アルルとカミュしか登場をしない小説第二弾。
ここは魔導学校の図書室。
ぼくは赤点を取ったことでまたもカミュ先輩と勉強会が開かれることになった。
とほほ、また赤点だよ。幼稚園の頃から筆記試験が苦手で落ちこぼれといってもいいほどに苦手。友達であるラーラちゃんとは対称的だった。カミュ先輩といい、どうしてぼくの周囲には成績優秀な人が集まるんだろうね?チカちゃんやちあきくんといった生徒の方が珍しく思ってくるよ。
カミュ先輩と勉強。ぼくが練習問題を解いて、カミュ先輩がそれを採点。
大人になるにつれてカミュ先輩は表情が貧しくなってきたと思うんだけど、知り合った時と変わらないように、中々辛辣に思われているんだろうね?ぼくはカミュ先輩を見返したい!そう思って。
「ぼく、カミュ先輩みたいに頭がよくなるもん!」
すると、先輩が採点をするのをパッタリと止め、ペンを机の上に置いた。
「ほぅ…オレのようにか。まずは入門編だな」
「!?」
今は放課後で生徒たちが読書をしていたり、ぼくたちのように勉強をしている。カミュ先輩は本棚から次々と本を取り出して、机の上に次々と魔導書が並べられる。入門編だけでこんなに!?
「お前はこれを続けることができるか、アルル?継続は大事だぞ」
「えへへ、無理」
ぼくは思わず、誤魔化した。
ぼくとカミュ先輩は明らかに勉強量が違うのだ。カミュ先輩は8歳の頃に開園以来の成績優秀だと言われていたけど、10年経過をした今でも頭がいい。
「まったく、アルルは天然ボケだな」
フッと言いそうな表情でぼくを見た。むぅ、ぼくは思わず言い返す。
「カミュ先輩も人によっては天然ボケと思うんじゃないかな?」
「…どこがだ?」
見覚えがないぞと言いそうだ。
「水の中で喋れないことを忘れていたことだよ」
水の中で喋ろうとして、ぼくの名前を言えなかったことを覚えているんだから!
「本当にオレが天然だったら、試験官が務まると思うか?」
想像をしてみた。
鳥を捕まる罠のように地面に落ちているぷよまんを拾う先輩。
ラーラちゃんが先輩の成績が優秀と自己紹介をしている先輩が「え、そうなのか?」と反応をしている姿。そして、なにより黒い魔物から守ってくれた先輩、深い眠りから目覚めるのを助けてくれた先輩はいなくなると気づく。
「先輩がぼくと同じような性格なら、誰もツッコミ役がいなくなっちゃうね」
先輩が天然ボケだったら、ラーラちゃんから追っかけられていたんかな?一瞬、そんなことを考えてしまった。それに助けてくれなさそうだよ。助けてくれようとしても、行動が支離滅裂になってそう。
「フッ、そうだろう?それに試験官がオレじゃなくなって会えなかったはずだ」
「試験中止だね…」
相変わらず、自信ありげな発言の仕方だね。
「…今更に何故にお前が幼稚園の卒園試験のことを言うんだ、アルル?」
「う〝」
話題が古すぎた!?顔色を変えずに言われるとちょっと辛い。
「まったく、アルルは天然ボケだな」
本日、二度目の同じ発言をされた!これじゃ、まるでお笑いのコントだよ。
すると、山積みになっていた魔導書をカミュ先輩は次々に戻しはじめた。
ぼくたちは知らずに図書館でとても目立つようなことをしていることに気づいた。
ちょっと視線が痛いな…。そんなことを思いながら、カミュ先輩を越えることはあるのかな?
相手が年上とはわかっているんだけど、こうもね。筆記試験じゃなくて実技試験だったら得意なんだけどね!先輩は作業が終わったらしい。
「それより勉強の続きをするぞ」
「はぁい」
「オレが教えているんだから、赤点を取るんじゃないぞ…勉強が終わったら、どこかで気休めに行こうな」
こうしてぼくと先輩の勉強会は再開した。今日は甘い物を食べたい気分だよ。
知り合って、10年経過をすると過去の話もすることがあると思って書いた創作です。
10年経過をしたカミュはクールになっているじゃないかと思っています。
ラーラが追っかけてくる場面以外は子供の時の地点で余裕のある心の持ち主でしたしね。
きっと魔導幼稚園の家業を続けているので、ずっと面倒見がいいまま。優しい人になっていると思いたい。
原作でアルルが幼稚園の時から「カミュせんぱい」と呼んでましたけど、幼稚園で先輩。友達みたく、関わる機会なんて魔導世界ではあるのか?