六花side
設営もある程度進むと、夕霧先輩からあることを頼まれた
「こっちはもう大丈夫。りっかはこずの方を手伝って」
「分かりました」
乙宗先輩は確か……裏の方の倉庫だよな……
「乙宗先輩」
「あら、守谷くん。手伝いに来てくれたのね」
「はい、とりあえず何を……」
手伝いをしようとしたとき、森の中から一人の女生徒……うん、クラスメイトの日野下さんが飛び出してきた
「た、助けてください!?」
「どうしたの?そんなに怖がって……」
「と言うか何で森の中から?」
「あぁ……たまに新入生が蓮ノ空の規律の厳しさに耐えかねて脱走する子がいるのよ」
だからって……森から脱走するのはどうかと思うけど……そもそも何で日野下さんはこんなに怖がってるんだ?
「か、怪物……怪物が出たんです!」
「「怪物?」」
そんな今のご時世に怪物なんているわけ……と思っていると森の中からホッケーマスクを被り、鉈を持った人が現れたけど……うん、どう考えても…………
「それで何でそんな格好を?」
乙宗先輩の前に正座させられている理桜。乙宗先輩はあきれた顔をしながら事情を聞いていた
「いや、言ったじゃないですか。大賀美先輩に言われて罠の位置を移動させていたって」
「罠!?」
「日野下さん、今は気にしないでほしいかな?」
話すと長いと言うか……多分何でそうなるの?って言われそうだし……
「えぇ、聞いていたわ。それで何でそんな格好を?普通の人が見たら驚かれるわよ」
「いやいや、乙宗さん。何を言ってるんですか?森の中に入るんですからこれぐらいの装備をしないと!」
「マスクは必要なのかしら?」
「整備されてない森だから枝とかで顔を傷つけないようにするためです」
「………………」
理桜に言い眩められる乙宗先輩。うん、確かに理桜の言うことは一理あるけど……
「理桜。とりあえず日野下さんに謝ろうか。誤解とは言え怖がらせたし」
「そうだな。悪かったな。日野下」
「う、うん。私もビックリして……」
「それで何で森の中に?下手すると罠に引っ掛かって怪我するところだったぞ」
「そもそも罠とかあるの!?」
うん、普通はないけど設置した本人が理桜だからな~と言うか怪我で済むのかどうか……
「とりあえず話は済んだみたいだし、俺は森に戻るよ」
「そうね。あと森にカワウソがいたら捕獲したり駆除とかしないで欲しいわ。あのカワウソ、生徒会で飼ってるようなものだから」
「分かりました。見掛けたら注意します」
そう言って理桜は森に戻って行ったけど…………
「注意します?」
何かあの言い方だと……いや、気にしたら負けだよな。うん……
「それじゃ日野下さん。またね」
「あ、あの!先輩、お詫びと言うかなんと言うか……荷物運ぶの手伝います」
「大丈夫よ。守谷くんが手伝ってくれるから……そうね。折角だから夕方、ライブを見に来てくれないかしら?」
「ライブ?」
「えぇスクールアイドルクラブのライブ」
乙宗先輩は日野下さんに手を振り、僕と一緒に部室に行くのであった。
ライブ開催時間が近づく中、僕は会場に見覚えのある姿を見つけた
「慈」
「六花?」
「ライブ見に来たんだ」
「まぁね。と言うか見に来たらダメなの?」
「いや、そういう訳じゃなく……てっきり……」
見に来ないかと思ってた。なんと言うか色々と思い出したりするんじゃないのかと……
「たまたま暇だったから……それだけ」
「慈……」
暇なら勉強をした方が良いって言おうとしたけど止めた。何かこう言うときは変に茶化さない方が良いよな
「何?その暇なら勉強する時間に回せば良いのって顔は……」
「そんなこと思ってないよ。ほら、始まるぞ」
ステージでは乙宗先輩や夕霧先輩がライブを披露している。きっと会場にいるはずの日野下さんも見てるよな……
「………………」
そして隣の慈は懐かしそうにしながらも、何処か辛そうにしていた。
感想待ってます