「オレがお前に執着していることに気づかされたんだ。だから、オレはお前から離れなければならない!」
「嫌だ!先輩から自立なんてできないよ!」
「これからは会わない方がいいんだ!このままだと二人ともダメになってしまう!」
「そんなこと言わないでよ!ぼくは先輩から離れたくないんだよ!」
「オレもだ」
「だったら、どうして?」
「お前はオレに依存している。オレがいなければできない。それではダメだ!」
「先輩はぼくにどうしろって言うの?」
「お前はオレと距離を置くべきだ!そして、自立して生活するんだな」
「そんなのヤだ!」
「甘いことを言うな!それだと大人になれないぞ!」
「大人になれなくっていいもん。ずっと先輩といるもん!」
「ダメだ。お前はオレに依存しすぎている。オレとお前は共にいる時間が長すぎたようだな」
オレとアルルは知り合って気がつくと10年以上経過をしていた。魔導師以外の職業だと幼馴染と共に時間を過ごしていたら、大人になっていたということはよくあるみたいだが、一人行動が主の魔導師としては異常だった。
アルルは実技試験は得意のようだが、精神面が子供。これから社会に出ていくのは不適合だろう。
今までの日々を振り返るとニーズが一致していたのも問題だった。オレとアルルは正反対。あいつがオレを純粋に頼ってきて、オレがそれを返すことが年少時から続いていた。知り合った時はお互いに成長をして、そのうちに精神が熟すだろう。そう思っていたが、考えが甘かったのだ。
「ううう、先輩」
「まだ、16歳なんだから、今からでも間に合うだろう」
「いなくならないで!」
「おいおい、そういうことを言うんじゃない。そんなことだから自立できないんだぞ!」
「ぼくにどうしろと?」
「まずは今まで頼っていたことを振り返るんだ」
「?」
アルルの交流関係が狭いのと、友人関係がずっと変わらなかったのも問題だな。オレの他にラーラ、チカなど幼稚園の時から変わっていなかった。当たり前だと化をしていたのだろう。
オレはアルルを教育を見直すことを始めることにした。
今までダメなことはダメだと注意をしていたつもりだったが、それでも甘かったからな。これから厳しく指導をし、アルルを自立させるのが目的だ。
まるで家業の魔導幼稚園で園児たちとやっていることがあまり変わらないが、これも長い付き合いであるアルルの為。そしてオレ自身の為でもある。このまま、交流状態を続けてもお互いが成長できない。何よりアルルの成長を妨げるだけだ。
…。
……。
………。
そんな出来事から1年経過をした。
オレは魔導学校を卒業し、社会人になって一週間経過をした出来事だった。
「ねぇねぇ、カミュせんぱい。この草はなんて魔導アイテム?」
「これは犬顎菊だ。体力と魔導力をすべて回復をすることができるぞ」
「あまり美味しくなさそうだね」
「あくまでも回復アイテムだからな。味は気にしてはいけない」
「じゃあ、これは?」
「これはルビーだ。使うとファイヤーと同じ効果がある」
「ふぅ〜ん、戦闘用なんだね」
「アイテムを使いこなして、戦闘を有利にさせるのが実技試験の対策にもなるぞ」
「はーい!」
夢の中で年少になっていて、かつてアルルと会話をしたことが蘇った。もう10年も前の出来事だ。今、アルルとオレは会わなくなった。
指導を続けた結果。アルルは次第にオレに頼ることはなくなり、以前のように家に訪れることはなくなった。アルルが自立した結果、ニーズが合わなくなったのだろう。あれだけ距離感が近い生活をしていたのがまるで嘘のようだ。
頼られていた日。休日に突然に家にやってきて、2人分の食事を作ったことや勝手に回復アイテムをすべて使われたことが懐かしい。たまに作っていたお菓子も今となっては魔導幼稚園の園児以外に作らなくなっていた。これでよかったのだろう。今までの関係が不適切だったんだ。
だいたい、学年が離れているというのに、10年付き合いがあるなんて異常だった。それも、一度も疎遠になったわけじゃなくて、ずっと定期的に会っていた。
アルルも今頃は新しい環境になって、新しく知り合った者と健全な人間関係を築いていると思いたい。魔導師は基本的に一人行動でなんでも一人でこなさないといけない。
オレも新しい環境で始まったばかりだ。
二次創作を書けば書くほどに2人は疎遠になりました。そんな解釈になってしまう。なので、こんな話を。