俺達は回路を回収できて聖地に帰る途中だ。
今、バトゥーク78を背負って走っている。
上半身は俺の首に手を回してもらって、下半身はアイテムボックスに入れてある。
なんでも意思のある物体はアイテムボックスに入れられないってことらしい。
また、上半身でも90センチはあるから虎鉄には大きすぎて運べない。ムギホシは初めて出会ったときは180センチだったけど、その姿は幻覚を見せていたそうだ。今は140センチで運ぶのにはちょっと厳しい。
30代の俺がやらねば誰がやる!っとか言って、実はレベルが上がって楽勝なのだ。
帰りがてら軽い会話もできちゃうもんね。
「バトゥーク78は名前としてちょっと長いな。バトゥとか、どうだろう?」
「人ハその辺り気にシマスね。私トシてはドチラでもイイです」
「では、バトゥで! いいかな?」
虎鉄とムギホシも異議なしのようだ。
「宇宙艇の操縦もできるニャモ?」
それよりもいう感じで食い気味に虎鉄が聞いた。
「それはモチロン。550年ハ最新の宇宙船ヲ操縦しまシタ。奴隷にナッタあとはボロボロの宇宙船バカリですガ腕は鈍ッテはいまセン」
おお! これで操縦士は確保だな。
「宇宙艇ヲお持ちデらっしゃルので?」
俺と虎鉄は、あそこに再び行った理由、そしてこの星を出て旅をしなければならないと諸々を込めて説明した。だから操縦士が必要なんだと強く言う。
「ソウですか。わかりマシた。近くノ星マデ連れてイッていただけマシたら軽いモノデス」
俺と虎鉄は飛び上がるほどの歓喜した。
「ソの前にボディを直サなけれバいけまセン。アトは喉ノ発声装置を直しタイです」
あ、この声は地声(?)だと思ってたけど違うのか。
ムギホシがこちらを向いて、そういえばと繋げる。
「宇宙艇で修理工具とかあったような……」
クルマに積んである修理工具みたいなものかな。宇宙船なら宇宙で事故が起きたら当然自分で直さないといけないし。
「おそラク普通の船ダト備え付けてアルと思います。アンドロイド用のスペアの部品もアルかと」
「そうなの。聖地にはアンドロイドはいなかったからスペアの部品があったら助かるわ」
ちょっと気になったので聞いてみる。
「アンドロイドって数は沢山いたのかな。それと普通はどんな使い方されたんだ?」
「わたしは使わないのが教義だったから……」
ムギホシは知らないってことだね。では、アンドロイド本人に聞いてみよう。
「私がドワーフ本星にイタときは人と同じクライいました。人の補佐トカ人のできない環境ノ仕事とか多岐に亘ッテ人のタメに働いてイマシタ。この100年ハ奴隷のヨウでしたが、それは変わらずデス。でもゴブリンの使イ方はパワハラと言エバ軽い方でした……」
なるほどなあ。普通の時の働き方はイメージ通りかな。しかし奴隷とはあるんだな……奴隷。
その時、虎鉄が胸を張って主張した。
「
人と奴隷が一緒だって? このヤロー、逃げるな! そうだよ、悪いか! 撫でてやるぞ!
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あっという間に聖域の外の宇宙艇を置いてあるところに着いた。
「驚キました。エルフィニア製のエルフィンⅡデスね」
宇宙艇を一目見て
へ~エルフィンⅡと言うのか。
「有名なの?」
ムギホシも初めて聞いたんだろうか。
「有名デス。その昔ハ王族が乗ッテいたト伝えラレてます。性能は最高級レベルでス」
「おお、凄いニャ。ということは高いかニャ?」
「値段ハつけられナイでしょうネ。ソレに今なラ骨董品の値打チもあるのでオソラク星一つより高いと思いマス」
「す、す、すごーいニャ。こんな船乗ってもいいのかニャ」
「それにはまずこの星の人に聞いてみないと……」
虎鉄と俺はこの星の生き残りの彼女を見て固まる。
「誰も乗る人いないし、いいんじゃない?」
「「やったぜ(ニャ)!」」
「私もコレホドの宇宙艇が残っているトハ正直信じられまセン。ましてや、コノ手で触れるナンて思いもシマセンでした」
バトゥはアンドロイドだけど感極まったようだ。さらに――
「コウしてはいられマセン。早くボディを直シてエルフィンⅡの整備ト調整を始メなけれバ! そうダ清掃もしなイと!」
なんか人が変わったみたいだ。人? 人工頭脳? ま、いいか。
「まずは工具を探さないとな」
「トリアえずエルフィンⅡの中へ入ってくだサイ!」
そんなバトゥを見てみんな楽しそうで――
「ア、ボディが治ったラ、整備と清掃ヲ一通り終わラセルので、ミナサンは邪魔ですカラ降りてイタダケレば幸いデス」
と思ったら慇懃無礼だなぁ!
「一カ月カカリます」
ぎゃふん。
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