IS シュヴァルツェ・ハーゼはかく語りき 作:薄影 (黒ウサギ党)
第4話 来たぞIS学園!
どうもレオン・ブリューゲルです。俺が今どこにいるかと言うと教員用更衣室です。
持ってきたバックから事前に送られてきたIS学園の制服に袖を通した。
IS学園の制服は白を基本としており赤いラインが所々に施されており意外とシンプルな作りをしている。そしてこの制服の良い所は事前に申請すれば改造が可能という点だ。それ故にIS学園に通う生徒の大半は自分で改造案を企業に提出しその制服を来て通うようだ。
かくいう俺も事前に改造案を提出していたので少し楽しみだった。
「せっかくのIS学園楽しんだってバチは当たらないだろ」
俺の制服は腕まくりできるように袖の部分を大きくしており肩までまくることができる仕様になっている。実の所隊にいた時から制服をちゃんと着たのは記者会見や軍のお偉いさんに会うとき位で基本腕を巻くっている。
そして着替え終わって更衣室から出ると山田真耶と織斑千冬がそこにいた。
「サイズとか大丈夫だったでしょうか?」
「ええ大丈夫です」
「それは良かったです!」
「さて書類に不備は見つからなかった。これからクラスに行くことになる。そして私と山田先生がこれからお前の担任になる。くれぐれも私のことを教官などと言ってくれるなよ」
「は、はい! 了解しました!」
千冬はレオンをその鋭い目線で一瞥した。
「で、では向かいましょうか」
山田先生の言葉を皮切れに俺たち3人は部屋をあとにした。
「ねぇ聞いた? 今日転入生が来るんだって!」
「あぁこの間ニュースでやってたドイツの?」
「あ〜あれね。えっと名前なんて言ったけ」
「レオン・ブリューゲルだよ。あの
今IS学園1年1組では女子達が大騒ぎしていた。それもそのはず今日来る転入生は世界で2人目の男性操縦者なのだから。
「ドイツってことは……ボーデヴィッヒさん何か知らないの?」
「うむ私も会ったことがないからなんとも言えないが4月後半に我が黒ウサギ隊《シュヴァルツェ・ハーゼ》に入ってきたと副官から聞いたくらいだな」
1人の女生徒が銀髪眼帯少女ことラウラ・ボーデヴィッヒに聞いたがラウラもよく知らないと答えた。
「ラウラの部隊の人間なのか」
「なんで1組ばっかり転入生増えるのかしら」
IS業界初の男性操縦者である織斑一夏がラウラの答えに対して反応するとその横にいた肩を出した改造制服を来たツインテ少女が不貞腐れていた。
彼女の名は
「やっぱり一夏がいるからじゃないかな?」
「やはりそうではないかと」
そう答えるのはフランス代表候補生のシャルロット・デュノアとイギリス代表候補生のセシリア・オルコットだった。
織斑一夏の周りは各代表候補生で固められていた。
「はぁ私も1組が良かったなぁ」
「ほう、なら今からでもクラス替えでもするか?」
「ヒッ!」
後ろから鈴がこの世で最も恐れている数少ない人物の声が聞こえて鈴の体が震えた。
「お、織斑……先生」
「どうした凰? 私の生徒になりたいんだろ?」
「い、いえ私2組でも充分ですので……アハハ!」
「ならさっさと自分のクラスに戻ったらどうだ? もうとっくに予鈴は鳴り終わってるぞ」
「は、はいぃぃぃぃ!!」
鈴は逃げるように1組を後にして行った。
「ふぅお前たちも」
そう千冬が言いながら席の方に目をやると先程まで騒いでいた生徒たちが全員席に着席していた。
「よろしい。では山田先生お願いします」
「あっはい」
千冬は横にズレると教壇に上がったのは山田先生。
「えー皆さんもう薄々気づいていると思いますが今日はこのクラスに転入生が来ます!」
「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!」
「来たわ、私達春が来たのよ!」
「Harry! Harry!」
ドアの前で待機してるんだが何だこの騒ぎは……
「うるさい! 黙れ小娘ども!」
シーン
千冬が一括すると騒ぎが止み静寂に包まれた。
軍隊かよ……
「山田先生続きを」
「は、はい。それでは入ってきてくださーい」
えっ!? この空気の中入れと? 無理言うなよ軍隊の歓迎ムードでもここまで静寂じゃないぞ!?
