天気は快晴。気温は43度。乾燥した星だ。地球だったらサングラスをかけるはずだ。
「体調管理システムは機能してるニャ」
「ムギホシはヘルメットをしてるな」
「わたしにはちょっとキツイわね。この星にいる間は脱げないと思う」
ターミナルがある都市バルボア・シティから離れること500kmの荒野にエルフィンⅡは着陸した。
ターミナルじゃないの? と思うが、実はターミナルや宇宙港の行けない訳があるのだ。
保安官から逃げた俺達が言うのも憚られるが、何を隠そうそれはエルフィンⅡが非公認の宇宙艇だからだ。
しかもバトゥ曰くエルフィンⅡと言わない方がいいってことだ。
これにはムギホシも賛成した。
この二人が言うことならば逆らうことはやめておいた方がいいなと俺と虎鉄は考えることを放棄した。
こっちの方が正しいよねって感じだ。
ちなみにエルフィンⅡは俺のアイテムボックスに入れてある。
容量500立方メートルは伊達じゃないのだ。
これって実は虎鉄のアイデアだ。
しかし、実際は二人ともデカいものをアイテムボックスに入れるのを嫌がった。だってデカいにしても宇宙艇はデカすぎるっての。
なので勝負はジャンケンに託されたのだった――俺の負けだけど!
まあ停めるところがなかったから便利だったけどね。
そして、情報収集については、またの機会に置いておいて差し迫った問題は……やはり身分証明書の件だ。
当たり前だが俺と虎鉄はこの宇宙で身分証明書がない。
バトゥは奴隷だったが、その前の身分を明かせばなんとかなるかもってことだ。
ムギホシも持ってると思うけど……
「わたしは正しい身分証明書は使わない方がいいと思う。だから、二人と同じってことね」
だ、そうだ。バトゥに視線を送る。
「エルフだとバレると少々悪いことが起きますね……」
「エルフって言っちゃダメなんニャ?」
「まあ言わなくても知っているべき人が知っていれば、わたしは別にいいのよ。でも人種を誤魔化せるならまた取るわ」
クール! さすがムギホシ!
「それではお三方は身分証明書を取るのがまず1つ」
そして俺が引き継いで言う。
「エルフィンⅡを公認の宇宙艇にするのが2つ目」
「最後にお金だニャ」
またお金の話か~と地球にいた時のことを思い出していた。
「情報収集についてもですよ」
バトゥも忘れてはいないらしい。
「それはバルボア・シティに行きがてらでいいんじゃないかしら」
ムギホシはそう言って、アイテムボックスにエルフィンⅡを仕舞う前に取り出したホバーバイクに跨った。
それが当然のようだったので気が付いて止めるのが遅れた俺と虎鉄。
「いやいや」
「なんで普通に運転しようと思うミャ!」
「なんでって遮ることもない荒野だから? 今度は大丈夫だから」
ムギホシは本気で言ってるのか?
ホバーバイクは2台でバイクのように1台で二人が乗れる。普通に考えたら俺と虎鉄、あとバトゥとムギホシだと思う。俺とバトゥが前で運転するのがベターだ。
俺案とムギホシ案で多数決だ。
バトゥが棄権したのでめでたく俺案が通ったのだった。
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