理桜Side
スケートの準備を終え、俺達はリンクに入ると花帆は目を輝かせていた
「わー……!!ほんもののリンクだー……!!って、さむ!」
「ほんもののリンクですからね」
まぁ確かに少し寒い感じはするけど…アイススケート場ってそう言うものだからな…
「すー……」
さやかは目を閉じ、リンクを感じていた。
「冷たい。変わらないな……ここは…」
「久し振りなんだっけ?」
「えぇ、そうですね…」
「ねえねえさやかちゃん!」
「はい、なんでしょう」
「滑りに来たんだよね!早く行こー!」
花帆は何という楽しむことに全力だな…
「多分だけどそこが花帆さんの良いところかも?」
「かもな」
それから花帆はさやかにサポートをして貰いながらもゆっくりと滑れるようになっていた。
「さやかちゃん、さやかちゃん」
「なんですかなんですか」
「あそこの2人みたいに滑れるようになるかな?」
「あの二人は…」
2人が俺達を見て何か話しているのに気がつき、俺達は近付いた
「どうした?」
「何かあったの?」
「2人とも初めてなのに凄いねって思って」
「本当に初心者なんですか?」
「「コツさえ掴めば…」」
2人の問い掛けに俺達は同時に答えた。さやかはそれを聞いて…
「コツって…2人の場合は普通の感覚で考えない方が良いのかもしれませんね」
「2人とも凄いね!ねぇ、さやかちゃんさやかちゃん」
「今度はなんですか?」
「あたしも頑張るけど…さやかちゃんがフィギュアスケートしてるところ見たいな!」
「……私が」
「うん。ダメかなぁ」
「そう…ですね。今は人も少ないみたいですし。……丁度良いと言えば、丁度良いですね。分かりました。あまり、期待しないで見ていてくださいね」
「うんうん!」
さやかは不安気な顔をしながらも、いざ滑り始めると真剣な顔つきになった。
「わー凄い凄い!フィギュアスケートみたい!」
「いや、みたいじゃないだろ…」
花帆の言葉にそうツッコミを入れる俺。それにしてもさやかの滑っている姿は…綺麗だな…それに花帆が楽しそうにしているからかさやかも何処か楽しそうにしている
「きれー」
「ねー。すっごい綺麗ですねー」
「ふぇ?」
気がつくと神の長い女性が俺達の隣に並んでそんなことを言っていた。
「あ、はい!そうですね!すっごい綺麗です!」
「ふふっ、ほんと…なんていうかーさやかの几帳面な感じとか、繊細な感じが出てるというかー」
「それに、さやかちゃん楽しそうで!」
「そうですねー。ほんと、変わったなー」
「……あの、さやかちゃんのこと知ってるんですか?」
「はい、結構知ってますよー」
うん、さっきから気になってたけどこの人…明らかにそうだよな…
「でも、前のさやかとは大違い。もう、上手くやらなきゃー、とか思ってないんじゃないかなー」
「え?」
「あー、ごめんなさい。お邪魔しちゃいましたねー」
「あ、あの、1つ聞いてもいいですか?」
「なんでしょー?」
この人の話を聞いて、花帆も気づいたか。そうだよな…分かりやすいと言うか…
「さやかちゃん、前とは大違いって…」
いや、そっちかよ…
「勿論褒め言葉ですよー。今のさやかは、昔と全然違う…煌めきがありますよ」
そう言って、女性は去っていった。うん、なんというか…似てるな…
「今の人…さやかちゃんの昔の友達…かな?お話ししていかなくて良かったのかな」
「いや。あの人は…」
さっきの人はどう見ても…とは言え花帆にそれを伝えるか悩んでいた。
「うん、ほんとに楽しそうで綺麗で、見惚れちゃうくらいだよ。さやかちゃん!」
とりあえず今は言わなくても良いかな……
ある程度アイススケートを楽しんだ俺達はスケート場の外に出ていた
「んー!楽しかったー!最後の方は、柵にも触らずに1周出来たし……ひょっとしたら次はもっと滑れるようになるかも!またさやかちゃんと一緒に来たいなぁ。梢センパイと綴理センパイも呼んだりして」
「まぁ休日にでも来てみても良いかもな」
「そうだね」
俺達三人がそんな話をしているとさやかが遅れて合流してきた
「すみません。遅くなりました!」
「んーん、全然待ってないよー!でも、凄い囲まれてたね、さやかちゃん!」
「そ、そうですね。やっぱり久々に顔を出したからと言うのもありますが…大会に出るのかどうか聞かれてしまって」
「大会?」
「はい。実は週末に地区の大会があるんです」
「えー!?そ、そうだったの!?ごめんねほんとにわがまま言って付いてきちゃって!」
花帆はそう言って申し訳なさそうにするが、さやかは首を横に振りながら…
「ああ、良いんです良いんです。それは、本当に。なかなか踏ん切りがつかず、今日まで引っ張ってしまったのは私ですから」
「そ、それはスクールアイドルの練習が忙しくて、とか…?」
「いえ、むしろ、あのスクールアイドルとしての楽しい毎日がなければ、私はここに来ることも出来なかった…だから花帆さん、理桜さん、六花さん。今から、あまり良くないことを言います」
「えっ、あ、はい。なんでしょう…?」
「私、今日は上手く滑れないと思っていました。もう私の身体はフィギュアから離れてしまっていて、大会なんて夢のまた夢なんじゃないか…そんな風に、思ってました。そして…それならもう、諦めもつくのではないか、とも」
「……で、でも…でも!凄く綺麗だったよ、さやかちゃん!」
「確かに綺麗だった」
「そうだな。綺麗で、楽しそうだったな」
「ありがとうございます。…実は、そうなんですよね」
「へっ?」
「こんなにブランクが空いたのに、今日の私を見たみんなは、前よりずっと良いと言ってくれました。だから、ぜひ大会に出てみないか、とも。これはひとえに、スクールアイドルとして培った経験のお陰です」
「そっ…か!そっか!そっかぁ、スクールアイドルで頑張ったから……じゃあ、本当に良かったね、さやかちゃん!」
「はい!だから、出てみます。大会。私、頑張りますね!」
「そうだね!うん、応援してる!さやかちゃん、こんなに綺麗なんだもん。きっと凄い結果残せるよ!」
「ありがとうございます。では、帰りましょうか」
「うん!試合見に行くね!」
「それは緊張しますね…」
こうしてさやかは大会に出る決意をするのであった。多分だけど、さやかが出る決意が出来たのはスクールアイドルの経験だけじゃなく……
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