恐る恐る扉を開けると案の定女子達がこちらに視線を一斉に向けてきた。
そして俺は集中される視線の中教壇にいる山田先生の横に立った。
「ではブリューゲル君、自己紹介をお願いします」
「はい!」
自己紹介かぁ何話そうか結局決めずに来てしまったな。あれか入隊した時と同じ内容でいいか。
俺は背筋を伸ばして大きく深呼吸をした。
「はじめまして俺はレオン・ブリューゲルと言います。身長は180cm、体重は72kg、階級は最近中尉に上がりました。趣味はアニメ・漫画・ゲームといったサブカルチャー、所属部隊は
うん! 至って普通! シンプルイズベスト! それが良い!
さてクラスの反応はというと所々で拍手があり、まずまずの結果と言ったところだろう。とりあえず山田先生に促されて席に着いた。最後列か。
席に向かう途中で後列の席を見ると見覚えのある眼帯を付けた銀髪の少女が見えた。
あれは確か。
俺は席に着き横を見ると少女はこちらを鋭い眼差しで見てきていた。
あぁこれは俺から挨拶した方がいいよな流石に。そう思い俺は小声で喋りかけた。
「は、初めましてラウラ・ボーデヴィッヒ少佐ですよね」
「あぁ話はクラリッサから聞いているブリューゲル中尉、ネーナ達が世話になったそうだな」
うわぁ……怒ってるよなこれ冷静な口調に聞こえるが内から怒りが込められているよなこれ。
ちくしょう可愛い顔して怖いなこの隊長。
「それでは授業を始める」
後で織斑一夏にも挨拶しておかないとな
そして授業と授業の間の10分休憩の時にでも挨拶しようかと思って席を立ったその時1組の扉から学年問わず各クラスの女子がなだれ込んできて質問攻めの嵐で休憩時間終了……
結局放課後にも女子達の猛攻は止まらず見かねた織斑先生によって何を逃れた俺は織斑先生から手渡されたメモに書いてあった学生寮の部屋番号に向かった。
「えーと1025号室……ここか」
俺はメモに書いてある番号と部屋番号を見比べてからドアをノックした。
コンコン
「開いてるぞ」
中から返事があると俺は部屋の扉を開けて中に入って奥に向かう。
「よっ!」
「あっ織斑一夏」
部屋の同居人はファーストマンこと織斑一夏その人だった。ま、当然と言えば当然なのだが……これで女子と相部屋なんてなったら俺の身がもたない。
「色々あって自己紹介が遅れたな改めてレオン・ブリューゲルだ呼び方はレオンで良い。これからよろしくな」
「あぁ! こっちこそよろしくな。織斑一夏だ俺の事も名前で構わない」
俺と一夏はお互いに自己紹介をして握手を交わし。
「んで一夏はどっちのベット使ってるんだ?」
「俺は前の方を使ってるぞ」
「じゃあ奥の方使わせてもらうな」
俺は先に届いていた荷物を持ち奥にある窓際のベットに向かって歩き荷解きを初めて。
まずは私服を出し近くのクローゼットに掛ける。次に部屋着を取り出してベットの上に放る。そしてバック類を部屋の隅に置き着替え始めた。
俺の部屋着は上下黒で上はタンクトップ下はジャージであり俺はそれに着替えた。
「なぁ一夏?」
「ん? どうした?」
「今日隊長……ボーデヴィッヒさんっていつもあんな感じなのか? めっちゃ機嫌が悪い気がして」
「そうなのか? いつもと変わらないと思うけどな?」
俺は朝の挨拶の時に睨まれたことを思い出して一夏に質問してみたが変わりないとの返答が帰ってきた。
うーんあの目つきは相当な物だぞ。
「これからどうする?」
「これから?」
「もう時間も時間だし食堂に飯食いに行こうぜ!」
時計を見ると午後6時頃だった。
「もうそんな時間だったのか」
「学園を案内するついでに行こうぜ!」
「そうだな。よろしく頼むよ」
そうして俺と一夏は部屋を出て食堂へと向かった。
IS学園の食堂には多彩なメニューがある。ありとあらゆる国の食があり生徒たちは自分の食べたい物を食べることが出来る。
「おぉ! ここが」
「凄いだろ! 俺も最初に来た時は驚いたよ」
「ここまで広い食堂は見た事がない」
「さぁ券買って並ぼうぜ」
俺たちは券売機で券を買いカウンターに並ぶ列に並んだ。
ちなみに俺が選んだのはブラートカートッフェルン(日本ではジャーマンポテトと呼ばれる)とシュニッチェルを注文した。一夏はサバの味噌煮定食を注文した。
