蓮ノ空の花と桜   作:水甲

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こっちも頑張って更新しないと!


第27話 綴理の思い

理桜Side

 

その後さやかと綴理さんと一緒に部室に戻ると花帆と六花の2人がいた。てっきり練習始めて、いないもんだと思っていたが…

 

「こずはどうしたの?」

 

「それがですね。何だか会議があるらしく」

 

「それで個人練習よりも綴理先輩に見て貰った方が良いんじゃないかって話してて」

 

「お願いできますか?」

 

「ボクがかほの?」

 

「や、やっぱりダメでしょうか?」

 

「私からもお願いします。夕霧先輩。花帆さんを1人にするのは忍びないですし」

 

六花がいるなら大丈夫だとは思うけど、六花1人に判断を委ねるよりかは、綴理さんもいた方がいいか。

 

「いや……むしろ、ボクの方からお願いしたいかな。かほ、ボクたちと一緒にやろう」

 

それにしても綴理さんが積極的なのが少し気になる。綴理さんは付け足すように花帆の練習を見てみたいって言うけど、どういうことだ?

 

 

 

 

 

 

レッスン室に移動し、俺達はある程度の準備を終わらせ、3人の練習を見学していた

 

「準備はいい?」

 

「「はい!」」

 

花帆とさやかの2人は元気よく返事をすると

 

「えっと、先にかほに謝っとくと、ボクはこずみたいにはできないから、そこだけごめん」

 

「えー、そんなの全然気にしないでくださいよー2人がいつもしている練習が見たいです」

 

「その……結構特殊ですけど、頑張りましょうね」

 

まぁ…綴理さんの教え方は本当に特殊だからな……

 

「そんなに特殊なの?」

 

「六花は知らないか。まぁ見てれば分かる」

 

「とくしゅ……?大丈夫!何でも来い!です!」

 

「じゃあ…まず、えだまめ」

 

「え、えだまめ」

 

綴理さんとさやかの2人が前屈を始めるけど、隣で見ていた六花は……

 

「なぁ…スクールアイドルの練習で、何でえだまめって単語が出てくるんだ?」

 

「さやかちゃん、めちゃくちゃ身体柔らかい!」

 

「まぁ、フィギュアスケートやってますからね……」

 

「よーし、あたしも……え、えだまめ!……所でさやかちゃん、えだまめって何?」

 

「いや、花帆さん気にするの遅くない?」

 

六花は六花でツッコむの大変そうだな……

 

「えっと、夕霧先輩の言い方は独特ですけど……」

 

「じゃあ…そらまめ」

 

綴理さんはそう言ってビールマンスピンのポーズを……

 

「ストレッチです」

 

「むりむりむりむり!!」

 

「あの夕霧先輩、花帆さんは柔軟も始めたばかりですから……」

 

「じゃあ出来る範囲でそらまめ」

 

「ひーん!」

 

 

 

 

柔軟も終わり、ダンスレッスンになり、綴理さんはダンスをする

 

「凄い、凄いです!綴理センパイの踊り、すっごくきれい!!」

 

「そう?ありがとう」

 

「………」

 

それにしても綴理さんが踊っていたのは……

 

「あれって…」

 

「あぁそうだな。さやかさんも気づいてる」

 

「さや?」

 

「あぁ、いえ、夕霧先輩。どうして花帆さんたちの振り付けを?」

 

「あ、そう!でもとっても参考になります!ありがとうございます!」

 

「そう、だね。うん、気が付いたら踊ってた」

 

「夕霧先輩…?」

 

「ねぇ、かほ…」

 

「はい?」

 

「良かったら、一回踊ってくれないかな?この前のライブのやつ、とっても良かったから」

 

「あたしがですか?ええと、わ、分かりました!日野下花帆、全力で踊らせていただきます!」

 

「うん、お願い」

 

綴理さんは何か気にしてるみたいだな

 

「あの、どうかしたんですか?何だか先輩、やっぱり最近少し……」

 

「ごめん、さや」

 

「……先輩?」

 

「……」

 

変な空気になりつつ、この日の練習は問題なく終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、部室に入ると綴理さんと梢さんが何か話していて、花帆がその話を聞いていた

 

「……やめておくよ」

 

「本気で言ってるの?」

 

「えっー!?勿体なくないですか!?」

 

「おはようございます。えっと、何があったんですか?」

 

「そ、それが……」

 

「おはよう。村野さん。実は昨日の部長会議で、スクールアイドルクラブにステージ出演の打診が来てね。今度の学校見学で、パフォーマンスをして欲しいってことなの」

 

