【急募】TS美少女が呪術界で生き残る方法   作:うぇいうぇい

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一万回も殴れば黒閃出るんじゃね……?(恐怖)


指切りげんまん(確殺)

 

 

『悟くーん、遊びましょー』

『遊ぶかバーカ』

 

 もう二年くらいメールの遣り取りを続けてるのに、ずっとこんな感じの文頭から始まる。

 直哉は段々ツンが抜けてく過程が面白かったけど、これはこれで安心感がある。

 

 その後は内容は至って普通で、やれ世間ではエ○ァン○リオンの映画が流行ってるとか、名探偵コ○ンが面白いとか、せが○三四郎ってよくよく考えるとやってる事ドギツいよなとか、そんなような話に終始したている。

 

 だが、悟は最近デ○モンにドハマリしているという。

 セ○ゲーよりもバ○ダイか。まぁ子供だもんな。また羂索でも誘ってガーヒーやろっかなぁ……

 

 さて、スーパーズルのルートは何だったかとゲー○ガを片手に攻略情報を読み漁ろうとしていると、携帯がメールの着信を告げる。

 

 今度は誰だと思えば、さっき返信をくれたばかりの悟からだった。

 

『父さんが死んだ』

 

 ……嘘でしょ?

 

 

 ○ ✕ △ □

 

 

 五条家当主の訃報は、その日の内に我が家にも伝わった。

 

 特級呪霊だったらしい。

 当主と、他数名の犠牲を出しながらも祓ったそうだ。

 

 当主は六眼無しに無下限を操る異端児として、昔から有名だったという。

 

「アイツがあっさりくたばるとはな」

「……昨今は反転術式の使い手も居ない。あれだけの重傷を負えば、無理もないだろう」

「俺はそうは思わんな。奴に生への執着も、未練も無かったせいだ。後継なんぞ居なければ、地を這ってでも戻ってきたはずだ」

「……それはお前にも言えるだろう、直毘人」

「俺にはまだ録画したアニメがある。全部見るまでは死にきれんわ」

 

 大人達の会話を傍目に、隣に座る悟を見る。

 

 喪服に身を包み、ボーッと座っている。

 

 いかに天才といっても、その心はまだ子供。親が亡くなれば、相応にショックを受けるだろう。

 

「悟くん」

「……何」

 

 あー、これは重症だな。

 私の言う事素直に聞いてやがる。反抗の言葉一つ出てこないとは。

 

「……貴方のお母様はご存命ですか」

「……とっくに死んだ」

「……そう、でしたか」

 

 両親も居ないと来たか。

 悪い事を、聞いてしまった。

 

「……私も、生まれた時からお母様は居ません。私を産んで、数日後に亡くなったそうです」

 

 お母様を実際に見たことはない。

 写真で見る限りは、クール美人さんだった。

 

 意識がハッキリとしてきた頃には、乳母が私の世話をしていたから、どんな人だったかも、よく分からなかった。

 

 お父様も、お母様の話をした事は一度も無かったから、多分そんなに好きじゃなかったのだろう。

 

 所謂、家の事情の結婚なのだから、本人達のウマが合わなければどうしようもない。

 

「でも、父さんがいてくれたから、俺は……」

 

 そんな家だったから、父が唯一の拠り所だったのだろう。

 

「……俺がもっと強かったら、父さんは死ななかった。俺が相手すれば終わるのに、弱い父さんが引っ張り出されて、殺された。俺じゃ、弱いって……」

 

 間違いなく、そんな事は無いだろう。

 如何に非情な御三家といえど、有望な子息を死地へ送り出すような真似はしない。

 

 いくら五条悟が強いとはいえ、未知数の特級呪霊が相手では話にならない。

 

「俺が、最強じゃなかったからだ……」

「そうですね。悟くんは最強なんかじゃないです」

 

 とはいえ、大人らしい説得をするつもりは更々なかった。

 そんなの悟が聞くとは思えない。

 

 だから、同年代らしく、焚きつける事にした。

 

「っ……オマエが、それを言うのかよっ」

「お父さんを助けられなかったのは、悟くんが弱かったからですよ」

 

 そうだそうだ。存分に悔しがるといい。

 己の力不足を恥じるのだ。

 

「っ……う、う……!!」

 

 ……あ、えーと。

 

 そんな泣かれると、少し困るんだけど……

 

 ど、どうしよう。子供の宥め方なんて分からないって。

 こちとら子育てもしたこと無いような敗北者だぞ?