俺たちが列に並んでいると何処からか視線を感じたので周りを見てみると先に料理を頼んで席に着いてる女子たちがこっちチラチラ見てきていた。
「見てよブリューゲル君のあの二の腕」
「えっ!? すごぉい!」
「ムフフ……夏のネタに使えそうだわ」
「織斑くんみたいに細マッチョも良いけどブリューゲル君みたいなゴリゴリな筋肉も良いね(ジュルリ)」
なんか聞いちゃいけないワードが聞こえたような気がしたが聞かなかったことにしよう。というかそんなに珍しいものなのか一夏で見慣れてると思うんだがな?
そんなこんなでカウンターに着くと食堂のおばちゃんが注文した料理を持ってきてくれた。
「あいよしっかり食べな」
「ありがとうおばちゃん」
「おー美味そうだ」
俺たちは料理のトレイを持って開いてる奥の席に座った。
「それじゃ」
「「いただきます!!」」
俺たちは手を合わせて料理を食べ始めた。
「うーんまさか日本でドイツ料理が食えるとは思わなかったな」
「他にも中華やイタリアンなんかもあるぞ」
「ほぉそれは退屈せずに済みそうだな」
「てかその料理美味そうだな。なんて名前の料理なんだ?」
「あぁこれはシュニッチェルって言ってドイツ風のカツレツだな色んな肉を使って作れる一般的な家庭料理さ。ただ日本のカツと違って衣が細かいんだよ俺の大好きな料理さ」
「へぇー美味そうだな」
「1切れやろうか?」
「良いのか! じゃあ俺のやつも少し摘んでいいぞ」
そして俺は一夏の皿にシュニッチェルを1切れ乗せて一夏の皿からサバをフォークで一刺しして口に頬張った。
「うん美味い! サバの身がホロホロと口の中で崩れて良い味してるぜ」
「こっちも美味しいな! 確かに普通の衣より細かくて噛みやすいな」
そんな料理の感想を言い合いながら黙々と食べているとここに近づく集団が見えた。
「一夏!」
「ん? おぉみんな」
「僕たちも同席していい?」
「おう構わないぜ良いだろレオン?」
「あぁ構わないよ」
来たのは篠ノ之箒、セシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、そしてラウラ・ボーデヴィッヒの6人だった。
うっわ隊長までいるのか気まずいなぁ……
俺は自分のいた席をズレると女子ズが座ってきた。
「そういえばレオンはみんなのことまだ知らなかったよな?」
「あぁそうだな。何となく代表候補生の事は情報としてならあるが改めて紹介してくれるとありがたい」
「では私からですわね」
セシリア・オルコット。イギリス代表候補生でイギリスの名門オルコット家の現当主。使用しているISはブルー・ティアーズ。イギリスの第3世代ISで新技術であるBT兵器を試験的に搭載しており学園にはその実働データを取るために来ているという。
「次は私の番ね!」
凰鈴音。中国代表候補生で一夏とは小学校5年から中学2年までの幼なじみなのだそうだ。一夏が言うにはセカンド? 幼なじみなんだと。元々は中国の軍部にいてIS学園に一夏が来たことによって軍部を半ば脅して入学してきたらしい。使用しているISは
「次は僕の番だね」
シャルロット・デュノア。フランス代表候補生で一夏の前の同居人。フランスにあるIS産業第3位の企業デュノア社の娘。使用しているISはラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ。フランスの第2世代ISであり普通のラファールとは違い拡張領域を大幅に増やしたカスタム機で色んな武装を入れ替えて戦う『ラピッド・スイッチ』を得意としている。
「私は必要ないと思うが一夏の頼みとあらば」
ラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツ代表候補生にして俺が現在所属している黒ウサギ隊の隊長。階級は少佐。一夏曰く初対面で平手打ちを喰らったらしい。使用しているISはシュヴァルツェア・レーゲン。ドイツの第3世代ISで最新鋭の装備としてAIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を装備しており対象物の空間に慣性を停止させる領域を展開させることで身動きを封じることが出来る。
