男子寮の寮母。フルネームは秘密、年齢も秘密のミステリアスな人。
六花side
「風呂場は浴槽なども買い揃えたので入れるようにしてますね」
「買い揃えるまでの間はどうしてたの?」
「ドラム缶を使って……」
男子寮の設備の説明はまだ続いていたけど、僕がいなくても理桜がしっかりと説明してるから任せても大丈夫そうかな?
僕は理桜にクラブの様子を見に行くと伝え、学校へと戻った。
部室に行ってみたけど、誰もいない……時間的にはまだ活動中だし……レッスン室を覗いてみると乙宗先輩と日野下さんがいた。
「あら?用事は終わったの?」
「設備説明なので理桜に任せてきました」
「あ!守谷くん!寮母さんってどんな人だった?やっぱり怖そうな人?」
何で一番に怖そうなとか出てくるんだろうか?と言うか……
「練習の邪魔になってないですか?」
「大丈夫よ。丁度休憩に入るところだったから」
休憩?その割には乙宗先輩は疲れている様子はないし……逆に日野下さんの方が疲れてるけど?
そんな僕の疑問に乙宗先輩が答えてくれた。
「日野下さんにちょっと曲の確認のために踊ってもらっていたのよ」
「なるほど……」
「それでそれでどんな人なの?」
「ん、あぁ……なんと言うか……ミステリアスな人かな?」
「ミステリアス……夕霧先輩みたいな?」
「それとは違う感じで……名前は雨花。名字は秘密、年齢も秘密、ただし成人したばかりの娘さんがいる。それくらいしか教えてくれなかったな」
「そう言う意味でのミステリアスなのね……」
「へー」
「あと生徒会長曰く理桜を押さえることが出来るとか……」
「それは……………………守谷くんの負担が減るわね」
「はは……そうですね……」
「守谷くん……何だか遠い目をしてるけど大丈夫?」
日野下さんたちと出会う前までは理桜の行動に少し振り回されてたからな……何だか遠い過去のことのように…………
「とりあえずこっちの様子を見に来ましたけど……何か手伝えることありますか?」
「そうね……練習の様子を見てもらっていいかしら?」
「分かりました」
乙宗先輩に言われ、練習の様子を見ていたけど……日野下さんに踊ってもらっているのは……もしかして……
それから数日後、日野下さんは乙宗先輩に頼まれてまた曲に合わせて踊ったり、衣装作りの手伝いをしたり、僕らや手伝いをしてくれる子達と一緒にステージ作りをし、理桜の冗談(本気)に振り回されて、笑っていたりした。
「ふーん、その日野下って子が心配なんだね」
「まぁ……色々と話を聞いた上でな……」
夜に慈とあって話していた。まぁちょっとした定期報告みたいなものだ
「慈の方はどうなんだ?」
「私?私は別に変わらないよ」
変わらないか……
「六花は私に戻ってきてほしいの?」
「…………それは分からない」
「そっか……」
沈黙が流れ……今日はお開きとなった。本当に……色々と考えることが増えたな……
そう思いながら寮に戻ろうとすると……
「守谷くん!」
日野下さんに呼び止められた。夜なのに抜け出して大丈夫なのか?まぁ僕が言えた義理じゃないけど…
「さっき部屋から守谷くんの姿を見つけて、その……こんな時間に女子寮に来てどうしたの?」
「あぁ……知り合いと話をしてて」
「知り合い?」
「2年生の子で……小さい頃に親の付き合いでね……」
「そうだったんだ……」
「日野下さん、あれからどうなの?」
「へっ?どうって?」
「学校を辞めたがっている友達はどうなったのかな?って」
「あ、あぁ~えっと……今は色々とやってみて……夢見てた世界と全く違うの……何だか……」
「揺らいでるって事かな?」
「そう……かも……」
「確か転入手続きの締め切りは……歓迎会の日と同じ日だっけ?」
「うん……」
「……多分だけどその揺らぎは良いことかもしれない」
「良いこと?」
「思っていた世界とは違うけど、自分が夢中になれるものを見つけられつつあるかもしれない……」
「夢中になれるものを……」
「他の人にも話をしてみたら?もしかしたら答えは見つかるかも……そう、友達に伝えた方がいいよ」
「あ、うん!そうだね……伝えとく……」
「後はまぁ自分の気持ちに……いや、なんでもない。じゃあおやすみ」
「おやすみ」
日野下さんと別れた僕……さっき言いかけた自分の気持ちに正直に……か……
「その気持ちを誤魔化している僕が言えたことではないな」
とりあえず寮に戻ろうとすると、村野さんからメッセージが届いた
『相花さんと連絡が通じなかったので、伝言をお願いします。夕方に貰った猪の肉はどう料理すればいいのか分からないので、教えてくださいと……』
とりあえず了解と返信し、理桜に伝言を伝えないと……と言うかお裾分けするなら別のものにしろよ……
理桜のヒロイン……どうしようかな?
感想待ってます!