須賀京太郎が幼少期から咲や照と幼馴染だったら   作:ミノスラ

1 / 4
1話なので長めに書いています。


清澄高校麻雀部

 俺の名前は須賀京太郎、長野県の清澄高校に通う1年生だ。

 

 

「京ちゃん、レディースランチ持ってきたよ」

「サンキュー咲! これ食べてみたかったんだよなぁ」

 

 

 京太郎にレディースランチを届け、隣の席に座り本を読み始める少女は宮永咲、京太郎と同じ清澄高校に通う1年生だ。京太郎は咲から受け取ったレディースランチを食べながら、スマホでゲームをやっていた。

 

 

「京ちゃん最近スマホいじってるみたいだけど、何やってるの?」

「ん? なんだ気になるか? ほら、麻雀だよ、ネット麻雀。こうしてスマホでも好きな時に始めて好きな時に辞められるから、良い暇つぶしになって最近始めるようになったんだ」

 

 

 咲にスマホの画面を見せながら、指で牌をタップして河に捨てる。スマホからは「ロン!」という音声が流れ、京太郎が4位となり東風戦が終わった。

 

 

「あー! 振り込んじまったぁ!」

「あはは、京ちゃんが振り込むなんて数年ぶりに見たよ」

「おかしいよなぁ、咲や照さんと麻雀やるときは何が危ないのか分かるのに、ネット麻雀だと全然分からない」

 

 

 京太郎が落ち込んでいるのを見ている咲は楽しそうだった。

 

 

「咲が笑ってるの久々に見たな」

「そうかな? そうかもね、色々あったもんね。お姉ちゃんは白糸台高校に行って、みんなで麻雀出来なくなっちゃったり、京ちゃんはスポーツで全国大会まで行けたからスポーツ推薦が決まってたのに、怪我で辞退しちゃうんだもん」

「そうだな、でも怪我のおかげで俺は高校でも咲と一緒にいられるんだ、これで良いじゃねーか。そうだ! 清澄高校には麻雀部があるらしいんだ、良かったら俺と一緒に入部しないか?」

「え? でも私は他の人とは……」

「大会に出て全国に行けば、東京にいる照さんに会いに行けるぞ! いつも照さんが俺たちに会うために長野に帰って来るんだ、今度は俺たちが照さんの所に行こうぜ!」

「っ! 京ちゃんその誘い方、反則だよ」

「善は急げだ! 行く準備しとけよ!」

 

 

 京太郎はレディースランチを急いで食べ終わると食器を片付け、咲と一緒に麻雀部がある旧校舎へと向かった。

 

 

 

 

 

 旧校舎の屋上には麻雀部の部室がある、京太郎と咲は、その部室の扉の前まで来ていた。京太郎は扉をノックして、部室に入って行く。

 

 部室には自動麻雀卓が1つあり、その席にピンク色の髪をした女子生徒が一人座っている。

 

 

「お客様?」

「うぉぉぉ!? おもちだ! 大きいおもちだ!」

「……京ちゃん?」

「はっ! すまない咲、これは違うんだ!」

 

 

 目が笑ってない咲が、京太郎に詰め寄る。京太郎が怯えていると、部室の外から階段を駆け上がる音が聞こえてきた。

 

 

「お? 入部希望者だじぇ?」

 

 

 部室の入口には、口にタコスを咥えた女子生徒が現れた。

 

 

「はい! 入部希望の1年須賀京太郎と、こっちは1年の宮永咲です」

「み……宮永咲です、よろしくお願いします!」

「お! 京太郎に咲ちゃんだじぇ、私は同じ1年の片岡優希! こっちの余計なところに脂肪があるのが、去年の全国中学生大会で優勝した最強の中学生だった原村和の、のどちゃんだじぇ!」

「ちょっと優希、辞めてください! 原村和です、須賀君に宮永さん、お茶入れてきますね」

 

 

 和は優希に怒ると、京太郎と咲に自己紹介をしてお茶を入れてきた。

 

