蓮ノ空の花と桜   作:水甲

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久し振りになってしまった


第22話 トラブルとトラウマ

六花Side

 

イベント当日、僕は折角だからと言うことで花帆さん達に着いてきたのだが、理桜も一緒だった。

 

「理桜は綴理先輩達の方は良いのか?」

 

「先輩が折角だから見に行ったらって」

 

「なるほどね…」

 

理桜が何かやらかすかと思ったけど、よくよく考えれば大丈夫だろ…さて、花帆さんは……

 

「わあー!ライブステージだー!スクールアイドルがいーーーっぱい!すごい、すごいですね!センパイ!」

 

「そうね。でも、あなたもその中の一人なのよ」

 

「うっ!ほ、ほんとにあたしたちがこのイベントに出るんですか……梢センパイはともかく、あたしが出て大丈夫ですか!?人もいっぱい来てますよ!?」

 

「そうね。久し振りのライブとして、申し分ない舞台ね。楽しみでしょう?」

 

「楽しみは楽しみですけどぉ~~うぅ、しかし、ここまで来たからには、もう逃げる訳にはいきませんよね……覚悟を……覚悟を……決め…ます!やります、やりますよ!?ステキな衣装も六花くんが用意して貰ったんですから!あたし、今日はとことん頑張りますからね!」

 

「ふふ、頑張りましょう」

 

楽しげに話す2人だけど、花帆さんは足に違和感を感じている様子だった。

 

「あら…日野下さん?その足、どうしたの?」

 

「え?あ、実は、今日朝起きたときタンスに小指ぶつけちゃって、それでまだちょっと違和感が!」

 

「寮の部屋にタンスなんてあったかしら?大丈夫?踊れそう?」

 

「はい!それはもう!バッチリです!良いライブにしましょうね!」

 

「ええ、そうね」

 

そう言って梢先輩は先に舞台裏に向かうけど、花帆さんは足を気にしてる…もしかして昨日の夜に練習していたのが……

 

 

 

 

 

僕と理桜は舞台裏に入れないため、近くの控え室でライブが始まるのを待っていると花帆さんが慌てて入ってきた。花帆さんの目には涙が……

 

「こ、梢センパイが…!?私を…」

 

何が起きたんだと思っていると、他の人達の会話が聞こえてきた。

 

『蓮ノ空の人が…庇って…』

 

それを聞いた瞬間、理桜が直ぐさま走り出し、僕も花帆さんを連れて向かった。そこでは足を痛そうに押さえている梢先輩の姿があった。理桜は慌てて梢先輩をお姫様抱っこし…

 

「えっ?ちょっ…」

 

「このまま医務室に運びますから!」

 

そのまま医務室に向かった。

 

「花帆さん、何があったんだ?」

 

「実は……」

 

花帆さんから話を聞くと花帆さんはライブが始まるまでダンスのおさらいをしていたが、バランスを崩して倒れそうになったところを梢先輩が咄嗟に庇い、そのまま倒れ込んだらしい。花帆さんもバランスを崩した理由は遅くまで練習をしていて、足を痛めていた……

とりあえず花帆さんが落ち着くまで待つとして……仕方ない、連絡しておくか。僕はスマホを取り出し、電話をかけた。

 

 

 

 

 

 

理桜Side

 

「すみません」

 

「良いのよ。貴方も慌ててたみたいだし…」

 

俺は治療を終えた梢さんに謝った。慌ててたとは言え、お姫様抱っこしてしまうとは……

 

「とりあえず相花くんは戻ってて」

 

「……分かりました」

 

俺は言われるまま医務室から出ると、女子生徒とすれ違った。あの人は確か……六花と一緒にいた……

 

「理桜、梢先輩は?」

 

すると六花と俯く花帆がいた。

 

「今治療が終わったところ」

 

「そうか…」

 

「今、病室に……」

 

六花の知り合いがいると伝えようとすると、丁度さっきの女子生徒が出てきた。女子生徒は花帆の事を見つめると…

 

