理桜Side
「ありがとうございました!また来てくださいねー!」
朝市の手伝いも続いていく内にさやかも慣れてきた感じだった。
「ふふっ。なんだか楽しくなってきたなぁ……」
「楽しんでいるみたいだな」
「はい!理桜さんも……」
「俺は…まぁこういう作業とかは別に嫌いじゃないし」
そんな話をしていると花帆と六花の2人が声をかけてきた。
「やっほー!!」
「いらっしゃいませー!!って、花帆さん!?六花さん!?」
「わー!さやかちゃん、何か凄くお店の人っぽいね!」
「お店の人っぽいってなんですか。花帆さん達はお買い物ですか?珍しいですね」
「珍しいかな?あたしお買い物好きだよ!」
「僕は寮母さんに頼まれて普通に買い物なんだけど…花帆さんとは学校でるときにばったり」
2人して行き先同じだからそのまま…ってことか
「ねぇねぇ、さやかちゃんおすすめのお店とかあるかなぁ?」
「そうですね。あっちには美味しいお弁当屋さんもありますし、向こうの角曲がると素敵な雰囲気の喫茶店がありますよ」
「ほえー」
「花帆さん?」
「この辺りのお店のこと、よく知ってるんだねぇ」
「いえ、この二日で知ったお話ですよ。実はわたしも、今まであまり来たことが無かったので。色んなお客様と、お世話になったお店の方々が教えてくれたんです」
「たった2日で……!?さやかちゃん、店員の才能あるんだね!」
「いえ、理桜さんみたいに行きませんでしたが」
「俺の場合はそう言うの調べたりするのが好きなだけ。しっかり聞いて覚えたさやかは凄いと思うぞ」
「あ、ありがとうございます…」
普通に褒めたのに何で顔を背けるのか気になるんだけど?
「あ、そうだ!」
花帆は何かを思いついたのかスマホのカメラをさやかに向けると…
「じゃあ撮るね!」
「撮るって、え!?動画ですか!?」
「安心して、配信だよ!」
「何に安心しろと!?」
色々と押し負けた結果、配信することになったのだった。
「はい!みなさんこんにちは!蓮ノ空スクールアイドルクラブの日野下花帆です!今日はなんと近江町市場に来ています!そしてー?」
「え、えーっと!!お、同じく村野さやかです……か、花帆さん、何をどうすれば!」
「いつも通りのさやかちゃんで大丈夫だよ!実はですね、今さやかちゃんが近江町市場でお手伝いをしているんです!頑張ってるさやかちゃんがすっごく眩しくて、花帆はつい配信を始めてしまいました!」
「……眩、しくて」
「さやかちゃん!」
「は、はい!」
「さやかちゃんはらどうしてお店のお手伝いをしているんですか?お金に困っているなら言ってくれれば良かったのに…!」
「ち、違いますよ!これはその、夕霧先輩がーー」
まぁお金に本当に困ってたら俺が何かしら紹介……
「理桜のはかなり危ない感じがするんだけど…」
「六花…頼むから心を読むなよ…」
そんなやり取りをしているとれいかさんがあることを提案した
「さやかちゃーん!お会計やってあげて!」
「あ、はい!こちらお会計ですね、合わせて540円です。…あ、そうなんです、お手伝いなんです。はい、蓮ノ空スクールアイドルクラブで!あ…応援、ありがとうございます!お気を付けて!ご、ごめんなさい花帆さん!えっと、なんでしたっけ?」
「……ううん!さやかちゃんの周り、すっごく綺麗に花咲いてるみたいだね!お買い物に来た人、みんな笑ってて良いね!」
「それは…そうですね。皆さんのおかげで、本当に楽しくお手伝いをさせていただいています。本当に、良いところです」
「ふへへ。そんなわけで!地元を笑顔にしてくれる、お店のさやかちゃんをリポートさせていただきました!花帆でしたー!またねー!」
「えっと…結局なんの配信だったのでしょう…」
