六花Side
花帆さんと一緒に梢先輩を探しに大倉庫に来たけど……
「な、な、なんなんですかここー!?蓮ノ空になんでこんな場所が!?迷路!?迷宮!?梢センパイどこー!?」
絶賛迷子中だった。と言うか森と良いなんで蓮ノ空はこうも迷い場所があるんだよ……
「ぎゃあ!また行き止まり!いったん戻って……あれ、ここさっきも通った!?どうなってるの!?と、とりあえず一度戻って、誰かに応援求めて…出口……どこ…!?」
「……ごめん。僕も迷ってる」
花帆さんと一緒に彷徨ってたから出口までの道が分からなくなった。
「だ、誰か~~~~!誰かいませんか~~~~~!?」
まさか学校で遭難するとは……どうしたものかと考えていると……
「どったの?」
「わあっ!?迷宮の……妖精さん?」
突然声をかけられ驚く花帆さん。と言うかこの人……なんでここに?
「やっほ~守谷くん。それにキミはスクールアイドルの子じゃーん!」
「え?あ…え!?生徒会長!?」
「それで、どうしてこんなとこに?」
「生徒会長はどうして……」
「あたし?あたしは見回り兼荷物整理ってところかな。ここ、蓮ノ空の伝統がぜーんぶ詰め込まれているから、めちゃくちゃ広いしょ?毎年、大倉庫に迷い込んで骨になる1年生が、1人や百人はいるからねぃ」
「山だけじゃなく、ここでも百人遭難してるんですか!?」
「それで君たちは?」
「あ、あたし達は出口が分からなくなっちゃって……ってそうじゃなくって!」
「梢先輩を探しに来たんですよ。綴理先輩にここにいるかもって聞いて」
「ああ、梢ちゃん?んーいるとしたら、それはきっと……」
大賀美先輩に案内された場所はスクールアイドルクラブの伝統が詰め込まれた場所だった。棚には沢山の資料やトロフィーが……
花帆さんが大賀美先輩にお礼を言おうとしたら、いつの間にか大賀美先輩はいなくなっていた。
「い、いない……まさか本当に、大倉庫の妖精……!?」
「そんな事…理桜ならともかく…」
理桜なら気配なく姿を消しそうだけど……
すると花帆さんはある写真を見つけた。あれって……
「それはラブライブ!で優勝したときの写真よ。蓮ノ空の先輩達が、スクールアイドルたちの頂点に立った。その瞬間を写したものね」
「梢センパイ……」
「理桜…梢先輩と一緒だったのか」
「あぁ怪我人だからな」
「電話をしたのに出なかったのは?」
「充電切れてた」
そういう理由か……
「綴理から聞いたわ。貴方達がここに向かったかもしれないって。それにしてもよくたどり着けたわね」
「それは、案内してくれた人がいて……」
「そのノートは…」
梢先輩は花帆さんが持つノートに気づいた。そういえば部室で見たときからずっと持ってたな
「えっ、あっ、すみません。部室にあったのを、持ってきちゃって……」
「少し恥ずかしいけれど……いいのよ。これはスクールアイドルクラブみんなのものなんだから。迷ったり、考えを整理したくなったときにね。ノートを広げるの。このノートに触れていると、なんだか安心して」
「安心?」
「どうすればもっと、上手く出来るのかなって悩んでいるときでもね。私が憧れたスクールアイドルの先輩方も、こんな風に毎日悩んで、頑張っていたんだって分かるから」
「梢センパイでも、そんな風に、悩むことあるんですか?」
「いっつもよ。だから背筋を伸ばして、後輩の前ではせめて格好つけようって、前を向いているの。私が先輩からしてもらったことを、今度はちゃんと後輩にお返しできるように。未来の新入生に、憧れだって、そう言ってもらえるように……」
未来の後輩のためにか……
「あの…あたし…ノート、ちょっと読みました。たくさんの弱音だったり、お互い励ましあっていたりして……あたしもなんだか、胸に響きました。センパイ。あたし、センパイが作ってくれたメニューをはみ出して、無茶していました。だから!あたしのこと、ちゃんと叱ってください!」
「日野下さん……」
「だって、センパイはあたしのこと、信じていてくれたのに……あたしが勝手に練習していたのは、センパイの言葉を信じられなかったことですもん!そんなの、だめじゃないか!だから!梢センパイ。あたし、これからもセンパイと一緒にユニットを続けていきたいですから!ここでちゃんと、叱ってください!」
花帆さんは頭を下げお願いする。梢先輩は花帆さんの思いに答えるように……
「そうね。わかったわ、日野下さん。あなたがしたのは、よくないことよ。あなたが怪我したら、私が悲しいわ。次からはもうしないで」
「……はい」
「それじゃあ、次は私の番。私も、あなたに叱ってもらわなくっちゃ」
「えっ?」
「ライブの日取りを、強引に決めてしまったでしょう。そのせいで、あなたは無茶をしてしまった。もっとあなたの不安と向き合って、二人でしっかりと話し合うべきだったわ」
「それは、でも、叱られるようなことじゃ」
