空を彩る2色の双腕は、大切な大空の少女との日常を刻む。
山本→主♀←獄寺風味
時間軸:10年前、何気ない日常の夕暮れ
並盛町を歩く3人の人影があった。
その人影は、イタリアンマフィア、ボンゴレファミリーのボスを引き受けることになった1人の少女、沢田奈月と、彼女の両腕を謳う獄寺隼人、そして山本武の3人組である。
この日3人は、珍しく揃って学校から下校していた。
普段ならば、部活のために山本は残り、委員会で奈月も残り、唯一の帰宅部である獄寺は帰宅していることが多いのだが、見事に何もない日と、校庭の整備の日が重なったため、一緒に帰路についていた。
「3人で帰るのも久しぶりだね。」
「そうっスね!一緒に下校できてよかったっス!」
「なぁ、明日休みだしさ。せっかくこうやって3人で帰ってるし、どっか寄って帰らねーか?」
「それいいね。」
「たまにはいいこと言うじゃねーか野球バカ!そいつの意見に賛成っス!10代目はどっか行きたいとかありますか?」
「そうだなぁ……あ、だったらショッピングモールに行かない?そろそろ時期的にも夏物が出て来ている頃だし、ちょっと服を見に行きたくて。
2人さえ良ければだけど、いい服の案があったら教えて欲しいな。」
「へ!?」
「え、オレ達が10代目の服を選んでもいいんスか!?」
「?わたしは特に気にしないよ?これまでも、リボーンや恭弥さん、ディーノさんや骸、クロームやビアンキ姉さん、京ちゃんやハル、花や正一君、あとシャマル先生と父さんにも選んでもらったことがあるからね。
だから、2人にも選んでもらいたいな。これまで君達には服を選んでもらったことがないしね。」
小さく笑いながら、獄寺と山本に自分の服を選んで欲しいと口にして、ショッピングモールへと行くことを提案する奈月。
まさかの提案を聞いた奈月に、2人は驚いた表情を見せるが、自分達以外のファミリーや、知り合いには度々服を選んでもらっているのだと告げられ、一瞬だけイラつきを覚える。
「お任せください、10代目!野球バカなんかに負けねーような最高のコーディネートをしてみせますよ!」
「ナツに着てほしい服を選んでいいんだな?よっしゃ!じゃあ、オレもしっかり選ばせてもらうのな!」
他の奴らには負けていられない!!そう思った獄寺と山本は、すぐに彼女の提案に乗る。
やけにやる気に満ち溢れている友人達を見た奈月は、何度か瞬きをしたあと苦笑いをこぼした。
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電車に揺られてやって来たショッピングモール。
自分達と同じく学校帰りに寄ったのであろう者達や、パート上がりの主婦、今日が休日だったのか、私服姿のグループがいたりと店内はそこそこごった返していた。
そんなことを気にすることなく、ショッピングモール内に足を運んだ奈月達は、ブティックが集まる2階へと上がり、並ぶブティックを見て歩く。
「あ、ここだよ。わたしがよく服を買ってる店。わたしに服を選んでくれた男性メンバー、みんな躊躇いなく入っちゃうんだよね……」
「レディース物ばかりの店に……ッスか?」
「流石だなぁ〜……」
奈月から告げられた、彼女の服を選ぶ男性陣の話を聞き、獄寺と山本は少しだけ苦笑いをこぼす。
確かに服を選ぶなら、遠慮なく足を踏み入れるメンバーばかりだと思いながら。
「正直、恭弥さんが普通に店に足を踏み入れて、わたしに似合いそうな服を選んでいた時はかなり驚いたよ。
あの恭弥さんが……?みたいな感じにね。ディーノさんとシャマル先生とビアンキ姉さんとかだと、必ず間違いなく着せ替え人形にさせられるね。
で、リボーンと父さんと骸の場合、わたしに似合いそうなものは片っ端から買っていって、毎回とんでもない金額を叩き出す流れだね。
それで、正一君は少しだけ躊躇いながらも店に足を運んで、すごく真剣に選んでくれたよ。」
「笹川達はどんな感じなんだ?」
「京ちゃんや花、ハルやクロームとは一緒に互いに似合いそうな服を選びあってる感じだね。みんな可愛いから選び甲斐があるよ。
京ちゃん達は、わたしが普段は選ばないタイプの服を着せることができる!って大喜びで選び始めるよ。」
笑顔で普段の服選びの話をする奈月に、獄寺と山本はなるほど……と思いながらも店内を見る。
どこを見ても女性ばかり……だが、よく見ると男性が恋人である女性と服を選んでいる姿も割とあるため、何度か瞬きをしたあと、顔を見合わせては足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ……あ!沢田さんじゃないですか!いつもご贔屓にしていただきありがとうございます!」
「こんにちは、オーナーさん。夏物の新作はありますか?」
「はい!もちろんです!本日は、同級生さん……ですかね?」
「ええ。」
「なるほど!何かありましたら言ってください!」
「「ども……」」
明らかに奈月とはただの顔見知り程度の関係ではない店員に話しかけられ、獄寺達は少しだけビックリする。
話しかけてきた店員さんは、ニコニコと笑顔を見せながら、店内にいる客の接客をし始めた。
「……ナツ。さっきの人は?」
「ん?この店のオーナーさんだよ。」
「その割には、随分と馴れ馴れし……じゃなくて、親しげに見えましたけど……」
「……そりゃあ、爆買いモンスターを度々連れてくる学生くらいの女なんてわたしくらいだろうからね。いやでも覚えちゃうと思うよ。」
「「あ〜…………」」
奈月の説明を聞き、先程の会話内容を思い出した獄寺達は思わず納得してしまう。
確かに、度々考えなく服のために大金を叩き出して帰っていく男を3人も連れている学生くらいの女性は、一度見たら忘れるわけがないと。
「ちなみに、爆買いモンスターと一緒にいる時はいろんなブティックを梯子してるんだけど、そのせいか時折大量の服を買われてる女性客としてこのモールでは有名になっちゃった……。
下手したら何かしらのテレビ番組に取り上げられそうなレベルだよ……。服を爆買いされる噂の女性客みたいな感じで。」
“一応、爆買いモンスター達にはそんなにいらない!って毎回言ってるんだけどねぇ……”……と遠い目をする奈月に、獄寺と山本は顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
自分達以上に彼女を深く思ってるメンバーは、いつも暴走気味だと少しだけ引く。
「にしても、わかってることですけど、やっぱ女性客ばっかっスね。こんな場所にあのスケコマシ野郎を連れてきて、問題はなかったんスか?