「それは素敵なお話ですが」

 

「この前は私達がライブをしたから、綴理と村野さんでどうかって言う話をしていたのだけれど……綴理、どうしても出ないつもり?あなたのライブが見たい人だって沢山いるのよ?」

 

「ボクのライブ……うん、やっぱりやめとく」

 

「そんなぁ…」

 

がっかりする花帆だけど、さやかは……

 

「……夕霧先輩。自主練してきます」

 

「……ごめん、さや」

 

さやかはそのまま練習しに行った。花帆と六花の2人は梢さんに言われて、さやかに付いていく。

 

「……相花くんは…ここにいた方が良いかもね。それで綴理。どういうつもりなの?」

 

「……離れないんだ。こずとかほが、頭から離れてくれない。キミたちのライブが、目に焼きついて……痛いんだ。あの日のこずは……スクールアイドルだったよ」

 

「この前のライブ、そんなに良かった?」

 

「とても……こずとかほが、2人で一つのユニットだって、誰の目から見ても分かる。完璧じゃないのに完璧。ユニットで作る芸術。うん……スクールアイドル、だったよ」

 

「そ。光栄ね。貴方は相変わらず……自分のことはスクールアイドル失格だと思っているのね」

 

「……失格とは違うかな。一度だって、その資格を手にしたことない。ボクはいつだって、夕霧綴理でしかないみたいだ」

 

スクールアイドルではなく、夕霧綴理でしかない……か

 

「…それで。でも村野さんだって、あなたのライブを見て入ってきてくれたんじゃないの?」

 

「それは、多分有難いことなんだと思う。ボクにはよっぽど、さやの頑張りの方が綺麗なものに見えるけど……さやはそれでも、ボクのパフォーマンスを褒めてくれる」

 

「だったらライブの出演依頼、断る必要はあった?村野さんは本当に頑張り屋さんで、あなたの事も慕ってくれて……面倒まで見てくれて……あなたと一緒にライブに出たいと頑張ってくれている子に、あなたがしていることはなに?」

 

「そう、だね。さやはいつも、どうしたらいいかボクに聞いてくれる。でも、ボクが、うまく言えなくて……なのにさやは…一生懸命ボクに合わせてくれようとしてる。頑張ってくれてる。まるで……去年のこずみたい」

 

「……綴理」

 

「ごめん」

 

去年の話で2人はどうして暗い顔をしたんだ?去年何が……

 

「謝られるようなことじゃないけれど、お互いもう去年の話はしないと決めたはずでしょう。相花くんもその事にはこれ以上は触れないで」

 

「分かりました」

 

今は触れないでおこう。うん、今は

 

「えっと……」

 

「だったらなおさらよ。そんな風に頑張っている子が今、あなたの都合でライブも出来ない。それでも泣き言一つ言わずに1人で練習しに行って…きっと、ライブが出来ないのは自分が至らないからだと思っているんじゃないかしら」

 

「違う。そう言う意味じゃ

……」

 

「綴理、あなたが下手なのは説明じゃない。自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを想像すること、両方よ」

 

「……こず?」

 

「私だって、花帆さんともっと信頼関係を築けるように、今だって努力しているの。もし、もし去年の私と村野さんが似ていると言うなら、あなたも去年と変わるべきなんじゃないの?少なくとも私はもう少し、あなたの気持ちを知りたかった。あなただって、私にして欲しいことがあったんじゃない?私と花帆さんが、素敵なスクールアイドルに見えているのなら、あなたにも出来ることはあるはずよ。あなたは、村野さんに、どうなって欲しいの?」

 

「それは……それは…」

 

「やっぱり、差し出がましいことを言ったみたいね。でも、今も求めるものがあるなら、あなたは伝えるべきだと思うわ。例えそれが、どれだけ拙いものだとしても。きっと村野さんも、あなたのことをよく知らない。あなたも、村野さんのことをまだよく知らないでしょう」

 

「……」

 

「……あなたも周りが言うような、完璧でも何でもないわ」

 

「こず…ボクは……」

 

「ちゃんと伝えるべきだと思う……」

 

「りお…そうだね…わからないで片付けたままじゃだめだ…」

 

綴理さんはそのまま部室から出て行く。きっとさやかの所に向かったんだろうな

 

「あなたは行かなくて良いの?」

 

「俺は後で追いかけますよ」

 

「そう……所で聞きたいことがあるの」

 

「………トラウマの事ですか?悪いけど話せることはないです」

 

「そう……」

 

 

 

 

 




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