魔導学校〜アルルとその先輩の物語〜   作:由兎

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第四弾。アルルが主人公ですが、オマケにカミュが主人公の話があります。
アルルがカミュを誘ってぷよカードをしようとしていたら、別人!?そんな話です。


イリュージョン先輩とぷよカード

「遅刻、遅刻!」

 

ぼくは魔導学校に向かって、走り始める。

魔導学校に入学をしてから、ぼくは一人暮らしを始めたんだけど、想像以上に大変。今までお母さんとおばあちゃんが家事をしてくれたんだけど、一人暮らしだとそうにはいかない。

魔導学校を入学をする時に申請室で寮生活にするか、それとも学校支給の貸家で迷って、ぼくは貸家を選んだ。その結果がこれ。今から寮生活に変えられないかな?食事も満足にできないことが何度もあって、カミュ先輩の家に行ってご馳走になっていた。

そういえば、おばあちゃんから昔の漫画は女の子がパンを咥えながら、登校をしていたなんて言われたことがあったっけ。

学校まであと500メートルくらい。

そんなことを思っていたら、目の前にホウキに乗ったウィッチを見かけた。

「遅刻ですわ!」

何組かわからないけども、彼女も同じ1年生だった筈。そしたら、うろこさかなびとが話しかけてきた。

「あの、わたしとお友だちになりませんか?」

「えっと」

どうしてこんな時に。こういう時はどうやって断わればいいんだっけ?

「しくしく、ダメなのね」

「そんなこと!」

セリリと名乗るうろこさかなびとに捕まってしまった。彼女も同じ1年生らしい。それで友達ができなくて悩んでいるそうな。ちなみに別の組だ。おともだちカードなる謎の名刺をもらった。

そんなやりとりをしていて、ようやく学校に着いた。

「クックックッドゥ!」

小屋の中で学校で飼育されている魔物、コカトリスが鳴いた。

しまった!全校朝礼が終わってしまった!?

 

昼休み。

ぼくはカミュ先輩のいる3年B組に向かった。

今日はクツロギの町のぷよカードギルドのポイント3倍デーだ。色んな人と対戦をすればポイントが溜まって景品と交換できる。

「カミュ先輩、いますか?」

「いつもの後輩ちゃんね、待って」

カミュ先輩がやってきた。けど、いつもと髪型が違うし、黄色いバンダナをつけている。黒髪碧眼なのは間違いないんだけど。

「よう、アルル。デートの誘いか?」

「!?!?人違い?」

先輩なら、こんなことを言わない。

「お前、朝礼を聞いていなかったのか?3年は全員、イリュージョンの魔法訓練中だぜ?オレを含めて今、学校にいる3年は全員、イリュージョンさ」

「はうぅ、ぼくは遅刻をしたから知らなかったよ!」

じゃあ、さっき呼びに行ってくれた先輩もイリュージョンだったのね。

「ハハハハ!こりゃ、笑い話だ」

気に障る言い方だ。

「ていうか、なんでそんな性格なの?」

「あ?作ったのが生生じゃなくて、生徒だからだ。だから、完璧じゃねえ。オレは『あったかもしれない性格のカミュ』だ」

こんな先輩、嫌だ!なんか同級生と話している気分だよ。先輩は昔から大人びていたから余計にそう感じるのかもしれないけれど。

「むぅ、ぼく、放課後にカードゲームのギルドに行かないかって誘いにきただけだったのに」

「なんだ、それだったらオレでも付き合えるぜ」

どうしようかな…正直、カミュ先輩はカミュ先輩なんだけど、これじゃ知らない人だし。それに第一印象があまりよくない。沈黙をしていると。

「まっ、騙されたと思って付き合えよ」

誘ったのはぼくからなんだけれど。

「うん、わかった」

ぼくは渋々返事をした。

「なら、放課後だな」

ぼくは3年B組の教室を後にした。

 

心配だな…と思って放課後になった。とりあえず、また3年の教室だ。

「先輩!きたよ」

「よし!行くぜ」

「それと、オレのことはカミュでいい」

「え?」

幼稚園の頃からずっと「カミュせんぱい」と呼んでいたぼくには衝撃な一言だ。

「昼休みにも言ったが、オレはイリュージョンだしな」

「で、でも…あ、それなら「イリュージョン先輩」ってどう?」

「なんだそれは。…まあ別にいいけどな」

そんな話をしながら、ぼくはイリュージョン先輩とぷよカードギルドに着いた。

ギルドの中は人で溢れていた。並んでいる。買い物と同じでポイント3倍だと人が集まるんだね。

『最後尾はこちら』と書かれている看板をバニーガールの服装をしたウォーターエレメントが看板を持っていた。

「ここ、アヤシイ店か?オレにはそういった店にしか見えないんだが」

「違うよ!」

まるで開店前にパチンコ屋で並んでいるようなおじさんが並んでいる。確かに、女の子の行くような店じゃなさそう。店の人が出てきた。

「ちょっと、ちょっと!学生さんはこっちだよ!」

するとテーブルと椅子がいくつも用意をされている部屋に案内をされた。

おそらくは魔導学校の生徒かな?ぼくと同じような10代だと思われるコがぷよカードで対戦をしていた。中央のステージには大会をやっている。それを観戦をしている人が集まっている。

