俺とバトゥは格納庫でSP弾を作っていた。もうエルフィンⅡに積載量は満タンだから、俺のアイテムボックスに入れている。半分意地になっているのかもしれない(誰に対してとかないが)。
虎鉄とムギホシはハンター・ユニオンで一昨日からず~っと乱取り中だ。
その時、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴっと大きな音が空から響いてくる。
俺で格納庫を出てみると、空にはドでかい船――いや4000メートルの巨大宇宙戦艦が雲から姿を現した。
「型的に空母ですかね」
横を向くとバトゥが隣に立っていた。
「あれは自由連盟と共和連合の空母ではないですね。噂の帝国でしょうか……」
宇宙空母はバルボア・シティの上空に来て、バラバラと40機の戦闘機をばら撒いた。
そして、光る玉が落ちてきた――
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……
…………
「……てください。タツロー様起きてください。起きてください!」
どれくらい意識を失っていただろう。バトゥの声に反応する。
「……目が覚めたよ、すまない。こいつは攻撃されたってことだな?」
「そうです。空からの爆撃です。主要な施設を狙ったようですね。この格納庫は端にあるので幸いなことに被害は軽微だと思いますが」
格納庫は半壊状態だ。中にいたら潰されてたかもしれない。といっても普通の人ではないから怪我とかはしないけども。
「私はエルフィンⅡを見てきます。タツロー様は――」
「虎鉄とムギホシに連絡だな!」
と、その時、宇宙空母からの映像が空に映し出された。
【あ~黒薔薇団のアクセル様だ。
バルボア・シティはジャックした!
俺の前にエルフィニアから来た奴らを出せ。
エルフィンⅡに乗ってる奴らだ。
街の半分とハンター・ユニオンの連中も殺す。他の奴らは殺しはしねえ。
でもムカついてるから、ちょっと暴れさせてもらうよ。
あ~今から保安官とハンターと監督官の身柄は抑えるつもりなんで、よろしく~】
音がバルボア・シティに響き渡る。映像に映ったゴブリンの顔に見覚えがあった。服装はゴージャスな感じだが……。
あれは紛うことなくアビゲイル・ローゼス団のスラッシュとリリアムの関係者だな!
誰が1カ月かかるって言ったんだ。2日で来たよ……。しかも、俺達は御指名か。
「いつの間に宇宙空母を手に入れたのか。調べましたが使ってる船はクラス1のロートル機ばかりだったのに……」
いけね! 虎鉄への連絡が遅れる、と思ってたらナビのコールサインと同時に聞きなれた声が届いた。
『達郎、バトゥ大丈夫かニャ? 今オイラ達はラシャヴァティ支部長の部屋にいるニャ』
『わたしはこれから最上階の監督官を保護してくるわ』
虎鉄とムギホシからホログラムの連絡だ。もうそこまで動いてるのか……早い! ムギホシもナビに入れているのか。ではバトゥは俺から入れよう。
『ちなみに、私も入れてもらったよ……』
こればラシャヴァティ支部長! こんなところで会うのは「はじめまして」かな?
『このナビというシステムはなんだろうな……。こんな霊理力は初めて見たぞ』
ラシャヴァティ支部長、そのあたりは無視してくれるとありがたいです。
「こっちは宇宙港から離れてて無事だ。でも宇宙港は壊滅してるのがここからでもわかる。ターミナル周辺の宇宙船もナビで見たらダメだった……。そっちは爆撃の音と振動が凄いけど、どうなってる?」
『ドッカンドッカン音はするけど、こっちはこのビルは防御シールドが張られてて今は大丈夫みたいニャ』
『黒薔薇団の奴らめ、バルボア・シティの街を滅茶苦茶にしよって……!』
当たり前だがラシャヴァティ支部長は激怒している。
黒薔薇団の戦闘機は大部分がハンター・ユニオンの入っているビルを攻撃しているようだ。ただ、その中にはバルボア・シティのそこら中を飛んでバラック小屋を焼いたり人を追い回しまりして遊んでいる戦闘機もいる。
「くそっ、腹が立ってきた! でもシールド? そんなものがあるとは!」
その後、話を聞いたらビルをエネルギー・フィールドで守っているそうだ。ちなみに電力はこのビル単体で賄っているそうだ。でも爆撃に耐えられるのは精々10分くらいとのことだ。すでにビル内の電力は全て防御シールドの振っている。
あと、監督官は同じビルの最上階の140階にいるという。111階から140階が監督官の仕事場でこのバルボア・シティの中枢になるんだそうだ。さっきムギホシが言ったのはこういうことか。今はじめて知った……。
監督官は今階段を下りてきているが、ラシャヴァティ支部長から念のため救出に行くからと伝えてある。
また、これも知らなかったが地下には広いシェルターがあるという。職員とか住人は地下に避難するよう告知されているみたいだ。知らない人もいるみたいだが……。
じゃあ、保安官もそのビルにいるの?って聞いたら、109階に部屋は持ってるけど幸いパトロール中で別の惑星に行ってるということだ。いたら真っ先にやられちゃうから良かった……。
『オイラ達も1階に行くニャ』
『1階に行きながらハンター以外は地下に行ってもらうよう案内せねば!』
虎鉄は1階に向けて走り出した。ラシャヴァティ支部長もその階にいる職員を連れて非常階段へと急ぐ。
「バトゥ、エルフィンⅡ改の具合はどうだ?」
『少し昔の回路がショートしてしまったようです。5分以内に直します』
「了解! ラシャヴァティ支部長、質問です。ちなみに確認させて欲しいんだけど――」
これは、俺の中で答えは決まっているが、今周りにいる一番偉い人に確認しておくと気分が楽だ。
「戦って良いんですよね? 最初から降参ではなくて良いですよね?」
ラシャヴァティ支部長も即座に答えてくれた。
『ハンターだから戦うに決まってるだろう。ハンター・ユニオンの本部にも言ってある。私達の冒険の邪魔する奴らは倒すのみだ!』
ラシャヴァティ支部長はいいねぇ。上司の鑑だね。そう聞ければ十分だ。やってやろうじゃないか!
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