【お~い、ハンターよう。
エルフィニアから来た奴らを早く渡せば助けてやるかもしれねぇなあ。
そいつらも逃げれねぇから、諦めて出てこいってなぁ。
どうして狙われるのか解るよな。
早く出てこないと街はどうなっちゃうかわからいいぞぉ】
頭の上でゲタゲタ笑う黒薔薇団首領アクセルが煩くなってきた。
しかし、そんなことは無視してナビが音声だけじゃなくてワイプの画面みたいに虎鉄の見ている視界を映す。
今までここまで虎鉄も離れて戦ったことがなかったので、こんなこともできたんだなーと新鮮に思う。経験値ってどうなるんだろう?
そんな虎鉄は82階の非常階段でマルルさんとバルボアの牙の連中と会って話をしている。
『まだ、こんなところにいたのニャ。みんなも急いでミャ』
マルルさんは『はい、虎鉄さんも気を付けてくださいね』と言いながら他の職員と一緒に1階へ降りていく。
『やっぱりマルルさんはやさいいなぁ』
その声はジャガーマン族のギルギンだな。
バルボアの牙の彼らもいるのはありがたい。戦力は多い方がいいに決まってるからな。
『! なんだこれ!? タツローと喋りたいってコテツの兄貴に言ったら不思議なことが起こった!』
虎鉄の送ってくれた映像を見て、そんなことを言ってるのはガントだと判った。
「下に行くのは頑張って欲しいけど、死ぬなよ」
『わかってるって。ランク14になるまで俺達は死なないぞ!』
『一階に入ったらバリケード設置するニャ!』
虎鉄もこの2カ月で有名になったから話を聞いてくれるハンターは本当に増えたと思う。でも、俺は未だにタツローって呼び捨てなのか……ショック。
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それから1分――黒薔薇団が現れてからおそらく5分は経ったと思う。
ムギホシが監督官を1階に連れてきた。ナワジャという名前の若いヒューマン族の監督官だ。やり手の雰囲気を感じる。
早いな、と思ったらムギホシに抱きかかえられて1階まで下りてきたそうだ。いわゆる「お姫様抱っこ」だ。
他のシティの職員は今非常階段を下りて来ている。長いが頑張ってほしい。
『ここまでありがとう。重くてすまないね。女性にしては力持ちだね』
ナワジャ監督官が礼を言うが、これは社交辞令だ。ちなみに今のムギホシは180センチバージョンで本気だ。
『いつの間にやら追い抜いたけど、ラシャヴァティ支部長を見習って欲しいわ。ここから地下にはご自分でどうぞ』
ムギホシさん、ムカつくことがあったのだろうか。でも、かっこいい!
虎鉄とムギホシが1階の外を覗いている。
『見えるかニャ。街は爆撃と戦闘機で滅茶苦茶ミャ。それにこの街にいる潜り込んでた黒薔薇団の手下とか悪党がいっぱいビルの前に集結中だニャ。街の住人は所々にある地下シェルターに避難したから大丈夫と言うけどミュ……』
この辺りはラシャヴァティ支部長に聞いたのだろう。こんなにいたのかというくらいの人数だ。これって手下よりもハンターに恨みを持ってる奴の方が多いのでは?と思ってしまう。しかし、街のみんなは避難してくれているのか、よかった。
ヒュ~~ン、ヒュ~~~~ン…………ドガン! ドガン!