ぼくはイリュージョン先輩と空いている席に座った。

「先輩、先輩。さっそく、対戦しようよ!」

「カードってこれのことだよな?」

イリュージョン先輩は見たことがないカードを道具入れから出してきた。

「なにこれ?」

「魔導デュエル。魔導師をはじめとした有名人が書いてあるトレーディングカードだ。エネルギーカードであるぷよぷよを組んで…」

説明が終わる前にぼくはツッコミをした!

「これじゃないよ!」

「オレはカードゲームとしか聞いていなかったんだが?」

イリュージョン先輩と造り手であるカミュ先輩のすべてが認識が一致をしているというわけじゃないらしい。トレーニングカードて元々カミュ先輩の趣味なの?それとも、イリュージョン先輩の趣味なの?

ぼくはテーブルの下に置いてあるカードゲーム一式が揃っているカゴを取り出した。作りはシンプルで5色のぷよぷよが書かれているカードをテーブルの上に配置をした。カードを並べた横にカーバンクル。ゲージとHPが書かれている数字が並べた。

「ぷよカードってわかる?」

「これか。魔導デュエルより簡単だぜ」

ぼくはイリュージョン先輩と対戦を始めた。

 

…。

……。

………。

5回対戦をしたんだけど、か、勝てない。

 

「なんだその顔は?不服そうだな」

「どうして、勝たせてくれないの?」

「お前が弱っちいからだ!」

「酷い!」

カミュ先輩と対戦をするときは勝てたのに!

「イリュージョンに何を求めてるんだ?」

「え?」

「お前、イリュージョンで思いつくものを言ってみろ」

「魔物、試験、己を守る為の見せかけ」

「イリュージョンが人と同じように気を使えると思ったのが間違いだ」

はあ…ぼくは気持ちを入れ替える為に大会を観戦をする為に席を立った。なんでこう刺が刺さった言い方ばかりするんだろう。

すると若い男が寄ってきた。

「喧嘩別れか?嬢ちゃん、俺と対戦しようぜ」

距離が近い…!

「別れちゃいねーよ。これはオレのだ」

「ちっ」

イリュージョン先輩が立ち上がって、睨みつけるとと男は去っていった。

「ありがと」

「…オレだって、『カミュ』なんだからな!女一人守れなくて、どうする!」

気のせいか、照れたように見えた。意外な行動をするものだね。言い方が気になったけど。

ぷよカードギルドって日によっては女の子は居づらい空気になるんだね。言われてみれば、対戦者は基本的に男の子ばかりであとは店の雇われた人かも?

「若い女一人というのは危険なものだぜ?何か困ると造り手に相談をしているみたいだが、それは正解だ」

「そなの?」

カミュ先輩とは長い付き合いだから、頼みやすさもあって頼んでいて深く考えたことがなかった。

「大会の観戦をするなら、オレも行く」

キミと距離を置きたいから観戦をしに行こうかと思ったんだけど、離れそうにない。目的であるポイント3倍もイリュージョン先輩に負けてばかりなんて思っていたら、店の人が話しかけてきた。

「お嬢ちゃん、レディースカップに出場しない?女の子の出場者が少なくて足りていないのよ」

「行ってこいよ」

女の子だったら、大丈夫かな?言われるがままに中央のステージで出場者「アルル・ナジャ」を書き、出場することになった。観客が待っている。マイクを持った司会者がいる。

 

「捨て身の女勝負師、サキュバスVSアルル・ナジャ!!」

「よろしくね♡手加減しないわよ!」

ウォーターエレメントのバニーガールの次はボンテージ!?ムチを持っているし、カードゲームの対戦とは思わない服装だ。イリュージョン先輩からまたツッコミが入りそう。

後攻だ。サキュバスは持っているカードをすべて置き、捨て身の攻撃をしてきた!ぼくはあかぷよを置いて、次はみどりぷよ、2連鎖!全消し!

ケージが溜まり、カーバンクルシステムが発動!「ぐぐぅー!」。効果音のようにカーバンクルが鳴く。ボーナス攻撃だ!

カードはきいぷよ3枚。ぼくはきいぷよを置いて全消し!

ぷよぷよをカードにしただけでおじゃまぷよがない。その分、簡単なゲームだ。

何ターンかするとぼくはサキュバスに勝った!

「やったあ!」

それからジャーン、ドラコケンタウロス、スキュラ、キキーモラと対戦をして、あれ?ぼくが遅刻をする原因になったセリリだ…!