「最後は私だな」
篠ノ之箒。彼女は代表候補生ではないが、あのISの生みの親である天才篠ノ之束の妹で一夏のファースト幼なじみ。なんでも剣道が強く全国大会で優勝する腕前だとか。
「みんな自己紹介ありがとうございます、改めてレオン・ブリューゲルです今後もよろしくお願いします」
俺はみんなに対して深々とお辞儀をした。
そして思ったんだがもしかして俺はお邪魔虫のようだと。おそらくだがこの5人一夏に対して恋心を宿してるな……てか隊長アンタもかよ! クラリッサさんは知っているのだろうか?
「私は2組だったからよく知らないんだけどアンタってラウラと親族だったりするの?」
「えっ? なんでそう思うんですか凰さん?」
「いやだってアンタ男の割に髪長いし銀髪だしパッと見後ろ姿ラウラかと思ったくらいだもん後敬語は要らないわよ同い歳なんだから」
「あ〜確かにそう言われれば似てるよね!」
「そんなに似てるものかな?」
確かに俺は銀髪で長髪だし最初に隊長を見た時はこんな偶然あるもんなんだなって思ったが他人の空似なんじゃないか?
「鈴、私には家族と呼べるものは居ない。だから親族も居ないしせめて家族と呼べるとしたら黒ウサギ隊の隊員達だけだ」
おっ! それは俺も家族として見てくれているということか?
「だが貴様は別だ」
ですよねー知ってました。
てかここまで嫌われると泣けるぜ
「ラウラそんなこと言っちゃ駄目だよ」
「流石に私でもそこまで言ってしまうと可哀想になってきますわ」
「いやしかし」
くぅーオルコットさんデュノアさんアンタらなんて優しいんだ! 天使いや女神だよ!
「ラウラ流石に言い過ぎだぞ」
「なっ!? 一夏まで」
「なんか最初に俺と会った時みたいになってるぞ」
「そ、そんなことは……」
一夏に言われたことに驚いたのかラウラは明らかに動揺しているようだ。
「もしあれなら俺は別の席で食べるよ」
「あっ……」
そう言って俺はトレイを持って一夏達の席から離れた。
「はぁどこで食べるかな?」
トレイを持ってウロウロしているがそこかしこに女子のグループが居てなかなか座れる場所が見つからなくキョロキョロしていた時に声をかけられた。
「あっ! ブリューゲル君だ!」
「やっほー」
「何してるの?」
声の方を向くとそこには同じ1組の相川清香さんと鷹月静寐さんと布仏本音さんがいた。
「あれ〜レオちんさっきまでおりむ〜と一緒じゃなかった〜?」
「レオちんって……俺の事?」
「そうだよ〜」
気の抜けたような声で布仏さんから変なあだ名をつけられてしまった。
「それで? ブリューゲル君は何故1人でいるの?」
「あ〜なんかあっちの席に居ずらくって……」
相川さんに問われて俺は目線を一夏達のいる席に目線を向けた。
「あ〜なるほどね」
「良かったら私たちと一緒に食べない?」
「良いのかい?」
「もちのろん!」
「それじゃあお言葉に甘えて」
俺は3人に促されて布仏さんの横に座った。
「おぉ! レオちんの腕ムキムキだぁ」
「触っていい!?」
「別にいいけど」
俺は右腕を3人の前に出すと勢いよく俺の腕を掴んで揉み始めた。
「おぉ!」
「これが男子の筋肉……」
「うへぇ硬〜い」
3人はそれぞれ感想を率直に言いながら俺の腕を触っている。
「そろそろ良いかな?」
「あぁごめんね!」
「初めて触ったけど男の子って感じだね」
俺の腕を離した3人は自分の食事を食べ始めた。
さて俺も続きを食べるか。
相川さんの食事は鮭定食、鷹月さんはエビフライ定食を食べていて隣の布仏さんはというと。
「布仏さん何してるの?」
「ん〜これはね〜お茶漬けだよ〜」
布仏さんのトレイに乗っているお茶碗には米の上に鮭の切り身が豪快に乗っており、そこにふりかけもかけられていた。
「えへへ、レオちんはお茶漬けは番茶派? 緑茶派? 思い切って紅茶派? 私はね〜烏龍茶派〜」
なんということでしょう。そこにあった急須から注いだのは烏龍茶だった。そして持っていた箸でぐりぐりとかき混ぜ始めその中を覗いたがまさに
「なんとこれに〜」
「……これに?」
な、何する気だ?