 

「のどちゃん、部長は?」

「奥で寝てます」

「それじゃあ私とのどちゃんで、京太郎と咲ちゃんを揉んでやるじぇ」

「え! 今からやるんですか!?」

「のどちゃんの実力を知ってビビってるんだじぇ」

 

 

 驚いている先に優希は悪い笑みを浮かべている。

 

 

「宮永さんは麻雀は初めてですか?」

「いえ、京ちゃんやお姉ちゃんと昔から麻雀していたのでルールは分かります。ただ、最後にやったのが、お姉ちゃんが帰って来たお正月だったので、久々で……それに家族や京ちゃん以外の人と麻雀したことないんです」

「そうなんですね、須賀君は?」

「俺も咲の家族以外だと、ネット麻雀くらいしかやったことないな」

 

 

 話を聞いた和と優希は、咲と京太郎はほぼ初心者と判断した。

 

 

「さっきも京ちゃん4位だったもんね」

「ああ、ネット麻雀はたまに3位になるくらいで、いつも4位かハコテンだ」

「ほほう……これはカモが現れたじぇ」

「優希、そんなこと言っちゃ駄目ですよ。宮永さん、須賀君、麻雀部に入ったら私たちが教えますので、楽しんで麻雀やりましょう。それでは始めましょうか。席決めは分かりますか?」

「裏返しになった東南西北の1枚をめくって、そこが席になるんだったよな」

 

 

 自動卓に4枚の裏返しになった牌を、京太郎達は選んで表にした。

 

 片岡優希{東}

 宮永咲{南}

 須賀京太郎{西}

 原村和{北}

 

「私が親だじぇ!」

「25000点持ちの30000点返しの半荘です、順位点はありません」

「はい」

「ワクワクするなー咲」

 

 

 

 

 

【東一局】 親 優希 ドラ{八}

 

 東:優希 「25000」

 南:咲  「25000」

 西:京太郎「25000」

 北:和  「25000」

 

 優希 手牌

 {八八②③2235678西北} {9}

 

 咲 手牌

 {三六④⑤⑧111西北白白白}

 

 京太郎 手牌

 {二四七②⑨14477東南発}

 

 和 手牌

 {一四四六七①③⑤⑦⑧南北中}

 

 親である優希が{北}を河に捨て、麻雀が始まった。

 

 

 

 

 

 3巡目、咲、京太郎、和はまだテンパイすらしていないのに、優希が動き出した。

 

 

「リーチだじぇ!」 打{横2}

 

 

 親から3巡目リーチと早くテンパイされて、京太郎と咲は驚く。

 

 咲 手牌

 {三六④⑤⑥⑦⑧111白白白} {③}

 

(次の私のツモで白が来るからカンをして、六萬で嶺上開花できるから三萬を捨てれば良いけど……)

 

 

 咲は優希の方をチラッと見ると、優希はギラギラした目をして、麻雀を楽しんでいた。咲は三萬に伸びていた手を変え、一索を掴む。

 

 咲 打{1}

 

「咲ちゃんそれロンだじぇ!」

 

 ドラ{八} 裏ドラ{5}

 

 {八八②③④23456789} ロン{1}

 

「リーチ・一発・平和・一気通貫・ドラ3の倍満!

 24000だじぇ」

「はいどうぞ」

 

 

 咲は優希に点数申告されると同時に24000点を卓に置く。

 

 

「やっぱりそこが怪しかったか、やっぱリアル麻雀だと何が危ないのか分かるなぁ」

「宮永さん、頑張りましょう」

 

 

 

 

 

【東一局】一本場 親 優希 ドラ{白}

 

 東:優希 「49000」+24000

 南:咲  「 1000」-24000

 西:京太郎「25000」

 北:和  「25000」

 

 優希 手牌

 {一一二二三三五五五七八白発} {発}

 

 咲 手牌

 {六六六九九九⑤⑧234白白}

 