「あなたが誤ってしまったように、私も完璧な先輩ではなかった。どうかしら。だから、お互いにこれから……手を取り合って、一緒に歩いていくというのは」
「あ……」
「ねぇ、日野下さん。もし、あなたが良ければ、なのだけれど。私は不器用で思い込みが激しく、融通の利かない先輩かもしれないけれど、改めて私と一緒にスクールアイドルをしてもらえないかしら。私とあなたで、この衣装を着て」
そう言って梢先輩はイベントで着るはずだった衣装を見せた。花帆さんは……
「でも……あたしに、その衣装を着る資格は……」
「お願い、花帆さん。私と一緒に、ユニット組んで。頑張るあなたの、その隣に立っていたいの」
「そんなの、あたしこそ!朝練だってこないだ始めたばっかりで、体力もなくて、歌もダンスもまだまだですけど!でも、センパイとこれからもスクールアイドルしたいです!梢センパイ!あたし、がんばれば一人でも花咲けるって思っていました。でも、今はスクールアイドルとして、梢センパイと一緒に花咲きたいんです。センパイ、どうかお願いします!あたしと一緒に、スクールアイドルしてください!」
「花帆さん。ええ、もちろん。そしてありがとう」
「センパイ…!」
「私とあなたで、ステージに、満開の花を咲かせましょう」
仲直り…できたみたいだな。それから寮に帰る途中、花帆さんから今度は大きなライブではなく、みんなの思い出に残るライブをしたいと希望があった。
僕と理桜もそのライブに向けて手伝いをすることになった
そしてライブの日……僕と理桜は舞台袖でステージを見ていた
「初めまして!皆さん!」
「私達は蓮ノ空に受け継がれてきたユニット」
「「スリーズブーケです!」」
「みなさん、今日は来てくれて、ありがとうございます。楽しんでいってもらえたら、幸いです」
「まだ芽生えたばかりの、つぼみみたいな、あたしたち、ですけど。きっと退屈させずに、これからずっと、ずっーと、楽しませてみせますから!あたしたちが、いつか立派に花咲くまで、あたしたちの、雨と、風と、太陽になってください!」
ライブは無事に成功に終わった。そして次の日……
「すごいです、花帆さん!新人スクールアイドルなのに、4月のMVPですよ!」
「えへへへへ、いやー照れちゃうよねぇ」
「だって、本当に素敵なライブでしたから!ねぇ、夕霧先輩!」
「あ、うん……そうだね……」
綴理先輩…どうしたんだろう?
「本当によく頑張ったわね。花帆さん!あなたの頑張りが認められて、私も嬉しいわ!」
「わわっ、梢センパイ!えへへー!そうなんですよー!」
「ところで。今日の朝練は、どうして来なかったのかしら?」
「うへっ!?い、いやぁ…最高のライブが出来たし、みんなが喜んでくれましたので、しばらくはたっぷり寝てもいいかなぁ、って……」
「そう、なるほどね」
「えーへーへー……」
「でも、最高のライブが出来たのなら、次はそれを上回るライブをしなければならないわね」
「そ、そんな!どこまでもハードルがあがっていくんですか!?」
「そうよ。応援してくれる人を、これからもずっと楽しまてみせるって言ったのは、花帆さんでしょう?というわけで、放課後の練習メニューは朝練の分もきっちりと足しておくわ」
「ええええええ!?そ、それはオーバーワークじゃないですか!?ちゃんと休むようにって、梢センパイも言ってましたよね!?ねえ!?」
「そうね。一週間前だったら、そうだったかもしれないわ。でもあなたも、体力がついてきたみたいだから、これぐらいは大丈夫。あぁ、だったら明日からはもう少しメニューを増やしても…」
「あたし、厳しくしてくださいとは言いましたけど、ちょっとやりすぎかなーって……助けて綴理センパイ、さやかちゃん、六花くん!って!?なんで、さやかちゃん録ってるの!?」
さやかさんの方を見ると確かにしっかりと録っていた
「日野下花帆さんは、今日もスクールアイドル活動、頑張っていますので、どうぞ皆さん、応援よろしくお願いしますね」
「やだ~~~~!!!楽しいことだけしていたいよ~~~!!!」
花帆さん…まぁ頑張った分だけ楽しいことが待ってるかもしれない。
そういえば……理桜は……
「…………」
理桜Side
俺は一人、人気のない場所で電話をしていた
「紗桜莉、久し振り」
『珍しいね。電話するなんて』
「ちょっと声を聞きたくって」
『……私達別に付き合ってないよね?』
「そう言う言い方に聞こえるけど……違うからな」
『何かあったの?』
「まぁ…色々と……そっちはどんな感じなんだ?」
『そうだね~生徒会長に絡んでるかな?』
相変わらずだな……
「そっか…元気ならいいや」
俺はそう言って電話を切った。
「………思いだしたから声を聞きたくなったなんて言えないよな」
次回はオリストやりつつ、本編の最後ら辺の話をやります
感想待ってます