なんか、10代目以外の女にも目を向けて暴走しそうですけど。」
そんな中、獄寺は不意に一つの疑問を浮かべる。先程名前を挙げられたメンバーの中に、いけすかない女たらしドクターの名前があったことが不思議だったようだ。
彼の質問を聞いた奈月は、一瞬だけキョトンとした表情を見せる。しかし、すぐに悪戯っ子のような笑みを浮かべては口を開いた。
「大丈夫大丈夫。確かにシャマル先生は女性にフラフラと惹きつけられそうになるけど、そう言う時に、シャマル先生に上目遣いしながら、今はわたしだけを見てくださいって拗ねたように告げれば、割とすぐに戻ってくるからさ。」
「……小悪魔…………。」
「ナツ……そんなことしてたのか?」
「ビアンキ姉さんに男の人を惹きつけやすい仕草やお願いの仕方を教えてもらったからね。割と陥落させることができるもんだよ。」
ニコニコと笑顔を見せながら、告げてくる奈月に、少しだけ冷や汗を流す。
なんつーもんを教えてくれたんだあの人と言う気持ちと、自身がやられたら絶対負けると思いながら。
「それじゃあ、2人とも。わたしの服を選んでね。」
「わかりました。」
「オッケー!」
奈月の言葉を合図に、行動を取り始める獄寺と山本。
奈月は、そんな2人を笑って見つめたあと、まずはどっちから聞こうかな?と考えるのだった。
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「いい買い物ができたよ。ありがとう、2人とも。」
「いえ!むしろありがとうございます!オレ達の好みの服を着ようと考えてくださって!」
「なんか、思わずナツと出かけるならこんな服を着てほしいなってヤツ選んじまったけど……」
「それでいいんだよ。みんながどんな服を好んでるのか知ることができるし、わたしが着ないタイプのものなら、それはそれで新たな出会いみたいで楽しいからね。」
満足げに笑って、買った服が入った服を抱きしめる奈月の姿に、獄寺と山本は小さく笑う。
しかし、自分が選んだ服を着てくれた彼女の姿を脳裏に描いては、少しだけでれたように顔を赤らめた。
「あ、猫ちゃん。」
「「!」」
不意に聞こえてきた奈月の声に、獄寺と山本は反応する。よく見ると彼女の視線はペットショップの展示販売の方に向いており、琥珀色の瞳はキラキラと輝いていた。
奈月の視線に気づいた販売されている仔猫は、彼女の方を見てはにーにーと愛らしい声で鳴き始める。
「猫ちゃん、にゃー。……Dさん達、もう猫の器に入る必要なくなっちゃったから今は猫ちゃん飼ってないんだよね……。
母さん達にお願いして、まやかしじゃない本物の猫ちゃん、飼おうかな……。」
奈月を呼ぶようにして鳴き声をあげる仔猫を見つめながら、奈月はポツリと小さく呟く。
どんな猫ちゃんいるんだろう……?そんなことを思いながら、彼女はペットショップを彷徨き始める。
─────……猫ちゃん!!10代目は猫をちゃん付で呼ぶ……!!その上にゃーって……!!か、可愛らしい……!!
一部始終を見ていた獄寺は、猫にちゃん付をする奈月の姿に軽く悶える。
10代目の新たな一面に、そんなところもあるのかと、顔を赤くする。
「あははは!猫をちゃん付けで呼ぶって、ナツって可愛いよな!」
「へ!?」
「あ……」
そんな中、山本が口にした素直な感想。ハッキリと聞いてしまった奈月は、驚いて目を丸くする。
彼女の反応に気づいたら山本は、口に出てた……と言わんばかりに口元に手を添えて顔を赤くしてしまった。
照れ照れと2人して顔を赤らめる奈月と山本。その様子を見ていた獄寺は、イラつきを表に浮かべた。
「てんめぇ……!!野球バカ!!何10代目に馴れ馴れしく……うお!?」
しかし、そのイラつきを山本にぶつけようとした獄寺。だが、彼は山本に掴み掛かる前にハプニングに見舞われてしまった。
それは、自分の足を自分で踏んづけてすっ転ぶと言うものだった。
「「ええ………?」」
すっ転んだ獄寺を見て、先程まで照れていた奈月と山本は、困惑したような表情を浮かべる。
そして、すっ転んでしまった獄寺の元に駆け寄るのだった。
DMMで注文していたリボーンのロールオンタイプのフレグランス……値段が手頃だったので6種類のうち3種類……雲雀さん、骸、リボーンの3種類を頼んでいたのですが、ナッポーのだけ一番乗りで本日届きました。
……いや、雲雀さんとリボーンの2人を出し抜いてなんでこの人だけ最初に来たんだ。
わたしはうち主ちゃんじゃねーぞ……汗