 京太郎 手牌

 {一一二五①⑦⑨337南西中}

 

 和 手牌

 {四①①③⑤⑨1457東南発}

 

 

 

 

 

「今日は調子が良いじぇ! ダブルリーチ!」 

 

 優希 手牌 打{横白}

 {一一二二三三五五五七八発発}

 

「それポン」

「ふぇ!?」

 

 

 咲は優希から白をポンした。{横白白白}

 

 2巡目、優希は牌をツモるが、当たり牌じゃなかったので、悔しそうに河に捨てる。そして咲は牌をツモるとカンをする。

 

 

「カン」 {裏九九裏}

「あっ……」

 

 

 優希が九萬を欲しそうな目で見ている。咲は嶺上牌に手を伸ばし、そして。

 

 

「もう一個、カン」 {裏六六裏}

「うわぁぁぁ!!!」

 

 

 優希は頭を抱えて奇声を上げる。

 

 

「優希、対局中は静かにお願いします」

「でもでも、のどちゃん……」

「まあ……その、ドンマイ」

 

 

 涙目になっている優希を京太郎が慰める。そして巡目は進み、12巡目になった。

 

 優希 打{⑦}

「ロン」

 

 優希が捨てた牌で咲はロンをする。

 

 ドラ{白南七}

 

 {⑦⑦33} {裏六六裏} {裏九九裏} {横白白白} ロン{⑦}

 

「白・トイトイ・ドラ3、

 12000は一本場で12300です」

「はいだじぇ……」

 

 

 優希は手を震わせながら点棒を置く。

 

 

 

 

 

【東二局】 親 咲 ドラ{8}

 

 北:優希 「36700」-12300

 東:咲  「13300」+12300

 南:京太郎「25000」

 西:和  「25000」

 

 優希 手牌

 {⑥⑦1124[5]7888東南}

 

 咲 手牌

 {五六六七七④④④⑥南西北白} {八}

 

 京太郎 手牌

 {一一七九①⑤⑤⑦⑧⑧15北}

 

 和 手牌

 {一一三九③14679東西西}

 

 

 

 

 

 咲 打{北}

 

 京太郎 ツモ{⑨} 打{北}

 

 和 ツモ{二} 打{東}

 

 優希 ツモ{3} 打{南}

 

 

 

 2巡目

 

 咲 ツモ{白} 打{南}

 

 京太郎 ツモ{四} 打{5}

 

 和 ツモ{西} 打{九}

 

 優希 ツモ{6}

 

 

 

 

 

「リーチだじぇ!」

 

 優希 手牌 打{横東}

 {⑥⑦11234[5]67888}

 

「お前リーチ早すぎる!」

「これがタコスパワーだじぇ!」

 

 

 優希はタコスを頬張りながら牌をツモっていく。

 そして、リーチしてから2巡後。

 

 ドラ{8} 裏ドラ{1}

 

 {⑥⑦11234[5]67888} ツモ{⑧}

 

「ツモったじぇ! リーチ・ツモ・ドラ6!

 4000・8000」

 

「また倍満か!? 俺の親じゃなくて良かった」

「私は親かぶりだよ……」

「次は須賀君が親ですよ」

 

 

 

 

 

【東三局】 親 京太郎 ドラ{発}

 

 西:優希 「52700」+16000

 北:咲  「 5300」-8000

 東:京太郎「21000」-4000

 南:和  「21000」-4000

 

 優希 手牌

 {一二[五]七八八九13発発発中}

 

 咲 手牌

 {二六④⑤⑥⑥⑥37東南中中}

 

 京太郎 手牌

 {一六八③④⑦578889北} {白}

 

 和 手牌

 {一二三九九①③4466西白}

 

 

 

 

 

 京太郎 打{北}

 

 和 ツモ{7} 打{西}

 

 優希 ツモ{2} 打{中}

「それポン」

 

 

 咲は優希の中をポンする。{横中中中}

 