「今日で会うのは2回目ですね、アルルさん」

「キミもぷよカードで遊ぶの?」

「はい、お友だちが増えると思いまして」

「お次はぷよカードクイーンセリリVSアルル・ナジャ!!」

「…ごめんなさい、カーバンクルシステムを封じます」

 

…。

……。

………。

「アルルさん、また対戦してくださいね?」

後攻の上、ボーナス攻撃を封じられたぼくはボロボロに負けた。

控え目な性格とは裏腹にぷよカードがとても強いなんて意外だ。実はかなりやりこんでいるんじゃない?クイーンだもんね。

セリリはトロフィーを貰って、司会者からインタビューを受けていた。

 

「ご参加ありがとうございました。これは参加賞です」

ぼくは店の人から魔導デュエル、セリリのカードをもらった。ちなみに傷がつかないようにプラスチックの中に入っている。目的であるポイントも結構、溜まった!

ちょっと待って。魔導デュエルにカードになっているってことは有名人ってことだよね?なんでそんな有名なのにぼくに声をかけたんだろう?ちょっと疑問。

「…!!」

イリュージョン先輩が釣られるようにやってきた。

「欲しいの?」

「オレは大人だからいらねーよ…それにSRだしな」

今頃になって大人ぶられても。それに、さっきの反応と言っていることが違うよね?SRの意味がよくわからないけれど、反応からしてよくなさそう。

そんなやりとりをしていたら、もう18時は過ぎていた。ギルドの入口から見慣れた人物。黒髪碧眼、本物と言ってはなんだけど、カミュ先輩がやってきた。

 

「イリュージョン!!」

「造り手」

「担任から魔導学校で気配が消えたと連絡があってな。行きそうな場所を探して、来てみたんだが」

「先輩!」

「アルル!?」

同じ顔が2人いて、まるで双子のように見えた。イリュージョン先輩とは髪型が違うし、バンダナはつけていない。

「どうして、学校にいないんだ?」

「こいつが」

イリュージョン先輩はぼくの方を見る。

「アルルのせいにするんじゃない!!イリュージョン、お前はすぐに学校に戻るんだ」

「おうよ」

イリュージョン先輩の色がステンドガラスのような色をして、どんどん薄くなってくる。こう見ると、本当に幻影で彼は実体が存在しないことを実感した。

「テレポートが使えるなら、学校からぼくとギルドまで歩かなくてよかったんじゃ?」

「お前がオレと一緒にいることで、周囲の男が羨ましいだろうと思ったからだ」

カミュ先輩はイリュージョン先輩に対し、何か言いたげそうだった。イリュージョン先輩は消えていった。

「…アルル、もう暗い。家まで送っていくよ」

「うん」

今日は先輩の杖に乗って、空を飛んでいる。まるで魔女みたいだけど、ぼくたちは魔導師だ。やっぱり、先生に一度言って魔導学校の寮に変えてもらおうかな?

けど、寮生活をしはじめたら、カミュ先輩と話す機会も減っちゃうんだろうなどと思いながら、夜空を飛ぶのだった。

 

<オマケ>

授業で作ったイリュージョンを見て、オレは表情を崩しそうになった。作って1日目はまだよかったが、2日目になると町にいる女の子に声をかけ。ナンパと言われる行動。3日目はクラスメイトの中で流行っている魔導デュエルなるカードゲームを大量に買い、「やったぜ!勝った!!」などガッツボーズ。いくら不完全とはいえ、同じ顔をした男がこのような発言や行動をしていると。

「先生、この性格どうにかなりませんか?」

「カミュくん、これはあくまでも実験みたいなものだから、中身は気にしなくてもいいですよ」

「そうですか…」

もっとも、クラスメイトが作ったイリュージョンたちはみんなこうだったが。人によっては造り手と髪の色が異なる、背丈が異なる、年齢が異なるなど造り手と何かしら違いというものがあって、完全なものではなかった。

イリュージョンが暴走をしたときように消去の呪文なるものも教えられていて、担任によって消すことも可能だ。犯罪に使われるのを防止する為だ。

だが、イリュージョンは実体がない。何故に異性と仲良くしたがるんだ?10代の男なんてこんなものかもしれないが、オレは恋愛よりか家業のこと、勉強のこと。そっちの方が興味があったからだ。のちにオレは家業を継ぐことになる。年少から手伝いをやっていたが、悪くはない。けど、家業を継ぐ前に別のキャリアを積んでみるのもありだ。やることはたくさんある。

 




あとがき
イリュージョン先輩の元ネタはGG魔導1です。原作自体がタイトルによって、キャラクターの性格・設定自体が異なるので、誰?になってしまうのが魔導物語やぷよぷよ。
GG版のカミュは気障なヤツだった!という思いを込めて描写しました。
ちなみに魔導デュエルは企画段階はあったものの、世の中には実際にありません。
ぷよぷよ対戦会にレディースカップがあるので、ぷよカードもそれで行こう!となりました。
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