蓮ノ空の花と桜   作:水甲

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先月更新したと思っていたら、更新してなかった


第38話 わがままに!

さやかSide

 

私は雨の中一人、ベンチに座っていた。私は……

 

「すみません。ちょっと道を尋ねたいんだけど…ってさやか、こんな所で何してるんだ?」

 

不意に声をかけられ、顔を上げると傘を刺さずにいる理桜さんがいた

 

「追いかけてきたんですか?」

 

「そんなところ」

 

理桜さんはそのまま私の隣に座り、私が話し出すまで黙っていた。

 

「私は愚か者です…」

 

「そうなのか?」

 

「そうです…ちょっとフィギュアが上手く行き始めて……もうなんにも心配することなんてないと思って…夕霧先輩の気持ちを踏みにじったんです」

 

「そうか?」

 

「そうです…その結果が…ライブとフィギュアの予定が重なってしまって…夕霧先輩にとって大切なライブを…私はどうしたらいいんですか?私はどこで何を間違えたんですか?教えてください」

 

「さぁ、俺には答えは分からないよ」

 

「理桜さん…」

 

「俺がスクールアイドルを選べって言ったら、お前はスクールアイドルをやる。逆にフィギュアをやれって言ったらお前はフィギュアをやる。それこそやらされているって事になる」

 

「はい……」

 

「俺から言えるのはどっちを選んでも無理だけはしないで欲しい」

 

「それは…分かってます…」

 

「ただどうしても答えが見付からないなら、昔話をしてやる」

 

「昔話ですか?」

 

「俺が何でも出来るようになろうとしているのは、従妹が切っ掛けだって話しただろ」

 

「はい…その従妹も事故を切っ掛けに、何でも出来るように、何か興味があったら直ぐに出来るようになろうとしていると…」

 

「何でも出来るって、難しいことか?」

 

「それは…難しいのでは?」

 

興味があっても難しく、断念してしまう。それならば…諦めてしまうのも…

 

「だけどあいつは全部やり遂げた。我が儘だからな」

 

「我が儘……」

 

「なぁさやか、どっちかを選べって誰が決めたんだ?」

 

「え?それは…」

 

「あとはお前次第、どっちかを選ぶのも良い。後悔しなければ良いだけの話だ。だけど難しく考えてしまうなら……どっちも選べば良いだけだ」

 

理桜さんはそう言って立ち上がり、寮の方へ向かった。

 

「風邪引く前に寮に戻れよ。あとそれ、貸しておく」

 

理桜さんはそう言って帰っていった。理桜さんが座っていた場所には傘が一本……

 

「どっちかではなく…どっちも……」

 

私が選ぶべきは……

 

 

 

 

 

 

 

理桜Side

 

そして大会の日、俺と綴理さんは観客席でさやかを見守っていた

 

「さやの出番までもうちょっとか」

 

「そうですね」

 

「あ、いたいた。綴理センパーイ!」

 

すると花帆、梢さん、六花がこっちにやって来た。

 

「こんにちは、綴理。村野さんの応援なら、一緒に来れば良かったのに」

 

「……え、でも今日、2人はライブ」

 

「忘れたの?今日のライブオンラインよ。17時までに配信でパフォーマンスを映すの」

 

「そっか、…そうだったね」

 

「村野さんが間に合わないのは残念だけれど。私達は後で撮影するわ」

 

「ん」

 

すると丁度さやかの出番になった。俺達は椅子に座り、さやかの演技を見届けた。

 

 

 

 

さやかの演技は迷いもなくキレイだった。

 

「見に来れて良かったわ。本当に綺麗ね」

 

「すごいすごい、すごーい!さやかちゃーん!」

 

「さて、私達はそろそろ行かないとね」

 

「あ!時間…でもさやかちゃんのスケート見られてほんとに良かった!綴理センパイ!どうでした!?」

 

「そうだね。本当に綺麗だったと思う」

 

「ねぇ、綴理。あなたはいつも、あの子のスクールアイドルとしてのパフォーマンスには水色のきらめきがあると、私に自慢してきたわね」

 

「……」

 

「フィギュアスケートで培ったものが、村野さんのスクールアイドルとしてのきらめきを生み出していたのだとすれば…今の村野さんのフィギュアスケートの演技には…」

 

突然会場内の電気が落とされる。花帆は驚いていたけど…

少ししてリング上にスポットライトが当てられ、そこにはさやかがいた

 

『あー、あー。まいくてす…まいくてす。本日は沢山の人にお越しいただき、ありがとうございます!姉妹共々、本当に嬉しく思っております!そして、こうしてお時間をいただけたことに感謝します。無理にお願いしてしまったのですが、快く皆さんが背中を押してくれました。なので少し、聞いてください』

 

「決めたみたいだな…」

 

「理桜は何か知ってるの?」

 

「まぁな…」

 

『私は、誇らしいお姉ちゃんを持って、幸せで、それだけでした。でも、だからこそ、お姉ちゃんがリンクに立たなくなって、私がお姉ちゃんの分まで頑張らなきゃって思ってからは、本当に大変だったんです。1年以上なかなか結果が出ないまま、何をどうすればいいのかも分からないまま。お姉ちゃんの分まで頑張るって言ったのに、そのお姉ちゃんに合わせる顔がないくらい、ダメダメでした。でも…素敵な出会いが私を変えてくれました。こうしてみなさんの前に胸を張って村野つかさの妹だと自己紹介できる。そんなフィギュアスケーターになれたのは……あなたのおかげ。あなたにあの日会えたから、頑張ろうと思えたんです。あなたが教えてくれたから、私は今ここにいる。でも。わがままになって良いってなんですか?フィギュアを続けることは無理ですか?スクールアイドルを辞めることが、わがままなんですか?フィギュアも楽しい、スクールアイドルも楽しい!どれが正しいわがままなんて、あなたが隣にいなきゃ、もう分かるものも分からない!私をこの場に立たせてくれたあなたは、私にわがままになれと言ってこの場に置き去りにした!違うというならこの場に出てきて!!ここで!!私と!!ライブをして!!スクールアイドルの大会に、私とあなたで出してください!夕霧先輩!!』

 

「…行かないの?」

 

「ん…行って来る」

 

「いってらっしゃい」

 

それから少しして綴理さんがリンクに現れ、さやかと2人でライブを披露するのであった。

これであの二人もようやく進めるようになったみたいだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠璃乃Side

 

カリフォニア

 

「な…長かった…いやー、果てしない道程だった。聞くも涙、語るも涙の。ただ、久々の休日に釣りがしたい。そんな想いが叶うまで、こうも時間がかかるとは。英語読めないし、道わかんないし、英語読めないし、釣りスポットも分かんないし、英語読めないし、調べづらいし、英語読めないし。カリフォルニア暮らしは大変だー。てゆか、この駅で本当にあってるよね?ね?合っててほしい!!!」




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