六花Side
男子寮と女子寮の間に作られた屋根付きのベンチスペース。僕、理桜、花帆さん、さやかさんは集まっていた
夕方、梢先輩との話を共有するために集まることになっていた
「そうですか。そんな事が」
「うん…確かにあたしも、梢センパイと一緒に頑張りたいんだけどね!でも、何というか。さっきの梢センパイの言い方が、ちょっと気になって」
「私も…」
「えっ?」
「私もさっき、綴理先輩と少し話したんです。記事にするにあたって、去年の話に触れた時…」
「そっか。…それで綴理センパイは何て言ってた?」
「はぐらかされちゃいました」
先輩達は去年の事は触れたくないみたい…僕が知る限りの事も関係はしてるけど…
「六花、何か知ってるのか?」
理桜がそう聞くと花帆さんたちも僕の方を見た。
「もしかして対立しているからとか!?」
「実は仲が悪いとかではないですよね!」
「待った!先輩達がそういう事はない。多分普通に聞いても否定するだろうし…」
「じゃあ!なんで!」
「教えてください!」
「僕が話すのは2人の信頼…」
2人というよりかは…三人だけど…
「僕が話せることは少ない。理由としては答えを知ってるからこそ…話せない。去年の事はそれだけの事なんだ」
慈との関係を知られ、梢先輩から聞かされたこと、僕は2人が話すまでは黙っていることにしている。
「ただ2人は一緒のステージには立てない。そう思ってる」
「どういう事?」
「何かあるんですか?」
「半年前の約束がそうしてる。それだけ…」
「じゃあ!半年前に何かあったのか!それをどうにか出来れば、センパイたちも!」
「そもそもこの件は記事を書くために始めたことじゃないのか?」
理桜がそう言うと2人は黙り込んだ。理桜は僕の味方なのか二人の味方なのか…
「そうですね。ただの好奇心で踏み込んで良い問題とは、思えません。記事のためのお話は、もう十分聞けましたから」
「それは…」
二人の場合は好奇心で踏み込みたいだけじゃないのは、分かる。ただ問題があればどうにかしたいという気持ちが強いだけ
「踏み込むのは簡単かも知れない。だけど踏み込んで後悔することもある」
僕の言葉を聞き、2人は暗い顔をしていた。それだけ重いことなんだ。
その日はそのまま解散となり、お互いの寮へと戻る
次の日の放課後、花帆さん達は改めて先輩たちにお互いどう思っているかを聞き、梢先輩は何処か冷たく、綴理先輩は寂しそうにしていたらしい。
「あたし、綴理センパイの寂しそうな顔見ちゃったよ。梢センパイだって、絶対今のままが嬉しいなんて思ってないじゃん。2人とも、大好き同士で…だったら、もう少し何かあれば…」
「2人はまた、一緒にスクールアイドルが出来ると?」
「その、もう少しなにかの何かさえ見付かれば良いのにって思うんだ。どうしたって今のままは嫌だよ。梢センパイにも綴理センパイにも、あんな顔一生しないで欲しいれ2人のことが好きだから!」
「花帆さん…」
「ダメな気持ち…かな?」
「いえ、いいえ。そうですね。どうにかしてあげたいと思うのは、先輩の事が好きだから。一生暗い顔をして欲しくない。私だってそう思いますよ」
「うん、センパイ達が抱えてるものが分かれば…あたし達で、手掛かりさえ掴めれば!」
花帆さん達は僕の方を見る。僕はため息をつき…
「僕からは話せない。ただ手掛かりがあるとしたら…大倉庫にあるかも」
「大倉庫に…」
「なるほど、確かにあそこなら…」
「六花、回りくどいな」
「仕方ないだろ。話せないことなんだから…」
感想待っています!