コミュニティとは、同じ目的を持った人々の集団だが、開拓真っ只中だったこの星では企業とか公営の鉱山とは別の限られたコミュニティが資金を集めて鉱山とか農場とかを開くことがある。
このコミュニティもその一つだったそうだ。もう鉱山は締められてはいないが、まだコミュニティは残っているとかいなとか……。
俺達はここまでまずエルフィンⅡで向かって、その後はホバーバイクにのってここまで来た。
何かあるかもしれないででエルフィンⅡはバトゥが乗って静止軌道上で待つことにする。
そんなことで、俺達三人はちょっと離れた丘の上でその鉱山を見ながら相談中だ。
鉱山の入口は一つ。3軒の建物はあるが人はいない。
ランク16のロブロイが言った通りだな。
では、シンジケートの全員は鉱山に入っているようだな。
もうちょっと近寄ってみれば鉱山の内部にいる者達の人数と戦力がわかるはずだ
「虎鉄、頼めるか? 俺とムギホシはここで待機でいいかな、ムギホシ?」
「OKニャ」
「了解。コテツは何かあったら連絡してね」
虎鉄の隠密スキルが活かせるところがようやく出てきたな。
「虎鉄、念のためチャクラムに魔法をかけておこう」
「ありがたいニャ」
俺は睡眠の魔法をチャクラムに付与した。
その瞬間に姿を消した虎鉄が「いってくるニャ」と言って出て行く。
そして1分。俺とムギホシのヘッドセットに虎鉄からの報告が入る。ちなみに俺と虎鉄だけならナビで連絡は取れるが、ムギホシもいるので普通の無線にしたのだ。
『今、鉱山に入ったニャ。ロブロイが言ったのは地下6層までだったけどナビで調べると地下10層まであるミャ。かなり広くてナビは1層ずつ見ないとだニャ』
「そんなに広いのか。いけるとこまででいいから調べてくれ。彼の生命反応はナビに入れたから反応の所在地が見つかればいいが……」
『余裕だから待っててニャ。敵の人数も数えていくニャ』
「こういう時ってコテツは頼りになるわね」
なんか「あなたと違って」という声が聞こえたような気がする……。
それから、また5分経った。
『ロブロイ発見ニャ。一番下の10層に降りたすぐの部屋にいるニャ! オイラも今10層に入ったところにいるミャ。敵は10層には5人しかいなかったニャ。でも10層はめちゃくちゃ広いニャ』
「でかした! で敵はどんな奴ら?」
『これ見れるかニャ?
名称:下っ端(124)
種族:ゴブリン族、ヒューマン族、その他亜人
脅威度:黄 好感度:赤
権限者:虎鉄』
「おお、見えるぞ。権限者が虎鉄ってことは脅威度と好感度は虎鉄視点で見てるってことかな。これをムギホシにも見せたいな。ちょっとやってみるから待ってて」
俺はちょっとやってみる。これができると楽なんだが……。
「なにこれ? 視界に出たわ!」
成功だな! ナビ自体は俺と虎鉄しか持ってないから、見せるしかできないけど視界を共有できるのはありがたい。
『武器はマシンガンとかハンドガンだニャ。一人だけ6層に『下っ端リーダー』がいて強さは同じだったニャ。あれならチャクラムで余裕ミャ』
「脅威度が黄色だから取り敢えず殺さないようにしてくれよ。全員、無力化しよう」
「それじゃあ、どうしようかしら。陽動はいかがかしら?」
お、ムギホシさんナイスアイデア!
「では、上でデカいことをするぞ。そのあと上の敵から無力化しながら下に降りていくから虎鉄は先ずはロブロイを助けてくれ」
『よろしくどうぞニャ!』
「行こうか、ムギホシ」
「ようやくの出番ね。わくわくするわ」
虎鉄とムギホシの血が騒ぎだした! これは早く終わりそうだ。
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【視点:虎鉄】
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じゃあ、オイラも行くか~と考えて、そういえばさっき忘れていたことがあったと気づいた。
それは、この階層――10層の奥にはどうやらモンスターが飼われているみたいなのだ。言った方がよかったのかな。
その時、敵の下っ端が二人、オイラの近くに来た。どうやら話しをているようだ。近くにいても隠密スキルは気づかない。
「ここのモンスターもようやく出荷できるな」
「出荷記念で豪勢な餌をやらなきゃな。生きたまま捕えていたハンターが。生餌だぞ~」
そういうことか。達郎が来たら相談しよう。
その前にこの下っ端をやっつけるか。オイラはチャクラムを構えた。
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