作ってくれたんだ。

 まさか、こんな立派な屋敷を建設されるとは思わなかったけど……」

 

「あー……多分、それ間接的にわたしも関係あるかも。」

 

「え?」

 

「いや……今のボンゴレファミリー……わたしが10代目候補として名前を挙げられる前に比べて資金が潤沢になりすぎちゃって……。

 その……わたしに従属するって20ファミリー以上のファミリーが傘下入り、もしくは吸収を望んできた上、そこまでしなくてもいいって言っても、定期的に資金がわたしの口座に振り込まれてるんだよね……。

 それで、わたしの手には余るから、そこからボンゴレファミリーの口座に移すんだけど、わたしの口座から億額がなかなか消えてくれない……」

 

「何やったの奈月ちゃん……?」

 

「別マフィアからの襲撃があったから、それを解決するために作戦練って、被害を最小に抑えただけだよ……」

 

「絶対奈月ちゃん、作戦立てただけじゃないでしょ?」

 

「……最前線で襲撃してきた大将格を翻弄しました。」

 

「うん、そのせいだね?」

 

 交通網を利用して、たどり着いたシモンファミリーの現拠点。

 大きな屋敷となっている今のシモンファミリーの現拠点の感想から始まったちょっとした雑談を交わしながら、炎真は玄関の扉を開ける。

 そして、前を向いた瞬間、複数のクラッカーの音が辺りに鳴り響き、

 

「「「「「誕生日おめでとう!!エンマ!!」」」」」

 

 シモンファミリー全員から祝いの言葉をかけられた。

 

「うわ!?え?え?え?」

 

 思わぬ展開に驚き、軽くパニックに陥る炎真。

 しかし、すぐに背後にいる奈月の方に目を向けては、慌てたような様子を見せる。

 

「ご、ごめん奈月ちゃん!驚いたよね!?その、えっと……」

 

 来客として足を運んだ奈月の前で、賑やかなお祝いを行われてしまうとは思わず、驚かしてしまったのではと焦ったのである。

 しかし、そんな炎真に対して奈月は小さく笑ったのち、買い物中にこっそりと購入していたパーティークラッカーを取り出して、彼の目の前で鳴らしてみせる。

 

「うわ!?」

 

 突然目の前で破裂したクラッカーに炎真は驚く。そして、混乱したように目を白黒させては、奈月を見つめる。

 それを見た奈月は、穏やかな笑みを浮かべたまま、炎真を迎えたメンバーの1人であるジュリーの方に歩み寄る。

 自身に近寄ってきた奈月を見たジュリーは、口元に笑みを浮かべたのち、片手を挙げた。

 挙げられた片手に自身の手を軽くぶつけた奈月は、背後にいる炎真へと目を向ける。

 

「……実を言うとね。今日がエンマの誕生日だってこと、ジュリーに教えてもらってたんだよね。」

 

「そんで、みんなでエンマを盛大に祝ってやろうぜって話になって、奈月ちゃんに協力してもらってたんだわ。楽しかったっしょ?奈月ちゃんとのデート♪」

 

「デッッ!!?」

 

 ジュリーの言葉を聞き、顔を真っ赤に染める炎真。

 そんな彼の姿を見て、奈月とジュリーは顔を見合わせては小さく笑い声を漏らした。

 

「わたしとジュリーが主犯の誕生日サプライズだよ。」

 

「ほら、早く上がれよエンマ。奈月ちゃんもな。」

 

「う、うん。」

 

「ん。お邪魔しま〜す。」

 

 ジュリーに呼ばれ、屋敷の中に入る奈月と炎真。2人が屋敷に上がったのを確認したジュリーは、楽しげに笑いながらリビングの方へと足を運び、炎真の方に目を向ける。

 

「よし。じゃあ、エンマ。お前からリビングに入れよ。」

 

「え?」

 

「誕生日は、賑やかにしないとね。」

 

 イタズラっぽく笑いながら、最初にリビングに入るようにすすめてくるジュリーと奈月に、炎真は困惑しながらも従う。

 その瞬間、再び大量のクラッカーの音がその場に響き渡り、

 

「「「「「誕生日おめでとう!!」」」」」

 

 今度はボンゴレファミリーと初代組からの祝いの言葉をかけられる。

 

「うわわわ!?って初代までいる!?」

 

「いいリアクションだな。」

 

「ナツキから話を聞いていたからな。オレ達も便乗して参加させてもらったんだ。」

 

「Dの奴は置いてきてもらったけどね。彼のせいでめちゃくちゃにされたから。」

 

 子供っぽく笑いながら、自分達も今回のイベントに参加したことを伝えてくるコザァートとジョットに、炎真は驚いて固まる。

 しかし、奈月に肩を叩かれたことにより意識を取り戻した炎真は、目を丸くして奈月に視線を向けた。

 

「君の誕生日はまだまだこれからだよ。夜まで全力でお祝いさせてもらうから、覚悟してね。」

 

 穏やかな声音でそう言ってくる奈月に、炎真は何度か瞬きを繰り返したのち、笑顔を見せて頷く。

 彼の笑顔を見た奈月は、笑顔を返したのち口を開く。

 

「Buon compleanno. エンマ。君にとってこの一年が、最高のものでありますように。」

 

 

 

 

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