 

 く、くっそ……取り敢えず、なんとか言い包めないと。

 

「よ、弱いって言ってもですね!? 一人で最強にならなくていいんですよ! ハイ!」

「……なに、それ」

「悟くんだけが強くても、できる事には限りがあります。強くなり頼られるようになるのも大事ですが、誰かを頼って、何とかしてもらうのも一つの手です」

 

 自分でも、とにかく必死だった。悟が立ち直るように意識して話なんかできないし、貧弱な一般論しか展開できない。

 

「そんな相手、どこにも……」

「私では、その相手になりませんか」

 

 悟の手を取る。上がった顔に、私はひたすらに訴えかける。

 

「私はずっと、貴方を倒す為に強くなりました。私達で揃えば、きっとどんな困難にも立ち向かえる」

「……オマエは、オマエなんか、ちっとも強くねぇくせに」

「実力なんていつでも見せます。今はただ、私のお願いを聞いてほしい」

 

 自分でも、どうしてここまで必死になっているのかは分からなかった。

 

 倒すべき相手だと、漫然とそう意識していただけなのに。

 

()が悟を守る。悟が()を守る。これで最強です」

「……最強は、一人じゃなくて、いいのか?」

「二人で、最強になればいい」

 

 小指を差し出した。悟は一度もやった事は無いのか、不思議そうにしている。

 お前、お坊ちゃんだもんなぁ。

 

 悟の手を取って、小指を絡めてやる。

 

「……だから約束です。私が、悟くんの支えになります。だから、これからは私を頼って下さい」

「はっ……オマエなんか、頼りにならねぇっつうの」

 

 何だよ、途端に生意気になりやがって。

 ちょっとは素直になれないのか、クソガキめ。

 

 でも、指を振り解こうとはしてこない。

 早くやれ、と言わんばかりの眼差しに、クスッと笑った。

 

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます……」

「はー? 針が千本あっても効かねぇし、ぶん殴った方がいてぇだろ」

「指切りげんまんのげんまんって、拳で一万回殴るって意味ですけど」

「うわ怖、誰だよそんなの考えたヤツ」

 

 元々は遊女さんに由来するそうだが……要らん雑学が役に立った。

 もう二度と活躍しなさそうだ。

 

「ほら、一緒に……」

 

 小気味よく上下に揺らしながら、口を揃えた。

 

「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます」」

 

「……指切った」

 

 これが、どれだけ悟に影響を与えるかは未知数だ。

 

 彼がいつ闇堕ちするとも知らない。

 今回の一件で多少先延ばしにできても、いつかは対立する日が来るだろう。

 

「なんや、悟くんのシミったれたお顔眺めに足運んだっちゅうのに、元気そうやないか」

「うわ、ドブカスくん」

 

 最悪だよお前。

 折角良い所だったのに水差してきやがったな。

 

「式那ちゃ〜ん? キミ毎度毎度俺のこと何だと思っとるん? なあ? 言ってみ?」

「一般ドブカス」

「──死に晒せやガキィ!!」

 

 直哉が突っ込んできたので避けようとしたら、ビターンと床に倒れた。

 隣を見るに、悟が蒼を発動させたのか。ナイスタイミング。

 

「……ったいわクソが、これは俺と式那ちゃんの問題や。首突っ込まんでくれんか、悟くん」

「残念、俺とコイツは縛りを結んだんだよ。俺が式那を、式那が俺を守るっていう縛り」

 

 直哉が目をパチクリ。私も目をパチクリ。

 

 ……あれって縛りの扱いなの?

 

「縛りやって? お前ら、んなけったいな縛り結んだんか?」

「縛りっていうか指切りですけど」

「ハァー……馬鹿ばっかやん。意味分からんわ、アホちゃう?」

「いーんだよ細けぇことは」

 

 もう構うなよ、と悟がひらひら手を振ると、直哉が舌打ちして私達の隣の過ぎていく。

 

「……俺は除け者かいな。ホンマ、アホくさ

「ん?」

「……独り言や。ほな、お邪魔虫は退散させてもらうわ」

 

 直哉の奴、やけに素直に去っていったな。

 なんか怖くなってきた。近日中に禪院家にでもお邪魔してやろうか。

 