「ほんとは、頑張ってるさやかちゃんにインタビューしようと思ったんだけどね。というか、あの真面目なさやかちゃんがお店のお手伝いしてるっていうから、凄く頑張って、頑張って、頑張りすぎてるんじゃないかって思って飛んできたんだけど!でも、さやかちゃんのお話を聞いて、それから今のお客さんとのお話を見てたら、そういうのが全部吹き飛んじゃって。代わりに、あたしも何かやるぞー!って気持ちが弾けそうになってきた!」
「花帆さん……?」
「凄いね、さやかちゃん!さっきもね、さやかちゃんに会いにお店に行った人にも会ったんだ!1人だけじゃなくて、何人も!」
「えっ?」
「確かに見掛けた」
六花も気づいていたか…手伝いをしている内にさやかに会いにくる人達がいるなって思ってた。
「あたしもさやかちゃんみたいに、みんなを笑顔にしたい!あたしも頑張る!もちろん、さやかちゃんの事も応援してるからねー!やるぞー!」
そう言って花帆は走り去っていった。
「それじゃ」
そのまま六花も花帆の後を追い掛けていった
「が、頑張ってくださーい……わたしが、ここの皆さんを笑顔に、か。出来てる、かな……?」
「出来てるよ」
「理桜さん…ありがとうございます…」
次の日、今日はおでん屋さんの手伝いをすることに…
「ま、毎日違うところでアルバイトされてるんですね、れいかさん…」
「ふふふ、気合よ気合!言ったでしょう、この辺りでバイトしてるって!」
「本来そういう意味の言葉じゃないと思うんですけど…」
「それで、どうかしら。まさか三日連続で来てくれるとは思わなかったけれど……もう慣れた?」
「どう、なんでしょう……自分ではあまり実感がなくて……」
「ふふ、ごめんなさい。よし、じゃあ今日も頑張りましょう!!頼りにしてるわ、さやかちゃん!それに理桜くん!」
「は、はあ」
「了解です!」
「本当に頼りにしているわ!!私のフォローを!」
「ちょっと!?」
「冗談冗談。それにしても、あの綴理ちゃんの後輩がさやかちゃんみたいな子だとはねぇ」
「あの。初めて来たときの夕霧先輩は、どんな感じでしたか?」
「なぁに、気になるの?」
「それはその……はい。正直気になります。楽しくお手伝いをさせて貰っていて、そんなに不満はないんです。でも、そもそもどうして夕霧先輩がここに連れてきてくれたのかは、まだ…」
「そう…綴理ちゃんもさやかちゃんと同じで、先輩に連れて来て貰ってたわ。それでさやかちゃんと同じように、キョロキョロこの街を見てたの。でも、そうねぇ。ふふっ。さやかちゃんと違って、色々大変だったわぁ。どう大変だったのかは、前に話したとおりね」
まぁあの話を聞く限り…本当に大変だったんだな……
「夕霧先輩も、その上の先輩に連れてきて貰っていたんですね」
「私には、綴理ちゃんがさやかちゃんを連れてきた理由は分からないわ。だけど、さやかちゃんがここに来る意味があるんだって、強く言ってたから」
「夕霧先輩がそんなことを……」
ふとさやかは手伝いをしている綴理さんを見た。
「やあみんな。うん、そう。今日も来てる。さやはおでん作ってるよ。さやのおでんも美味しいよ。ボク?ボクは立ってるよ。ふふっ。ああ、立ってることはできるんだ」
「そうは見えないかしら?」
「いえ。夕霧先輩は言ってくれたんです。わたしのために出来ることを、なんでもしてくれると…そんな、もったいないことを。だからこそ、本当にすぐにでも応えたい」
「私に言えるのはこのくらいかしらね」
「いえ…ありがとうございました!」
「さや、りお」
「あ、先輩?」
「そろそろ休憩。ふたりもどうかな」
俺とさやかは顔を見合わせ、頷くのだった。
さやかも答えが見え始めているみたいだな……
やり直したいゲームややりたいゲームが多いし、見たい作品も多いな~
とりあえず明日発売のガンヴォルトを…
感想待ってます!