 咲が鳴いた後、優希の表情に陰りが見え始める。咲に鳴かれてから有効牌が来なくなったようだ。

 

 

「うわぁ……さっき咲ちゃんにポンされたから、流れが悪くなったじょ……」

「流れなんて、そんなオカルトありえません。リーチ」

 

 和 手牌 打{横4}

 {一二三九九①②③45667}

 

「いつもなら私もテンパイしてるのに……」

 

 

 優希はそう呟きながら牌を捨てていく、そうして3巡後。

 

 優希 打{[5]}

「ロン」

 

 優希が捨てた牌で和はロンをする。

 

 ドラ{発} 裏ドラ{二}

 

 {一二三九九①②③45667} ロン{[5]}

 

「リーチ・平和・ドラ2、7700」

「のどちゃんにまで東場で振り込んじゃったじょ!」

 

 

 

 

 

【東四局】 親 和 ドラ{西}

 

 南:優希 「45000」-7700

 西:咲  「 5300」

 北:京太郎「21000」

 東:和  「28700」+7700

 

 優希 手牌

 {三四③④[⑤]34[5]77東南北}

 

 咲 手牌

 {六七九③⑧22278南白発}

 

 京太郎 手牌

 {二三四五[五]六七②68西北中}

 

 和 手牌

 {一一一一三八④⑤⑦3東北白} {中}

 

 

 

 

 

「最後の東場だから、ここでいっぱい点棒を稼ぐじぇ!」

 

 

 優希は不要牌を捨てて有効牌を引いていく。

 

 

「リーチだじぇ!」

 

 優希 手牌 打{横南}

 {三四③④[⑤]34[5]777北北}

 

 2巡目で三色もありそうな手を優希は作った。

 

「またそんな早い巡目からリーチかよ! どうなってるんだ、しかも毎回高い!」

 

 

 京太郎は優希の理不尽なテンパイ速度と点数の高さに文句を言う。優希のロン牌を避けながら、巡目は進んで行った。

 

 

 

 

 

 4巡目

 

 優希がツモるとニヤッとして、牌を倒す。

 

 ドラ{西} 裏ドラ{3}

 

 {三四③④[⑤]34[5]777北北} ツモ{五}

 

「ツモ! リーチ・ツモ・三色同順・ドラ3、

 3000・6000」

 

 ■南場

 

【南一局】 親 優希 ドラ{9}

 

 東:優希 「57000」+12000

 南:咲  「 2300」-3000

 西:京太郎「18000」-3000

 北:和  「22700」-6000

 

 優希 手牌

 {三七②⑤⑧578東南西北発} {五}

 

 咲 手牌

 {一四七九①①①⑦115白白}

 

 京太郎 手牌

 {二二三五②③③④⑥267北}

 

 和 手牌

 {三三九②④④[⑤]⑦4567南}

 

 

 

 

 

 東場が終わると、優希から圧力を感じなくなった。南場に入ってから10巡以上進んでいるのに、未だに優希からテンパイの気配を感じない。

 

 

「どうしたんだ、大人しくなっちゃって。食べ物でもなくなって元気出ないのか?」

「タコスはまだあるじぇ……私、南場になると集中力が持続しないんだじぇ」

「だから南場に入ってからリーチしてこないのか。東場がめちゃくちゃ強かったから、その分南場で弱くなるってことだな」

 

 

 京太郎は、咲や照との家族麻雀をしていた経験から、優希は東場だけ強くなるオカルトを持っていると推測した。

 

 だが、優希が弱くなったからと言って京太郎の手牌が良くなるわけじゃない、京太郎がテンパイを作る前に和がリーチ宣言をする。

 

 

「リーチ」

 

 和 手牌 打{横⑦}

 {三三②③④④[⑤]455667}

 

 和のリーチで、優希と咲はベタ降り。

 

「ツモ」

 

 リーチから3巡後、和がツモる。

 

 ドラ{九} 裏ドラ{①}

 

