猫と俺の オブ ユニバース   作:滝ノ水ネロ

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37 宇宙海賊の影

俺達はハンター・ユニオンのあるビルの109階の会議室にいる。

 

そこには何故かハンター・ユニオン、バルボア・シティの支部長一人が俺達と対峙していた。

 

支部長は種族はライオンのようなライオネル族だ。ライオンマン族と違ってよりライオンに近い種族で、ベアマン族より大きくはないが迫力はある。しかし、歳はとってるみたいだ。

 

『名称:ラシャヴァティ

 種族:ライオネル族

 職能:ハンター・ユニオン バルボア・シティ支部長

 脅威度:緑 好感度:黄色

 ハンターランク:17  』

 

ちなみに鬣はないから女性だ。好感度が黄色なのは、俺達が期待のハンターなのに黄色かよっと思うかもしれない、でもハンター・ユニオンの支部長だから会ってみてから自分で決めるって人なのかな。

 

とりあえず挨拶して、椅子の腰かけて聞いてみる。

 

「ハンターのランクが14になると支部長から新しいバッジが貰えると聞いたんですが、まだですよね?」

 

実はハンターになった日にバッジは貰っている。今言ったのはランク14になって銀に輝くバッジを貰えるそうだ。ランク1から13までは銅のバッジだ。

 

「そうだな。それは後だな。今日は君達にお願いがあって来たんだ」

 

「ランク13のハンターは沢山いるけど、わたしたちにってことはやはり期待のハンターだからってことかしら?」

 

ムギホシは普段と同じ口調だ。かっこいい。

 

「有体に言ってしますとそうだ。本来は14以上のハンターにお願いしたいところだが、今はいないので君達に頼みたいと思う」

 

いきなり本題ですか。話が早くて助かるわー。

 

「いいけど、何を頼むニャ?」

 

虎鉄もそのつもりのようだ。俺とムギホシも首肯して話を促した。

 

ラシャヴァティ支部長も頷いて答える。

 

「秘密結社、簡単に言うと宇宙海賊のシンジケートだ。そいつらが悪さをしようとしてる。だから潰す」

 

「もしかして宇宙に行くのニャ?」

 

虎鉄君、それはないでしょ。スペースハンターはランク14からでしょー。

 

「いや、バルボアに隠れ家があるらしい。というかある。でもこれはハンターランク16以上の仕事だ」

 

ほらね。……え? ハンターランク16?

 

「何かを運び出そうとしているようだ。なにを運び出そうとしているのかは謎だが……」

 

ハンターランクの話は置いておいてとりあえず話を聞こう。

 

「敵の規模は? 現地だけでどれくらいの人数がいるんですか?」

 

丁寧語のなるのは俺だけかもしれない。だって日本人だし……。

 

「鉱山コミュニティが隠れ蓑になっていて、そのコミュニティ全体が秘密結社の下部組織だ。およそ120人いる」

 

「よくそこまで調べたわね」

 

ムギホシがそう褒めるとラシャヴァティ支部長は逆に真剣な表情になった。

 

「そこまではランク16のハンターが調べてくれたんだ」

 

あ、なんだ16のハンターはいるのか。

 

「じゃあ、オイラ達はその援護かニャ?」

 

「その連絡の後は音信普通になってしまった。それが今日の話だ」

 

支部長は苦々しく答えた。

 

場の空気が張り詰める。

 

「しかし、現状ランクの高いハンターはいないのだ……。わたしが行けたら行きたいのだが……」

 

それは俺達の出番? まあハンターランク18のモンスターにも勝てるからなぁ。でも本当にそうするの?

 

言うべきかどうか……。ハンター・ユニオンの出方を知りたいと思うのはズルいだろうか。

 

不意にラシャヴァティ支部長は話題を変えた。

 

「そうだ。そういえば今噂の宇宙艇って知ってるか?」

 

ドキッ! 突然のことに内心驚いてしまった。隣を見ると虎鉄とムギホシは予想外に真顔だ。え、また俺だけかよ……。

 

「帝国の偵察活動とか言われてるヤツだニャ」

 

「いや、海賊とか聞いたわよ」

 

二人はテキトーに相槌を打つ。ラシャヴァティ支部長も頷いている。

 

その時、この部屋の扉の外から声がした。どうやら部屋に入る時にする挨拶らしい。

 

