エルフィンⅡ改は黒薔薇団の、いやアクセルの宇宙空母の目の前1kmに陣取った。
【さあ、始めよう。これからは正真正銘の一騎打ちだ】
俺がそう宣言すると、アクセルは笑いながら答える。
【クックック……ダハハハ!
貴様はバカな手下共とドローン兵を倒して勝った気でいるだろうが、宇宙空母には傷ひとつ付いてないぞ!
エルフィンⅡとか何百年前の宇宙艇一隻で戦うなんざぁ滑稽を通り越して可哀想になってくるぜ。
降参しろよ。
多めに見て奴隷にしてやってもいいぜ。
泣いて謝れば、その気になるこもしれねぇな!】
くだらないことばかりをまだ言っているな。そういえば一つ聞きたいことがあった。
【それはこっちのセリフだ。最後に一つ質問だ】
【いいぜ……言ってみろ】
【宇宙空母で来たのはお前だけなのか? 空母は全てロイド兵なのはなんでだ?】
それを聞いたアクセルはニチャァっと嫌らしい笑顔を浮かべた。
【そうさ、この宇宙空母は俺様以外は全部ドロイド兵さ! 手下は全員帝国に売ったんだよ! バルボアに侵入した奴らも売るつもりだけどなぁ!!】
やっぱり全員がドロイド兵か。しかし、帝国に売ったとは……。これを聞いた地上にいる手下は(まだいればだけど)投降するかすぐ逃げるだろうね。
俺は心底思ったことを言ってやる。
【クズだな】
もう言いたいことは言った。アクセルがなにか言ってるけど、あとは倒すのみだ。エルフィンⅡ改を急上昇させた。
宇宙空母の真上から黒炎龍弾を撃つ!
「偏向シールドだったらこの攻撃は効かねえぞ!」
星間爆撃機は必殺SP弾1発で偏向シールドを無効化できたが宇宙空母は全長4000メートルと10倍ある。
しかし宇宙空母全体のシールドを破れはしないが、500メートルほどの穴を開けつつ炎が炸裂する。
「やはり黒炎龍弾と瀑水龍弾なら偏向シールドを破れましたね。今の攻撃で偏向シールドの発生装置も破壊できましたよ」
「それじゃあ、奴の武装を全部剝ぎ取るか!」
宇宙空母も主砲、副砲その他もろもろを半狂乱で撃って来る。
こっちはちょっと当たったくらいじゃ屁でもない。なぜならバフがかかてるんだよ!
縦横無尽に飛び回り、荷電粒子砲とSP弾、そして黒炎龍弾と瀑水龍弾でいたるところを攻撃する
【くそがっ~~~! こんなところで……こんなとろで~~~~~~~!!】
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すでに宇宙空母は攻撃できる手段はバルカン砲が1つくらいだ。
その時だった、エルフィンⅡ改に無線が入ったのは。
『なんてことだ! こんなことなら呼んでくれたらすぐ帰ってきたのに! 私だ! キーソンだ!!』
バルボア・シティから離れた上空にいるようだ。
「あ、おかえりなさい。早かったですね。今、黒薔薇団のアクセルと戦ってるところです」
『今見てるぞ! 見た感じ、すでに君達が勝ちそうだけど、一つお願いがあるんだ』
ちょっと嫌な予感がするなぁ。まだ戦闘中だけど……。
『アクセルは出来れば生きてまま捕えて欲しい。そうすれば帝国も調べることができるんだ!』
そして、それと同時にひと際大きな爆発が宇宙空母を襲った。
「これはおそらく動力源のイオン化反応炉を破壊しましたね」
ナイス補足だ、バトゥよ。しかし言わなければなるまい。
「この状況でアクセルを捕まえろだって? 今から倒すところだよ。なんなら、ほっといても爆発して死にそうだよ!」
『そこをなんとか……お願いします!』
キーソン保安官の土下座(日本じゃないんだからないとは思うけど)の絵が頭に浮かんだ。
「しょうがない。やってみるけど失敗するかもしれないからその時はごめんね。それと終わるまでそこにいてよ!」
宇宙空母は斜めに傾いて徐々の高度を下げている。
「バトゥ、操縦を変わってくれ。艦橋にできるだけ接近して欲しい」
「もしかして、向こうに飛び移るんですか? 無茶を言いますねぇ」
バトゥは半分笑いながら操縦を変わってくれた。
もう宇宙空母は無力化している。あとは堕ちるのみだ。
その落下中に向こうへ行ってアクセルを確保しなければならない。
俺はコックピットを出て外に出た。すごい風だな!