 {三三②③④④[⑤]455667} ツモ{⑥}

 

「リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・ドラ1、

 2000・4000」

 

 

 

 

 

【南二局】 親 咲 ドラ{西}

 

 北:優希 「53000」-4000

 東:咲  「  300」-2000

 南:京太郎「16000」-2000

 西:和  「30700」+8000

 

 優希 手牌

 {八①③⑦⑨25568東東北}

 

 咲 手牌

 {一三⑦444777東南北発} {二}

 

 京太郎 手牌

 {一一四五六七⑤⑦358西発}

 

 和 手牌

 {二三四六九①5東西西西白白}

 

 

 

 

 

「大丈夫、まだ私の点はたくさんある。それに咲ちゃんは残り300点、誰かがツモっただけでハコテンになるじょ」

「ツモもそうだが、咲はノーテンで流局になってもダメってことか、リーチもできないからアガルのも一苦労だな」

「そうだね京ちゃん。こういう状況でも麻雀は楽しいよ」

 

 

 咲はこんな絶体絶命の状況でも麻雀を楽しんでいるようだ。優希はそんな咲の姿を見ながら、何も考えることなく牌を捨てる。

 

 優希 打{一}

「ロン」

 

 優希が捨てた牌で和はロンをする。

 

 ドラ{西}

 

 {二三四五六九九西西西白白白} ロン{一}

 

「ホンイツ・西・白・ドラ3、16000」

「のどちゃんが倍満!? 何も喋らないと思ったら、こんな手を隠してたなんて。しかもこれで逆転されたじぇ!」

 

 

 

 

 

【南三局】 親 京太郎 ドラ{⑤}

 

 西:優希 「37000」-16000

 北:咲  「  300」

 東:京太郎「16000」

 南:和  「46700」+16000

 

 優希 手牌

 {六六④⑥⑥⑦2236東東中}

 

 咲 手牌

 {一一二三五⑨⑨467西西西}

 

 京太郎 手牌

 {一二二七③④[⑤]⑦⑨79白白} {中}

 

 和 手牌

 {七八九①12379東南南北}

 

 

 

 

 

 2巡目

 

(咲がやられっぱなしとは思えない、仕掛けてくるとしたらこの局からだよな)

 

 京太郎 ツモ{⑥} 打{⑨}

「それポン」

 

 咲は京太郎の九筒をポンする。{⑨⑨横⑨}

 

 咲 打{6}

 

 

 

 

 

 3巡目

 

「カン」 {裏西西裏}

 

 咲 打{五}

 

 

 

 

 

 8巡目

 

「カン」 {⑨⑨横⑨(横⑨)}

 

 咲 打{三}

 

(加カンですか、それにまた嶺上牌を手牌に入れましたか)

 

 和 ツモ{4} 打{4}

「それポン」

 

 咲は和の四索をポンする。{4横44}

 

 咲 手牌 打{二}

 {一一一白} {4横44} {裏西西裏} {⑨⑨横⑨(横⑨)}

 

「どれも危険牌にみえるじょ……これ!」

 

 優希 打{白}

「ロン」

「そんなぁ!?」

 

 優希が捨てた牌で咲はロンをする。

 

 ドラ{⑤七3}

 

 {一一一白} {4横44} {裏西西裏} {⑨⑨横⑨(横⑨)} 

 

 ロン{白}

 

「トイトイ、5800」

 

 

 

 

 

【南四局】 親 和 ドラ{八}

 

 南:優希 「31200」-5800

 西:咲  「 6100」+5800

 北:京太郎「16000」

 東:和  「46700」

 

 優希 手牌

 {四六八⑥⑦⑧48南西西発中}

 

 咲 手牌

 {三①①①①②②[⑤]8北白白白}

 

 京太郎 手牌

 {一二八④⑥⑥⑥⑧⑨2579}

 

 和 手牌

 {一三四五六九④⑦11447} {③}

 

 

 

 

 

 1巡目

 

