六花Side
ある日の部室。今日は1年生しかいない中…
「100万人だよ、さやかちゃん、六花くん、理桜くん」
「はい?何ですか急に。ひゃく……?」
「100万人だよ!!」
「うん、だから何が100万人なんだ?」
僕がそう聞くと花帆さんは…
「100万人でライブするの!それがあたしたちの目標!」
「そ、それは…」
「凄いと思わない!?」
「100万人か…蓮ノ空でライブをしたとしても普通に入りきらないだろ」
「確かに…何処か会場を借りるとか?」
「お二人はお二人で普通にやる方向で話さないでください…どんなに大きなドームを借りても無理ですから」
さやかさんは困り顔をしながらそう言うけど
「…作る?」
「理桜さん、お願いですから作る方向に持ってかないでください…」
理桜でも無理…いや、作りかねないな……うん
「さて…大きな目標も良いですが、皆さん。今日は先輩方が居ません」
「え、あ、そっか!今日だった!どうして来ないんだろうって思ってた。ひょっとしたらたぬきに襲われてるんじゃないかって…」
「お二人がたぬきに負けるようなことは、あまり想像できませんけど……とは言え、私達は私達でやらなきゃいけないことがあるって事です」
「えっーっと…」
「まさかとは思いますが、忘れているとか?」
「梢先輩は全体部活会議でいない」
「綴理さんは進路相談で来れない」
「そうそう、それで私達しかいない…合ってるよね?」
「いない理由を答えたのが六花さん達のような気がしますが…それで私達はこれをやることになってます」
そう言ってさやかさんが机の上に置いたのはコピー用紙とペンだった。
「あ、そっか!梢センパイが言ってた、新聞部からのお願い!」
「はい。部活の紹介記事です。期日は特に設けられていませんが…撫子祭で貼り出すと言う目的がある以上、早めに超したことはないかと」
「1年生が書かなきゃいけないんだったよね」
「絶対というわけではありませんが、撫子祭の新聞記事は新入生が執筆するのが伝統、と言うことですから。だから乙宗先輩も、私達の記事を楽しみにしていると言ってくれたんですし」
「そっか、梢センパイのためにも頑張らないとってことだ!」
「はい。先輩方の名に恥じないように、です。私たちにとっての最初の文化祭でもありますしね。つまり、私が何を言いたいかと言うとですね」
「いうと…」
「撫子祭は既に始まっているということです!」
そういうものなのか…まぁさやかさんらしいけど…
「私たちが作る記事の出来が、直接撫子祭でのスクールアイドルクラブの評価を左右するってことです!」
「た、確かに……!」
「と言うことで、この部活紹介の記事。つまり私達から見た、このスクールアイドルクラブの魅力を書きましょう!!!」
花帆さんは色々と魅力を出していく。ライブが楽しい、練習も楽しい、スクールアイドルのみんなと一緒にいるのが楽しい…応援してくれる人たちみんなと一緒の時間を過ごせることも…
「花帆さんは全部楽しいみたいだけど…」
「これ記事になるのか?」
「無理ですね。見出しを並べるだけで終わります」
「ほんとだ!全然足りないよ!!」
「私が大きさを決めた訳ではないです。一応そこそこ大きなサイズなんですけどね…」
「それだけ蓮ノ空スクールアイドルクラブは魅力的って事だよ!」
「は、はい。それは勿論、ただ…やっぱり小さな文字でぎっしり全部詰め込んでしまうと、みなさんに伝わりにくい記事になってしまうかと」
「どうしたらいいの?」
「少し内容を絞りましょう。一応、クラスの皆さんにお話を聞いてきたのですが、やはり去年の実績を纏める方向の部活が多いみたいです。ですので、私達も大倉庫に行って色々調べる事を考えていました」
「去年の実績かー、でもさ、さやかちゃん。他の部活の子たちが、そう言うことやってるんだよね?」
「え?あ、はい。そうですね」
「じゃあさじゃあさ、違うことやろうよ!蓮ノ空スクールアイドルクラブにしか出来ない紹介記事が良いと思うんだ!」
「それは…確かに、そうですね」
「折角頼んでくれた梢センパイにも、あたしたちがこの場所を大好きなんだって伝えたいし!きっと喜ぶよ!」
「だとしたら…先輩たちの事を書いてみたら?」
僕がそう提案し、花帆さんとさやかさんは先輩達の魅力について語り出すけど……
「はいはいはい!梢センパイが居てこその蓮ノ空スクールアイドルクラブです!」
「ええと?」
「確かに綴理センパイは凄いけど、蓮ノ空スクールアイドルといえば梢センパイだと思います!」
「なるほど…考え方は自由です」
「あれぇ!?こ、梢センパイは部長だし、みんなを支えてくれてるし、ライブでもみんなの注目の的だよ!」
「確かに綴理先輩は部長ではありませんし、むしろ支えられている側ですが、スクールアイドルという一点でみれば綴理先輩こそがこの部活の顔です。綴理先輩にしか、出せない美しさがありますから」
「ぐっ、う…ほ、ほら、梢センパイは部の内外問わず頼られてるしスクールアイドルクラブの中心で!」
「……綴理先輩は休み時間にみんなから、一曲お願いされるほどですので!」
何か言い争いが始まってる…
「止めないのか?」
「止めた方が良い?喧嘩ってわけじゃないし…」
それから二人の先輩についての話が続く中、梢先輩が去年のいつ頃から頼られるようになったのか?綴理先輩がいつ頃から一曲お願いされるようになったのか?花帆さんたちは去年の先輩たちの事を知らない。なので折角だからということで去年の先輩たちについて調べることになった
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