蓮ノ空の花と桜   作:水甲

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久しぶりになってしまった…



第34話 久しぶりのスケート場

理桜Side

 

ある日のこと、いつも通りさやかたちの練習のサポートをしに来た俺。

 

「さあ、今日も頑張りましょう!よろしくお願いします、夕霧先輩!」

 

「ん。いい気合。びっくり」

 

「やる気があるのはいいことじゃないですか?」

 

「そりゃあもう。なんだか最近、身体が軽いんです。もっとこんな風にしたらどうか、こうやってみたらどうか。やりたいこと、見せたいことが色々浮かぶと言いますか」

 

この間まで悩んでいたからこそ、やる気が出てるのかとしれないな

 

「うんうん、素晴らしいスクールアイドルだね」

 

「っ……はい、なのでもっともっと、やれることを全力でやりたいんです」

 

「じゃあ、やっていこうか。とりあえず、さや踊ってみて」

 

「俺はその間にドリンクとか用意しておく」

 

「お願い」

 

「それにしても最初にさやかに踊らせるのは?」

 

「うん。…少し思ったんだ。ボクが毎回先にやってるから、さやがやるときに変にボクが見えてたのかなって」

 

「夕霧先輩が見えてた…ですか」

 

「そう。ボクに合わせちゃうと、やっぱりさやが活きないことも多い。それがさやを不必要に傷つけたかもしれない。さやとボクじゃ、身長もスタイルも違うのに」

 

「先輩先輩、傷ついています。今すごい傷ついています」

 

「なんで…!?」

 

無自覚に傷つけたみたいだけど…うん、スタイルとかはかなりだよな…

 

「はぁ…まぁ、いいです。悪気がないのは分かってますし…全力を出したいのは本当ですから」

 

「待って。置いてかないで。ボクはさやを傷つけたりなんかしたくない。さやが活きないっていうのは、死んでるって意味じゃない」

 

「そこじゃないです!もう、良いから見てて下さい!」

 

やっぱりスタイルのことか…

 

「理桜さん?」

 

「何も思ってないですよ…」

 

ヤバイ、心読まれた…

 

「ふふっ。もう…じゃあ、いきますね」

 

さやかは踊ってみせる。確かにこの前と違って良い感じがする

 

「……」

 

「ふぅ…ど、どうでしょう」

 

「うん。とても良いと思う」

 

「確かに良かった」

 

「本当ですか!それは…それは、良かったです」

 

「さやの、良さが詰まってた。いいよね」

 

「……も、もう少しこう、具体的には……」

 

「……水色」

 

「水色?」

 

「そう…さやは、そんな感じがする。いいよね」

 

「は、はあ……」

 

綴理さんの言い回しは何か本当に独特なんだよな…とりあえず詳しく聞くと…

 

「えっと…なんというか。さやは、頑張り屋さんで一生懸命で、いつも自分に厳しくて、それから。正面から向き合ってくれる、まじめでまっすぐな、そういう水色」

 

「まじめで、まっすぐ…ありがとう、ございます。夕霧先輩」

 

「ん」

 

「あの。今日の放課後はお休みでしたよね」

 

「ん?ん。どっか行く?」

 

「あ、いえ。わたしは少し、出かけてこようと思います」

 

「?……そう。えっと、なんの宣言だろう」

 

「一人で帰れますか?」

 

「ボクなんなの」

 

「もしもの時は理桜さんに…」

 

「俺、放課後いないんだけど…」

 

「そうなんですか?」

 

「ちょっと頼まれ事されて…」

 

綴理さんの事はまぁ、心配だけど大丈夫だろ…

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「………」

 

「……」

 

「あれ?理桜くんだ」

 

「理桜も来てたのか?」

 

アイススケート場でばったりさやか、花帆、六花と出会した俺。なんでここに?

 

「理桜さん、なんでここに?それにその格好は…」

 

「設備点検頼まれたんだよ……さやかは練習?」

 

「はい、そうです…」

 

「私と六花くんはさやかちゃんに誘われました!」

 

「まさか理桜がいるとは…」

 

偶然って怖いな……

 

「とりあえず…花帆さんはアイススケートは初めてですよね?」

 

「長野にはスケート無かったからね!」

 

「多分あると思うんですけど、では先に靴を借りに行きましょ。理桜さんはお仕事頑張って下さい」

 

「いや、点検は終わったから…付き合うよ」

 

四人で中に入り、さやかは俺達の靴を選んでくれたりし、さやかは花帆の靴紐を結び始めると……花帆はさやかに話しかけた

 

「さやかちゃんはずっとスケートやってるんだよね?」

 

「そう、ですね。かれこれもう、十年になりますか」

 

「十年!ベテランだね!」

 

「そんなに珍しい話じゃないですよ。フィギュアスケーターは物心ついた時には気づいたらリンクの上だった……なんてことだってよくあるみたいですから」

 

「へー。さやかちゃんはどうだったの?」

 

「……わたしの場合は、多分…お姉ちゃんがやってたからです。あんまり覚えてないですけどね」

 

「あ、そっか。お姉ちゃん居るって言ってたもんね。さやかちゃんのお姉ちゃんって、何か真面目そうな感じがする!」

 

「お姉ちゃんが真面目……ふふっ。むしろ花帆さんと似ているのかもしれません。元気で、明るくて、気づいたらとんでもないところまで行ってしまうような」

 

「さやかちゃんの中のあたしどーなってるの……?」

 

「ごめんなさい。でも私とは全然似てませんよ。自由で、綺麗で……お姉ちゃんの演技は、みんなを夢中にする」

 

「さやかちゃん、お姉ちゃんの事が好きなんだね」

 

「へ?な、なんですか急に!」

 

「お話してるとき、凄く優しい顔してたからさ。ね、理桜くん、六花くん」

 

「まぁ、確かに…」

 

「そんな顔してたね」

 

「ねえ、さやかちゃん」

 

「はい?」

 

「ありがとうね。来ても良いって言ってくれて」

 

「えっ?それは全然。…どうして今そんなことを?」

 

「や、なんだろう?ここに来るの、久しぶりなんでしょ?」

 

「はい」

 

「改めて、ここはさやかちゃんの大事な場所なんだなーと思ってさ。ついてきて良かったかなーって思ったのと、連れてきてくれてありがとうーって」

 

「……」

 

「さやかちゃん?」

 

「あ、いえ…そうですね。大事な場所……今日来られたのは、スクールアイドルを頑張れたからです。だから、花帆さんのお陰でもあるかもしれませんよ」

 

「へ?あたし?」

 

「さて、どうですか。きつかったり…特に指先が痛かったりしたらサイズを調整してみましょう」

 

「え、あ、うん!平気平気!」

 

「それではリンクに入りましょう」

 

「さやかちゃん」

 

「はい?」

 

「楽しいスケート教えてね!」

 

「はい!楽しみましょう」

 

リンクに入るの緊張してたからか花帆の言葉で緊張が解れたみたいだな




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