「ほら、早く行くよ!」
親戚の集まりでよく従妹と遊ぶ俺。当時の従妹は明るく活発な子だった。そんな従妹が事故に遭ったと聞き、お見舞いに行った際……ベッドの上の従妹は明るさも何もなくただただ虚ろな目をしていた。
医者が言うには命こそ取り留めたが、事故の後遺症で今までみたいに走り回ったりすることが出来ないと言われたらしい。
俺は何とかして従妹を元気づけようとしていたけど、従妹は気を遣った笑顔で返すのみだった。
子供ながらに俺は何も出来ないと悟った。
「そんな事が……」
部室でクラブのみんなに俺は昔のことを話し、さやかは俯きながらそう呟いた。
「だからなのね……」
梢さんは俺の様子を見ていたからこその言葉を呟く
「その……従妹さんは今は…」
「今は新しい夢を見つけて、元気にやってるよ」
花帆はそれを聞いて安堵していた。従妹の新しい夢……
「新しい夢を見つけて、頑張るあいつの姿を見た俺は……悔しさでいっぱいだった」
「それは……従妹の子をげんきづけられなかったから?」
「そんなところです……」
さやかSide
理桜さんの話はそれで終わり、そのまま解散する事になったのだが……理桜さんの言うトラウマ……包帯を巻かれたベッドの上の従妹。それに近しい光景を見ることで、理桜さんは何も出来なかった自分を思い出してしまう……
「私に……何か出来ることは……」
ダメだ。今の私には理桜さんを支える事も何も出来ない。
「さや?」
「夕霧先輩…」
「……明日なんだけど、朝の五時に起こして」
「はい?」
「さやの問題解決のために必要な事だから」
「えっと…は、はい。それは…分かりましたが……理桜さんのことは…」
「さやは理桜のことを助けたいの?」
「それは…そうですね…」
「そっか…でも今は」
「はい…分かってます」
今は自分のことを解決しないと……自分のことを解決できずに他人のことを助けたいなんて……
「さや…」
「なんですか?」
「りおに前に聞いたけど、りおの従妹はスクールアイドルだって」
「そうみたいですね」
前にたまたま一緒に出かける際に話を聞いていた。ただ気になったのは…
「その従妹さんはどうしてスクールアイドルを目指すようになったのか……」
「それはわからない」
「そうですね」
理桜Side
寮に戻り、俺はベッドに横たわった。いざ話すとなると…やっぱりしんどいな……
従妹の…あいつのことがあったあと、俺はこれから先、どうするべきか考えた。そして…
「今度こそ……誰かを助けられるように……」
だからこそ俺はあいつと同じように沢山の技術を学んだ。今度こそは……今度こそは……
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