猫と俺の オブ ユニバース   作:滝ノ水ネロ

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06 ゴブリン達

俺達の目の前には9人の男が立っている。

 

1人はコクピットから降りて来ないみたいだ。

 

問題はその姿で――

 

「地球のアニメで見たことあるニャ」

 

「しっ、その名前は言わないでおいた方が得策かもしれない。言われて怒るかもしれない」

 

そうなのだ。彼らの姿は何を隠そうゴブリンそのものだった。

 

しかも視界にはこう出ていた。

 

『名称:ゴブリン

 性別:♂   』

 

年齢は20代から40代の年代で身長は120センチから140センチだ。

 

そして、驚くのは彼らの格好で一言で言うと――

 

「宇宙海賊だニャ」

 

「うわ、虎鉄! すみません、僕達はこの星に出てきたばっかりで――」

 

軽い冗談と流そうとしたが、そうはならなかった。

 

「くくく、宇宙海賊とはまた古いな。そうさ、俺達はこの辺りで手広くやっている宇宙海賊――今風に言えばギャングさ」

 

どちらかと言うと悪い方に行った! このゴブリンがリーダー各なのかな。

 

でも敵意はないから、まだなんとかなるかな?

 

それに脅威度は俺から見るとちょっと赤寄りの紫だ。虎鉄は青だって言ってたから二人で戦ったら勝てそうだ。

 

「ふたりともなんで裸なんだ? で、そんなお前――人間か、あとそっちのケットシー族はこんなところで何してるんだ?」

 

そうだった! 俺はTシャツとパンツ一丁で虎鉄は裸だった……。

 

二人とも体調管理機能のおかげでこの格好のままだった。だった布とか落ちてないんだもの。

 

でもそれはお互いスルーして、そんなことより人間と言った! 虎鉄はケットシー族だってさ。

 

「ミュミュミュ」

 

あ、ちょっと虎鉄は知らない族名を言われて複雑な顔をしている。

 

「何って……この星の名所を見たいかな~と思って」

 

ちょっとテキトーに言い過ぎたかな……。

 

虎鉄が俺の顔を見てきた。またそんな出まかせ言って~って顔をしている。

 

視界で彼らの友好度を見ながら話した。

 

「そう言うあなた達はこの星で何をしているんですか?」

 

リーダー各の右にいた20代のゴブリンが一歩前に出てきて言った。

 

「てめえが聞いてんじゃねえぞ!」

 

わ! 怒られた。難しいな。でも、彼もまだ好感度は黄色の範疇だ。

 

「お前が怒ってんじゃぁねえ」

 

リーダー各のゴブリンが20代のゴブリンに蹴りを放つ。

 

「すいません! すいません!」

 

「邪魔すんじゃねえぞ」

 

なんだこのどこかで見た状況は。コントか?

 

「すまないね、ボンクラが多くて。で、この星の名所って? 俺達も来たばっかりだから教えてもらえると助かるな」

 

「ア、ソウデスカ。ルーンの民って知ってますか?」

 

…………

 

…………

 

まずったなあ! 視界が赤に彩られている。

 

「お前、何を知ってるんだ! まさか、別の組織の……」

 

リーダー各がそう言うと、他の8人は各々に銃の形をしたものを構えた!

 

「やっちゃいましょうよ!」

 

また20代のゴブリンが性懲りもなく叫んだ。

 

そしてリーダーは腰から銃を出して、真横の向けて撃った。

 

ビシュウウウウン!

 

なんだアレは。地球の銃とは違ってなんかレーザー銃のようだ。

 

それも威力がハンパねえ~~~~。50メートル先の木が吹っ飛んだぞ。

 

「なんかヘンだなと思ったんだよ。二人とも裸だし。本当の目的を話せ。さもなければ次はお前の番だ」

 

えーーー。初めての異星人との接触が10分くらいで破談するとは!

 

「やるしかニャいミャ」

 

「そんなこと言われても……。海外旅行も行ったことないし危険な目にもあったことがないんだぞ」

 

「まったく人間はそういうところあるよニャー」

 

その時だった。遠い場所からさっきの銃声に似た音が響いたのは――

 

 

ドビュウゥゥゥンンン!

 

 

リーダー各のゴブリンの右にいた20代のゴブリンの頭が爆ぜた。

 

「リリアム!? リリアムを撃ったのは誰だ! 出てこい!!」

 

そう言いながら飛空艇に隠れたゴブリン達は、まだ見ぬ相手を探そうと必死だ。

 

「このチャンスに逃げるべきニャ」

 

「しかし、あの若いゴブリンってリリアムって名前だったんだ。カッコいい名前だったのに可哀想」

 

「殺される手前ニャったのにふざけてる場合かニャ!」

 

「とりあえずここから離れよう。あっちに丘かあるからそっちに逃げよう!」

 

逃げながらゴブリンを見たら、すでにリーダー以外は倒されていた。

 

「何と戦っているんだ?」

 

「相手は1人だニャ。動く速さと死角への入り方がすごいニャ」

 

「え、虎鉄はわかるの?」

 

「なんとなくニャ」

 

30秒ほどで丘の上に着いた。そこからゴブリンの飛空艇は1km離れている。

 

丘の上から見ているとリーダーも飛空艇に乗ったようだ。

 

離陸態勢に入って、これで安心と思っているのだろう。

 

倒れたゴブリン達を捨てて逃げるみたいだ。

 

そして、その倒れたゴブリン達のところに黒い甲冑姿の何者かが現れる。全身真っ黒で頭部もフルフェイスの兜をしているようだ。

 

さっきまでいなかったのに。まさに突然だった。

 

ゴブリンの飛空艇はすでに離陸態勢を終わっている。

 

「逃げられちゃったな」

 

「待つニャ。何かをするつもりだニャ」

 

見ていると黒い甲冑の人の背中辺りから火の弾が出た!

 

いや、あれはミサイルか? 背中から発射したのか。

 

シュゴォ――――――!!

 

とすごい音を立てて飛んで行くミサイル。

 

飛空艇に追いついたミサイルは見事爆発したのだった。

 

「オイラ、昨日までココは剣と魔法の国だと思っていたのニャ」

 

「実は俺も~」

 

 

爆散した飛空艇の破片がバラバラと降り注ぐ草原に、そんな俺達を見遣る黒い甲冑姿が立っていた。




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