「それでは早速行くかニャア」
「もう回復したの? あんなにバテてたのに虎鉄はひょっとして戦闘狂か?」
「違うニャ。強い相手と戦いたいだけニャ」
「わたしもそうだわ。気が合うね」
じゃあ、行くか!となって、ワンドを仕舞うようにイメージしようとしたところ……
「光ってるニャ」
「虎鉄の武器もか!?」
俺達の武器が光を帯びていた。
「これってムギホシが何かやったの…………じゃないか」
ムギホシも驚いている。では、勝手に光っているのか?
ワンドとナイフがちょっと熱くなってきた。床に置いてしばらく放置だ。
1分ほど経っただろう。光が治まってくる。
「なんか武器の形が変わっているんだけど……」
「オイラのナイフは2つに分かれたミュゥ」
「あ、本当だ。熱は……大丈夫だ。治まってる」
俺と虎鉄は自分の武器を視界に入れてナビを見てみた。
『名称:ゴブリンスタッフ
攻撃力:35⇒65
INT:59⇒74
MND:44⇒49 』
『名称;双子猫のナイフ
攻撃力:75⇒128
DEX:57⇒72
AGI:52⇒57 』
「俺のは長めの棒になったぞ」
「オイラは長いのと短いのの2本のナイフだニャ。長い方は双子猫のナイフ【弟】で短い方は双子猫のナイフ【姉】って出るニャ」
「お姉さんと弟さんがいるって変わってるなぁ」
「二振りのナイフだったら常に一緒に使わないとね」
ムギホシが最後にしみじみと言った。
「ニャ! 柄が繋がったのニャ」
見ると、虎鉄があれこれと触りまくっていたナイフの柄のブレードの反対側が繋がって小さい薙刀の形になっていた。
「イカスニャ!」
回したり振ったりして楽しそうだ。危ないケド。
「いいなぁ。俺のはゴブリンスタッフって下っ端みたいだけど前よりはましだな。攻撃力の他にINTとMNDが上がってる」
「オイラもDEXとAGIが上がったニャ」
しかし、武器自体のステータスってあるのかな。今度じっくり観察してみよっと。まさか経験値ではなく熟練後とかあるのかもね。
「それでは、門の外に10分後に集合よ」
「ちょうどよく武器も強くなったし、これでモンスター退治にも万全に臨めるな!」
「ニャオーン!」
虎鉄の雄叫びが出た!
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聖域を出て、海のように大きな湖に着いた。
湖のほとりに洞窟がぽっかりと穴を開けて待っている。
「ここから行くわよ」
「宇宙船の格納庫とか港かなんかの入口が残っているのかと思ったよ」
「まさか。そんなものは破壊されたわよ。それに破壊しつくされたあとは500年経ってるから。昔はそれでも地下の格納庫は生きていたんだけど、そのうちモンスターがワサワサと湧いてきて一人じゃ奥まで行けなくなって……」
「それで3人なら行けると?」
「でも、わたしに加えてこの二人がいるから余裕だわ」
ムギホシの口調からも余裕を感じられる。
「途中まで洞窟を通っていけば地下の格納庫に行けるわ」
「ナビも出たニャ。ここから20kmだニャ」
「進んでだいたい5kmにところでモンスターが出る」
俺と虎鉄は黙って頷いた。
洞窟の中は真っ暗だったので、服に付いていた(助かるネ)ライトを点けてひたすら地下を歩いてゆく。
そういえば明かりを点ける魔法ってないな。魔法使いの範疇じゃないのかな。
なんて他所事を考えながら歩いていると――
「ここからはモンスターが出てくるから注意して」
ムギホシはハンドガンを構えながら言った。
俺と虎鉄も武器を出して構えた。
「ところでモンスターってどんな形をしてるのかニャ」
「簡単に言うと蜘蛛。1メートルくらいで赤いやつ」
「それは禍々しいな。モンスターって呼ぶくらいだから人とは相容れないんだよな」
「そうね。人を食うためとかではなく殺すためだけってこともあるわ」
「じゃあ、心おきなく斃せるニャ」
ムギホシは頷いて、また歩き出した。
モンスターと野生の動物の違いって、その「殺すためだけ」の違いかなぁ。今度、ムギホシに聞いてみよう。視界に入っていないものってナビの使い方がいまいちわからないんだ。でも虎鉄はそのあたり多分わかるのじゃないかなぁと思った。
「出てきた。言い忘れてたけど数は『沢山』としか言えないから!」
片手にハンドガンを持ち、もう片方の手で白く光った剣を出してムギホシは叫んだ。
ザザザザザッ!
ザザザザザッ!
ザザザザザッ!
うわー本当にでっかい蜘蛛だ。
『名称:アラクネー』
好感度はもちろん赤。脅威度は青だ。実は心配していたんだけど……よかった~。
虎鉄は投擲Ⅰ(SP1)を使う。まあ、石を放るだけだけどかなりの豪速だ。ちなみに手頃な大きさの石はここまでで拾い集めたものがアイテムボックスに唸るほどあるのだ。
ボッ‼
見えない石が当たった。石1つで1匹斃せるのか。
たなみにSPの消費量は俺が40pt/分で虎鉄が10pt/分で回復なのだ。
ちょっと虎鉄のSPだと石に頼るのは厳しいかな。
俺の場合は吸精の魔法Ⅰがあるからいいが、他者にはSPを回復する手段が今のところないのがつらい。
「身体があったまってきたニャ! 双子の姉弟、いくニャー」
あ、石やめたんだ。双子猫のナイフを使いたかったようだ。
「俺もやるか!」
弱点は氷だとナビで知った俺は、氷術の魔法Ⅰをひたすら連射してゆく。
たまに緊縛の魔法Ⅰと睡眠の魔法Ⅰでみんなのフォローもする。
戦いは始まったばかりだ。
こういうことを言うと打ち切り漫画みたいだな。
つづく!
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