六花Side
花帆さんを追いかけ、一緒に学校に戻るけど…戻るまでの間ずっと無言だったが……
「あたし…自分のせいでいろんな人の期待を、裏切っちゃった……やっぱり、花咲くなんて、あたしにはムリなのかな…」
「そんなことは……」
「でも…全部…ダメにしちゃったんだよ…」
どう答えれば良いのか悩んだ。そんな時…
「花帆さん?それに六花さん?」
「わ、さ、さやかちゃん」
「さやかさん…」
「お二人とも、どうしたんですか?こんな所で。ライブの準備があるはずじゃ?」
「あ…えっと…」
僕が説明して良いものか…いや、するべきだよな
「実は……」
さやかさんに何があったのかを説明する。
「そうですか…それは大変でしたね……」
「うん、ぜんぶ…あたしのせいで……」
「そんな、言い方は……花帆さんは、今まであまり激しい運動をしてこなかったんですよね。だったら、自分の限界を見誤ってしまうのだって、仕方ないことかと……」
「仕方ないなんて…そんなの……もうちょっとで、大事故になるかもしれなかったんだよ!?あたしなんかのせいで…梢センパイが…」
「そうですね。でも、今回はならなかったんです。だったら次からは気をつけましょう」
「そんなの……」
花帆さんからすれば少し冷たいと思うかもしれないけど、さやかさんは別に間違ったことは言ってない。
「花帆さん、あんなに朝練も嫌がっていたのに、どうしてそんなに頑張ったんですか」
「それは……スクールアイドルが楽しくて……でも、それだけじゃなくて……最初は、ちょっとずつ上手になっていくことが、嬉しかったんだ。あたしが一人前のスクールアイドルになったら、今度こそ応援してくれるみんなを笑顔に出来るぞ、って思って……でも、梢センパイが、あたしのこといっぱい褒めてくれて……あたしと一緒に、夢だった衣装を着たいって言ってくれて、だからあたし、梢センパイの真剣な想いに、応えたいって思って……こんなんじゃぜんぜんだめだから、もっとがんばらないとって……」
「花帆さん……花帆さんは優しいですね」
「そんなことない!あたしなんて、自分勝手で…」
「でも自分が楽しむよりも、乙宗先輩のために頑張ろうと思ったんですよね。厳しい練習の上、自主練までして。誰にだって、出来る事じゃありません」
「……でも結局、上手くできなかったよ……いっぱい迷惑かけて、センパイにも、きっと、嫌われちゃった」
「大丈夫ですよ。乙宗先輩は、そんな事で花帆さんを嫌いになったりしませんよ。乙宗先輩が戻ってきたら、あとでしっかりとお話ししましょう。今は少し、休みませんか」
「………うん」
「お部屋まで、送っていきますよ」
「……大丈夫。さやかちゃんも練習中でしょ。お話聞いてくれて、ありがとうね。お陰でちょっと……落ち着いたから……」
「そうですか……あの、あまり気を落とさないでくださいね」
「うん……ありがとうね。さやかちゃん」
さやかさんを見送ると…
「六花くんも…大丈夫だから帰っても…」
「悪いけど、花帆さんを放っておけないからまだ付き合うよ」
「……そっか」
それから花帆さんは部室に鞄を置いたままだからと言うことで、一緒に部室に戻ることになった
部室に戻り、花帆さんが鞄を取ろうとすると何かに躓き、転びそうだったが何とか持ちこたえた。
「あぶない、あぶない…ってこの段ボール…」
花帆さんが躓きそうになった段ボールの中身が気になり、開くと中には沢山のノートが入っていた
「これって…」
「たまに梢センパイが開いてるノートだ。ええと……『スクールアイドルノート』?」
「連絡帳みたいなもんか?」
「うん…あたしたちより、もっともっと前の代の人たちが使ってたみたい……ひょっとしてこれ……」
「これまでの蓮ノ空のスクールアイドルたちから続いているノートかもな」
二人でノートを見ていく。何かへんな似顔絵も描かれていたりもするけど……
そんな中、花帆さんはある文章を見つけた
『先輩のためになりたかったのに、力不足で悔して、ひとりでいっぱい練習した。先輩に迷惑かけたくなくて、だけど…先輩は、喜んでくれなかった。私、馬鹿だった。自分のことしか考えてなくて、本当は先輩ともっと…』
その文章には涙で滲んだあとがあった。
「この子も、おんなじだ。あたしと……もしかしてこのたくさんのノート…今の代まで続いているんだったら、梢センパイの書き込みもあったりする……」
花帆さんは段ボールに入ったノートから梢センパイの書き込みを探す。僕もそれを手伝うと……最近のノートを見つけた
「梢センパイ、あたしのために練習メニューを書いてくれてる。こんなに細かく……なのに、あたしは勝手に……」
花帆さんの練習メニューだけじゃなく、僕らの事も…しっかり見てくれているんだな……そんな中、ある文章を見つけた
「これ…」
『後輩の指導は思うようにいかないことばかり。だけど、やりがいがあって、とても楽しい。1日1日と成長していく彼女を見るのは、自分のことのように嬉しい』
「梢センパイの……」
『出来ればずっと、スクールアイドルを続けて欲しい。辛いことや傷つくこともいっぱいあるだろう。だけど、それを乗り越えた先には、きっと今まで以上に、楽しいことが待っているはずだから。ひたむきに頑張っているあの子を見ると、胸が熱くなる。こんな気持ちは初めてだ。後輩がこんなに可愛いってことも、知らなかった。あの子のためなら、私は何でもしてあげたいって思う』
「あたし、このまま逃げてちゃ、本当にだめになっちゃう。そんなのやだ……センパイにしっかり謝って……それからちゃんと言わなくちゃ!」
「それなら今すぐだよね」
「うん…!」
多分そろそろ梢センパイも戻って来ているはずと思い、とりあえず2年の教室に向かう
2年の教室に行くと綴理先輩がいた。
「綴理センパイ!」
「あ、かほ、りっか。さやから聞いたよ、大変だったみたいだねーって」
「あの、梢センパイのこと、見掛けませんでしたか!?もしかしたら、学校に戻ってきているかもしれないんですけど」
「理桜にも連絡したんですけど、繋がらなくて…」
理桜の場合は多分だけど充電が切れている可能性があるけど……
「えっと、ごめん。見てないや」
「そうですか……すみません。ありがとうございます!」
「あ、もし、校内でこずが見つからなかったら、行く場所に心当たりあるよ」
「えっ?それって」
「大倉庫」
「「大倉庫?」」
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