「あなたが今、梢と一緒にユニット組んでる子だね。梢が待ってるよ」

 

「あの…ええと…あたし……」

 

「頑張ってね。スクールアイドル」

 

「あ……あの、ありがとうございます」

 

花帆はそのまま医務室に入っていく。

そして女子生徒は……

 

「悪いわね。知らせてくれて」

 

「まさか見に来てたとはな。慈」

 

「一応綴理にも連絡したら…それじゃ!」

 

「あぁ」

 

女子生徒はそう言って去っていく。

 

 

 

 

 

花帆Side

 

医務室に入るとベッドには包帯を巻いた梢センパイの姿が直ぐさま目に入った。

 

「大げさに包帯を巻いて貰ってたけれど、大丈夫よ。捻っただけだから、少し安静にすれば、すぐよくなるって」

 

「……」

 

「ごめんなさい。あなたの大切なステージを、台無しにしてしまって」

 

「どうして、梢センパイが謝るんですか。伝統の衣装を着て、2人でステージに立つはずだったのに……迷惑かけたのは…あたし、じゃないですか……」

 

「私がもっとあなたを上手に助けられていたら良かったのだけれど、それが出来なくて、あなたにも迷惑をかけてしまったわ」

 

「そんな!センパイはあたしを庇ってくれて!だから、あたしのほうこそ、本当にごめんなさい…」

 

「あなたの足は、どうしたの?」

 

「これは……センパイの言いつけを破って、夜中にも練習をして、ずっと足首に違和感があったんです。けど、そんなの練習が足りないからって、無視して……きょうもライブが始まればきっと、気にならなくなるだろうって……」

 

「……なるほどね」

 

「ごめんなさい!ほんとに、あたし……」

 

「……」

 

「梢センパイに、迷惑かけたくなかったんです…あたし、出来てないことがまだまだあって……下手なままじゃ、ダメだから……もっといっぱい練習して、もっともっと上手にならなきゃって……梢センパイも、さやかちゃんも、応援してくれていたのに……」

 

「今回は大事に至らなかったけれど、一歩間違えば、あなたが大怪我するかもしれなかったのよ。それは、分かっているわね」

 

私は頷き…そして……

 

「本当に、ごめんなさい!ぜんぶあたしのせいで……ぜんぶ、ぜんぶあたしが悪いんです…ごめんなさい、センパイ、ごめんなさい!」

 

あたしはそのまま医務室から走って出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

理桜Side

 

「あの人とどういう関係なんだ?」

 

「まぁ幼馴染みみたいなもんだよ……理桜、大丈夫か?」

 

「何が?」

 

「今のお前…どこか落ち着かない感じだけど……」

 

六花にそう言われて少し焦った。冷静なつもりだったけど……やっぱり似たような光景を見ると………傷だらけ……ベッドで虚ろな目をした……

 

「軽いトラウマを思いだしただけだよ……」

 

そうだよ。梢さんは軽い怪我だし、あんな風に……

すると花帆が医務室から出てきて、走り去った。

 

「六花、追いかけた方が良い」

 

「分かった」

 

花帆の事は六花に任せて、俺は医務室に入り……

 

「大丈夫ですか?」

 

「相花くん……日野下さんは?」

 

「六花に任せました。とりあえず少ししたら迎えが来るので…」

 

「えぇ……相花くん、あなたは……」

 

「すみません。あの時のは……嫌なトラウマを思いだしただけなんです……」

 

「トラウマ?」

 

「ごめんなさい…トラウマのことはあまり話したくないんで……」

 

「そう……」

 

「花帆の方は六花に任せたんで…俺は少し出てます」

 

「分かったわ」

 

俺は医務室から出て、迎えが来るのを待った

 

「無茶苦茶な事をする子だけど……あの時の相花くんからは……年相応のものが見えたような……」

 

 

 

 

 

 

 

 




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