「タツロー様、艦橋まで5メートルですがこれくらいで良いですか? 」
「大丈夫だ! いってくる!!」
助走なしで5メートル幅跳びかぁ、それも地上何千メートルの空中でだって。地球にいた時には想像すらできなかっただろうな。でも今なら余裕だ。
よっと飛んで成功! アクセルはどこかな~?
あ、艦橋に残ったドロイド兵がマシンガンで攻撃してくる。氷術の魔法でいいかな? アクセルは生かして確保だから相手を確認して魔法を使う。
どうやら艦橋のドロイド兵は全部やっつけたかな。
その時、椅子に下でぶるぶる震えている小鹿のような小汚いゴブリンを見つけた。アクセル様だ。
「貴様もしかしてエルフィンⅡの奴か!? 貴様~~~~~貴様のせいで! 貴様のせいで!!」
五月蠅かったので緊縛睡眠麻痺の3種の詰め合わせを使っておいた。
ゴブリンが小柄な種族で良かった。早く持って帰ろう。
帰りの方がちょっと難易度高いかもと思ったが、そういえば新しい魔法が使えたなぁと閃いた。
「バトゥ、そっちに行くからびっくりしないでね」
「……承知しました。あまり驚かせない方向でお願いします」
俺はアクセルを抱えて『神出鬼没の魔法』をイメージした。
「ただいまー」
「…………いきなりここに現れるとは驚きました」
これで確保完了ってことで。しかし、宇宙空母はこのままだとバルボア・シティに堕ちるのか?
ナビによるとバルボア・シティは半分以上の範囲で空母の落下により被害を被るらしい。
今もそこら中で火も噴いているしバラバラになった部品も落ちているし……でも、どうにかしなかればならないよな!
「とりあえず瀑水龍弾なら爆発はしないし、あの水の質量だと今の半壊しつつある空母なら押せると思います」
バトゥのアイデアに乗るしかない。
「そうか! やってみよう。バルボア・シティからできるだけ離さなければ、だな!」
瀑水龍弾がなくなるまで連射だ!
ズババシュウウウッッッ!! ズババシュウウッッッ!! ズババババシュウウウウウッッッッッ!!!!
おお! 押していける! もうすぐバルボア・シティの上から出られるぞ!
ズババシュウウウッッッ!! ズババシュウウッッッ!! ズババババシュウウウウウッッッッッ!!!!
よっしゃ~~~~! あとはできるだけバルボア・シティから遠くに!
そんな時に俺の悪魔のささやきが……。
「バルボア・シティの堕ちなくなったから試しに試作したミサイルを撃ってもいいかな?」
「また~タツロー様の『秘密のミサイル』ですか……」
「なんだよーバトゥも見たいだろう? エルフィンⅡ改の両翼に付いている2つしかないぞ?」
諦めたという風情で片手を振って「やってみたら?」のサインを出すバトゥ。
「ありがとうございます! では奥の手は、火と水のダブル必殺SP弾、2つです!」
操縦席のレバーの横のボタンを2回押す。このボタンが付いてるから薄々感づいていたんでしょう?
二つのミサイルが宇宙空母目指して飛翔する。
そして、その中心に見事当たった!
巨大な炎の黒龍と水の青龍が絡み合いながら誕生する――
最初は黒龍が炎のブレスで宇宙空母をひと舐めする。
すると宇宙空母は部品ひとつひとつが燃えていく。それはネジやナットさえも燃えているようだ。
その後は、青龍の番だ。
瀑水龍弾の数倍の質量の瀑水が燃えた宇宙空母の残骸を爆縮させる――
すでに宇宙空母だったとは思えない形となっていた……。
それは1000メートルの長さの厚さ100メートルに鉄屑にしか見えない。
最期はバルボア・シティから20km離れた大きな水溜まりに高さ1000メートルのオブジェができあがったのだった。
「……やっちゃったな」
「……結果オーライですね」
これでエルフィンⅡ改の戦いは終わったのであった。
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