あ、ロケットランチャーをビルの扉に向けて撃ってきた。
『あれくらいでは破れないわよ。でも時間の問題ね』
「他のハンターはまだ1階に来ないのか?」
『もうすぐニャ。降りてきたら1階の守りを任せるニャ。早く外に出て街のみんなを助けたいニャ!』
「前に出て戦うのか? こっちからも撃たれるぞ」
「わたしには当たらないから大丈夫よ」
「俺もニャ。それにだニャ――
――レベルが上がっていることに気付いてるかニャ?」
え? 俺は急いでレベルを確認する。
「レベル50!? お前1日ちょっとで50とか、どれだけ上げるんだよ!」
「ムギホシのおかげニャ」
「コテツもよくやってくれたわ。わたしもまた伸びたわ。ありがとう」
二人は笑い合っているのだろう。そしてムギホシが聞く。
『何人くらいいるかしら?』
『4000人ほどニャ』
『じゃあ、やっちゃいましょうか』
好きにやっちゃってください。しかし俺もレベル50になってるとは……。急いでスキルを確認しなければ。
『『『『『『ハァハァ……俺達もいくぜ』』』』』』
ようやく他のハンターも1階に到着したようだ。バルボアの牙とロブロイが息を切らせての登場だ。
『地下に武器庫があるから各自で武器を持てるだけ持って1階に上がるように!』
ラシャヴァティ支部長(さすが息は切れてない!)の号令が響く。
『まかせるわ。しばらくはアンタ達はこのビルを守って。入口死守よ』
『『『『『へ~い』』』』』
『俺は前に出てもいいんだよな?』
そう聞いているのはロブロイだ。今度こそいいところを見せるぞと思っているかもしれないが――
『邪魔しなければいいわよ』
――さすが330歳だ。小童共の言うことなぞ聞けないって感じだ。
ロブロイの肩を叩く虎鉄の視界が見える。その気持ち、わかるぞ!
「そういえばバルボアは軍とか警察とかないからこういう時は弱いね」
可哀想なロブロイのために話題を変えてやるとしよう。
『だからハンター・ユニオンの出番が多いのだよ」
ムギホシの返答に、ラシャヴァティ支部長(さすが息は切れてない!)も大いに頷いて、そのあと肩を落とす。
『しかし、4000人も悪党が集まるとは……』
だが、ムギホシと虎鉄はあっけらかんとしている。
『わたしと虎鉄で2000人ずつね』
『オッケイニャ~。あ、達郎はこっちに来なくてもいいからミャ』
なんだよ、行こうか迷ってたのに。
『オイラはあそこのビルの屋上にいる奴もやるニャ』
虎鉄は視界を200メートル離れたビルに屋上に移す。その上にはナイセンが立っていて手を振っている。
『名称:ナイセン
所属:ジーン族
職能:■■■
脅威度:紫 好感度:緑』
好感度が緑? まあ今は無視しよう。
『わたしたちでなんとかするから空を飛んでる奴らを頼むわ』
『ここから見たら脅威度は紫ニャってナビ見たらわかるけど見てるかニャ?』
俺も今さっきナビを見てたから知ってるよ。
「『青寄り紫は勝てる』だろ?」
『バージョンアップ前の話だけど、その意気だニャ!』
虎鉄もナイセンを相手にするんだ。だから俺も空母を相手にするのだ。
俺もやることは決まった。
『行くぞ! 反撃開始だ。防御シールドなんざぁ切ってまえ!』
ラシャヴァティ支部長の怒声が轟いて――
『『『『『『『おおおおおぉぉぉ!!!!』』』』』』
ハンター・ユニオンの反撃が始まった!
そして、こちらもだ。
『修理完了です! タツロー様、いつでも出れます』
バトゥの自信に満ちた声が響く。
「バトゥ、いきなりなんで申し訳ないけど、お願いがあるんだがいいかな?」
俺はコックピットに駆けながら今決めた考えを言った。
「俺にエルフィンⅡ改の操縦を任せてくれ! 今ならできるはずだ!」
「承知しました。――私もいつ本職のオペレーターに戻れるか考えていたところです」
オペレーターの席でバトゥは「^―^」の顔して待っていた。
「ありがとう! 出すぞ。エルフィンⅡ改、発進だ!」
今回でなろうに追いつきましたので更新は向こうに合わせて毎日1回24時更新にさせていただきます。
読んでいただきありがとうございます。
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