ラシャヴァティ支部長は「どうぞ」と言ってるし。

 

そして入ったきたのは一人の男だった。

 

『名称:キーソン

 種族:ヒューマン族

 職能:保安官

 脅威度:緑 好感度:黄』

 

その男は軽く自己紹介(その前にナビを見て知ってるが)をして、椅子に腰かける。その保安官は45歳の男で温和な感じだ。。

 

「やあ、君たちが噂の新人ハンターか。今まで君達を調べていたよ」

 

「「「!!」」」

 

いきなり調査したって来たから今度は3人とも驚いた。

 

「こういうものを撮ってあってね」

 

バルボア星に来た時に撮られた動画だそうだ。中に乗ってる人は撮られていないけど、これは間違いなくエルフィンⅡだ。そりゃそうか……パトカーでもそれくらいやってたし……。自分達の至らなさに反省する。

 

そこで俺は正直に話そうと思った。でもムギホシのことは伏せてだ。

 

「俺達は帝国とか海賊とかは違う善良な人であって……」

 

そう話出そうとしたが、キーソンさんが片手を上げてそれを止める。

 

「それも知ってる。街のみんなから聞いて知っているよ。……それにあんな美味い水をあの価格でとか信じられないよ」

 

だこからどこまでを知ってるのか。そして水の美味さは何よりも勝るのか!

 

「水に何か薬なんかは入ってないだろうなと思って、調べるのに時間が掛かったぞ」

 

それも調べたのか。だから今まで掛かったのか。お手上げだ。

 

俺は隣の虎鉄とムギホシを見て頷いく。正直に話そう。

 

「あの日、宇宙船を沈めたりできたんだろう? それをしなかったのはとりあえずこの星に来たかったのだろう」

 

「そうニャ」

 

「今思うに逃げるつもりはなかったわ」

 

ムギホシも霊理力は使わないつもりだと伝わってきた。

 

「そこまで知ってるのなら、お縄に着くとか……?」

 

ラシャヴァティ支部長がゆっくりと話し出す。

 

「――それは簡単だがなんの解決にはならない。

 

 ハンター・ユニオンは互助団体で自由連盟と共和連合にはどちら属してないからそのあたりはそのうちでいいのさ。

 

 エルフィンⅡという宇宙艇に乗ってるのも今は聞かないでおく」

 

ムギホシの顔が揺らいだ。俺と虎鉄もムギホシを見つめて頷いた。

 

「保安官もそれで良いのですか? バルボア星をは自由連盟の所属なんですよね」

 

「こんな辺境の星はハンター・ユニオンありきだよ。俺と相棒の二人でバルボア星だけじゃなくて星系をパトロールしてるだけだしなぁ。報告しても援軍ナシでハンター・ユニオンを頼れの一点張りだ。泣けてくるよ……」

 

キーソン保安官は涙失くしては聞けないといった表情で続ける。

 

「だから……お願いだ。あのハンターは――ロブロイはいいやつなんだ。生きているんだ。助けてくれ!」

 

そのロブロイというランク16のハンターは、生命反応がわかるようになっているそうで今は微弱だがまだ反応があるという。それが一人で斥候の仕事をする場合のは必要なことだろう。

 

「君達の能力は正直まだわからないのだが、ランク18にも相当する実力だと知っている。君達しかいないんだ」

 

ラシャヴァティ支部長も頭を下げてもう一度頼んできた。

 

「そのロブロイって人を助けて、シンジケートを潰せばいいのかニャ?」

 

虎鉄がまとめに入りだす。早くクエストに行かせろって感じだろうか。

 

「それができたらランク14だ。そしてハンター・ユニオンの優良ハンターとして推薦する」

 

ラシャヴァティ支部長からもう一声が掛かった。彼らの好感度は青になってる。本気だ。

 

「思ったよりイイ話かもしれないわ」

 

ムギホシが素直に評した。

 

「で、優良ハンターってなんだ?」

 

でも俺が評したのはこれだ!

 

「この星系だけでなくすべてのハンター・ユニオンで名前が売れるってことニャ!」

 

「ごめんなさい……タツローってこんな子供で……」

 

虎鉄とムギホシが苦言を呈す。32歳なのに子供呼ばわりはやめて欲しい!

 

真面目な顔をしていた支部長と保安官は苦笑いになった。




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