 山と嶺上牌を交互に見た咲の目つきが変わる。

 

 咲 {⑦} 打{北}

 

(あの目つきになった咲は逆転のために高い手を狙う時に良くする目だ。照さんと打つ時に、何度もあの咲が逆転して勝っている姿を俺は何度も見てきた)

 

 京太郎 手牌

 {一二八④⑥⑥⑥⑧⑨2579} ツモ{⑨}

 

 手牌から禍々しい何かを感じている京太郎は、危険を感じない牌を捨てる。

 

 京太郎 打{2}

 

 

 

 

 

 10巡目

 

 

(宮永さんは3巡目までは手牌から捨てていたのに、それ以降はツモ切り。もう張っているということでしょうか? 私も早くテンパイさせたいところですが、まだ一向聴……)

 

 和 手牌

 {一三四五六③④444678} {西}

 

 和 打{西}

「それポンだじぇ!」

 

 優希は和の西をポンする。 {横西西西}

 

(南場だけど、牌が来てるじぇ! 後は南がくれば2位になれる。のどちゃんに直撃させれば逆転だじょ!)

 

 優希 手牌 打{六}

 {八八八⑥⑦⑧34南南} {横西西西}

 

 咲が牌をツモると、カンを宣言する。

 

「カン」 {裏①①裏}

 

 嶺上牌をツモる。

 

「もう一個、カン」 {裏白白裏}

 

 2つ目のカンだが、咲はまだまだ止まらない。

 

「もう一個、カン」 {裏②②裏}

「ほぇっ!?」

 

 

 一気に3つの暗カンを作られ、優希は目を大きく開き驚いている。

 

「リーチ」

 

 咲 手牌 打{横⑤}

 {[⑤]⑤⑦⑧} {裏②②裏} {裏白白裏} {裏①①裏}

 

 たった1巡で一気に場の空気は変わった。

 

 

(うわぁ……これいきなりやられたら誰だってビビる)

 

 京太郎は優希や和の驚きと困惑の混じった表情をチラッと見ると、迷いなく牌を選び捨てる。

 

 京太郎 {中} 打{④}

 

 京太郎が4筒を捨てると、優希は叫び、和は椅子から立ち上がる。咲も京太郎の行動にため息をついた。

 

 

(もう京ちゃん、なんでそんなに心臓に悪い牌を平然と捨てられるの?)

 

 

 咲は京太郎をジト目で睨みつける。

 

 

「俺の牌は通ったみたいだな、次は和の番だぜ」

 

 

 京太郎に言われて和は正気を取り戻し、席に座って牌を選ぶ。

 

 

(須賀君があんな危険牌を捨てたことには驚きましたが、おかげで安牌が出来ました)

 

 和 {七} 打{④}

 

(咲ちゃんが怖い手になったけど……)

 

 優希はドラ表示牌を見る。

 

 ドラ{八西西中}

 

 西がドラになっている、つまり南が2枚ともドラにあり、優希の手牌にも2枚南がある。

 

 普通なら、役牌が作れなくなってガッカリなところだが、今は安牌で自分が振り込まない方が優先だ。

 

 上手くいけば和が咲に振り込んで、自分が1位になれるかも知れないと優希は考えていた。

 

 優希 {⑨} 打{南}

 

 咲がリーチをしてから、全員が牌を捨て、咲の番に回って来る。優希と和は、咲の方から突風でも吹き始めたかのように錯覚した。

 

 咲は山に手を伸ばし掴む、そして自分の所まで引き寄せながら牌を表に返すと、卓の縁に牌を当て、手牌を倒した。

 

「ツモ」

 

 ドラ{八西西中} 裏ドラ{④七61}

 

 {[⑤]⑤⑦⑧} {裏②②裏} {裏白白裏} {裏①①裏}

 

 ツモ{⑨}

 

「リーチ・一発・ツモ・ホンイツ・三暗刻・三槓子・白・ドラ1」

 

 咲は役を読み上げると、一息ついてから点数を言う。

 