「卵を入れま〜す」
なん.だと……
かぱっ。
うわっ、本当に入れたぞ!?
「ぐりぐりぐ〜り〜」
粘り気を増した混沌をさらにかき混ぜて、布仏さんは幸せそうな顔を緩ませていた。
「食べま〜す。じゅるじゅるじゅる……」
「Oh mein Gott……(なんてことだ)」
豪快な音と共に混沌茶漬けを口の中に流し込む布仏さんを俺と相川鷹月コンビは見つめていた。
「ぷはっ! 美味い!」
「それは何より」
少し食欲がなくなりかけたがとりあえず自分の食事に手をつけて口に運んだ。
「そういえば朝から気になってたんだけどボーデヴィッヒさんと何かあったの?」
「私も気になってた、確か同じ部隊にいるんだよね?」
「あ〜あんまり言いふらさないって約束してくれるかい?」
「「もちろん!」」
うーん女性の口約束は信じれないんだが……言わないと解放してもらえない気がするな。
「ここに来る前に専用機で隊員との模擬戦を行ったんだが、まぁそのボコボコにしちまったんだよね」
「えっでもそれって仕方ないことなんじゃ……」
「普通の人ならそう考えるよな……だけど軍隊では隊員は家族同然だからね。もし家族が傷つけられたらどう思う?」
「それは……」
「許せないよね〜」
「そう、だからボーデヴィッヒさんの思うことは多少なりとも理解出来るよ」
軍隊とは家族、家族とは軍隊。そう士官学校で習ってきた、だから少佐の思ってることは理解しているし俺が許せないという気持ちもわかる。
「な、なんかごめんね」
「いや大丈夫こっちこそごめんね辛気臭くなって」
そこからはほぼ沈黙状態。幸いなのは隣で混沌茶漬けを食してる布仏さんのお陰でシラケることは無かった。
そして食事を終えてトレイを片付け3人で食堂を後にしそれぞれの部屋に帰った。
「はぁ疲れた」
俺は部屋に戻りベットに身を預けた。
飯食いに行ったのに疲れて帰ってくるってどうなの?
ガチャッ
「ただいま〜」
「ん? 一夏おかえり」
ドアが開き食堂から一夏が戻ってきた。俺はベットから起き上がり一夏を出迎えた。
「あっレオンなんか悪かったな。まさかラウラがあんな風に言うなんて」
「いやいいってそこまで気にしてないから」
嘘ですちょっとは心にきてます。
「ま、一夏が気にすることじゃないさ」
「いやでも……」
「これは俺とボーデヴィッヒさんとの問題だからな」
「そうか……レオンがそういうんなら」
「悪いな」
一夏は少し悲しげな表情を浮かべていた。
やべぇなんか話題を変えないと。
「そ、そういえばここ男子トイレって教員用を使うんだな」
「あぁそうなんだよ。ほらIS学園って女子高だったからレオンが来るまで俺だけだったからな教員用トイレで事足りてたんだよ」
「なるほどね」
「あっそうだ! レオンは風呂ってシャワーだけでも大丈夫か?」
「ん? 別に大丈夫だが」
「そっか良かった! ここ一応大浴場があるんだが男子は滅多に使えなくてな」
「ほーう一夏はその大浴場に入ったことあるのか?」
「えっ!? ま、まぁ1回だけな」
ん? なんだ今の反応? 何か大浴場であったのか?