 襲撃計画を立てながら、葬式は始まり、しめやかに終わった。

 

 悟と席は離れていたが、時々視線が合った。あの指切りパワーは相当のものだったらしい。

 

 まあ、これで私も力を高める猶予ができた。

 後は、悟の無下限についてよく知らなくては……

 

 

 ○ ✕ △ □

 

 

「よう、一昨日ぶり」

「マジですか」

 

 二人での任務と聞いて来てみれば、まさかの悟くんとの任務だったわ。

 めっちゃ元気そうやん。昨日メール来なかったから、割と心配してたのに。

 

「補助監督さん。今回の標的は────」

「いいだろそんなの、パパっと行ってパパっと倒そうぜ」

「これもパパっと終わらせる為ですよ」

 

 補助監督さんの話を聞くと、この病院内で酷い異臭が漂うようになり、突如囁き声が聞こえるようになったとか。

 

 異臭は手術室の方から漂ってくるものの、そこに入った看護師が叫び声と共に消え、続けて入った関係者も、その後出て来る事は無かったらしい。

 

 手術室は三階の北棟。

 そんなに上じゃなくて助かった。

 

「クソだるいな。全部壊しゃいいだろこんなの」

「病院はできるだけ壊さないで下さいよ」

「メンドクセェ〜」

 

 補助監督さんに帳を下ろしてもらい、病院の中に入る。

 

 すると、空気が変わった。

 濃密な呪力……まるで、腹の中にいる感覚。

 

 一度味わったからこそ分かる違和感。

 

「……生得領域かよ」

「最低でも一級……特級も有り得ますね」

「まあ倒すんならどうでもいいや」

 

 コイツ、余裕しかないってか。

 流石にそこまで油断されると、こっちが不安なんだよ。

 

「悟くん、もっと緊張感持てません?」

「んな尻込みしなくていいだろ。俺とお前で最強なんだろ?」

「それはベストな状態においてですよ。そうでなければ負ける可能性が増えます」

「それ最強って言わなくね?」

「最強が斃れる瞬間はいつも、油断や慢心が原因なんですよ」

 

 DI○然り、英雄王然り。

 最強最強と言われながら死ぬラスボスは、いつもそんなしょうもない理由で死ぬ。

 

 五条悟が死ぬ時が来るとすれば、それは一瞬の油断が命取りになった結果だろう────

 

「──コロシテぇぇェエエエ!!!」

 

 悟の背後に呪霊……! コイツ、天井から這ってきたな。

 

 二メートル近い、棒の様な人型が細い腕を悟に突き出した。

 

 ……しかし、悟には決して当たらない。

 

 そこに、無限がある限りは。

 

「……あ、呪霊じゃん」

「コロシ……コロシテぇ……」

「勝手に死んでろバーカ」

 

 悟が指をひょいと振れば、呪霊の身体が捩じ切れて霧散した。

 

 ……うっわ、えげつねぇ。

 

 蒼の応用なんだろうが、やられたくない攻撃No.1だわ。

 

 割とドン引きしていると、悟がドヤ顔を決めた。

 

「言ったろ、俺最強だって」

「私と悟くんで最強です。そんなザコでイキらないで下さい」

「うわ、嫌なヤツ〜」

「悟くんには言われたくないんですが」

 

 先行きが明るいんだか暗いんだか。

 無下限の無法ぶりは健在で良かったけども。

 

「……置いてくぞー」

「はいはい、今行きます」

 

 頼もしさと何とも言えない不安を抱えて、悟の後に付いていった。

 

 




アンケートで五条が一位ってのはスゲーよくわかる、if√のメインヒロインだからな……(ギア○チョ)

だが現時点で歌姫が二位ってどういうことだぁ〜〜〜〜っ!?
まだ一度も出てねぇっつーの!!(迫真)

舐めやがって、お前らノンケかよぉ!!(唐突)
超イラつくぜぇ〜っ!! そんなに高専編書いてほしいなら書いてやるぜチクショ──ッ!!(フラグ)









番外編書きます(え

攻略したい子を選んでねっ♡

  • 王道?:五条悟
  • 邪道:禪院直哉
  • 外道:夏油傑
  • 覇道:羂索
  • 非道:宿儺
  • 寡夫:伏黒甚爾
  • 百合:庵歌姫
  • 呪霊:真人
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