「6000・12000」

 

 

 

 

 

【終局】

 

 優希 「25200」-6000

 咲  「30100」+24000

 京太郎「10000」-6000

 和  「34700」-12000

 

 1位:和  +25

 2位:咲  +-0

 3位:優希 -5

 4位:京太郎-20

 

 

 

 

 

「終わりですね、私がトップです」

「いやー咲惜しかったな。あれだけのカンとリーチまでしたのに、赤ドラしかドラがなかったんだもんな。1つでもドラが乗れば、数え役満になって逆転トップだったのに」

「あはは……これをアガれただけでも運が良い方だよ」

「しっかし咲ちゃんは欲がないじぇ。あの手なら5筒じゃなくて7筒や8筒捨てれば、四暗刻単騎や四槓子も狙えたじょ」

「確率を考えれば両面待ちを選択するのが正解です。次、始めましょうか」

 

 

 京太郎達4人はこの後も半荘をするのであった。




展開考えるのと同じくらい、配牌やアガリを考えるのが大変だった。

キャラ紹介

・須賀京太郎(すが きょうたろう)

本作の主人公。

咲や照とは幼少期からの幼馴染で、よく宮永家の家族麻雀に招待されていた。
京太郎が参加することによって、咲と照が麻雀で喧嘩することが無くなり、
咲が家族麻雀で+-0をしないで本気で麻雀を楽しめるようにした。

本気で戦う咲と照の相手をしているうちに、危険牌の察知が可能となり、
振り込まないことに関しては、かなりの実力になっている。

ただし、牌効率が悪いので、テンパイすることがほとんどなく、
役は知っているが、アガったことは一度もない。

中学生時代はスポーツをしていて、全国出場チームのレギュラーだったが、
怪我によりスポーツを続けることが困難になり、スポーツ推薦を辞退して、咲と同じ清澄高校に通う。


・宮永咲(みやなが さき)

京太郎とは幼少期から幼馴染で、よく家族麻雀に招待をしていた。
姉の照と喧嘩になりそうなときに、京太郎が仲裁をしてくれたおかげで、姉妹仲は良好である。

照に勝つために本気で麻雀をしていた結果、強くなってしまった。

中学生時代は、照が東京に行ってしまったため、帰って来るお盆と正月以外は麻雀をやらなくなった。
主にやっていたことは読書と、スポーツをやっている京太郎の応援。

進学先を決めるとき、照に白糸台高校に誘われたが、麻雀のプロになる気はないので、
近くの清澄高校に通うようになる。

京太郎のことが好きである。


・宮永照(みやなが てる)

京太郎とは幼少期から幼馴染で、よく家族麻雀に招待をしていた。
妹の咲と喧嘩になりそうなときに、京太郎が仲裁をしてくれたおかげで、姉妹仲は良好である。

咲に勝つために本気で麻雀をしていた結果、強くなってしまった。

中学生時代はインターミドルに参加して、個人戦3連覇を達成。その後、
麻雀のプロを目指すために進学先を白糸台高校にしたので、
母親と一緒に東京で暮らし始める。

高校生時代はインターハイに参加して、団体戦・個人戦ともに2連覇を達成。
インターミドルと合わせて個人戦5連覇という偉業を成し遂げている。

記者会見では営業スマイルをして、目標と対戦相手への敬意を示したが、
「好きな人はいるか」などの質問をされたとき、営業スマイルから恋する乙女の顔に変わり、
まともに答えられなくなったが、なぜか記者の人たちからは好評だった。

ちなみにこの時に「元々住んでいた長野にいる幼馴染の男の子」と答えて記事に書かれ、
白糸台高校の麻雀部員にめちゃくちゃからかわれた。

お盆や正月に長野に帰っているので、
東京に戻ったときに「愛しの彼とはどうだった?」などと茶化してくる部員を麻雀でボコボコにする。

今更説明する必要はないが、京太郎のことが好きである。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。