「とりあえずもう寝ようぜ」
「そうだな。じゃあおやすみ」
「おうおやすみ」
そして俺のIS学園の1日目が終わった。
夢を見た。
そこは燃え盛る大地だった。
「熱いな」
どこに行くあてもなく俺はただ辺りが炎で包まれた道を歩いていた。
「しかしどこまであるんだ?」
歩き続けると開けた場所に出た。まるでその場所を炎が避けるようにその場所に炎は無かった。
そしてその中央に人影がいた。その人物は黒いローブを来ていてフードで顔は見えなかった。
「誰だお前」
その人物に話しかけてみた。
その人物はこちらに振り向いてきた。
『お前はまだこの場所に居てはならない』
「どういう意味だ?」
『この場所はお前には速すぎる』
その人物はそう答える。声はまるで変声機を使っているかのように男か女か分からなかった。
『お前は私を誰だと言ったな』
「あぁ」
『ならば逆に問う』
その人物の顔は見えなかったが目元だけがはっきり見えた。炎の様な赤い瞳だけど白目の部分が黒色で覆われていた。
『お前は何者だ』
「はっ!」
そこで俺は夢から覚めベットから飛び起きた。
「はぁはぁはぁ」
ちくしょうなんて夢だ。アイツは一体誰なんだ? 今何時だ?
俺はスマホを起動させ時間を見る。
朝の5時か習慣は抜けないなやっぱり。
「仕方ないランニングにでも行くか」
ガキの頃から早起きしてランニングに行くのが俺の日課だった。士官学校の時もそれを習慣にしていたし基地に配属になってからもそれを続けていた。今ではアラームをかけなくても起きれるくらいになっていた。
そして俺は部屋着からランニング用の服に着替えて同居人である一夏を起こさないように部屋を出ていった。
レオンがランニングに出て行ってから数分後、部屋の前にある人物が来ていた。
ラウラ・ボーデヴィッヒ何故か彼女は周りを気にしながらドアの前でしゃがみこんだ。そしてズボンのポケットから細い金属の棒を取り出し鍵穴に差し込みいじり始めた。
ピッキングである。
軍人である彼女にとってこんなもの朝飯前といった感じで鍵を開け中に侵入した。
「フフフ一夏へのサプライズとして起きたら夫が横に居たらさぞ喜ぶだろ」
そんな思いを口しあろうことか服を脱ぎ始め一夏が寝ているベットに潜り込んだ。
そんな中一夏は侵入されていることに気づかず寝息を立てて熟睡していた。
ランニングを終えて部屋に戻ろうとした時廊下である人物に遭遇した。
「あっ」
「あっ」
「えっと確か篠ノ之さんだっけ」
「あぁブリューゲルだったな」
廊下であったのは篠ノ之箒。彼女の格好は道着であった。
「えっとその格好は?」
「あぁ一夏を朝練に誘おうと思ってな私は剣道部に所属しているんだ」
「なるほど、そういえば剣道の大会で優勝したんだって」
「な、何故それを!?」
「あ〜いや俺日本が好きで日本の国技とか調べてたら剣道の大会で篠ノ之さんの名前を見かけたことがあったから」
「そ、そうなのか、ありがとう」
「これから一夏の所に行くんだろ? 一緒に行こう」
「あぁそうしよう」
そして俺と篠ノ之さんは一緒に部屋に向かって歩き出した。
部屋の前に着くと何やら中が騒がしかった。
「ん?」
「どうした?」
「しっ!」
俺はドアノブを少し下げ引っ張ってみたら開いた。おかしい鍵はかけて出ていったはず誰か侵入者か!
俺はスボンの裾を上げて小さい拳銃を取り出した。
「なっ!? そんなものを持っていたのか」
「誰か中にいる」
「何!? 侵入者か!」
「わからないが突入する篠ノ之さんなにか武器は?」
「竹刀なら」
そういう篠ノ之さんは持っていた袋から1本の竹刀を取り出した。
「ならOK! 3で突入する」
「わかった」
そしてドアノブに手をかけて秒読みをする。
「3、2、1」
思いっきりドアを引き銃を構え部屋に突入したがそこに見えた光景に俺は唖然とした。
「なっ……」
「どうしたブリューゲル何があった」
俺の後に続いていた篠ノ之さんが入ってきた。
「なっ!?」
そこには裸のラウラと何故か関節をキメられていた一夏がいた。
「なんだ私と嫁の営みの邪魔をするな」
「なっ!? 一夏!」
「誤解だ!」
何が起きてんだこれ……なんで少佐は裸で一夏にアームロックキメてるんだ? やばい思考が追いつかない。
俺が思考をめぐらせている横で篠ノ之さんの体がぷるぷると揺れ始めていた。
「不埒千万……覚悟!」
「うわあああ!」
バシッ
「なに!?」
俺は篠ノ之さんが振り上げた竹刀を掴んでいた。
「は、離せブリューゲル!」
「ちょっと落ちつきましょう」
そして俺は竹刀を取り上げると少佐の元へ歩いって行った。
俺の脳内コンピュータが弾き出した答えはこれだ。
「なんだ中尉私の邪魔でもする気か?」
「少佐失礼!」
「ぐはっ」
俺は少佐の首元に水平チョップをキメた。見事に命中させ少佐を気絶させた。
そして俺は裸の少佐を自分のベットの掛け布団に寝転がすとそのまま服ごと包みバックから紐を取りだし結んだ。
「篠ノ之さん」
「は、はい!」
「ボーデヴィッヒさんの部屋は何号室かな?」
「1306号室です」
「ありがとう」
俺は包み布団を持ち上げそのまま部屋を後にした。
「な、なんだったんだ」
「さ、さぁ。しかしあの笑顔はすごく怖かった」
「あ、あぁ顔は笑ってるのに内心は笑ってなかったよなあれ」
「ひとまず一夏」
「お、おう」
「剣道の朝練に付き合ってくれ」
「わかった」
そうして2人は一夏の着替えの後に剣道場へと向かった。
その後ラウラと同室のシャルロット曰く朝食を食べに行こうと部屋のドアを開けたらぐるぐるに巻かれた布団がそこにあって開けたらラウラが気絶していたという謎現象があったという。
その後教室では俺と少佐の溝が大きく深まっていた。
「貴様が邪魔をしなければ」
そんなに大事な事だったか……いや待てこの人一夏の事を嫁って言ってたよな……まさか……
俺はスマホを取り出してある人物にメッセージを送った。
案外返信はすぐ帰ってきた。
『大尉質問があります』
『なんだ?』
『先刻ボーデヴィッヒ隊長が織斑一夏に対して嫁と呼んでいたのですがもしかして大尉なんか余計なこと言いましたか?』
『余計とは失礼な私は隊長からのご相談を受けて「日本では好きな物に対して嫁と読んでいる」と答えただけだ』
『oh.大尉それは我々オタク界隈でしか使わないワードですよ』
『ハッ!! そうだった……私はなんと言うことをしてしまったんだ』
『だから前から言ってたじゃないですかオタク知識はオタク仲間内だけで使いましょうって』
『……レオンこの誤解をどうにか修正してくれ!』
『what's? 無理ですよ俺隊長にめっちゃ嫌われているんですから』
『なぜだ?』
『大尉。俺の事なんて伝えたんですか?』
『いや普通になかなか強い新人が入ってきたとだけ』
『それだけじゃあそこまで怖い顔しないですよ』
『…………あっ!』
『なんですか!?』
『いやー稼働テスト時の模擬戦のことを話したら凄く不機嫌になっていたな』
やっぱりそれかぁ……
『すまないレオン。私の方から隊長に誤解だったと伝える』
『了解です』
そして俺はスマホの電源を切って机に突っ伏した。
これからどうなるだよ。ドイツに帰りたい。